2024年の大河ドラマで注目の集まる「源氏物語」。主人公の紫式部(ドラマの中では「まひろ」)はどんな人生をたどり、やがて「源氏物語」を構想するのでしょうか。
当時の貴族社会は現代とはまったくちがう枠組みの中で動いていましたが、どんな時代や社会が「源氏物語」を生んだのか、今回はドラマの舞台となった平安時代を知る手がかりになりそうな記事を集めてみました。信仰、音楽、衣装など、興味のあるところをご覧になってみてください。
信仰と建築
作者である紫式部の生没年ははっきりとわかっていませんが、40歳くらいで他界したとする説があります。源氏物語では光源氏が40歳で長寿のお祝いをするシーンが登場するなど当時は今よりはるかに平均寿命が短く、死との距離も近かったのではないでしょうか。
この頃さかんだったのが、死んで極楽浄土に生まれ変わるという浄土信仰です。シャカの死後2000年をへると世の中が乱れるという末法思想が広がり、末法の世に入るとされた年(永承7年(1052年))、あこがれの極楽浄土を具現化した平等院鳳凰堂が開創されました。
現世と極楽浄土を取り巻く風景はどのようなものか。それを解き明かす講義レポートです。
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音楽
その平等院鳳凰堂の菩薩像がもつ楽器についてのセミナーレポートです。平等院というと純和風というイメージですが、楽器の由来は国際的。楽器をもつ菩薩像の優しい表情にも心が安らぎます。
●記事はこちら! → 平等院鳳凰堂に響く天上の音楽を聴く――京都市立芸術大学 オンラインセミナーをレポート
衣装
宮中の人々がまとう華麗な衣装も、ドラマの見どころのひとつ。主人公が舞を舞う場面がありましたが、衣装の重さは相当なもので、見た目の優美さとはうらはらにかなり体力を使いそうです。衣装を着つけたり、糸を染めたり織ったりしていた人たちの存在も感じる展示のレポートです。
●記事はこちら! → 千年続く物語――女子宮廷装束の華、京都産業大学ギャラリー企画展をレポート
文字
歌会などで平安貴族がさらさらーっと書いている文字。「何が書かれているのか知りたい」という意欲的な方には、こんなアプリがあります。
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平安京
VRで平安京の景観を現在の京都によみがえらせるというアプリ。町を歩いていて「このあたり、むかしはどんな景色だったのかな」と思ってしまう歴史好きな方、京都にお出かけになる予定があればぜひダウンロードを。意外な景色が広がりそうです。
●記事はこちら! → 大学アプリレビューvol.18 AR技術でタイムスリップ!?平安京を歩けるスマホアプリ「バーチャル平安京AR」
ドラマではこれからどんな物語が紡がれていくのでしょうか。当時の人々の考え方やくらしを知りながら、稀有な女性の生き方を見守りたいと思います。