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東大×くろぎ 和菓子の未来をきいてみよう。【後編】

2015年7月6日 / 話題のスポット, 大学を楽しもう

ライブ感のある新しい和菓子屋へ。

前回は和菓子と珈琲を合わせるという挑戦について伺いました。今回はこれからの和菓子屋さんのあり方についてお話をしていただきます。

ほとゼロ:私のように和菓子に馴染みのない方もいると思うんですけど、どういうこと感じたり楽しんでほしいですか?

森藤:まだ知名度低いので、近所の方が散歩でふらっと入ってきて何屋さんですか?と聞かれることが多いです。看板しかないので、ちょっと分かりにくいですよね。

ほとゼロ:食べものかな…?みたいな(実際に私も通り過ぎました)

森藤:そうですね。ごはんあるんですか?って聞かれると、ごめんなさい、和菓子と珈琲なんです、とお答えしていますが、そもそも、昔の茶屋ってそういうもので、たまたま散歩で通って茶屋があったから、ちょっと休んでいこうというものでした。だから最初はそういう気持ちで入ってもらって、あとは用途用途に合わせていただければうれしいです。

ほとゼロ:そうですね。

森藤何屋かも分かんないのに入ってみよう、という気持ちを持ってもらいたいなと、看板がないことはポイントになっています。

ほとゼロ:好奇心から入るって素敵ですよね。建物もきれいなので、気になって通り過ぎたけど戻ってくる人いると思います。

森藤:そういう方もいらっしゃいます(笑)。入口あたりでゆっくり歩いて来て、僕らも興味あるんだなって見て分かるので、メニューを持って説明しに行くと入ってくださいます。最後のあと一歩は僕らで作ってあげなくてはと心がけています。

ほとゼロ:ガラス張りだから、目とか合ってにこってされたら…。

森藤:そうなんです。フルオープンのガラス張りですべてが見えてってなるともう、目線で分かり合えるというかコミュニケーションは取りやすいお店かもしれないです。

ほとゼロ:良いですね。和菓子で新しいチャレンジされてる中で、これからどういうことをしていきたいですか?

森藤:やっぱり、和菓子がもっと若い世代の方に認知されてほしいです。というのは個人的な思いなんですけど、僕は福島の生まれで小さい頃、上生菓子とか練り切り菓子って…。

ほとゼロ:どうしていいかわからない?

森藤:いや、、おいしいと感じませんでした。

ほとゼロ:おお…(いいのかな)。

森藤:よくおばあちゃんとか買ってくるじゃないですか。でも小さい頃の印象でおいしいと思ったことがありませんでした。今思うと、スーパーで売っているのって、ビジネス化された和菓子なんです。うちの店で出している本わらび粉を使ったわらびもちは賞味期限でいうと30分ぐらいです。

ほとゼロ:すごい。

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森藤:じゃないと水を吸っておいしくなくなっちゃうんですよ。コンビニで売っていたりするのは全然別物の名前だけわらびもちです。時代的に本来あるべき味が失われているんですよね。

ほとゼロ:はい。

森藤:なので大事なのは、和菓子職人にスポットを当てていく中で、商業化されすぎている和菓子の排除ではなく、それ以上に目立つライブ感や臨場感ある和菓子を作り続けなければならないというところなのかなと思っています。だからこそ、日本一の東大にある意味があります。やっぱり東大のみなさんは日本を代表して羽ばたいていくような人ばかりだと思うんですけど、そういう人たちがうちで本物を食べていくことで、将来コンビニのわらびもちが本当に変わっていくかもしれません。

ほとゼロ:なるほど。今、ライブ感という言葉が出てきてとてもいいなと思いました。音楽とかも近ければ近いものほど、最近では求められていると感じますが、確かに和菓子は遠く感じます…

森藤:その点、パティシエは作っている姿もカッコよく見せたりするのが上手だと思います。そういう姿を和菓子の世界にもあるといいなとは感じます。

ほとゼロ:見せない美徳とか文化もありそうですね。

森藤:それはあると思います。でも、注文が入ってから全部つくるのは、やっぱりお客さんが見ていて楽しいですよね。目の前で作ってお客さんが覗いているときには、無理をしてでも見せてあげたいと思います。体験学習しているような臨場感やライブ感はコミュニケーションの場にもなり、とても大事なものです。この店もスタッフ4、5人いるんですけど、全員ホールに出て話していたりします(笑)。

