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  • date:2017.7.4
  • author:中橋 由香

身近な里山で植物の観察講座 阪大植物探検隊

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毎年春と秋に開講される大阪大学の植物探検隊。大阪大学豊中キャンパスにある標高77.3mの「待兼山」を散策する。緑萌ゆる春の山を堪能してきました。

 

「待兼山」の歴史は古く、平安時代に書かれた枕草子にも登場する古い山です。山と言っても標高は77.3mですが、大正天皇の行幸もあったという由緒正しい山になります。待兼山は豊中市、池田市、箕面市にまたがる。山の大半は現在、大阪大学豊中キャンパスが占めていることもあり、待兼山といえば阪大を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

山の周りは阪神高速や住宅地があり、身近な里山でもある待兼山。その山にある植物について学べるのが「阪大植物探検隊」です。

今回は4月22日(土)に開講された第17回植物探検隊に参加しました。

なおこの植物探検隊、定員40名の募集に100名以上の応募がある人気企画。まずは待兼山を散策し、この山にある植物を見た後、講義に参加するという流れです。
当日はよく晴れ、絶好の行楽日。集まった方々は山登りということで、それなりに本格的な装備で集合。私も長袖長ズボンに帽子に日焼け止めと、万全の格好で臨みました。

植物の解説は大阪大学栗原佐智子先生(大阪大学21世紀懐徳堂招へい研究員)。なお、待兼山の植物については長年の研究をまとめた植物図鑑、『キャンパスに咲く花 阪大豊中編』『キャンパスに咲く花 阪大吹田編』があります。当日はこちらを手に探検に参加されている方も。植物について詳しく知りたい方には必携の一冊です。

待兼山は原生林ではなく、植樹なども行われている人工林の一種なのだそう。また、大学の建物の増減など開発に伴い生態系も年々変化しているとのことです。

ちなみに待兼山ですが、冬にイノシシの出没情報があったそうで、当初はあまり山の中に入らないルートが予定されていました。しかし、イノシシの目撃情報がなくなり、おそらく問題ないだろうということで、当日参加者の多数決で山の中に少し入るルートに変更されました。
念のため、イノシシよけの鈴(山に調査に入ることが多い考古学の研究者が「危険な野生動物に遭遇したことがない」という霊験あらたかなシシよけ鈴)を参加者のうち数人身につけ、準備完了。

まずは博物館の周りの散策のあと待兼山の遊歩道へ。

 

待兼山へ

なだらかとはいえ、完全に山道です。先へ進みながら所々で先生が植物を解説。
ぱっと見は同じに見える植物でも端が違ったり、細かな差異を先生が解説してくださいます。

山の中の植物について説明する栗原先生

じっくり見ないと見落としてしまいそうになるくらいの違いなのですが、確かにじっくり見るとそれぞれに特徴がある。先生が「これは~~で」「あれは~~」とどんどん近くにある植物の説明をしてくださるので、こんなにたくさんの植物が自生しているのか!とかなり驚きました。

先生のお話をハンドブックと照らし合わせる人、写真に収める人、ただただお話に聞き入る人など、各々植物探検を楽しんでいました。

セイヨウタンポポとカンサイタンポポの違いを説明する栗原先生

セイヨウタンポポとカンサイタンポポの違いを説明する栗原先生

 

自生するカンサイタンポポ。近くにはセイヨウタンポポも。

自生するカンサイタンポポ。近くにはセイヨウタンポポも。

 

カナメモチ。庭木として人気があるレッドバロンよりも落ち着いた色が特徴

カナメモチ。庭木として人気があるレッドバロンよりも落ち着いた色が特徴

 

中山池周辺にあるドウダンツツジ

中山池周辺にあるドウダンツツジ

 

アオギリの木。幹が青みがかっていることからその名が付いているそう

アオギリの木。幹が青みがかっていることからその名が付いているそう


その他にも、正直数え切れないほどの草花を短時間で見て回りました。
最後に八重のツツジを見た後は、大阪大学21世紀懐徳堂スタジオでの講演会へ。


講演会の様子


講演会では昔の待兼山から今の待兼山の様子までを紹介。
待兼山は古くは枕詞としても登場する由緒ある山で、枕草子の作者清少納言を始め、和歌のなかに登場することも少なくない場所です。そんな待兼山は原生林ではなく人が作る里山に近い山で、現在はほぼ極相※に近い生態系になっています。

※極相
植物群落の最終段階。その地域にもっとも適し、安定した状態に至った段階のこと。

 

極相に近いとはいえ、開発や環境の変化などにより、それまでにあった植物が減少したり、外来種なども増えているんだそうです。


その他にもこの地に生息していたマチカネワニのいた時代の植物や、古墳の盛り土などからわかる昔の待兼山についてのお話しに、皆さん興味深く聞き入っていました。


「この山で見られる植物というのは、全国的に見ればそれほど珍しいものではありません。しかし、こういった街中にあるところはあまり多くないので、身近でさまざまな植物を観察できる場所として待兼山の魅力があると思います」と栗原先生。

今回初参加でしたが、リピーターの方が多いというのも頷ける密度の濃さでした。
講演会からの帰り道は、なんとなく道ばたの草木が気になり、ついつい寄り道してしまったり、これはどんな植物なんだろうと足を止めてしまいました。

植物探検隊は春と秋に開講。毎回見られる植物も解説も異なります。毎回、栗原先生が事前調査を行い、その時見られる植物を探していらっしゃるとのこと。
みなさんもぜひ一度、身近な山でさまざまな植物に触れてみてください。

 

(取材協力:大阪大学21世紀懐徳堂)


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