ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

本の魅力を伝える帯をつくろう!子どもも大人も夢中になる梅花女子大学の人気ワークショップに参加してみた

2025年8月19日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

夏休みが始まったばかりの7月27日、グランフロント大阪で「本の帯創作コンクール 帯で伝えよう!本のミリョク!」というイベントが開催されました。

 

こちらは、梅花女子大学文化表現学部情報メディア学科の森貴志先生が講師を務めるワークショップです。内容は、朝日新聞大阪本社と大阪読書推進会が主催する第21回大阪こども「本の帯創作コンクール」(※)の課題図書をもとに、参加者がオリジナルの本の帯を制作する、というものです。コンクールに合わせて例年開催されており、小学生以上の子どもはもちろん、大人にも大人気とのこと。課題図書を読んだり、工作したりと、夏休みらしい素敵な体験ができそうです!

※コンクールは全国の小学生が対象で、応募締切は2025年9月3日。詳しくは大阪府書店商業組合のサイトをご覧ください。

 

イベントは13時からスタート。5分前には、約20名の参加者が集まっていました。ちょっと緊張した面持ちの子どももいましたが、期待や楽しみも大きい様子。会場はわくわくしたムードに満ちています。

会場には、「本の帯創作コンクール」過去の受賞作品が展示されていました

帯とは何か? 編集者の経験をもつ森先生が解説

ワークショップは、森先生による「本の帯とは?」というレクチャーから始まりました。

 

編集者として出版社に勤務した経験をもつ森先生は、約20年間に渡って学術書や絵本をつくってこられました。ご自身が手がけた帯や人気作品の帯などをスライドで紹介しながら、帯の基礎知識と帯づくりのポイントを説明されます。

 

帯とは、書店で本を選ぶ人に「読みたい!」と思わせるもの。大まかに分類すると、本の中身をチラッと知らせる「内容紹介型」と、受賞や売上の実績をアピールしたり、著名人による推薦文を載せたりする「権威づけ型」、イラストやキャラクターを使った「デザイン型」の3タイプがあるそうです。

 

帯をつくるにあたって大切なことは、その本を好きになること。そして、書いてある文章、描かれた絵を、隅から隅までよく観察すること。そうして発見した本の魅力を、自分なりの言葉と絵で帯に表現します。より良い帯にするためには、情報を絞ることや、伝えたいことをシンプルに書くことも大事だと、森先生はアドバイスします。

「ターゲットを絞る」「ネタばれは避ける」など、帯づくりのポイントを解説する森先生

司書をめざす学生が、課題図書の読み聞かせを実施

ワークショップで扱う課題図書は、『かいじゅうのすむしま』(谷口智則 作、アリス館)、『このかべどうする?』(二歩 作・絵、くもん出版)、『オバケや』(富安陽子 文、鈴木のりたけ 絵、小学館)、『水のはなし 水をめぐる冒険の旅へ』(オリガ・ファジェーエヴァ 文・絵、横山和江 訳、鈴木出版)の4冊の絵本です。参加者はここから1冊を選び、それぞれのグループに分かれます。筆者は、カラフルな表紙とコミカルな表情のキャラクターに惹かれて、『オバケや』を選択することにしました。

 

『オバケや』グループの席に着くと、梅花女子大学の学生が本の読み聞かせをしてくれました。大きな声ではっきり読み上げ、一人ひとりに絵が見えるように工夫していました。学生の皆さんは、司書課程を履修されているとのこと。読み聞かせの技術を学んでいるのでしょう、すっかり物語に引き込まれました。

丁寧に音読する学生。参加者も熱心に聞き入ります

帯づくり開始!大人も子どもも夢中で作業をする1時間

さて、読み聞かせの後は、いよいよ帯づくりがスタートです!作業時間は約1時間。まずは、白い紙に鉛筆で下書をして、内容が定まったら画材を選んで清書をする流れです。

画用紙、カラーサインペン、色紙など、必要な画材はすべて用意されています

 

意気込んで参加した筆者ですが、いざ紙を前にすると何を書いて良いか分からず、しばらく呆然。そこで、森先生が事前のレクチャーで、「本を読むことで生まれた自分の感情を大切に」「印象的なシーン、好きな人物などに注目して」と言っていたことを思い出します。そのアドバイスを参考に、一番好きなシーンに絞ったことで、何とか鉛筆が動き出しました。

 

一旦作業を始めると、思った以上に夢中になり、気付けば40分ほど経っていました。作業中は先生や学生が会場を巡り、アドバイスや励ましの言葉をかけてくれます。「うまく書けていますね」と言ってもらえると、うまく書けている気分になり、楽しく前向きに取り組むことができました。

作業中の筆者。一番好きなシーンを無我夢中で描いています

 

周囲を見渡すと、子どもはもちろん、筆者と同様に大人の参加者も作業に没頭している姿が印象的でした。隣の人と楽しそうに作品を見せ合う人もいます。一緒に帯づくりをすることで、みんなの心がほぐれて近づいたような気がしました。

子どもたちが自分の作品を発表。大人の作品も力作ぞろい

最後は、参加者の作品発表が行われました。

 

子どもたちの作品は、読者に問いかけるような言葉を使ったり、自分の気持ちをキャッチコピーにしたりと、森先生のアドバイスを素直に受け取って上手に活用したものが多いように思いました。中には、絵本に書かれた難しいメッセージをしっかり読み取り、それを自分の言葉で印象的に表現した作品も。子どもたちの感性や洞察力に感心しました。

筆者の作品。右綴じ・左綴じを間違えてつくったところが自分らしいと思いました

 

イベント終了後、森先生にお話を伺いました。

 

「帯は紙の本ならではのコミュニケーションツールであり、それ自体がひとつのメディアです。何を伝えるべきか、受け取る相手がどう感じるか、よく考えてつくる必要があります」。そう語る先生は、編集者として数多くの帯づくりを担当してこられました。特に絵本の帯をつくる際は、作者の思い、子どもの視点、絵本を選ぶ保護者の考え、購買を促す狙いなど、いろいろな要素を考慮に入れる必要があったといいます。

 

「帯には書籍を売る役割がありますので、ずいぶん悩まされた覚えがあります。ただ、このワークショップでつくる帯は、売上を伸ばすことが目的ではありません。本日参加された皆さんの作品を拝見すると、どれもご自身の気持ちをのびのびと表現しておられて、とても良かったと思います」

情報メディア学科に所属する森先生。担当するゼミでは学生が雑誌の編集にも取り組んでいるとのこと

 

第21回大阪こども「本の帯創作コンクール」の課題図書から帯をつくった今回のイベント。参加者の中には、コンクールに応募するつもりで参加した小学生もいたそうです。

 

「『先生の話を聞いて、帯のつくり方が分かった』と言ってくれたので、私も嬉しかったです」

 

コンクールに興味がある小学生や、本や工作が好きな小学生の皆さん、夏の楽しい課題として、帯づくりに挑戦してみてはいかがですか。紙とペンだけでも取り組める帯づくりは、大人の方にもおすすめです。好きな本を、異なる角度からもう一度楽しむきっかけにもなると思います。

ナマケモノ研究で知られる奈良教育大学 村松大輔先生共同主催 のイベント「ナマケモノフェスティバル in奈良 2025」で、本物のナマケモノを知る。

2025年8月5日 / この研究がスゴい!, 大学の知をのぞく

2025年6月28日(土)と29日(日)の2日間、奈良県にある県営平城宮跡歴史公園天平みつき館で、「ナマケモノフェスティバル in奈良 2025」が開催されました。ナマケモノフェスティバルが奈良で開催されるのは昨年に続いて2回目。主催と運営は、奈良教育大学自然環境教育センター特任准教授の村松大輔先生と、ナマケモノに関するイベント企画や情報発信を行う「ナマケモノ研究所」が務めています。

イベントの内容は、ナマケモノの行動や生態を紹介する展示をはじめ、さまざまな分野のクリエイターによるオリジナルナマケモノグッズの販売、主催者によるトークショーなどもりだくさん。研究者自らが主催・運営するアカデミックなイベントとあって、ナマケモノの魅力をいろいろな角度から知ることができそうです。

2日間で300名以上のナマケモノ愛好家が参加した、イベントの様子をレポートします!

