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玉子焼きもつかめる!!立命館大によるソフトな指ロボットが大活躍。

2018年1月16日 / 大学の知をのぞく, この研究がスゴい!

ゴム、布、糸など、今までなかった柔らかい素材のロボットが今、注目を集めている。ソフトロボティクスという言葉も一般化してきた。10年以上前から柔らかいロボットの研究に取り組むパイオニア、立命館大学の平井慎一先生の研究室を訪ね、現在開発中のソフトロボットのお話を聞いた。それは、人の指のように「つまむ」ことができた・・・!

ソフトロボティクスのパイオニア

平井慎一先生が研究を進めているのは、柔らかいロボットを作る技術、ソフトロボティクス。生産現場などで動いているロボットアームは、鉄などの硬い素材でできている。二足歩行をしたり当意即妙に会話をしたりするスターロボットも、AIが搭載されて知的活動もできるようになってはきたが、彼らも硬い。

 

「10年ほど前、二足歩行のロボットのデモを見ていたら転んだんです。一旦転んだら、起こすのがなかなか大変だという。じゃあ、転んでもひっくり返っても動けるようなロボットはできないか考えてみよう、と学生たちに問いかけたんです」(平井先生)

 

大学院生のアイデアから、ゴムでつくった丸い輪っかのようなロボットが生まれた。よく見ると真ん中にスポークのようなものがついているが、これは針金製で、電流をかけると縮む。8本のスポークを順番に縮ませることでアクチュエータ(駆動装置)となって、輪っかは転がって進み始める。さらに、これを3つ組み合わせて球形にすると、坂道を登らせることもできた。さらには、学生のアイデアから、ジャンプさせる方法も生み出した。

ゴムで作った輪っかのロボット

ゴムで作った輪っかのロボット

球体にして坂を上る

球体にして坂を上る

 

「ドーム型をしたゴム製のおもちゃで、ホッピングアイって知っていますか? 膨らんだ部分を押して裏返しておくと、元に戻る力でピョンと飛び上がりますね。あの原理を使って、人が指でやるところをアクチュエータを使って変形させ、電流を切れば元の形に戻る時に跳躍するんじゃないかと」

 

実際に、ロボットは跳躍した。先生たちはさらに、どんな形だとより高く飛び上がるかも研究してみた。

 

【ここで問題】-------------------------------------------------------------------------------

4つのうち、平井先生たちの実験で一番飛んだのはどれでしょう?

①山形の「キャップ型」

②その反対にくぼませた「カップ型」

③真ん中の上下がくぼんだ「ピーナツ型」

④真ん中を平たくくぼませた「ディッシュ型」

(答えはこの記事のどこかに)

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「形が違うと、エネルギーは同じでも力の伝わり方が違う、というようなことなど、研究によって、柔らかい素材の面白さや可能性の大きさがわかってきました」

 

そして、ゴムや布や糸や、とにかく柔らかい素材を使ったロボットの研究がスタートした。最近、注目を浴び始めたソフトロボティクス。3年ほど前からは専門の雑誌も登場し、来年は国際会議も開かれているというが、平井先生たちの研究室は、そのずっと前からソフト素材に挑戦していたパイオニアなのだ。

どんなおかずも思いのままにつかむ

平井先生と、共に研究を進める王忠奎(ワン・ヅンクイ)先生が最近研究しているのが、「指」。ゴムなどの柔らかい素材で蛇腹のような切り込みを入れた形のパーツを作るという。

平井先生と王忠奎先生

平井先生と王忠奎先生

 

蛇腹のような形の部分には空気が入って膨らむようにしてあり、圧力をかけて空気を中にぐっと入れると蛇腹が膨らんで全体がカーブを描く。この曲がる指が3本、4本と集まると手の指のように機能して、小豆の入ったおかずカップや卵をひょいと簡単に持てるようになる。ポンプで空気を入れて持ちあげ、空気を戻すと開いて放す。紙製の容器がしなるので人間でもなかなか持ちにくく、小さな子どもなら小豆をこぼしてしまうかもしれないぐらいの難易度。しかも、同じ指で、おかずカップでも唐揚げでも卵焼きでも持てる。

左がおかずカップに入った小豆、中が唐揚げ、右が卵焼き

左がおかずカップに入った小豆、中が唐揚げ、右が玉子焼き

上から注射器で空気を入れると指がうまく曲がり、小豆を入れたおかずカップをしっかりホールド

上から注射器で空気を入れると指がうまく曲がり、小豆を入れたおかずカップをしっかりホールド

唐揚げの模型もホールド。唐揚げ模型は、食品サンプルより実物に近い柔らかさや変形具合を実現した特注品

唐揚げの模型もホールド。唐揚げ模型は、食品サンプルより実物に近い柔らかさや変形具合を実現した特注品

と、おいしそうなものばかり持とうとするのには、訳がある。

 

「念頭においているのは、お弁当工場やお菓子の詰め合わせ工場で稼働するロボットです。現在の工場に導入されているのは、硬い材質のハンドで、部品ごとに適した形の先端部を個別に設計しているでしょう。この指はそんな手間をかけずに、形がそれぞれ違うさまざまな食品のどれにでも対応できるようにすることをめざしています」と平井先生。

 

空気を入れると膨らんで曲がる指、というのは以前からあったが、ひだの形を多めや少な目にしたり、硬さを一部だけ変えたり(たとえば先だけギュッと硬くするとか)することで、確実につかめる指を可能にした。

 

3Dプリンタを使って素材や硬さを少しずつ変えて試行を続けた。柔らかすぎても、硬すぎてもダメ。コンピュータ上でシミュレーションをすること自体大変で、やってみて調整するしかないところもある。(作製する前に、コンピュータ上でシミュレーションを行なって、指の曲がり方を確認した。アプリケーションに応じて、最適なデザインを探すこともできる。)

異なる形状の指のシミュレーション。曲がり方を確認

異なる形状の指のシミュレーション。曲がり方を確認

作製した指の実物

作製した指の実物

 

また、研究によって、あらかじめ外に向けて広がっていた方が持ちやすいということもわかったため、伸ばした状態の素材にフィルムを張り、自然に広がる指を実現させた。広がった指が、空気を入れることでまっすぐになるような仕組みによって、薄いものでも持ちやすくなった。

最初から外側にまがった指

最初から外側にまがった指

 

「得手不得手はありますが、どんな形でも持てます。重量が重いものも、材料を変えたり圧力を増やすなどすれば、対応できると思います」

 

すでにお弁当やお菓子の製造ラインに導入を予定。いろんなものを詰めるには人手が必要で、仕事の大変さから常に人手が足らない現場であり、ロボットの導入による効率化のメリットも大きい。平井先生は、さらに、ネットショッピングのバックヤードもターゲットにしている。注文の品を人手でカゴに入れて、段ボール箱に詰める仕事も、お弁当とよく似た大変さがある。

 

「今まで人の手でしかできなかった、ロボットが入っていないところに導入できるロボットです。今工場で動いているロボットには、いろんなものが入っている箱の中から何かをつまんでくる、という作業がなかなか難しいのです。きれいに揃っているのなら簡単だが、さまざまな形やサイズのものがいろいろな向きで入っているという状況に、対応できなかった」

