ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

東京薬科大学で緑に癒やされながらのレストランランチ

2023年8月10日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

1880年に創設され日本最古の私立の薬科大学といわれている、東京薬科大学。東京ドーム6個分の広々とした八王子キャンパス内には、緑がいたるところにあり四季折々の自然が楽しめます。

今回はそんな東京薬科大学の図書館棟1階にある、レストラン「マグノリア」に行ってきました。

 

学生の胃袋を満足させるボリューム満点ランチ

お目当てのレストランは、大学の入り口から真っ直ぐ進み階段を登った左側の棟にあります。

レストラン「マグノリア」が入る図書館棟(写真奥)

レストラン「マグノリア」が入る図書館棟(写真奥)

 

店内に入ると、奥には一部吹き抜けの空間が広がり、壁側にショウズクやナンテンなどの植物が植えられています。ショウズクの種子は香料やスパイスなどに使われているといった、薬用植物としてどんな用途で使用されているかがわかる解説文がつけられていて、見ているだけで楽しめます。

天井が一部吹き抜けになっている店内。写真左壁面には緑が植えられたゾーン

天井が一部吹き抜けになっている店内。写真左壁面には緑が植えられたゾーン

1人席には教室の机を彷彿とさせるテーブルが!

1人席には教室の机を彷彿とさせるテーブルが!

 

メニューは定食ランチ(530円)や特製カレー(400円)といった定番メニューのほか、体にやさしい健康応援ランチ(490円)もあります。

購入する際は機械でチケットを購入のうえ、カウターにチケットを出すスタイルです。機械は現金のほか電子決済も可能です。

定食から麺類、パスタなど種類も豊富なランチメニューがラインナップ

定食から麺類、パスタなど種類も豊富なランチメニューがラインナップ

 

今回は定番メニューだからこそ、味にはこだわりたい唐揚げ定食をチョイス。唐揚げはお肉が柔らかくてジューシー! 噛んだ途端ザクッというのが、何とも気持ちいいです。

お米は長野県産の減農薬ブランド米で炊き上げられたふっくらとした食感。ダシがしっかりと利いているお味噌汁もついています。

 

ボリューム満点のランチは、唐揚げ定食が一番人気なのだとか。筆者には少々ヘビーな量でしたが、学生さんを見ているとみなさん美味しそうに完食していたので、学生さんたちにはちょうどいいボリュームなのかもしれません。

とても柔らかくふっくらとした鶏肉の唐揚げなので、ぜひ食べてみてくださいね。

唐揚げは、数種類の調味料で下味されたこだわりよう

唐揚げは、数種類の調味料で下味されたこだわりよう

 

またコーヒー好きにたまらないのが、ヨーロッパのカフェブランドとして有名なCOSTAのコーヒーが購入できる点。こちらは電子決済のみの対応となります。

COSTAのコーヒー購入時は、写真左側にある機械で電子決済

COSTAのコーヒー購入時は、写真左側にある機械で電子決済

植物を眺めながらランチやコーヒーが楽しめる

植物を眺めながらランチやコーヒーが楽しめる

 

東京薬科大学らしさも魅力

東京薬科大学内には食堂以外にも、一般人も入れる薬用植物園があります。そこには、さまざまな薬用植物が育てられていて、医療品の研究にも使われています。

 

そんな背景のある大学のためか、レストランまでの道のりでもたくさんの植物に出会えます。

薬用植物ならではの説明書きが書かれている植物も見られましたよ。たとえばクスノキには「【用途】局所刺激、強心、防虫」と書いてありました。筆者はクスノキを見て「癒やし」を感じますが、東京薬科大学の学生は癒やしだけではなく、植物の持つ効能や用途に目を向けるなど、植物の見方が違うのかなと感じました。

 

興味を持たれた方は、レストラン「マグノリア」でゆっくりしたあとは、東京薬科大学内にある薬用植物園を楽しむのもいいですね。

クスノキの解説文。「用途」の記載が薬科大ならでは

クスノキの解説文。「用途」の記載が薬科大ならでは

落語が楽しめる!大正大学が運営に協力している「ガモール志學亭」で、がっつりステーキ丼を食べてきた。

2023年7月20日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

2021年6月にオープンしたガモール志學亭(しがくてい)は、大正大学と巣鴨地域の3商店街などが共同で設立した一般社団法人コンソーシアム巣鴨花街道が運営するカフェです。

 

店内では美味しいお食事やスイーツ、ドリンクなどのほか、日時が合えば落語も鑑賞できるガモール志學亭。「これは面白そう!」ということで、行ってきましたよ!