 

ナマケモノ愛にあふれた販売ブース&展示コーナー

現地のレポートを行う前に、主催者の一人である村松先生のご紹介を。

動物行動学が専門の村松先生は、野生のナマケモノを研究しています。アマゾンの生物多様性保全プロジェクトに参加した経験をもち、その際は、アマゾン熱帯林に生息する野生のノドジロミユビナマケモノを24時間体制で観察し、追跡調査を行いました。日本では数少ないナマケモノ研究者の一人として、メディアへの出演経験も豊富です。「ナマケモノに関するアカデミックな知識を多くの人に知ってほしい」という考えから、このイベントに携わっているそうです。

アマゾンで現地調査に入る村松先生(写真提供:村松大輔)

野生のノドジロミユビナマケモノ(写真:村松大輔)

 

取材班がお昼過ぎに到着すると、すでに会場はたくさんの方でにぎわっていました。小さな子どもから年配の方まで、幅広い年齢層の人が集まっている印象です。受付からL字型にずらっと並んでいるのは、作品販売ブース。イラスト、ぬいぐるみ、アクセサリーなど、多種多彩なグッズが並んでいますが、モチーフはほぼすべてナマケモノです。ナマケモノへの愛を作品で表す出展者も、それを買い求める来場者も、みなさん笑顔で幸せそうな空間でした。

ナマケモノをモチーフにしたグッズがところ狭しと並ぶ

 

販売ブースの先にあるのは、さまざまなポスターが掲げられた展示コーナーです。

カラフルで目を引くのは、ナマケモノに関わる豆知識のポスター。「後肢よりも前肢が長い」「毛に藻が生えていることがある」といったナマケモノに関する知識が、シンプルな文章とイラストで紹介されています。複数の作家さんがイラストを担当しているので、作品として鑑賞するのも楽しい掲示です。

イラストでわかりやすく描かれたポスター

 

村松先生が解説してくれたさまざまなナマケモノの知識を作家さんたちに提示し、描きたいものを選んでイラスト化したそうです。作家さんたちとのコラボレーションともいえるポスターについて、村松先生は次のように話します。

「豆知識に合わせた絵が見せられるという点で、やはりイラストは強いですね。ナマケモノは丸くなったままほとんど動かない動物なので、このような企画に合う写真はなかなか用意できません。作家さんたちのイラストのおかげで、分かりやすい内容になったと思います」。

豆知識のポスターは展示コーナーでも一番人気。熱心に眺める子どもや、写真を撮る人の姿がたくさん見られました。

 

このほか、村松先生の研究を紹介した「ノドジロミユビナマケモノの生活」や「野生ナマケモノの省エネ戦略」のポスター、生態や文化など、ナマケモノに関するさまざまな問題を解いていく「ナマケモノ共通テスト2025」のポスターも掲示されていました。

初心者からマニアまで、いろいろな方が楽しめるコーナーでした。

村松先生自らレクチャーしてくださる姿も!

 

主催者によるトークショーでは、聴講者から質問が続出!

14時からは、村松先生とナマケモノ研究所のハチ川所長による「はじめてでもわかるナマトーク」が開催されました。5分前になると、トークスペースに老若男女の聴講者がどんどん集まり、補助いすが出るほど盛況に。Xで「ただのなまけもの」というイラストを毎日更新しているイラストレーターの「とりあたま」さんも飛び入りで登壇し、3人によるトークショーが始まりました。

トークショーは、オンラインでもライブ配信。写真左から、とりあたまさん 、村松先生、ナマケモノ研究所のハチ川所長

 

◇まずはナマケモノの基礎知識を紹介。

「はじめてでもわかる」というイベント名に沿って、まずはナマケモノの基礎知識が紹介されました。

ナマケモノには、前肢に2本の爪をもつフタユビナマケモノ科と、3本の爪をもつミユビナマケモノ科があること。フタユビナマケモノも後肢の爪は3本であること。

ミユビナマケモノ科には、ノドチャミユビナマケモノのほか、喉が白いノドジロミユビナマケモノ、体が小さなヒメミユビナマケモノ、タテガミのような黒い毛が生えているタテガミナマケモノの4種がいること。

フタユビナマケモノ科には、日本の動物園で見られるフタユビナマケモノと、全体に色が薄めでクリーム色の爪をもつホフマンナマケモノの2種類がいることなどが説明されました。

3人によると、「タテガミナマケモノを知っていたらマニアかも」とのこと。他のミユビナマケモノにはない肉球をもっていたり、逆に、他のミユビナマケモノのオスにはあるスペキュラムという背中の模様がなかったりと、少し変わった種だそうです。ココナッツのような頭も独特で、たしかに他のナマケモノとは雰囲気が違うかも。「市販のグッズでタテガミナマケモノは見たことがない」とのことでした。

 

ナマケモノの基本を解説した後は、質問コーナーへ。前回のイベントで好評だったということで、たっぷり時間が設けられていました。次々に挙がった質問の中から、いくつかをピックアップして紹介します。

 

◇質問1:木にぶら下がる姿が印象的なナマケモノ。木の摩擦で、爪が削れたり薄くなったりしないのでしょうか?

村松先生「ナマケモノが木にぶら下がる姿を描いたイラストは多いのですが、実は、彼らはほとんど木にぶら下がりません。1日の約8割をじっと座って過ごしているので、ぶら下がるシーンは珍しいぐらいです。だから、長時間ぶら下がることによる摩擦で爪が削られることはないと思います。ただし、爪の先が何かにぶつかって薄く剥がれることはあります」

 

◇質問2:ブラジルへ行く以外に、ミユビナマケモノに会う方法はありますか?

村松先生「たしかに、今の日本でミユビナマケモノに会うことはできません。ただし、ミユビナマケモノは中南米の広い地域に分布しているので、生息地へ行けば割と簡単に会えると思いますよ。日本から近い地域でいうと、たとえばコスタリカとか。片道1日半ぐらいかかりそうなので、そんなに近くないかもしれませんが……(笑)。ところで、日本国内でミユビナマケモノを飼育しようとしたことは、過去に何度かあるようです。ただし、残念ながらいずれもすぐ亡くなってしまったそうです。ミユビナマケモノの飼育は難しく、彼らが生息していない地域では、いまだに飼育に成功した例がありません。『食べられるものが限られているからではないか』『体に生える藻に秘密があるのではないか』と考える人もいますが、いずれも証明されているわけではなく、理由は分かっていません」

 

◇質問3:ナマケモノのことを調べたいと思ったのですが、参考書が少なくてびっくりしました。インターネットで検索しても、間違った情報を掲載しているサイトが多く……。正しい情報を集める方法はありますか?