 

つまりUFOキャッチャー状態ということで、あの先端が平井研究室の指ならば、ムダにコインを投入することもないのだ。

 

指を動かすのに必要な小さなサイズの空気圧の調整弁も、学生のアイデアから「無拘束マイクロ空気圧弁」として新開発。さらに、ものをちゃんと持ったかチェックするセンサー、人が近づいてきたら警告できるように電気を通す糸を使って織った布で人との距離を測るセンサーなど、さまざまな技術開発にも取り組んでいる。

 

2017年11月末から東京ビッグサイトで開かれた「2017国際ロボット展」にも出展し、注目を集めている。人間の指の再現をめざして、今後も、さまざまな構造にチャレンジしてみたいという。

 

これから作ってみたい柔らかいロボットは?と平井先生に聞いてみると、「枝打ちロボット」という答えが返ってきた。

「木の枝のようなゴツゴツした形の不定型なところを動けるような機構を作って、人がいなくても枝打ちができるようになれば。人じゃないとできない枝打ちは、人手や経費が掛かり過ぎて放っておかれがちになっていますから」

 

困り事を解決する柔らかいロボットは、まだまだ活躍の場を広げそうだ。

(問題の答え:「ディッシュ型」瞬発力はないが長い時間持続する力がある形だそう)

阪大待兼山遺跡はレアな存在!? 2000年の昔へ旅する公開講座

2017年11月9日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

豊中市、池田市、箕面市にまたがる標高77.3mの待兼山(まちかねやま)の丘陵に広がる大阪大学豊中キャンパス。

 

その下に遺跡が眠っていることがわかったのが今から30年ほど前のことだ。以来、継続してきた考古学調査の結果、待兼山2000年の歴史が徐々に明らかになってきた。

 

その概要を一般向けにわかりやすく教えてくれる公開講座「出土した焼き物から探る、待兼山二千年の文化」に行ってきた。6年前に大阪大学埋蔵文化財調査室に赴任して以来(いや、その前の大学院生時代も…)、掘って、掘って、また掘っての生活を続けてきた中久保辰夫先生の情熱あふれる解説に、参加者たちは熱心に聞き入った。参加者には考古学大好きという人が2割ぐらいいらっしゃったが、私を含め考古学マニアでなくても十分にワクワクしてしまう内容だった。

 

21世紀懐徳堂スタジオにて開催

21世紀懐徳堂スタジオにて開催

 

日本の発掘調査は年に8,000!

 

まずは、考古学の専門家が行っている発掘調査とは何かの解説から。

 

驚いたのは、発掘調査が行われている件数だ。日本ではなんと年に8,000件も行われていて、世界的に見ても多いほうだという。日本人はご先祖様たちが築き上げた歴史に大いに興味があるということか。

 

そのうち重要性が認められていて出土した遺跡を保存するのが前提の学術調査は1割にも満たない。残り9割は建設工事等に伴って基本的に破壊が前提となってしまう緊急調査で、この場合、出てくる遺構や遺物の保存はケースバイケースだ。

 

豊中キャンパスでの調査は後者。1983年のキャンパス工事で弥生時代の集落跡が発見されて以来、校舎の新築や建て替えはもちろん、駐輪場や道の整備までさまざまなキャンパス整備工事のたびに調査が行われ、多くの遺物が出土している。その一端は、大阪大学総合学術博物館の展示で見ることができる。

待兼山5号墳。これでも小さい古墳なんです

待兼山5号墳。これでも小さい古墳なんです

 

発掘調査の様子

発掘調査の様子

 

待兼山遺跡から出土した馬型埴輪と馬曳人埴輪

待兼山遺跡から出土した馬型埴輪と馬曳人埴輪

 

地域色くっきり!?土器の文様にみる弥生人のセンス

 

キャンパスで発掘された遺跡を時代の古い順に並べると、最も古いのが2000年をさかのぼる弥生時代の集落跡になるそうだ。そこでは住居などの跡は発見されなかったが、弥生土器や石器などが出土した。中久保先生は発掘された遺物の実物をいくつか持ってきて、講義の間、参加者にまわして見せてくれた。

 

土器のカケラをじっくり観察

土器のカケラをじっくり観察

 

細かい線の文様が見える

細かい線の文様が見える

 

「弥生土器は女性がつくっていたとされています。よく見ると、親指の指紋のような跡が残っているのがわかります」

 

2000年も土の中に埋まっていた土器の破片はもはやエッジのかけらもない感じですべすべとしているが、よく見ると確かに指紋のようなものが見える。どんな女性だったんだろうかと、頭の中で、想像がいろいろ膨らむ。しかし、ご飯をつくるのに器からつくらないといけないとしたら、面倒くさすぎて気が遠くなる。すごいぞ、弥生マダムたち。

 

面白かったのは、弥生土器の文様の話。日本の考古学では土器の文様について80年も研究のつみかさねがあり、弥生人は文様が大好きな人達だったとか、その文様は地域ごとに特色があったとか、いろいろなことが明らかになっているそうだ。

 

待兼山遺跡から出土した弥生土器の破片にはクロスの模様があったが、これは北摂のあたり特有の模様。これが河内周辺にいくともっと派手目な感じになると聞いて、参加者から笑いがもれる。地域ごとに「かわいい」とか「ええ感じ」みたいなセンスが共有され地域色になって表れていたと考えられるそう。

 

2000年前からそうだったなら、今ヒョウ柄ぐらい着ていて当たり前かも…。土器の文様が共通のエリアは、嫁入りする範囲と重なり、方言や郷土料理などにも一致した特徴がみられるかもという。

 

意外にもレア遺跡だった待兼山

 

弥生時代から下って古墳がつくられた時代には、4世紀の有力者の前方後円墳など5つの古墳が発掘され、その一つから見つかった馬形埴輪の頭部の一部は、その時代のものとしてはと豊能地域で初という珍しいものだった。

 

さらに、奈良時代、鎌倉から室町時代、戦国時代から江戸時代、幕末の頃のお墓の跡もさまざまな形で発見された。これまでの調査をトータルに眺めてみた結果、待兼山は西のふもとを中心に、連綿と続くお墓であったということが判明したという。

 

「日本の場合、お墓の場所は時代によって変わっていくのが普通。歴史のほとんどの時代がお墓、という場所は極めて珍しい」と中久保先生。先生自身も、発掘調査を続けるうちにこの遺跡の重要性に気づかされたという。

 

待兼山は、なぜずっとお墓だったかについて確かな証拠はまだ見つかっていないが、先生の見立てはこうだ。

 

「待兼山の西麓にのびる阪大坂からは、周辺のまちがよく見えます。おそらく、自分たちが住んでいた場所に葬られたい、先祖に眠っていてほしい、という思いが引き継がれていったからではないでしょうか」

 

講義の最後には、全員でキャンパスの中の遺跡が発掘されたいくつかの場所を巡るツアーが行われた。阪大坂では、「そうそう、ここって夕日もきれいやしなあ」という声も漏れた。地域の人が納得する、聖なる場所としての条件を備えていたのが待兼山だったのかもしれない。

 

