高さ約10mのヒマラヤ杉に、色鮮やかな光が輝く瞬間…!寒さを忘れさせてくれるあたたかさが、キャンパスを包み込んでいました。
渋谷の街が、より一層きらびやかになるこの季節。青山学院大学では、イエス・キリストの降誕を待ち望む礼拝として、クリスマス・ツリーに灯りをともす点火祭が行われます。特に、幼稚園児から大学院生まで、各年代の学院生が集う青山キャンパスでの点火祭は、首都圏の大学のクリスマス行事の中でもとりわけ人気が高く、1年の締めくくりを飾るにふさわしい一大イベントです。
学院全体で取り組んでいるこの行事には、毎年、学外からも来場者約2300人が詰めかけ、卒業生(筆者含む)や園児・児童の保護者なども参加して、会場を大いに盛り上げます。
クリスマス当日までの4週間のことを、教会暦ではアドヴェント(待降節)と呼びますが、これはキリスト教徒にとって、世の光として誕生する救い主を迎えるための大切な期間。キリスト教教育の一環として行われている青学の点火祭も、それに準じて1977年の開始以来ずっと、アドヴェントに入る前の金曜日に開催されてきました。
今回の「2019青山学院クリスマス・ツリー点火祭」が行われたのも、11月29日(金)。当日はちょうど前日からの雨も上がり、少し肌寒さはあるものの澄んだ空気が心地よい、絶好の点火祭日和となりました。
クリスマス・ツリーは、正門からイチョウ並木を直進した先に見える、大きなヒマラヤ杉です。
学院創立145周年、大学開設70周年を迎える今年は、装飾用の電球の数も大幅に増え、約440個の電球が飾られました。
そんなツリーを望むガウチャー記念礼拝堂前の広場が、本日の点火祭会場。陽が傾きかけた頃から続々と人が集まり、開始予定時刻の17時50分にはハンドベル・クワイアの軽やかな前奏とともに礼拝が始まりました。
冒頭は神からの“招きの詞”。続いてブラスバンド演奏の下、参加者全員で讃美歌「久しく待ちにし」を合唱。さらに聖書朗読、祈祷、聖歌隊の奉唱と続くプログラムは順調に進み、終盤、ついに待ちに待った“点火”の瞬間が訪れます。
今回の点火者は、幼稚園から大学院までの代表7名と青山学院山本与志春院長。一人ずつ壇上に上がって点火ボタンを押し、頂にある星から順に灯をともしていきますが、最後の山本院長の点火でツリーが全灯した後は、司会者の呼びかけに応えて、会場にいる全員が各々ペンライトやケータイの明かりを空に掲げると、辺り一面、無数の光でいっぱいになって、クリスマス・ツリーの輝きがより一層美しく照らし出されます。
頂点から順に点火し、ツリーが彩られていく
参加者たちが掲げる光とともに会場に喜びが広がった
ああ、きれい…。思わずため息が漏れるようなその幻想的な風景は、まさに今日のこの瞬間にしか出会えないもの。そこには、かつて学生だった頃にはよくわからなかった神様に対する思いや古き良き伝統、人と人とのつながりのようなものも感じられて、しみじみと温かく心洗われるような気持ちになりました。
この日ハンドベルを演奏した、青山学院女子短期大学グロリアス・クワイアの学生二人は、「ハンドベルを始めたのは短大に入ってから。点火祭は2度目になりますが、今日はメンバー全員大きなハプニングもなく、良い演奏ができました」とほっとした様子で笑顔をみせてくれました。
(左から)今村真子さんと黒澤愛さん
また、参加者にプログラムを配るスタッフとして参加した青山学院大学ゴスペル・クワイア所属の学生たちは「小さなお子さんから年配の方までたくさんの方が来られます。こういうスケールの大きなイベントがあるのも、青山学院ならではですね」。
(左から)黒田桐子さん、塩野千恵さん、樽見清香さん
「皆さん“きれいだったね”って喜んで帰ってくださるのがうれしかったです」と話してくれました。
この後も各種のコンサートや礼拝など、クリスマスに向けてのイベントは続きますが、ツリーの点灯は2020年1月5日(日)まで(16時から21時 休日、冬期休業期間を除く)。仕事や買い物などでお近くに出かける際には、ちょっと立ち寄ってみてはいかがでしょう?