村松先生「私の場合は、学術文献に特化した検索エンジンGoogle Scholarを利用することが多いです。100%信用できるわけではないですが、英語の論文は比較的正しい情報が多いように思います。科学雑誌の情報も、ある程度は信用できるでしょう。ただ、いずれも専門的な内容ですから、気後れする方もいるかもしれませんね。もう少し気軽に情報収集ができたら良いのですが……。そういう方のためにも、今回のイベントがお役に立てればと考えています。誰でも気軽に参加できる場で、ナマケモノの正しい知識を楽しく学んでいただければ嬉しいです」

 

約1時間の質問コーナーは大盛り上がり。子どもから大人まで、たくさんの聴講者が手を挙げて質問を投げかけていました。トークショーは15時半に一旦終了。イベント閉場後の17時からはナマケモノファンどうしが交流を行う時間も設けられていました。

質問コーナーでは、大人から子どもまでたくさんの手が挙がる

 

ナマケモノの魅力と正しい知識を、もっと多くの人に

ポスター展示とトークショーで、ナマケモノに関する幅広い知識を吸収することができました。同時に、日本ではナマケモノを正しく知る機会が少ないという事実も知ることができました。会場内を歩く村松先生をつかまえて、熱心に質問する人たちの姿が印象に残っています。「もっとナマケモノを知りたい!」という意欲を感じました。

研究者やマニアの心をつかみ、作家の創作意欲を刺激する、魅力でいっぱいのナマケモノ。今後はファンがさらに増えていきそうです。それに応じて、ナマケモノの勉強や研究ができる機会も、もっと増えていくことを期待しています。

 

☆もっとナマケモノについて知りたい方は、

ほとんど0円大学編集部が編集・構成した『先生! なぜその生きものに惚れたんですか? 生物学者10人の研究ものがたり』(玄光社発行)をぜひ手に取ってみてください。

8月26日発売、ただいま絶賛予約受付中です! 村松先生の研究に迫ったインタビューも掲載されています!

 

☆東京でも「ナマケモノフェスティバル 2025」を開催決定!

「ナマケモノフェスティバル 2025」
【日時】2025年9月22日(月)12:30~18:00、23日(火・祝)10:30~16:00
【会場】綿商会館 6F(東京都中央区日本橋富沢町8-10)
【入場料】600円(小学生以下は無料)
https://x.com/namafes_yeah

 

文学作品を題材に、機械と人間の翻訳力を比較。外国語文学の「解釈」について考える、龍谷大学のオンライン講座

2025年7月24日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

海外の人とコミュニケーションをするときに便利な機械翻訳。道をたずねるときなど、簡単なやり取りなら問題なく成立させてくれます。でも、これが文学作品ならどうでしょう。芸術でもある文学は、機械ではさすがに訳せない気がします。それとも、進化した今の機械翻訳なら、名翻訳家のように巧みに作品を訳してしまうのでしょうか。

 

そんな興味に応えてくれそうな講座が、龍谷大学の「文学部コモンズカフェ」で開かれました。
大学のお昼休みの約30分を活用した同イベントでは、研究者が研究の内容をわかりやすく解説する講座が行われます。第26回となる今回のテーマは、「機械翻訳は外国文学理解の夢を見るか?-文学「解釈」の可能性-」。文学部英語英米文学科の三宅一平先生が講師を務めます。一般の人もオンラインで参加可能とのことで、申し込みをして聴講しました。

機械翻訳をした場合、どこまで解釈が反映されるか、または解釈が可能になるかが今回のテーマ(講義スライドより)

ヴォネガットのSF短編『Harrison Bergeron』を題材に

三宅先生の専門領域は、現代アメリカ文学とオーストラリア文学。なかでも、ドイツ系アメリカ人カート・ヴォネガットの作品を研究しています。

 

ヴォネガットは、戦後アメリカを代表する作家のひとり。代表作に、宇宙を舞台にした『タイタンの妖女』や、第二次世界大戦で捕虜になった経験を基にした『スローターハウス5』などがあります。

 

今回の講座の題材は、彼の短編『Harrison Bergeron』です。ここで、同作品の内容を簡単に紹介しましょう。舞台は2081年のアメリカです。そこは、完全な平等が実現された管理社会。優れた人には優れた部分を打ち消すものを身につけさせるというディストピアが描かれています。例えば、賢い人は思考を乱す音が流れるイヤホンをつけ、美しい人は醜いマスクをつけ、運動能力が高い人は重しをつけて暮らすことで“完全な平等”が達成されています。主人公のハリスン・バージェロンは、賢くて美しくて運動能力が高い少年。優れた人であるゆえに、さまざまな負荷を課せられています。

3種のサービスを活用。同じ一文でも、翻訳結果はそれぞれ

三宅先生は、まず作品の中から、物語の序盤にある以下の文章を抜粋して取り上げ、3種のサービスを使って翻訳の比較を行いました。

“They were burdened with sash-weights and bags of birdshot.”

 

ちなみに、単語の意味は:
“burden”=(荷を)負わせる
“sash-weights”=(上げ下げ窓の)窓枠分銅
“birdshot”=猟鳥用の散弾
……です。また、ここでのTheyは負荷を課せられている人々を指しています。

 

活用するサービスは、定番の機械翻訳サービス「Google翻訳」と、翻訳の精度が高いといわれる「DeepL」、それから、翻訳ソフトではありませんが、対話型人工知能の「ChatGPT」です。

----------------------------------------------------------

◇ Google翻訳

「彼らは重りと散弾の袋を背負っていた。」
シンプルで分かりやすい文ですね。

 

----------------------------------------------------------

◇ DeepL

「彼らはサッシュウェイトと鳥銃弾の入った袋を背負っていた。」
「彼らはサッシュウェイトと鳥銃弾の袋を背負っていた。」
「彼らはサッシュウェイトと鳥銃弾の入ったバッグを背負っていた。」
「サッシュウェイトと鳥銃弾の入った袋を背負わされた。」

 

4つの案が出力されました。いずれも、sash-weightsをそのまま「サッシュウェイト」とカタカナで表しています。三宅先生は、「DeepLがsash-weightsの意味を学習していなかったのではないか」と指摘します。

 

一方、Google翻訳では単に「散弾」と訳されたbirdshotが、こちらでは「鳥銃弾」と訳されています。馴染みのある言葉ではないかもしれませんが、「『鳥』の意味をしっかり伝えているところが特徴」と、三宅先生は言います。

 

また、動詞を原文の通り「背負わされた」と受動態で訳した案や、主語を省いて訳した案が提示されている点もポイント。日本語として自然な表現を、複数の案から選択できるようにしていることが分かります。

 

----------------------------------------------------------

◇ ChatGPT

前後のシーンを簡単に説明したうえで、翻訳するよう求めると、以下の文が出力されました。
「彼女たちは窓枠の重りと、小さな鉛玉(バードショット)の入った袋を抱えていた。」

上の翻訳文と一緒に、sash-weightsや bags of birdshotとは何かを説明する注釈も提示されました。

 

翻訳結果としては、Google翻訳とDeepLでは「背負っていた(背負わされた)」と訳されていたburdenが、ここでは「抱えていた」と訳されている点が特徴であるとのこと。burdenは、心や体への重荷を表す言葉で、背中に負うことを限定してはいません。三宅先生は「bags of birdshotのbags(複数の袋)に注目すれば、背負うよりも抱える方が自然である可能性があります」という考えを示しました。

文学作品の解釈ができる人間。その翻訳結果は……

三者三様の翻訳が出揃ったところで、「ここからは、作品の解釈という視点で文章を読んでみましょう」と三宅先生。

 

物語の終盤で、ハリスン・バージェロンはテレビ番組のスタジオでクーデターのようなものを起こし、自らに課せられた数々の負荷を引きちぎります。そうして自由になったハリスンは、自分の妻とした女性とともに、その場で宙に浮き上がります。しかし、浮き上がって天井にキスをしたところで、駆け付けた統治者側の人間に撃ち落とされ、2人は死んでしまいます。

 

この流れを念頭に置きながら、まずはsash-weightsについて考えていきます。

“They were burdened with sash-weights and bags of birdshot.”