阪大坂からの景色

阪大坂からの景色

 

遺跡への思い、これからの展望を熱く語る中久保先生

遺跡への思い、これからの展望を熱く語る中久保先生

 

右手奥の駐輪場周辺では、2005年に中世の火葬墓が発見された

右手奥の駐輪場周辺では、2005年に中世の火葬墓が発見された

 

今回の講義は、先生から解説のアウトラインを聞いて参加者が疑問に思ったこと、もっと知りたいことをどしどしぶつけて解決していく構成。その後のツアーの間も含めてたくさんの方が先生に質問し、なかなか盛り上がる会になった。

 

土器のことにしても、少し背景を知るだけで興味が出てくるのを今日参加してみて実感。「考古学は人工物を対象にした学問」と中久保先生はおっしゃっていたが、人がつくったものは時代を越えても人の心をとらえるのだろう。

 

キャンパスがあることで、建設工事も多く、同じ場所を継続して発掘調査できることが待兼山遺跡の重要なメリット。今後は、まだ明らかになっていない縄文時代や平安時代がどうなっていたのか、あるいは待兼山の北側、東側に何が埋まっているかなど、欠けたピースをできるだけ集めたいという話だった。待兼山の謎のさらなる解明に要注目だ。

 

取材協力:大阪大学21世紀懐徳堂

「アニメ聖地巡礼」から「ゾンビ」まで。日本発の観光現象はどこまでいく!?

2017年10月26日 / この研究がスゴい!, 大学の知をのぞく

今の言葉で「聖地巡礼」といえば、アニメの舞台になった場所を巡る観光のこと。今年の8月にはアニメツーリズム協会が全世界のアニメファンが選んだ『訪れてみたい日本のアニメ聖地88(2018年版)』を発表するなど、もはや世界的な観光スタイルになってきている。奈良県立大学・岡本健准教授は、10年前から聖地巡礼を研究。現在は、次の研究ターゲットとして「ゾンビ」に注目しているという。うーん、よくわからないが深そう。じっくりお話をうかがった。

景色の見え方が変わる魅力

「聖地巡礼は、コンテンツツーリズムといって小説や映画、ドラマやアニメ、ゲームなどのコンテンツが引き金になった観光の一つ。コンテンツツーリズム自体は昔からあるんです」と岡本先生。「ローマの休日」を見て真実の口に手をつっこんだり、大河ドラマの舞台を訪ねたりするのはおなじみだが、江戸時代にはすでに、『源氏物語』に登場する人物「夕顔」の家跡というあり得ないスポットをつくっていたとか。歴史は結構長かったのだ。

奈良県立大学地域創造学部 岡本健准教授

奈良県立大学地域創造学部 岡本健准教授

 

だが、こうした従来型のコンテンツツーリズムと、90年代から始まったといわれるアニメの聖地巡礼が大きく違うのは、ガイドブックやツアー商品のようなマスの情報で人が動くのではない点だ。「少数の開拓者が、アニメを見ては舞台となっている“聖地”を探索。GoogleのストリートビューやYahoo!の地図サービスで検索するだけでなく、直接訪ねて探し出す。『舞台探訪』とも呼ばれる行動です」

その情報がインターネット上に流され、追随する人が出てくる。“聖地”はもともとの観光地ではなく、何の変哲もない場所であることも多い。神社、路地、スーパー、坂道など作中に描かれた舞台、でも、どの町にもありそうなスポットを巡り、ここだと確認していく宝探しのような面白さがある。巡礼者にとってはキャラクターが暮らす場所に見える。アニメの世界観が現実の世界の見え方を変えてくれるわけだ。作中に使われたのと同じアングルから写真を撮り、現実の風景と作中の風景とのちょっとした違いを探してワクワクする。彼らはまた自分の経験や思いを発信し、聖地に関するデータベースは充実していく。旅行者たち自身が観光地をつくっていくのだ。

ホストとゲストがつながる

岡本先生によれば、“聖地”の巡礼者は、さまざまな表現活動をする。『らき☆すた』の聖地、鷲宮神社(埼玉県久喜市鷲宮)には数多くの痛絵馬(キャラクターを描いたりキャラクターのせりふや口癖などを願い事に盛り込んだ“痛い”絵馬)が見られ、中には100回以上も参拝して絵馬を奉納している人もいたとか。『けいおん!』の豊郷小学校旧校舎群(滋賀県豊郷町)では、ファンによってティーカップなどが持ち込まれ、作品中でお茶を飲むシーンが再現されたという。

こういうファンの情熱が、地域の人々を動かすケースも起こった。鷲宮では、「せっかく遠くから何度も来ていろいろやってくれているのに、何にもしないのは申し訳ない」と、観光資源づくりに力を入れた。鷲宮商工会が中心となって「『らき☆すた』桐絵馬型携帯ストラップ」を著作権者の許可を得て制作。十数種類の絵柄のものを、町内の個人商店で販売した。また、地域で伝統的に催されている秋祭り「土師祭」に、もとの千貫神輿に加えて新たに『らき☆すた』神輿を出し、アニメファンたちの参加を募って祭りを一緒に盛り上げているという。

『らき☆すた』神輿の発案者は、当時70代の、祭りを取り仕切る立場の人。岡本先生がその経緯を聞くと、「俺の神輿好きだって、わかんねえやつにはわかんねえ。『らき☆すた』が面白いかと言われると自分にもわからないが、あいつらにとっての『らき☆すた』は、俺の神輿だということはわかった。おまえらの好きな『らき☆すた』を、俺の好きな神輿に乗せたら担ぐか、と聞いたら、ぜひやりたい、という声が多かったからやることになった」という返事だったという。この共感のし方、受け容れ方、素晴らしすぎる。
第10回らき☆すた御輿

鷲宮では、経済効果を周辺にも広げようと、巡礼する人が町内を回遊するようにグッズを町の中のいろんなところで分散販売したり、スタンプラリーをするなどの工夫をした。それは同時に、町の人とファンの人とがつながる機会にもなった。ファンが炎天下にストラップを買いに来たのを、「大変だろう」と軽トラックに乗せて送ってあげる町の人もいた。ファンもファンで、2週間ぐらい後にまた巡礼に来た時、菓子折りを持ってお礼に行ったという。人が捨てたゴミをちゃんと拾ってゴミ箱に捨てていた、などという美談も語られ、よく言われる“おたく”の悪いイメージとは違った印象を町の人たちは持つようになった。「実際に会ってみたら、いいやつ」だったのだ。

「わかり合えないことの方が多い時代にこそ必要な回路が、ここにはあるような気がします」

聖地巡礼の場では、「ホスト(地域住民)」と「ゲスト(観光客)」が混じり合う。鷲宮では『らき☆すた』神輿の担ぎ手に、アニメファンたちが水やチョココロネを提供する。豊郷では「キャラクターの誕生日会」「けいおんがく!ライブ」などアニメファンが企画・実施するイベントがある。湯涌温泉(石川県金沢市)では、そこが舞台の『花咲くいろは』に出てきたフィクションの「ぼんぼり祭り」を再現し、現実の祭りにしてしまった。もう7、8年続いている。ぼんぼり祭りは途絶えてしまっていた地元の祭りに似ているところもあり、アニメが地域の資源を掘り起こして復活させたともいえるのだ。