ほとゼロ:東大生との思わぬコラボが生まれるかもしれませんね。今日はお話をしていただいてありがとうございました。

(食レポへつづきます。裏メニューも2点ご紹介します)

東大×くろぎ 和菓子の未来をきいてみよう。【前編】

2015年7月3日 / 話題のスポット, 大学を楽しもう

近ごろ大学内に併設されるカフェやレストランに、こだわりのお店が増えてきました。
今回はオープンして1年になる、東京大学内にある「廚 菓子 くろぎ」へ。湯島にある本家の日本料理店「くろぎ」は、今予約の取れないお店のひとつです。そんな名店がなぜ東京大学に和菓子店を開くことになったのか。
「廚 菓子 くろぎ」を立ち上げた事業総括の森藤さんにお話を伺いました。東大生と和菓子の意外な関係や、日本の伝統文化や和菓子に対する思いやこれからについて、わくわくするお話をどうぞお楽しみください。

日本一の大学に、日本一の和菓子店を。

ほとゼロ:今日はよろしくおねがいします。東京大学に和菓子屋さんができたということで、いろいろお話がきけたらと思っています。

森藤:こちらこそよろしくお願いします。

ほとゼロ:森藤さんは立ち上げからこのお店にいらっしゃるのですか?

森藤:僕自身はもともと黒木について本店に立ってきましたが、湯島のお店からこちらに来て立ち上げをして、1年前にオープンしました。

ほとゼロ:1年前と今でお店は変わりましたか?

森藤:そうですね。やっぱり、小さな1店舗しかない料理屋さんなので、そこから新しくお店をはじめるのは結構体力のいることだったのですが、やっと1年経って落ち着いてきたのかなと思います。当初と今では盛り付けが多少なり違っていたり、どうすれば食べやすくなるかを試行錯誤しているので、成長していっているなというのはすごく感じますね。

「葛きりセット」(1950円税込)

「葛きりセット」(1950円税込)

 

ほとゼロ:そうなんですね。この店舗自体も新しく作ったんですか?

森藤:この店舗がある東京大学大学院 情報学環 ダイワユビキタス学術研究館は2014年5月にオープンしました。これは東京大学さんとダイワハウスさん、設計が隈研吾さん。その3者の取り組みで作られました。

ほとゼロ:なぜ和菓子屋さんに?

森藤:オープン前の年に和食が無形文化遺産になったんです。和食ってひとくくりにしていますが、たとえばフレンチなどでは、パティシエって言葉がすごく出回ってますよね。あれはフレンチのデザート部門をパティシエと呼んでいたものが独立したものです。和食が無形文化遺産になったのに、和菓子職人ってそこまでスポットを浴びていないように感じました。だったら僕らで和菓子を東大生に知ってもらい、未来につながればいいのではないかというところから和菓子に決めました。

ほとゼロ:なるほど。ふつうの和菓子店と違うところはありますか?

森藤:やっぱり練り切りのお菓子がきれいに陳列されているイメージがあると思うんですけど、あれはやっぱり和菓子屋さんの和菓子であって、僕らがやっているのは料理屋の和菓子だと思っています。

ほとゼロ:というと?

森藤:葛きりとかわらびもちっていうのは出来たてじゃないとおいしくないし、出来たてじゃないと出せません。本家のくろぎでコース料理の最後に出てくるのがこの葛きりなんですね。その葛きりは消化剤にもなるので、最後に食べることに意味があります。そういう料理屋の和菓子なんです。

ほとゼロ:なるほど。

森藤:味も甘いだけじゃなくて、引き立てるために少し醬油や食塩を入れたりしています。和菓子屋さんの和菓子らしい和菓子ではなく、料理屋のやる和菓子っていうのはコンセプトにあります。

スカイツリーはマクロスのメッカ!? 千葉工業大学へ、ロボットと宇宙の未来体験に行こう!