 

窓枠分銅であるsash-weightsは、重たい窓の上げ下げを楽にする道具です。なので、「これは優れた人々に課された負荷を表していながら、同時に、重い負荷からの解放も表している可能性があります」と三宅先生。


さらに、窓は外界が見えるものであり、外界との障壁にもなるものです。「窓を開ける分銅を持たされている人々は、外界に飛び出す希望を持たされている、と解釈することもできます」とも指摘していました。

 

次はbirdshotです。
負荷から解放されたハリスンは、結局は銃で撃たれてしまいます。birdshotは、自由を制限する重しであり、自由を求める人を撃ち殺す道具でもあるわけです。「そう考えると、自由を求めて鳥のように浮かんだハリスンが、最後に撃ち落とされてしまう結末は、初めから暗示されていたのかもしれません」と、三宅先生は言います。

 

以上のことを考慮すると、sash-weightsやbirdshotを単に「重り」や「散弾」と訳すのは、ちょっと簡単すぎる気がします。sashやbirdのイメージをもう少し明確に伝えなければ、物語を深く理解することができなくなるかもしれませんね。

物語全体のテーマと照らし合わせた解釈を深めることで、訳出も変わることがわかる(講義スライドより)

 

さて、これらの解釈を踏まえて、三宅先生は、以下のように翻訳しました。

 

「彼らは、窓枠分銅と、鳥撃ち用の鉛弾の詰まった袋を身につけさせられていた。」

 

機械翻訳と大きく異なるわけではありませんが、窓や鳥などのキーワードがきちんと盛り込まれていますね。

 

ただし、こちらは三宅先生の解釈に基づく翻訳です。「人によっては異なる解釈をするかもしれないし、そもそもヴォネガットはそこまで考えていなかったかもしれません」とのこと。翻訳文の正解を導き出すことは、どうやら機械にも人間にも難しいようです。一筋縄ではいかない文学の世界ですが、それでも、「解釈こそが文学の楽しみではないか」と、三宅先生は言います。

 

世の中には、「機械翻訳があれば、原文を読む必要はない」という人もいます。でも、一つひとつの単語の意味を考えたり、文章から作家の意図を探したりして、作品をあれこれ解釈していくおもしろさは、機械が翻訳した文章では味わえないかもしれません。文学を読み解く楽しみを体験するには、やはり自ら原文に当たる必要がありそうです。

 

とは言え、知らない外国語で書かれた作品であれば、そもそも原文を読むことはできません。海外の文学作品を解釈する楽しみは、結局は、その言語を習得した人しか味わえないのでしょうか。

 

ここで、三宅先生はひとつのアイデアを提示します。今回、3種の翻訳サービスを比較してみて、それぞれが異なる特徴をもっていることがわかりました。「もしかしたら、複数の高性能な機械翻訳を駆使することで、原文の意味に肉薄していくことができるかもしれません」。

 

講座は「機械翻訳は外国文学理解の夢を見るか?」というタイトルでスタートしましたが、最後は「(我々人間は)機械翻訳に外国文学理解の夢を見るか?」というテーマで締めくくられました。

 

どんなに機械翻訳が進化しても、自ら原文を読んで解釈する楽しみは変わらないこと。また、機械翻訳が進化することで、知らない言語で書かれた文学作品を解釈して楽しむ可能性が生まれること。2つの希望が感じられる講座でした。

版画家のこだわりとコレクターの愛が凝縮された小さな紙片。関西学院大学博物館「カラフル!日本の蔵書票展」を訪問

2025年7月8日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

蔵書票をご存知でしょうか。その名前から想像のとおり書籍に関するものなのですが、本の持ち主を示すために、本の見返しに貼りつける小さな紙片を蔵書票といいます。持ち主の名前や、その人を表す言葉などを入れることが一般的ですが、中には凝ったデザインが施されたものもあります。そんな蔵書票を集めた企画展「カラフル!日本の蔵書票 -技ひかる小版画の世界-」が関西学院大学博物館で開催中と聞き訪問。関西学院大学大学院で研究を行いつつ、展示の企画を担当した深谷佳那さんに話を聞きながら、個性豊かな作品の数々を鑑賞しました。蔵書票がもつ多彩な魅力をご紹介します。

※展示の一部は前期・後期で入れ替えあり。取材・撮影は前期に実施

清水洋子による蔵書票。左の「桜草」(1984年)、右の「水仙」はいずれも縦10cm弱、横7cm前後のサイズ ※前期のみ展示

 

銅板や木版、家庭用印刷機など。多彩な技法で個性を表現

蔵書票の文化は15世紀のドイツで生まれ、1900年に日本へ伝わったといわれています。蔵書票は複数の本に貼りつけることから量産する必要があり、多くは版画で制作されました。今回の展示は、そんな蔵書票の版画技法の多様さと、そこから生まれる色彩の鮮やかさをテーマに企画されました。企画の経緯を、深谷さんは次のように語ります。「私の専門分野は美学・芸術学で、大学院では19世紀ドイツの画家を研究対象にしていました。研究を行う中で、ヨーロッパの蔵書票を目にする機会が多々あったのですが、作品はモノクロが中心。ところが、日本の蔵書票は色彩が豊かなものが多くあります。関西学院大学博物館には、蔵書票の収集家として知られる原野賢吉氏から寄贈された1万点を超える 蔵書票のコレクションがあるのですが、初めて原野コレクションを見たときは、『なんてカラフルなんだろう』と驚きました。その経験がこの企画展のきっかけの一つになっています」

話を伺った企画担当の深谷佳那さん

 

本企画展では、ヨーロッパから伝わった銅板やリトグラフをはじめ、ガリ版、ステンシル、日本ならではの型染など、さまざまな技法を使った作品が展示されています。

企画展は大きく2つの章で構成されており、第1章は「蔵書票と技法」として、10の技法を軸にして作品が紹介されています。その中から3つの技法をピックアップして、深谷さんに解説していただきました。

 

1)メゾチント

17世紀のドイツで生まれた銅版画の技法です。まず、銅板の表面に鮫肌のような細かい傷(めくれ)をつくります。このめくれにインクが付くことで印刷ができ、めくれがあることで、ビロードのような質感に刷り上がります。さらに、めくれを削ったり、平らにしたりすることで、明るさを表現することができます。

「モノクロでも黒色から白色へと、微妙な諧調をつくりだすことができるので、濃淡が美しい作品が多いです。銅版画の魅力のひとつは、線の緻密さ。手作業で表現される繊細な図柄が注目ポイントです」

深い黒が印象的なメゾチントは清水敦によるもの。左:張子(1994年)、右:こけし(不明)。※前期のみ展示

 

2)板目木版

小学校の授業でもおなじみの木版画。彫刻刀で板材を彫り、凸になった部分に絵の具がついて印刷することができます。「板目」というのは版となる板材の切り出し方によるもので、繊維と同じ方向に、縦に切った板材を使うのが「板目木版」です。なお、立木を輪切りにした板材を使うのは「木口木版」といいます。板目木版は長い歴史をもつ技法で、日本では奈良時代から活用されていたといわれています。

「板目木版で使う板材は柔らかいため、色を大きく紙にのせる図柄が得意。紙の上にペタッとのせられた色に温かさが感じられるため、かわいらしい図柄に合う技法です。ちなみに木口木版は、板材の繊維が締まって硬いため、繊細な線を描きやすい点が特徴です」

温かい色合いが特徴の板目木版。柳田基が制作した蔵書票。左:馬と曲芸師のおもちゃ(1989年)、中央:張子(1986年)、右:窓辺の雪山(1990年) ※前期のみ展示