「ホストとゲストという従来の観光の枠組みとは違う、コンテンツや地域に興味のある人同士の関係性が構築され、観光が成立しているのです」

現実と虚構の接点―観光

岡本先生は、アニメだけでなく、他のことでも同じことが起こると考えている。その事例の一つとして注目しているのが、「横川ゾンビナイト(広島県広島市)」だ。路面電車が走る古くからの商店街もある町が、ハロウィンの2日間、ゾンビの仮装をした人で賑わう。
ゾンビナイトの様子

ゾンビナイトの様子


「この場合のコンテンツは、土地に根付いた何かではありません。もちろん、横川が舞台になったゾンビ映画なんかありません。もしかしたら、参加者もゾンビ映画を見たことがないかもしれない。それでも、ゾンビで盛り上がってしまう。そこが面白いと思っています」

発案したのは、(交財)広島市文化財団事業課職員の粟河瑞穂さん。原爆被害を受けた広島でゾンビのイベントが受け入れられるのかという心配する意見もあった。

確かに原爆の記憶は忘れてはならないが、そこに縛られて新しい芽をつぶしたくないという声に商店街が全面的に賛同し実行にこぎつけた。)ハロウィン時期に開催し、2015年の初回には市内外から予想を大幅に上回る約17,000人もが訪れた。今年の10月27日、28日には3回目が開催される予定だ。
ステージ

横川商店街には、横川シネマという町の映画館が残っていた。つぶれてしまうという時に商店街が買いとり、現在は運営を委託して続けている。映画館のおかげで、映画監督などアーティストとの関わりもあり、今回のようなイベントの素地はあったが、基本的にはゼロからの企画だった。
人は面白いものがあるところに集まる。由来や意味があってもなくても、その行動に大きな影響はない。「人が楽しさを感じる可能性のある何か」を「コンテンツ」と捉えて、それと人の移動の関係を考えていくのがコンテンツツーリズムという分野だと岡本先生は考えている。その意味で、「横川ゾンビナイト」は、まさにコンテンツツーリズムだ。

「観光で重要なのは、虚構をいかに作り出して人々をどう楽しませるか」だと岡本先生は言う。たとえば、『ポケモンGO』もれっきとした観光。「一歩間違うと、『環境管理型権力』といって、ゲームをすることで意思とは無関係に動かされることにつながってしまいますが、見方を変えれば、「思い」だけではどうにもならない時に、行動を変えてくれるものにもなり得る。家を出られない人が、楽しいコンテンツのおかげで外出できるとか、うつ病の治療にゲームが効果的というような方向性ですね」
観光を含めて、人間は現実と虚構とどう付き合っていくのか、これが今後の岡本先生の研究テーマだという。

観光という現象にくっついてくるのはお金だけではないんだと改めて気づかされた。人や文化との出会いとか、違うモノ同士の融合とか、やっぱり深かった。聖地巡礼の「聖地」とは、言い得て妙。現実と虚構が入り混じる境目には聖なる空気が漂い、何か奇跡のようなことが起こるのかもしれない。さて、どこか出かけてみますか。

「マグロだけじゃない」近畿大学国際学部の広告戦略。

2017年10月24日 / 大学を楽しもう, 大学PRの世界

近畿大学の広告といえば、あの近大マグロを使ったユニークな展開で有名だが、実はそれだけではない。今回、注目したのは、2016年4月に新学部として開設した国際学部の広告。開設前年の告知広告は開設にかける意気込みがビジュアルから伝わってくるような熱い作品だったし、開設年から今年にかけては完全に若い世代に顔を向けた「ハッシュタグコピー」で話題をさらっている。マグロもそうだが、いつも振り切り加減が半端ではない気がする。こんな広告がどうやって生まれてくるのか。狙いはどこにあるのかを聞いてみることしにした。

 

今までにない新学部を売れ!

新学部である国際学部開設にあたって展開したテレビ・新聞・交通広告には、近畿大学卒業生の著名人・赤井英和さんが登場した。新たにできる学部には校舎も何もなくゼロからの出発だったため、とにかくインパクトのあるものにしたいという思いからオファーしたという。

 

教育内容では、ベルリッツコーポレーションと産学連携でカリキュラムを組むという新たな取り組みを導入。1学年定員500人の全員が1年間の海外留学プログラムに参加し、しかもその時期は1年の後期からと早い、それまでの常識を破った学部である。

 

今までにない学部を成功させる、という熱気が「いきなり世界戦や。」というメッセージから伝わってくるようだ。「国際学部の開設は、それを機に、他大学に比べて遅れていた大学全体のグローバル化を一気に推進しよう、という力の入ったプロジェクトでした」と広報担当者は言う。

 

その頃、広告代理店から近大にある特別企画が持ち込まれた。29年ぶりに大阪で開催される新聞大会に合わせた企画で、広告を通じて新聞の魅力をPRすることを目的に、大手新聞社5誌(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞、産経新聞)に、同じテーマでデザインの異なる広告を掲載するという試みだった。

 

しかも広告主は内容をクリエイターに任せ、当日まで一切チェックしないというのが条件。クライアントがなかなか見つからない中、ユニークな広告で定評のあった近大に白羽の矢が立ったという。

 

クリエイターは、電通関西支社の日下慶太氏とそのチーム。大阪・文の里商店街活性化をテーマにしたポスターで注目を集めた実績もあり、この人たちなら面白そうな広告ができそうだと、近大は提案に乗った。若手クリエイターが思い思いの国際学部広告を制作したシリーズは、また注目を集めることになった。

シリーズの中でも最も話題をさらったのは、やはりこちら

シリーズの中でも最も話題をさらったのは、やはりこちら

 

「若手広告制作者の方の面白いものを作りたいという想いと、国際学部を知ってほしいという本学の想いとがうまく重なったかたち。後々まで取材されることも多い、話題性のある広告になりました」。

広報室のみなさんは本当に掲載日に初めて目にしたそう。いくら実績のあるクリエイターだからとはいえ、任せるという思い切りはやはりすごい。

 

僕たちに向けたコード「♯」

2016年4月の開設後には、売り物となる留学生活をテーマに広告を展開している。“留学あるある”をテーマにビジュアルにした交通広告を打った。

“パリピ”(パーティー大好きピープル)にもまれる留学生

“パリピ”(パーティー大好きピープル)にもまれる留学生

 

ホントに満腹なんです!さて英語でなんて伝える!?

ホントに満腹なんです!さて英語でなんて伝える!?

