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  • date:2016.11.14
  • author:中橋 由香

勝ち抜くための中小企業セミナー

企業家的な思考が成長の鍵 大阪経済大学「勝ち抜くための中小企業セミナー」レポート

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景気が良くなっているとは耳にするものの、大企業はまだしも、私のように中小企業に勤めるものとしては、いまいち実感がわきません。
そんななか、中小企業分野の研究に強い大阪経済大学北浜社会人大学院が「勝ち抜くための中小企業セミナー」を全3回で開催していると知り、参加させていただきました。

大阪経済大学 江島由裕教授

大阪経済大学 江島由裕教授

今回参加したのは1回目のセミナーで、「何が中小企業の明暗を分けるのか」がテーマです。
登壇したのは、大阪経済大学経営学部の江島由裕教授。成長する中小企業の戦略と組織のマネジメントプロセスを焦点に、企業活動について研究されています。

 

同じ思いを抱えている方が多いのが、会場は満員。急遽椅子が追加されていたりと大盛況でした。

 

当日の会場内の様子。壁に沿って追加椅子が用意されるなど、かなり盛況

当日の会場内の様子。壁に沿って追加椅子が用意されるなど、かなり盛況

苦難が続く中小企業を取り巻く現状

中小企業の成長が今回のテーマですが、成長についての話に入る前に、今の中小企業を取り巻く環境についてからレクチャーがスタートしました。

 

企業の倒産件数そのものは、実は2008年のリーマンショック後減少傾向にあるそうですが、倒産件数に反映されない休廃業や解散など、業務停止企業数は今なお高水準なようです。2015年には倒産件数の、なんと約3倍の企業が業務停止の道を選んでいるようで、中小企業に厳しい状況が続いていることがわかります。

 

休廃業・解散件数、倒産件数の推移 「2016年版中小企業白書(中小企業省)」第1部第2章より

休廃業・解散件数、倒産件数の推移 「2016年版中小企業白書(中小企業省)」第1部第2章より

 

「中小企業が今も厳しい状態にあるのは間違いない」と江島教授。また、経営者トップの高齢化が進んでいることも見逃せないポイントで、江島教授が言うには、これは会社にリスクを抱えている状態に他ならないのだといいます。

 

「中小企業には開業・生存・成長の3つの苦しみがあります。起業3年目までに生き残る企業は約4割。4年を過ぎると9割が生き残るといわれています。開業のハードルもさほど低くないので開業数が増えず、先ほどの高水準の業務停止数と相まって、結果として企業は減ってきている」のだそうです。

 

もちろん、この厳しい状況下でも成長し続けている企業もあります。
しかし、10期連続黒字の中小企業は全体の約40%にあたる8,000社弱、さらにその中でも10期連続増益し続けている企業は20社程度というから驚きです。

 

また、成長する企業と衰退する企業はグラデーションになっているのではなく、二極化してきているといいます。

 

経営資源と事業環境をどう認識するかが成長企業のポイント

では、中小企業の成長の明暗はどこで分かれるのでしょうか。
成長する中小企業のポイントは、経営資源と事業環境の認識の2つだと江島教授は言います。

 

とくに重要なのが経営資源です。なかでも「経路依存性」に基づいた無形の資産が重要なのだそう。ここでの「経路依存性」とは、その企業が培ってきた歴史ごと同じことをしなければ模倣できない技術などを指します。
また、その無形資産を個人ではなく組織としてもっていることも大切です。「資産を個人ではなく組織で保有することで、組織として適切にその資源を活用して新しい価値がどんどん生み出される可能性がある」と江島教授。

 

もうひとつの重要なポイントは、事業環境の認識です。
人はうまくいかない原因を外的要因に探しがちです。しかし江島教授によると、「不景気などの外的要因は基本的にすべての企業に公平に与えられているはずのものです。しかし、それをどのように認識・解釈するかは人それぞれで、実は市場ではなく、それをどう認識しているかに原因がある」のだそう。
その環境において今自分が所属する企業がどのような立ち位置にあるのか、主観ではなく客観的に判断することが重要なのかなと感じました。

 

成長する企業になるために必要な3つの変化

では、企業が持っている経営資源や立ち位置について知った後、どのように行動すればいいのか。伸びている企業に共通しているのは、企業家的な志向性(EO:Entrepreneurial Orientation)の強さ。これが強いと伸びる傾向があるようです。
企家的な志向性とは、先駆的・能動的な行動姿勢、革新性、リスクを取る姿勢といった、企業家の行動特性のこと。なんとなく感じてはいましたが、やはり攻めの姿勢というのは重要なんだと再認識しました。

 

ではこの志向性のもと、具体的にどのように行動すればいいのでしょうか。
鍵となるのは3つの変化だそうです。

 

3つの鍵

 

「1つは環境認識を変えること。環境のせいにするのではなく、主体的に選択していくこと。2つめは組織で、自己改革のサイクルづくりや、いい意味で組織にカオスを作ること。そして3つめは許容範囲内でリスクを取っていくこと。攻撃は最大の防御となります」と江島教授。

 

とくに印象的だったのは、許容範囲内でリスクを選択していくということ。先を行き、リターンのためにリスクを取ることは重要だそうですが、とにかくリスクを恐れず前へ前へと進むべきというより、企業のもつ許容範囲も考えた上で、「リスクと向き合い、時と場合によってEOを使い分けていくことが必要」と江島教授。

 

今回中小企業の経営に関わる参加者の方も多く、セミナー中は皆さん真剣に耳を傾けていました。
また、参加者の方にお話を伺ったところ、「中小企業経営に大切なことは何かを知れてよかった」という感想をいただきました。

 

このような経営についてのセミナーの参加は初めてでしたが、企業家的な考え方の重要性など、なんとなく感じていることをさまざまなデータに裏打ちされた学問として読み解かれることで、理論としてしっかり理解することができたのは大きな成果だと感じました。


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