 

3)新孔版

細かい孔(あな)のあいた版に、インクを落として印刷する「孔版(こうはん)」という技法があります。これをさらに手軽にしたものが「新孔版(しんこうはん)」です。新孔版は、理想科学工業株式会社が販売していた家庭用簡易印刷機「プリントゴッコ」に使われている技術で、今回の企画展で展示されている作品もプリントゴッコで制作されたものです。

「1977年に発売されたプリントゴッコは、年賀状の印刷道具として広く普及しました。その特徴は、1版で多色刷りができるところ。さらに版を複数用意し、順番に刷ることで細かい色の変化を表現することができます。2012年に事業終了してしまったプリントゴッコですが、ある世代の方にとっては身近で懐かしい道具ということもあり、鑑賞される方の中には、『プリントゴッコでこんな作品ができるなんて』と、驚かれる方も多くいらっしゃいます」

新孔版(プリントゴッコ)で制作された見代ひろこの蔵書票。左:雪のある風景(1963年)、右:ボート乗り場(1997年) ※前期のみ展示

 

このほか、着物に図案を描く染織技術「型染」や「合羽摺(かっぱずり)」、溝や孔をあけずに製版する「リトグラフ」などによる作品も展示されています。技法がさまざまなら、使われる色もさまざま。道具も材料もバラバラで、デザインも作風も多種多様です。蔵書票という小さな紙片の世界で、これだけバラエティに富んだ表現ができることに、圧倒されてしまうようなラインアップです。

 

聞けば、日本の蔵書票を求める海外のコレクターもいるとか。日本の蔵書票は、どうしてこんなに多様化したのでしょうか。

「蔵書票が多様化した理由のひとつは、明治時代後期に起こった創作版画運動であると考えています。この運動以前、江戸時代に大衆の間で人気を博していた版画といえば、浮世絵があります。浮世絵は、絵師・彫り師・摺り師(すりし)が分業制で制作するものです。しかし山本鼎(かなえ)という作家が1904年に発表した版画作品《漁夫》は、山本が作画から印刷まで、すべてを自分一人で手掛けました。版画の全工程を自分自身で行うことで、より自由に個性を表現しようとしたのです。これを機に、『自画・自刻・自摺(じずり)』を掲げる創作版画運動が世に広がり、版画の表現は豊かになっていきました。それが、蔵書票の多様さにも影響を与えているのではないかと思います」

 

創作版画運動を担った作家に挙げられる前川千帆、川上澄生、恩地孝四郎、棟方志功の作品は、この企画展でも取り上げられています。版画の新しい世界を拓こうとした作家たちの熱意が、作品から感じ取れるかもしれません。

 

集める人、広める人、交換する人。蔵書票に魅せられた人たち

企画展の第2章のテーマは「蔵書票を集める・愛でる人びと」。蔵書票をコレクションした人や、その普及に貢献した人にスポットを当てています。

 

蔵書票が日本に伝えられたのは1900年。そこからどのように広まっていったのでしょうか。そのきっかけの一つとしていわれているのが、文芸雑誌『明星』にオーストリアの画家エミール・オルリクの蔵書票が紹介されたこと。そこから広く認知され、文化として定着していく過程には、作家ではない人たちの尽力も関わっていました。

 

たとえば、愛書家向けの雑誌『書窓』の刊行に携わった志茂太郎もその一人。志茂は、創作版画運動の代表的な作家のひとりである恩地孝四郎と親交があり、『書窓』の装幀は恩地が担当していました。同誌では1943年から、蔵書票に1カ月のカレンダーをつけた「書票暦」を付録につけ、その普及に努めていたといいます。

企画展では、個性豊かな書票暦の数々と、恩地が装幀を手がけた『書窓』も展示されています。恩地は装幀家としても高い評価を受けており、一冊一冊異なる『書窓』の表紙はデザイン性が高く、モダンな雰囲気があります。

 

こうして蔵書票が浸透すると、「集める・愛でる人々」である愛好家たちも、蔵書票文化の発展になくてはならない存在でした。原野コレクションの主である原野賢吉もその一人で、作家に蔵書票の制作を依頼し、さまざまな蔵書票を集めるだけでなく、他の人たちと蔵書票を交換していたといいます。というのも、一般的に、蔵書票の発注は1つの図案につき50枚1セット。原野が残した蔵書票も残数わずかなものが多いそうで、蔵書票として使うことはもちろん、名刺のように誰かに渡したり、交換したりしていたことが考えられます。

 

コレクターたちの情熱は、蔵書票をまとめた書票集からも垣間見ることができます。凝ったデザインが施された分厚くて美しい書票集を見れば、蔵書票を大切に保管し、ときどき眺めていた持ち主の姿が思い浮かびます。

 

「原野コレクションの蔵書票には、作品の制作方法に関するメモが添えられてあります。これは原野氏が依頼した蔵書票を作家から受けとるとき、制作過程などについての話を聞き、それをメモされたものです。今回の企画展は技法をテーマにしていますが、本来、刷り上がった作品だけで技法を調べることは簡単なことではありません。この企画は、原野氏が技法を残されていたから実現できたともいえます」

 

作品はもちろん、それを生み出す作家への敬意が感じられる逸話です。原野や「書票暦」をつくった志茂のように、蔵書票をこよなく愛し、気鋭の作家たちを温かく応援する人たちがいたからこそ、蔵書票文化は広がっていったのでしょう。

「展示の企画と準備を通して、蔵書票には人をつなぐ力があるように感じました。作家と依頼者をはじめ、コレクター、本が好きな人、版画が好きな人などが、蔵書票を中心につながっています。さまざまな分野の人が集まることで成立し、発展していったというところが、蔵書票のおもしろいところだと思います」

 

楽しみ方はまだまだたくさん。広くて深い蔵書票の世界

第1章では技法、第2章では愛好家という切り口から蔵書票の魅力を紹介する本企画展ですが、版画家の作風を見るのも楽しみの一つです。「蔵書票は、発注する票主(ひょうぬし)の印象や依頼に寄り添った作品でもあります。人気作家や有名作家たちの、蔵書票でしか見られない表現を探すのも、おもしろい鑑賞方法かと思います」

 

企画展の出品リストには、前述した創作版画運動で知られる作家だけでなく、昭和を代表する作家や、現在も活躍中の作家などの名前が連なっています。中には、兵庫県神戸市で生まれ、連作『神戸百景』などを手がけた川西英の作品も。会場では川西の蔵書票をじっくり眺めている方もいました。

「今回は1930年代から2000年代に制作された作品を中心に構成しており、昭和らしさも感じられる展示です。川西の作品を見て懐かしく思う世代の方はもちろん、昭和レトロに興味がある若い世代の方にも、楽しんでいただけるかと思います」

 

ところで、蔵書票と同じく本の所有者を表すものに、日本の蔵書印を思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。「日本は和紙文化なのでハンコである蔵書印が適しています。でも西洋の貴重書は革で装丁されているため、ハンコを押すことは難しいので、ので蔵書票を貼る文化が生まれたのだと思います。蔵書票だと、貴重書の所有者がほかに移ったときも貼り替えることができますから」

 

作品や技法だけでなく、歴史の面でも奥深い蔵書票の世界。企画展の会場はコンパクトですが、ずらりと並んだ蔵書票は見応え十分。蔵書票という限定されたテーマでありながら、技法・色彩・表現がとにかく多種多様で、広い博物館を一周してきたような充実感が得られました。小さな紙片の中に、作家や愛好家をはじめとするたくさんの人の物語が詰まった蔵書票。いろいろな発見がありそうです。

山盛りの野菜炒めを、もりもり食べよう!京都産業大学「やさい食堂イチマルイチ」

2025年6月10日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

京都市北区にある京都産業大学は、すべての学部がひとつの拠点に集まる「ワンキャンパス」の環境が特長の総合大学です。大勢の学生でにぎわうキャンパスには、9つの学生食堂があります。今回訪問するのは、2023年にオープンした「やさい食堂イチマルイチ」。野菜が主役の食堂とのことですが、どんなお料理が食べられるのでしょう。お腹を空かせて行ってきました!