 

コピーには、ハッシュタグのついた単語やフレーズを使った。最近こうしたコピーをよく目にするようになったが、そのはしりだったという。

 

「ターゲットは高校生なので、表現自体を彼らに刺さる内容にしたかったのですが、その意図はある程度伝わったようです。入学した学生に調査した結果では、ハッシュタグ付きのコピーについて『僕たちに向けて広告を打ってくれているんだとよくわかった』という感想が聞かれました」

 

SNSをやっていなければ、「♯」の意味もフレーズがただ並んでいる面白さもわからない。大人たちではない、自分たちのための広告メッセージだということを示す、コードの役割を果たしたというわけだ。

 

交通広告は、扉シールを1カ月、額面を1週間と決して長い期間の掲出ではなかった。しかし、この広告を面白いと思った高校生たちは写メに撮って拡散し、「あれ見た?」と話題にした。関西限定だったが、それ以外から入学した学生もSNSやHPを通して知っていたという。

 

この交通広告を打った2016年秋から、国際学部の1期生がいよいよ留学へ。広報担当者は、彼らに留学生活の様子をSNSにあげる時に、「♯すべてが勉強中」というハッシュタグを入れてほしいと依頼。

 

やがて、SNSをこのワードで検索すると、彼らの充実した留学生活の様子がズラっと並ぶようになった。広告で使ったのは作り込んだビジュアルだったが、検索すると出てくるのは本物の留学ライフだ。しかも、日々更新されて増えていく、ライブな息の長いキャンペーンへと成長していくことになった。

 

広告は話題にならないと意味がない

 

1期生が帰国した後の2017年秋の広告では、これまでに学生が実際にSNSに上げた写真の中からチョイスして紹介することにした。留学先の校名なども入れて、リアルさを前面にアピールした。

 

「留学が必修でさぼっていては卒業できないのですから、留学先で勉強するのは当たり前です。でも、せっかく海外を体験するのだから、いろんな景色を見たり、いろんな国の方々と接し、数々の文化に出会ってほしい。そんなすべてが勉強なのだ、というメッセージを『♯すべてが勉強中』に込めています」

 

イキイキと輝いている様子や楽しさを伝えたいと学生の写真をそのまま使っているのだが、「彼らは撮るのが上手くて、作ったように見えてしまうほどクオリティの高い写真が多いのが想定外」と広報担当者は笑う。

 

旅行雑誌かと思うような写真

旅行雑誌かと思うような写真

 

感動がリアルに伝わってくる

感動がリアルに伝わってくる

 

とにかくめっちゃ楽しそう!

とにかくめっちゃ楽しそう!

 

確かに、空がきれいに写りこんでいたり、人物配置が絶妙だったり。SNSは、本当に彼らの身近なメディアだということがよくわかる。広報メンバーは学部の教員のように学生と密に接触しているわけではないので、物おじせずに向こうでの暮らしを楽しんでいる学生の姿をSNSで見て、ホッとした、とも語る。

 

さらに、入学を考えている高校生や保護者のもっと知りたいに応えるために、留学生活を取材するクルーを仕立てて、密着動画を撮影することにした。留学前の勉強や留学への意気込み、いよいよ出発の瞬間から到着後のドキドキ、留学先での勉強やアクティビティの様子など、学生の自然な表情や正直な気持ちをとらえた動画を順次ホームページにアップしている。

 

♯すべてが勉強中 スペシャルサイト

 

「広告を打つからには話題にならないと意味がない」というのが、広告における近大の基本的な考え方。近大らしさや改革力をアピールすることが大目標で、制作においては、大学名やロゴがなくても近大の広告だとわかるものをめざしているという。自然と拡散して広告そのもの以上の効果をもたらすのは、その結果だということだろう。

 

今年の新年には「早慶近」という新聞全15段の大学広告を打って、「近年の中では、一番反響が大き」かったという近大。大学の広告ってこういうもの、大学の序列とはこういうもの、などという固定化された常識をぶち壊していく近大のこれからに、ますます期待がふくらむ。

 

新年早々度肝を抜かれました

新年早々度肝を抜かれました

 

★取材こぼればなし

お話を聞いたのは、広報室の方も引っ越してきたばかりという新館でした。ミーティングスペースはなんとすべて魚の名前!広告だけでなくこんなところにも驚きがある近大、恐るべしです。

 

クロマグロの部屋が一番広く、入口にはこんなサインが

クロマグロの部屋が一番広く、入口にはこんなサインが

 

KINDAI近大_会議室2

 

関大×東大地震研がコラボした「ミュオグラフィアート」って何?

2017年10月5日 / 大学の知をのぞく, この研究がスゴい!

9月に開催された「ミュオグラフィ:巨大物体の謎を解く21世紀の鍵」と題された講演会&特別展示に行ってきた。ミュオグラフィは東京大学地震研究所が世界をリードしている最新技術分野。そのままでは難しい技術の話を、一般の人にもわかりやすく、面白く伝えようと関西大学総合情報学部がひと肌脱いだのが「ミュオグラフィアートプロジェクト」。その成果がわかる、技術とアートが融合したユニークで楽しいイベントをレポートしよう。

巨大なレントゲン「ミュオグラフィ」

関西大学梅田キャンパスで開かれた講演会とグランフロント大阪内のナレッジキャピタルを会場とする特別展示とをシンクロさせ、「ミュオグラフィアートプロジェクト」を紹介するイベントが「ミュオグラフィ:巨大物体の謎を解く21世紀の鍵」。講演会だけだと“科学好き”しか聞きに来ないかもしれないが、特別展示会場では絵や音のアートを鑑賞したりVRが体験できたりするので、フラッと入ってみた人でも興味が持てる。ミュオグラフィアートプロジェクトの狙いそのままのイベントだ。


ミュオグラフィについては、講演会で、この分野のパイオニアとして世界的に活躍する東京大学地震研究所の田中宏幸教授から詳しい解説を聞くことができた。田中教授のチームは、2006年、火山内部のマグマやガスの様子を撮影することに世界で初めて成功し、ミュオグラフィの名付け親でもあるという。

東京大学地震研究所 田中宏幸教授

東京大学地震研究所 田中宏幸教授

 

関西大学総合情報学部 林武文教授

関西大学総合情報学部 林武文教授

 

ミュオグラフィとは、「宇宙から降ってくる素粒子ミュオンを使って、火山やビル、ピラミッドまでありとあらゆる巨大物体の中をレントゲン写真のように透視する技術」。ミュオンとは宇宙線が大気に衝突するときに発生する素粒子で、目には見えないが、手のひらぐらいの広さあたり毎秒1個ほどの密度で、私たちのまわりに常に降り注いでいるらしい。このミュオンは巨大な建物や火山を透過する性質を持っており、その透過の状態を測定して内部構造を画像にする技術がミュオグラフィである。


「X線は、肉を透過し骨では止まることで、骨の映像を映し出します。ミュオンは人体の数千倍、㎞クラスの物体を透過するもの。内部の密度によって一部は透過し一部は吸収されるため、像ができるのです」と田中教授。X線撮影の原理をそのまま巨大化したようなイメージだと聞くと、ミュオンが何かはよくわからなくても、納得がいく。透視の方法は、たとえば火山内部の透視では、火山のふもとにミュオンの方向と数を測定できる装置を設置し、吸収や透過の様子をマッピングすることによって画像を得るという。

ミュオグラフィの原理

ミュオグラフィの原理

ミュオンの時計はゆっくり進む

もちろん、ミュオンについてもしっかり解説があった。ミュオンとは12個の素粒子のうちの一つで、1936年に発見されたとか。質量は電子の200倍で、重いから物質の中でも止まりにくく貫通していく。しかし、その寿命は100万分の2秒と非常に短く、光の速度で飛んでも600mしか移動できないことになる。ではどうして、巨大な物体を通り抜けられるのか。