2015年6月5日 / 話題のスポット, 大学を楽しもう

世界一の電波塔として有名な東京スカイツリー。観光で行ったことのある方も多いのでは?今回はスカイツリーの中にある隠れおもしろスポット、千葉工業大学東京スカイツリータウン®キャンパスをご紹介します!

634mはやっぱりデカい!

634mはやっぱりデカい!

 

キャンパスは、押上駅側の東京スカイツリータウンの中、イーストヤード8Fにあります。同じ階にはドームガーデンという広場もあるので、これからの季節、お昼を食べたりするのもよさそう。キャンパスはエレベーターを降りて左手。パッと見た雰囲気はキャンパスというより美術館や博物館のブースのよう。近づくとガラスの入口からちらっと見えるロボットが、早くも興味をそそります!

今回は千葉工業大学 東京スカイツリータウン®キャンパスの担当職員である大谷勝久さんに案内していただきました。普段もいらっしゃるので、声をかけると展示の説明をしてもらえるはず。説明してくれる人の中には現役の学生さんもいるんですよ。

キャンパスはAreaⅠ、AreaⅡに分かれていて、それぞれⅠはロボット、Ⅱは宇宙がテーマになっています。どんなロボットがいるのでしょうか・・・ワクワクします!
では、早速!AreaⅠ入ってすぐに出迎えてくれるのはこちら。先ほどちらっと見えていたロボットです。

レスキューロボット sakura

レスキューロボット sakura

 

こちらのsakuraはかなりの実力派で、東日本大震災の現場で活躍したQuince(クインス)→Rose mary(ローズマリー)の後継機です。震災直後、福島第一原発に投入した国産ロボット第一号です。

ちなみにレスキューロボットはsakuraやRose maryなど花の名前が付けられています。通常、ロボットは完成したら送り出すだけ。もう会えないからせめて名前だけでもつけてあげようとはじめたそうです。作るのに半年かかるので、見送るころにはやっぱり愛着が湧くそうです。早くも感動する良いお話…。

続いては、趣向を変えてこちら!超巨大ロボティックスクリーン!簡単にいうと、飛んでくる球をよけるゲームです。まず、センサーの前に立つと壁一面に広がるスクリーンに投影されている散らばっているキューブが人の形にきゅっと集まります。そのキューブは自分の動きに合わせて動くので、飛んでくる球体をよけていきます。これはめちゃめちゃおもしろいです!幼稚園ぐらいのこども達が夢中で遊んでました。(土日しかできないので、ご注意ください。)

私を投影したキューブ

私を投影したキューブ

がんばってよけます。上下と遠近両方考えながらよけないと…

がんばってよけます。上下と遠近両方考えながらよけないと…

 

 

ガシャーン!

ガシャーン!

派手に壊れるので割とショックを受けます(笑)。しばらくすると、またキューブが人型になるので、何度でも遊べます。テクノロジーを感じられる遊びなんてそんなにないので、興奮します!

続いては、エリアⅡの宇宙ゾーンへ!こちらの目玉はなんといっても、マクロス!海外のマクロスファンの方々はスカイツリーについてすぐ、ここに来るそうです。むこうでとても有名なんだとか。

実物大で、今後動くようになるかも…

実物大で、今後動くようになるかも…

 

なぜキャンパスにマクロスかというと、千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター所長の古田貴之さんがマクロスのファーストシリーズをリアルタイムで見ていて、ロボットの道へ進んだ大ファンなんだそう。この時の「意味のある変形をするロボットを作りたい」というスタイルが、現在自身の開発に活かされています。すごい!本体部分はF1で使われる強化プラスチックを使用するなど凝っています。

さらにバルキリーをデザインした河森正治さんの直筆イラストが描かれた柱が!

エントランスすぐの右側

エントランスすぐの右側

他にもまだまだおもしろい展示や体験できるブースがあるので、ぜひ行ってみてくださいね。もちろん無料です!リピーター率がとても高いのも納得でした。

このように最先端技術を惜しみなく紹介してくれている、スカイツリータウンキャンパス。どのような思いから作られたのでしょうか?
大谷さんにインタビューしました!(2ページ目に続く)

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