山の上にある見晴らしの良いキャンパスへ

京都産業大学のキャンパスは、山の斜面に広がるような形になっています。バス停「京都産業大学前」が位置するのは、敷地の中でも低いところ。なので、バスから降りて南を見上げると、高台に校舎が並び建つのが見えます。やさい食堂イチマルイチがあるのは、高台にある10号館の1階です。まずはバス停の近くにあるエスカレーターに乗って上へ。それから、「K」のロゴマークが刻まれた時計台を左に見ながら少し歩いて、再びエスカレーターに乗って上へ。突き当りを右に曲がれば、すぐに10号館が見つかるはずです。

 

バス停に着いたときは、「10号館まで、階段を上って行くのかな」「これは体力を使いそうだ」と、少し心配しましたが、エスカレーターがあるので、階段をたくさん上る必要はなし。思ったよりも短時間&楽々で10号館までたどり着けました。

バス停の近くにあるエスカレーターで上へ

ひとつめのエスカレーターを上がったら、時計台の向こうにある2つめのエスカレーターへ

10号館には、「イチマルイチ」の看板とのぼりが立っています

たっぷり野菜が食べられる!野菜が主役の学生食堂

10号館1階には、イチマルイチの大きな垂れ幕が掲げてあります。入口に置いてある看板を確認すると、主なメニューは「とん汁」「カレー汁」「野菜炒め」の3種。単品で注文しても、定食で注文してもOK。さらに、この日は20食限定でまぜそばも注文できるようでした。

10号館1階のガラス扉から食堂の中へ。正面に食券機2台があります

 

小鉢or漬物がつく「ゴロゴロ野菜のとん汁定食」や、鶏肉・豚肉が入った「肉野菜炒め定食(中)」にも惹かれましたが、プレーンな野菜炒めを堪能するために、今回は600円の「野菜炒め定食(中)」を注文することにしました。なお、野菜炒め定食(中)は、野菜炒め300g+ごはん並200g+スープ、という内容です。このほか、野菜炒め200gの(小)、400gの(大)、500gの(大マシ)、600gの(大マシマシ)があります。また、ごはんを大盛りや鬼盛りにしたり、生たまごやゆで卵をトッピングしたり、単品で揚げ物を加えたりすることもできます。もしも肉野菜炒めを注文するなら、お肉の量を増やすことも可能です。

定食、単品、トッピングなどが選べます。券売機は現金のみ利用可能

食券を購入したらカウンターへ。カレー汁、とん汁、野菜炒めコーナーに分かれています

きざみにんにくを加えることができます。調味料コーナーには、コショウ、すりゴマ、魚粉なども

ガツガツ食べる幸せも味わえる「野菜炒め定食」

料理を受けとるカウンターの近くには、調味料のコーナーがあります。おなじみのコショウやマヨネーズのほか、きざみにんにく、魚粉、すりゴマ、たまり醤油などもあります。試しに、野菜炒めにコショウだけかけてみました。

「野菜炒め定食」600円。ごはんとわかめスープ付き。野菜炒めにはコショウをかけています

 

日当たりの良い窓側の席で、野菜炒め定食をいただきます!
この日の野菜炒めには、もやし、玉ねぎ、にんじん、キャベツが入っていました。こってりしているように見えますが、たっぷりのシャキシャキもやしがメインなので、重さは感じません。でも、軽すぎるわけでもありません。背脂がトッピングされているからか、まろやかなコクがあり、食べ応えがあるのです。この適度な脂のおかげで、ごはんとの相性もぴったり。肉がなくても十分にごはんが進む野菜炒めでした。

 

山盛りの野菜炒めは、もちろん一口や二口ではなくなりません。気付けば夢中でガツガツ食べていました。完食後は、お腹が満たされた多幸感に加えて、「お皿いっぱいの料理を食べた!」という満足感も得られました。今回は、お肉なしの定食を注文しましたが、次は「肉野菜炒め」も食べてみたい。大きな野菜がゴロゴロ入った「とん汁」や「カレー汁」は、寒い時期に食べると温まりそうです。


やさい食堂イチマルイチは、キャンパス内にある学生食堂「らーめん壱馬力」の運営会社がプロデュースしているお店だそうです。イチマルイチの味が気に入った人は、壱馬力の味も気に入るかも。ラーメン気分のときは、壱馬力を訪れてみても良いかもしれません。

広々とした空間には、約220席の座席が

日当たりの良い窓際の席もあります

大学アプリレビューvol.26 口の動きから言葉を読み取る。神奈川工科大学「読話クラブ」で、読話トレーニングに挑戦

2025年5月13日 / コラム, 大学アプリレビュー

皆さんは「読話」を知っていますか。読話とは、相手の口の動きを見て、話の内容を理解すること。聴覚障害をもつ人やその周囲の人にとって、大切なコミュニケーション手段のひとつです。もしかしたら、「初めて知った」という方も多いかもしれませんね。神奈川工科大学 情報学部情報工学科 画像情報処理システム研究室が開発した「読話クラブ」は、読話のトレーニングができるアプリ。初心者でも気軽に読話に親しむことができる内容になっていると聞き、さっそく体験してみました!

アプリで簡単に体験できる読話トレーニング

アプリを紹介する前に、読話のしくみを簡単に説明します。読話を行うときは、たとえば、母音「あ・い・う・え・お」を発音するときの口の形や、バ行・パ行・マ行といった子音を発音するときの唇の動きなど見ながら、相手の言葉を読み取り、何を伝えようとしているのかを把握します。読話だけで言葉を精密に読み取ることは難しいのですが、手話のように使用できる人が限られるわけではないところが利点。手話や筆談、補聴器と組み合わせることでコミュニケーションに役立てられています。

 

「読話クラブ」は、そんな読話のトレーニングができるiPad専用アプリです。アプリストアの概要欄には、「主に、難聴者やその家族、声による会話が難しい人と接する方々などにご利用いただき、コミュニケーションに役立てていただくことを想定しています」と書かれています。どんな風にトレーニングをするのか、使って確かめましょう!