「そこでモノを言うのが相対性理論です。相対性理論を使うと、光の速度で飛ぶ粒子は時計が遅れます。典型的なミュオンの速度は298,289km/秒で、光の速度299,992km/秒に非常に近い。つまりミュオンの時計はわれわれの時計よりもゆっくり進み、100万分の2秒よりもっと長く生きて、山を貫通する現象が起こるのです」(田中教授)


この辺りになってくると物理に疎い人間にとっては、理解というより「へえ」というしかない。が、田中教授の後に講演されたミュオグラフィアートプロジェクトのリーダーで関西大学総合情報学部・林武文教授の言葉にはとても共感した。「相対性理論や素粒子論が、防災や産業など日常生活に必要な技術として応用されていることに感銘を受けた。ミュオグラフィに魅せられたきっかけです」


ミュオグラフィは現在、火山や鉱床、遺跡など人間が直接観測できないモノや場所を調査するために必要な透視技術として世界中で大活躍しているという。東日本大震災で被災した福島原発の原子炉内部に核燃料がなくなっていることを教えてくれ、クフ王のピラミッド内部に未知の空間を見つけ出してもいるそうだ。東大地震研では、2014年にはマグマ動態の透視もできるようになるなど技術開発が駆け足で進展。透視法や機材の開発も進み、日本とハンガリーが共同で開発した第三世代ミュオグラフィ観測装置が活躍中だという。

先端技術ミュオグラフィがアートになった

ここまですごい技術で、原発や世界遺産など話題性のある調査にも貢献しており、しかも日本が最前線を走っているにしては、確かにミュオグラフィは知られていなさすぎかもしれない。その魅力を世の中に広める「ミュオグラフィアートプロジェクト」始動は当然のことだと、田中、林両教授の話を聞いて強く思った。2017年4月から取り組んでいる同プロジェクトの目的は、ミュオグラフィのしくみについて正しく理解してもらうこと、新たな可能性を探るためのコンテンツを開発すること、そして科学への興味を喚起させる有効な情報発信の方法も探っていくことだという。


ミュオグラフィアートの世界がよく理解できるのが特別展示だ。会場に入ると、実験やシミュレーションの結果を3D-CGで見せて、直感的に仕組みを理解させてくれるコンテンツが並んでいた。たとえば、ミュオンが大気圏で生成されて降り注ぐ様子を3D-CGで表現したコンテンツは、文字だけでは難しそうな現象をAR(拡張現実)によって一目で理解することができる。視点を地上に持っていくと自分に降り注ぐ様子が体験できるなど、現実にはあり得ないことが簡単に経験できてしまう。もちろん、ミュオグラフィの計測の仕組みについても、直感的に理解できるARコンテンツが用意されていた。

ミュオグラフィが降り注ぐイメージを見ることができる、ARを使ったコンテンツ

ミュオグラフィが降り注ぐイメージを見ることができる、ARを使ったコンテンツ

 

また、ミュオグラフィをモチーフにしたサイエンスアート作品も目を引いた。火山などミュオグラフィの透視の対象を描いた油彩作品、ミュオグラフィのもとになる理論や仕組みを描いたデジタルアート作品などは、その色づかいの美しさにひかれる。巨大なものの透視という技術やテキストの中だけのものだった物理現象が、思ってもいない表現で目の前に現れてくるのには驚いた。また、鹿児島県・硫黄島のマグマの動きを捉えたミュオグラフィから作られたというサウンドインスタレーションも圧巻。自然空間の大きさをテーマに作られた幻想的な音の世界は、いつまでも聞いていたい癒しの音だった。


その他、油彩画に3Dイリュージョン(逆遠近錯視)作品を取りつけてミュオンが降り注ぐ様子を表現したもの、8Kなど超高精細画像を使った展示、普段の光景が透視して見えたらどうなるかという学生によるミュオグラフィシミュレーターの作品など、サイエンスアートと情報発信の可能性を感じさせるバラエティに富んだ作品が並んだ。

ミュオグラフィによる透視を立体で表した作品1

 

ミュオグラフィによる透視を立体で表した作品

ミュオグラフィによる透視を立体で表した作品

 

油彩画と3Dイリュージョンをあわせた作品

油彩画と3Dイリュージョンをあわせた作品

ミュオグラフィアートプロジェクトに触れて感じたこと

講演会&特別展示を体験して、ミュオグラフィアートが、ミュオグラフィを理解させ興味を持たせてくれる試みであることはもう間違いないと思う。そこには、仕組みがイメージとしてしっかりと刻み込まれるような情報技術の素晴らしい仕掛けがあった。さらに、見えないもの、行けない場所、触れられないものを対象にして、それらを私たちの側に引き寄せてくれる、ミュオグラフィの持ち味を印象付けてくれるものでもあった。ミュオンという神秘的な(私から見れば)存在にも、少しお近づきになれた。


全体として、ミュオグラフィに出会った、と思わせてくれたイベントだったのだが、思えば科学技術系の話を聞いてそんなふうに感じたことなど今までになかった気がする。おまけに、サイエンスアートに触れたことがこれまでほとんどなかったので、科学とアートがここまで仲良しなことに、というか影響を与え合う存在であったということにも衝撃を受けてしまった。2018年には多摩美術大学美術館、イタリア文化会館東京での展覧会も予定されているとか。チャンスがあれば、ぜひ訪れてみてほしい。

大谷大学の学生パワーが熱い「祇園祭ごみゼロ大作戦」ボランティア。

2017年7月11日 / 大学の地域貢献

大谷大学には「コミュ・ラボ」という、ボランティア、まちづくり、フィールドワークなど、学生たちが社会に出てさまざまな課題解決に積極的に取り組むプロジェクトが活発に行われている。なかでも2015年から多くの学生が参加しているのが「祇園祭ごみゼロ大作戦」。今年も多くの学生が参加する予定だという。

 

ごみ60トンを半分に減らしたエコ大作戦参加

 

「祇園祭ごみゼロ大作戦(以下ごみゼロ)」とは、環境NGO「地域環境デザイン研究所エコトーン」、京都市、ごみ回収事業者、露天商組合などが2014年から協働でスタートさせたエコプロジェクトで、祇園祭でもっとも人出の多い前祭宵山の2日間、露店でリユース食器を使うことでごみを減らす取り組みだ。

 

日本を代表する祭りでの取り組みだけに、全国からの注目度は高い。成果も上々で、開始前の2013年に60トンだったごみが約半分になり、宵山の後、巡行に向けて夜通しかけて掃除されていた町内の方の負担も減った。

ごみの分別を呼びかけるエコステーション

ごみの分別を呼びかけるエコステーション

 

町なかの人出の多い箇所をいくつかのエリアに分けて、リユース食器の返却と分別ごみ箱設置拠点となるエコステーションを配置。ボランティアが待機して、食器返却やごみ分別を呼びかける。使用済みのリユース食器を回収して洗浄し、露店に配布するのもボランティアが担っている。

リユース食器。時間はかかったが、やっと浸透してきた

リユース食器。時間はかかったが、やっと浸透してきた

 

大谷大学の参加は、「コミュ・ラボ」でさまざまなプロジェクトを支援してきた赤澤清孝准教授の働きかけによる。赤澤先生が担当する文学部社会学科の環境問題と市民参加をテーマにした授業の一環で、学んだことを実践に活かす場として参加を必須にしたことから始まった。

取り組みについて話す赤澤清孝准教授

取り組みについて話す赤澤清孝准教授

 

授業を取っている学生が50人、その他の有志が50人の計100人程度が参加し、初年度から学生の関心は高かったようだ。以来、毎年積極的に取り組み、一番大勢の学生が参加する大学になっている。

 

ごみゼロの運営側からすると、学生の団体参加はありがたい。2日間でボランティアの必要人数はのべ2000人(!) 宵山は露店も夜の11時まで営業するため、片付けも含めると最後のシフトは夜中12時頃までの活動になる。体力と自由度のある学生パワーに期待するところは大きいのだ。

 

猛暑の中、元気にがんばる学生の姿

猛暑の中、元気にがんばる学生の姿

 

気持ちや行動は変わる、という手応え

 

2年目の2016年は参加人数が増えたことに加え、ボランティアリーダーとしての参加募集に応える学生も現れた。リーダーはエリアごとの現場責任者のような役割で、当日の受付、メンバーの指導や休憩指示、本部の指示による欠員の対応のほか、外部から問い合わせやクレームの前線基地として本部に橋渡しする役割などもある。

 

リーダーとして参加する文学部社会学科第3学年・井村航さんは、赤澤先生の授業でゲスト講師として来学した主催者である環境NGO代表の「もともと祭りでごみが出るのではなく、あやかる人や見に来る人がごみを出している」という言葉が印象に残った。ごみを分別して捨てるのではなく、ごみを出さないようにする、という目標の意味がよくわかったという。

やりがいと感じ、今年も参加予定の井村航さん

やりがいと感じ、今年も参加予定の井村航さん

 

成果はすごく上がっている。実際に参加してみると、リユース食器はいやだという人がいるわけでもなく、ごみ箱の前で声掛けをするとみなちゃんと分別して捨ててくれる。「人が気持ちや行動を変えるのってそんなに難しいことじゃない」。ごみ削減に向けて行動する手応えを感じた。

 

ただ、リーダーの大変さはある。専門学校や大学の学生、市の職員、ボランティア団体の人など、所属も年齢もバラバラの人を率いていかなければならない。年上の人には声をかけづらかったが、その壁を一度超えてしまうと、社会人など知識を持っている人からいろいろと役に立つ助言をもらうことができた。コミュニケーション力が身についたと実感しているという。

さまざまな立場の人とかかわり、祇園祭をより良いものにしていく

さまざまな立場の人とかかわり、祇園祭をより良いものにしていく

 

来場したお客さんから「ご苦労さん」「ありがとう」とねぎらいの言葉をかけられる喜びもある。赤澤先生によると、「ボランティア活動で成果が目に見えることは少ないが、ごみゼロではお客さんの言葉やボランティア参加者、露店の方との交流もあって励みになる」と話す。

 

祇園祭という歴史のある祭りの一部に携わり良くしていく活動に参加する、という誇りを感じられる魅力もある。井村くんは、他県から来た観光客に声をかけられ「祇園祭で“ごみゼロ”をやっていると聞いていたけど、本当にやっているんだね、すごいね」と言われてうれしかったという。

 

大きな社会実験、今年も

 

大谷大学では、2017年からごみゼロ参加を組み込んだ授業を社会学科対象から全学対象へと広げ、155名の参加を予定する。

 

教職員にも浸透し、先生が学生に参加を呼びかけたり、オープンキャンパスなどでも広報して入学前からこの活動に参加すると決めていた新入生もいるという。井村くんは今年もリーダーとして参加の予定。

 

「今後も学内の参加が続いていくように、楽しさを感じてもらうようにしたい。できれば、『あの先輩みたいに頑張ろう』と思ってもらえるような、かっこいい姿を見せたいですね」と話す。

 

今後も、大谷大学ではより多くの学生に、環境との共生を体現する活動の現場で、充実したボランティア体験を積んでもらうことをめざしていく。

 

祇園祭をごみゼロにできるかは、「すごく大きな社会実験」だと赤澤先生。ここで成功すれば、他のところにも応用が利くかもしれない。大阪の天神祭や、環境との共生をテーマの一つにする東京オリンピックにも。

 

今年、祇園祭宵山にでかける予定のある方は、できれば露店でものを買って、食器をリユースしてみてください。もちろん、ボランティアをしようというのであればさらに素晴らしいが、今年の募集はもう終わっているので、来年の6月頃から「祇園祭ごみゼロ大作戦」のホームページをチェックしてみよう。

龍谷大学×みかんが今おもしろい!(後編)

2017年6月20日 / 大学発商品を追え!, 大学の知をのぞく

龍谷大学経営学部経営学科・藤岡章子教授のゼミで取り組んでいる、みかんの“皮”を使ったユニークな商品。前編では「みかんドレッシング」を紹介したが、今回は美容に関する商品にチャレンジした学生たちをレポートする。

「みかん化粧水」ができるまで

 

みかんの皮を乾燥させて樹脂で固めてイヤリングやピアスを作り、手作り市などで販売したアクセサリーの班。しかしもっとみかんの“皮”ならではの商品を作りたい―。

そこで食品の試作に戻り、みかんブラウニーやみかんスコーンなどを試してみたがピンとこない。そこで原点に返り、みかんの皮って何かいいことあるのか、効能を調べた。

 

難解な専門用語がいっぱいの論文を懸命に調査

難解な専門用語がいっぱいの論文を懸命に調査

 

「食べていいのは何となくわかっていたけど、それだけじゃなく、肌につけてもいいことがわかったんです」と話すのはメンバーの橋本都さん。

 

温州みかん果皮エキスはしわ、しみ、くすみに効能があるという論文を読み、これは化粧品にしたらいい、しかも基礎化粧品ならよさがわかってもらえるのではと考え、化粧水を作ることに決定した。

 

最終提案の日まであと2週間。しかし、「早和果樹園さんは化粧品を作ったことがないので、『やってみたら』だけでは提案にならないと思いました」。

 

ある化粧品メーカーから、製造メーカーに委託するOEM生産が一般的だと聞き、それなら、委託先まで探せば納得してもらえるのではないかと考えた。

 

メンバー全員で手分けをして電話をし、協力先を探した。多くの会社に断られながらも、「配合だけで原料を作っていないところも多いよ。オリジナル原料を作っているメーカーを探しなさい」など、教えてもらうこともたくさんあったという。

 

20社ほどかけ続け、あきらめかけていた時、とうとう「いいですよ」と言ってくれる会社に出会う。石川県能美市にあるTOWAKOメディカルコスメティック株式会社。ベンチャー的な動きも得意で「大学からの依頼にはできる限り応えたい」と考えていた会社だったという。

企業訪問先にて

企業訪問先にて

 