「読話クラブ」タイトルページ

 

こちらがタイトルページです。メインのメニューは、[口形学習を行う]と[訓練を行う]と[試験に挑戦する]の3つ。初めて挑戦する人は、一番下の[レクチャーを見る]で、読話の基本をさらっと勉強しておくことをおすすめします。

 

それでは、上から順に挑戦していきましょう。まずは[口形学習を行う]から。

[口形学習を行う]>[音で口形パターンを学ぶ]

 

[口形学習を行う]には、[音で口形パターンを学ぶ]と[口形パターンの音を学ぶ]の2メニューがあります。上の画像は[音で口形パターンを学ぶ]。クイズ形式で口形パターンを学びます。「ぺ」の音は、口を閉じた状態から「エ」の音を出すので、答えは「閉→エ」ですね。テンポ良くさくさくクイズに答えていくうちに、口形学習の世界に慣れてきます。

[口形学習を行う]>[口形パターンの音を学ぶ]

 

続いては[口形パターンの音を学ぶ]。三角形の再生マークを押すと、無音で口が動く仕組みです。口形が「イ→ア」と変化する音はどれでしょう。答えは「ひゃ」と「じゃ」かな?……と思いましたが、残念、正解は「な」と「ひゃ」と「じゃ」でした。言われてみれば、「な」も、最初の口形は「イ」かも。ちょっと難しい……。

[訓練を行う]

 

タイトルページに戻って、次は2番目のメニュー[訓練を行う]を試してみましょう。単語例のボタンから単語を選び、再生ボタンを押すと、動画で口の動きを教えてくれます。

 

[訓練を行う]では、単語例だけでなくひらがな・カタカナを入力することで、その単語も発話してくれます。この機能には、画像生成AI技術が活用されています。たとえば「ぺ」という音を出すときは、口を閉じた状態から、「エ」という形に口形が変化しますね。それを表現するために、まず、口を閉じている画像と、「エ」の口形の画像を用意します。それから、「閉→エ」の間をつなぐ画像を生成AI技術で作成し、それらを並べて「閉→エ」と口形が自然に変化していく動画を作成します。そのような動画を仮名ごとに作成し、単語に合わせてつなぎ合わせることで、自動で発話動画が生成できるようになっているそうです。

[訓練を行う]単語を入力すれば、その通りに発話してくれる

 

ところで、読話の難しいところのひとつに、「同口形異音語」があります。これは、音は異なるけれど、口形は同じ、という単語のこと。「たばこ・たまご・なまこ」などがそれにあたります。音声が聴こえない場合、口形だけでこの3単語を区別するのは難しいのです。

 

……という話を聞いたので、試しにこちらで「たばこ」を入力してみました。3回動画を再生して、それぞれ頭の中で「たばこ・たまご・なまこ」と唱えながら見てみます。すると、びっくり! 3回とも同じ動画なのに、「たばこ・たまご・なまこ」と言っているように見えました。音声のない会話の難しさが実感できました。

[試験に挑戦する]

さて、もう一度タイトルページに戻って、最後は3番目のメニュー[試験に挑戦する]へ。

 

こちらは、口の動きを見て、選択肢の中から正解を選ぶ試験です。発話動画の下部分にある「音の数」「1音目」「カテゴリー」は、それぞれ答えにかかわるヒントです。おすすめは、発話動画だけ見て推理→ヒントを見て推理→選択肢から推理、という順番。選択肢を見る前に単語が当てられたときは、ゴールが決まったような爽快感が味わえます。

 

 

「読話クラブ」は、聴覚障害をもつ人だけでなく、誰にでもおすすめできるアプリ。ゲーム感覚で、楽しく読話を学ぶことができました。読話を知っていれば、聴こえづらい人とお話するときに、ゆっくり分かりやすく口を動かす配慮などができるはず。ぜひ一度、試してみてください!

 

 

管理栄養士と学生が運営する帝塚山学院大学「ダイニングコモンズ」で、栄養満点ランチを

2025年5月8日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

大阪府堺市にある帝塚山学院大学は、見晴らしの良い丘の上にキャンパスをもつ大学です。ダイニングコモンズは、2021年に誕生した同大学の学生食堂。その特長は、「食」を研究する食環境学部が、プロデュースを担当しているところです。専属の管理栄養士と学生が運営するダイニングコモンズで、栄養たっぷりのランチをいただいきました。

のんびりバスに乗って、丘の上のキャンパスへ

南海電鉄の「泉ヶ丘」駅からバスに乗り、10分ほど揺られていると、大学最寄りのバス停「はるみ小学校前」に到着。バスから降りれば、すぐそこにキャンパスがあります。大学名を掲げる校門を通って、なだらかな坂を上っていくと、ダイニングコモンズがある本館が左側に見えてきます。

キャンパスは、バス停「はるみ小学校前」から徒歩すぐ。大学名が書かれた校門を目印に

坂を上って左側に現れるのが、ダイニングコモンズが入っている本館

 

本館の中に入ると、右側にクリエイティブコモンズ、左側にダイニングコモンズがあります。食券の販売機があるので、どちらが食堂かすぐにわかるはず。伺った日は、メニューのサンプルを置いたショーケースも出ていました。

本館1階のエントランス。手前がショーケースで、奥が食券の販売機

ショーケースにはランチA・Bのサンプルが。エネルギー量などが掲示されています

 

この日は、ランチA・B(450円)、ラーメン(390円)、丼orパスタ(390円)などのメニューが掲げられていました。ランチA・Bは、メインのおかず・ごはん・汁物・小鉢1つを含めて450円とのこと。今回は、このお得なセットを注文することにします。ランチAのメインは「スパニッシュオムレツ」で、ランチBは「餃子の野菜あんかけ」。野菜がたくさん摂れそうな、ランチBの食券を購入しました。ちなみに、ごはんは大・中・小から選択可能。価格は変わりません。

食券の販売機は、現金・キャッシュレスに対応。ご飯の大・中・小はここで選択します

看板には「唐揚げ、フライドポテトtake out OK」の文字。テイクアウト用のお弁当も販売しています

広々としたダイニングコモンズ。お盆を取って食券をカウンターへ

 

カウンターに食券を出して、メインのおかず・ごはん・汁物をよそっていただいた後は、ショーケースから自分で小鉢を1つ選びます。この日の小鉢は6種類。生野菜サラダ、パンプキンサラダ、冷奴、プチケーキなどが並んでいます。どれもおいしそうでさんざん迷いましたが、結局「白菜とほうれん草お浸し」をお盆にのせました。

小鉢のショーケース。こちらにも、エネルギー量などが掲示されています

 

野菜たっぷり! 栄養バランスばっちりランチ

お盆を持って窓際の席へ。健康に良さそうな定食を、さっそくいただきます!

揚げ餃子が4つも入ったメインのおかずは、温かくて優しいお味。野菜あんかけには、椎茸、ニンジン、もやし、玉ねぎ、キャベツ、豚肉などが入っています。汁物は、大根とお揚げが入ったお味噌汁。小鉢の白菜とほうれん草のお浸しには、カニ風味のかまぼこが入って彩りを添えています。

このセットだけで、10種類以上の野菜やお肉を食べることができました。お腹いっぱいの満足感に加えて、いろいろな栄養をしっかり採った満足感で、充実した気持ちになりました。

「餃子の野菜あんかけ」(ごはん小)450円。小鉢は「白菜とほうれん草お浸し」

 

選べる小鉢で、楽しく健康的な食事を

今回は日替わり定食のランチを注文しましたが、ラーメンや丼orパスタも毎日メニューが変わります。1週間の献立を見ると、台湾ラーメン、豚たま丼、ミートソーススパゲティなど、多彩なラインアップでわくわくします。

ショーケースに並んでいる小鉢は120円で注文ができるので、ラーメンや丼に小鉢をプラスして、足りない栄養を採ることも可能です。もしくは、杏仁豆腐、ケーキ、みたらし団子などのスイーツが入った小鉢を選んで、デザートにするのも良いでしょう。「甘いものが食べたい」という気持ちを小鉢で満たすことで、余計な間食や食べ過ぎを防げそうです。

 

食環境学部プロデュースのもと、管理栄養士が運営を手掛けているとあって、栄養バランスの整ったごはんが食べられる学生食堂でした。ほとんどのメニューにエネルギー量が提示されているので、ダイエットを意識している人にもおすすめです。もちろん、味も量も申し分ないので、栄養やダイエットに関心がなくても満足できるはず。もしかしたら、そんな人でも、注文した料理のエネルギー量をなんとなく眺めたり、小鉢をあれこれ選んでいるうちに、健康的な食事に関心が出てくるかもしれません。そんな可能性も感じることができました。

ダイニングコモンズのフロア。学生の中には、2階のステューデントコモンズで食べる人も

森ノ宮医療大学の「葵ダイニング」で満腹ランチ!食後は「さくらカフェ」でデザートを

2025年3月11日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

森ノ宮医療大学は、大阪港に浮かぶ人工島・咲州に拠点を置く医療系総合大学。キャンパスは、大阪メトロ「コスモスクエア」駅から徒歩約1分でアクセスできる便利な場所にあります。敷地内にある学生食堂・カフェは、「葵(あおい)ダイニング」、「さくらカフェ」、「メディカフェ」の3施設。今回は、その中でも「葵ダイニング」が2024と聞き、「さくらカフェ」とともにお邪魔してきました。

毎日メニューが変わる!新校舎の「葵ダイニング」

コスモスクエア駅から大阪府咲洲庁舎へ向かって歩くと、人工運河の咲州キャナルが見えてきます。運河を渡って左側にあるのが、新校舎の「あおいポート」。2024年春に完成した建物です。葵ダイニングがあるのは1階。入口には看板が立てかけてあり、「一般のお客さまもお気軽に」と書いてあります。

通りに面したあおいポートの入口。葵ダイニングは校舎に入ってすぐ

 

葵ダイニングの広々としたフロアには、ソファ席やカウンター席など約が並びます。ガラスの壁面からたっぷり自然光が差し込むので、空間は明るくて開放的。学生や教職員、一般客が、思い思いのスタイルでお昼の時間を過ごしています。

メニューを決めたら、食券を購入しましょう。入口の右側に発券機があります

 

伺った日は春休み期間で、ダイニングは縮小営業中。選べるメニューは、「ランチA定食」「カレー/丼」「麺」の3種類でした。掲示されている1週間の献立を見ていると、「火曜日の『鶏肉と彩り野菜の黒酢あん定食』、食べてみたい!」「木曜日は『プルコギ丼』と『濃厚魚介ラーメン』で迷いそう」と、妄想が膨らみます。

 

授業がある期間は、選べるメニューに「ランチB鉄板」「イベントメニュー」「葵カレー」が加わります。選択肢が増えれば、わくわくも増幅しそう。毎日通える学生の皆さんがうらやましくなります。

 

この日は、ランチA定食「鶏の唐揚げとシューマイ定食」(580円)と、「欧風メンチカツカレー」(500円)を注文しました。学生価格と一般価格は異なりますが、学食ならではのリーズナブルなお値段です。

「鶏の唐揚げとシューマイ定食」。一般価格580円

 

「鶏の唐揚げとシューマイ定食」は、ごはん・みそ汁・小鉢がつきます。ごはんは100gから300gまでの5段階で選択可能。小鉢も選べるようで、この日は切り干し大根の煮物、納豆、みたらし団子など6種類が並んでいました。

 

今回選んだのは、ごはん150gと、ナスの小鉢です。カリッと揚がったメインの唐揚げがおいしくて、ご飯がすすみました。お肉も野菜も楽しめるのが、定食の魅力ですね。

「欧風メンチカツカレー」。一般価格500円

 

「欧風メンチカツカレー」は、お肉ぎっしりの大きなメンチカツが主役です。マイルド風味のカレーとサクサクのメンチカツを食べたら、お腹も心も大満足。このボリュームで500円、さらにみそ汁がつくのもうれしいです。

多彩なドリンクメニューが楽しい「さくらカフェ」 

食後にデザートが食べたくなったら、キャンパス内の「さくらカフェ」を訪れてみましょう。場所は、あおいポートから通りを挟んで北西にある校舎「さくらポート」の中。エレベーターで2階に上がればカフェがあります。

さくらポートの入口。カフェの看板が出ているのでわかりやすいです!

 

さくらカフェの魅力は、メニューが豊富なところ。スイーツならドーナツ、パンケーキ、ソフトクリーム。ドリンクならコーヒー、紅茶、ジュースやソーダ。お腹が減っている人には、パスタやカレーなどのフードメニューもあり。加えて、季節限定のメニューもあります。

「キャラメルパンケーキ」(300円)と「さくらミルクコーヒー」(レギュラー210円)

 

まずは、「キャラメルパンケーキ」と「さくらミルクコーヒー」を注文しました。さくらミルクコーヒーは、さくらフレーバーのソースがかかったデザートのようなドリンク。さくらカフェの看板メニューです。さくらミルク(レギュラー180円)や、さくらミルクティー(レギュラー210円)も人気があるそうです。

期間限定の「ミニアイスロールケーキプレート」(230円)と「バナナミックスジュース」(レギュラー230円)

 

もうひとつ、期間限定の「ミニアイスロールケーキプレート」と「バナナミックスジュース」も注文。ミニアイスロールケーキプレートは、「ちょっとだけ、いろいろ食べたい」という思いを叶えてくれるひと皿です。食後のデザートにぴったりでした。

南側の窓に面したカウンター席からは、咲州キャナルが見下ろせます

 

さくらカフェにも、テーブル席、ソファ席、カウンター席など、いろいろなタイプの席があります。一人で静かにお茶を飲んだり、友だちとお喋りしたりと、どんなシチュエーションでも快適に過ごせそう。伺った日は、お子さま連れの方もいらっしゃいました。

3つの学生食堂・カフェ。気分に合わせて使い分けて 

葵ダイニングも、さくらカフェも、一般客の利用を歓迎してくれるフレンドリーな雰囲気を感じました。空間や座席のタイプが多彩で、一人でもグループでも利用しやすいところも魅力です。

 

今回はお邪魔しませんでしたが、別の学食「メディカフェ」(食堂棟)もあります。10を続けている学生食堂で、日替わり定食メニューのほか、大学オリジナルの「森のカレーライス」や、焼き立てのパンなどがいただけて、こちらも一般客OKという食堂です。

 

満腹になりたいときや、軽く食べたいとき、コーヒーを飲んでひと休みしたいときなど、いろいろな気分に寄り添ってくれそうな学生食堂・カフェでした。

 

RANKINGー 人気記事 ー

  1. Rank1

  2. Rank2

  3. Rank3

  4. Rank4

  5. Rank5

PICKUPー 注目記事 ー

BOOKS ほとゼロ関連書籍

50歳からの大学案内 関西編

大学で学ぶ50歳以上の方たちのロングインタビューと、社会人向け教育プログラムの解説などをまとめた、おとなのための大学ガイド。

BOOKぴあで購入

楽しい大学に出会う本

大人や子どもが楽しめる首都圏の大学の施設やレストラン、教育プログラムなどを紹介したガイドブック。

Amazonで購入

関西の大学を楽しむ本

関西の大学の一般の方に向けた取り組みや、美味しい学食などを紹介したガイド本。

Amazonで購入
年齢不問! サービス満点!! - 1000%大学活用術

年齢不問! サービス満点!!
1000%大学活用術

子育て層も社会人もシルバーも、学び&遊び尽くすためのマル得ガイド。

Amazonで購入
定年進学のすすめ―第二の人生を充実させる大学利用法

定年進学のすすめ―
第二の人生を充実させる …

私は、こうして第二の人生を見つけた!体験者が語る大学の魅力。

Amazonで購入

フツーな大学生のアナタへ
- 大学生活を100倍エキサイティングにした12人のメッセージ

学生生活を楽しく充実させるには? その答えを見つけた大学生達のエールが満載。入学したら最初に読んでほしい本。

Amazonで購入
アートとデザインを楽しむ京都本 (えるまがMOOK)

アートとデザインを楽しむ
京都本by京都造形芸術大学 (エルマガMOOK)

京都の美術館・ギャラリー・寺・カフェなどのガイド本。

Amazonで購入

PAGE TOP