 労力と時間をかけて準備したかいあって、最終提案の感触はとても良かった。とんとん拍子に開発が進み、2017年2月、ついに「みかん肌まろ化粧水」としての販売が実現した。

 

使わせてもらったが、少しとろみがあって肌の上でよく伸びる。何より、みかんの香りがすごくいい。「お風呂上りなど、アロマ効果でリラックスできると思います」と橋本さん。

 

こちらは早和果樹園のみかんを使った原料エキス試作品

こちらは早和果樹園のみかんを使った原料エキス試作品

 

かんきつ系にはさっぱり系が多いが、保湿機能をより感じてもらうために少しとろみがほしいなど、メンバーが試作品を自分の肌で試しながら今の形に仕上げていった。アルコールやパラベンは使っていないのでアトピーや敏感肌の人でも使えるのがうれしい。

 

ラベルも、学生が“初めて使った”イラストレーターソフトで自作したものがそのまま採用されている。橋本さんは「ボトルも質感や色、形、大きさまでいろいろ考えました。モノづくりとは、いろいろ制限がある中でどれだけいいものに近づけるか、みたいなところがすごく大変だけど楽しかった」と話す。

 

「提案から商品化まで全部自分たちでやったのは初めて。いろいろな人の協力で現実にする難しさを実感しました。手に取る人にとっていい商品にするということが大切だということをしっかり学びました」というのは同じくメンバーの杉本春佳さんだ。

 

「みかん肌まろ化粧水」、150ml、3240円(税込)。送料無料。オンラインショップで販売中

「みかん肌まろ化粧水」、150ml、3240円(税込)。送料無料。オンラインショップで販売中

 

 

みかんだけじゃないりんごもある

 

藤岡ゼミでは、こうした産学連携、農学連携の取り組みを情報発信し、テストマーケティングを行う場としてポップアップストア「龍谷マルシェ」を開催している。定期的に京都・三条名店街の一角に出店。4月には、サイズが小さいので規格外として市場には出回らないが、甘味も香りも濃縮された黄金柑を販売し人気を博している。

 

このプロジェクトでは、今、みかんの皮への認識を変えるソーシャルキャンペーンとしてグッドデザイン賞への応募を計画中とか。学生と一緒に商品化を進める一方で、ワークショップやシンポジウムのプランが進んでいるという。

 

さらに、みかんと同様、りんごのプロジェクトも進行中で、2016年12月には期間限定カフェ「りんごのおうち」という取り組みも評判だったとか。りんごプロジェクトの動きも、また誌上でご紹介すると思うのでどうかご期待ください。 

龍谷大学×みかんが今おもしろい!(前編)

2017年6月15日 / 大学発商品を追え!, 大学の知をのぞく

龍谷大学経営学部経営学科・藤岡章子教授のゼミでは、昨年あたりから、みかんの“皮”を使ったユニークな商品が学生の提案によって生まれている。そのうち、みかんの皮を練り込んだ「みかんうどん」については、「ほとんど0円大学」が企画・制作に携わった『関西の大学を楽しむ本』(エルマガムック2016)に掲載したが、まだまだ続きがあるとのことなので、お話を聞きにうかがった。

 

「みかんドレッシング」、乞うご期待

 

藤岡ゼミでみかんの皮の商品化が始まったのは、和歌山県有田市のみかん生産者でジュースなどの加工品も手がけている早和果樹園との出会いから。「ジュースの製造過程で出てくるみかんの皮がもったいないので、何かできないか」という話になった。

 

さっそく商品化に取りかかった学生たちは、アイデアを試作しては地域イベントなどで売ってみることにした。テストマーケティングだ。ある班は、みかんの皮でみかん染めをしたトートバッグを手作り市に出してみたが、全然売れない。

 

またある班は、みかんの皮を乾燥させて樹脂で固めてイヤリングやピアスにした。こちらは売れたことは売れたが、「ただ面白いから、記念に買ってもらっただけ」。学生たちは、「なんでみかんの皮なのかという理由がない。もっとみかんの皮のよさを活かした商品でないと」と気づく。

 

京都手作り市へ出店したみかん染めトートバック

京都手作り市へ出店したみかん染めトートバック

 

京都手作り市へ出店したアクセサリー

京都手作り市へ出店したアクセサリー

 

早和果樹園への最終提案の日までに、もう時間はあまり残っていなかった。みかん染めが売れなかった班は、さらにみかんカード(柑橘類の果汁や果皮に卵黄、砂糖を混ぜたものでパンやクラッカーに塗って食べる)を経て、ドレッシングの開発へとシフトした。

 

みかんカード(みかんバタークリーム)のディップソース

みかんカード(みかんバタークリーム)のディップソース

 

みかんで作ったドレッシングは他にもあるが、皮が入っているのは売りになると考えた。みかんの皮と果汁、合うだろうと思うありったけの調味料をテーブルの上に並べ、班のメンバー4人でかたっぱしからブレンドを試す。「果汁が少なすぎるとみかんの風味がなくなるし、皮を入れ過ぎるとドロッとし過ぎてビンから出てこない。微妙な調整に苦労しました」と話すのはメンバーの一人、古味栄里奈さん。

 

ひたすら試作し、調整し、工夫した

ひたすら試作し、調整し、工夫した

龍谷大学みかん_試作中2

試行錯誤の結果、和風とごまの2種類のブレンドを用意して最終提案に臨む。野菜だけでなく豚しゃぶ、牛焼肉、鯛の刺身も用意して早和果樹園側に試食してもらったところ、非常に好評だった。「調合の段階で、皮の苦みやみかんの香りが肉や魚にも合うとわかったので、いろいろ試していた。決め手になってよかったです」

 

試食会の様子

試食会の様子

 

刺身にも相性◎

刺身にも相性◎

 

提案したレシピで商品化が決定。みかんの風味がよくきいて皮の食感が面白く、苦みがアクセントの大人な味…食べてみたいと思いますよね? 

 

しかし残念ながら、製造工程の課題をいろいろとクリアする必要があり、まだ市場には出ていない。また、製造する機械を導入するのも簡単ではない。

 

メンバーの一人伊藤駿さんは、「早和果樹園さんにとってドレッシングは初めての商品。利益の見通しが立って初めて設備投資ができるわけで、そういうビジネスの現実を見ることができて本当に勉強になりました」と話す。

 

とはいえ、手作りで作った商品を龍谷マルシェ※で売ったところ、用意した40本がまたたく間に完売したというから、ますます期待が高まる。「たくさんの人のつながりがあって、一つの商品が世に出るということがよくわかった」と話すメンバー太田耕平さんは、ホテルや学校給食などに使ってもらえたらと販売後に思いを馳せている。

 

龍谷マルシェで販売。好評を博した

龍谷マルシェで販売。好評を博した

 

パッケージはこちら

パッケージはこちら

藤岡先生は「何とか販売にこぎつけたい」とのことなので、みかんドレッシング、乞うご期待である。一方、みかんアクセサリーを試作した班も、まったく別の商品に挑戦しようとしていた。その商品とは?!後編をお楽しみに。

 

 

※産学連携、農学連携の取り組みを情報発信する場としてポップアップストア「龍谷マルシェ」を開催している。定期的に京都・三条名店街の一角に出店。

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