落語も楽しめるカフェ

JR巣鴨駅から歩いてすぐの巣鴨地蔵通り商店街の一角にあるガモール志學亭。店内には縁起が良いとされる七宝柄のオブジェや壁紙が用いられ、和モダンな雰囲気です。落語鑑賞ができるお店とあって、外国人観光客も訪れるそうです。

天井と壁にある七宝柄

天井と壁にある七宝柄

 

取材当日は寄席が行われる日で、カフェ内はみるみる満席に。ガモール志學亭の店長でもあり、大正大学地域構想研究所の立川志らら氏が「ざる屋」「大山詣り」「短命」などの演目を披露。取材をした6月は、オープン2周年となる記念月。そのため「何となくおめでたい演目」を集めたそうです。内容はもちろんですが、本当に誰かと会話をしているみたいに語る姿に惹きつけられ、あっという間の約1時間でした。

 

ちなみに立川志らら氏は立川流の落語家でありながら、慣れない動きなどをして脳に適度な刺激を与え、活性化を図る「シナプソロジー」のインストラクターでもある人物。その知見を活かし、ガモール志學亭で「シナプロジー×落語」のイベントを行うこともあるそうですよ。

立川志らら氏の寄席を楽しむお客さんで店内は満席

立川志らら氏の寄席を楽しむお客さんで店内は満席

寄席を楽しむには、木戸銭として1300円(ワンドリンク・菓子付き)が必要

寄席を楽しむには、木戸銭として1300円(ワンドリンク・菓子付き)が必要

 

そんなガモール志學亭には、現在7名の学生スタッフが勤務。イベントの運営のほか、商品開発に関わることもあるそうです。たとえば甘酒を飲みやすく牛乳で割ったドリンクを開発する際は、学生スタッフの意見を参考にして牛乳の割合などを調整。最初はミルク甘酒として提供する予定でしたが、学生のアドバイスで甘酒ラテ(450円)というちょっぴり今っぽさを取り入れたネーミングになったそうです。

ガッツリメニューから、スイーツまで!

メニューとしては、ステーキ丼〈小鉢・味噌汁付き〉(880円、ドリンクセット1100円)、ハンバーグプレート〈ライス・サラダ付きワンプレート〉(830円)、本日のパスタ(830円)などのフードメニューのほか、フルーツタルト(450円、ドリンクセット700円)、ガモールクレープ(450円)などスイーツも充実しています。

 

今回は学生スタッフの方がおすすめしてくれた、ステーキ丼とフルーツタルトを頼んでみましたよ。

おすすめは「フルーツタルト」と教えてくれた学生スタッフさん

おすすめは「フルーツタルト」と教えてくれた学生スタッフさん

 

ステーキ丼の牛肉はとても柔らかくてジューシー! ごはんもふかふかでとても美味しかったです。丼モノにしては量は少ないのかな……と思ったのですが、器は深さがあるためお米が底まで入っていて、見た目以上のボリューム感。しかし美味しいのでペロッといただいちゃいました。

 

フルーツタルトは、これまたくだものがぎっしり。タルト生地と甘酸っぱいフルーツのバランスがちょうど良くてしあわせな気分になりましたよ。

 

がっつり系メニューも、色鮮やかなスイーツもおいしい「ガモール志學亭」。公式ホームページで寄席を開催する日時を確認したうえで行っても楽しいですし、イベントのない日にゆったり過ごしても素敵な時間が過ごせると思いますよ!

柔らかいお肉が美味しい!「ステーキ丼 小鉢味噌汁付き」

柔らかいお肉が美味しい!「ステーキ丼 小鉢味噌汁付き」

フルーツがぎっしり入った、フルーツタルト

フルーツがぎっしり入った、フルーツタルト

お店の外観

お店の外観

さだまさしや豪華アーティストのパフォーマンスに感動!東京藝術大学「電気代を稼ぐコンサート」

2023年6月27日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

「まさしと道彦の部屋〜 電気代を稼ぐコンサート」が、4月15日、東京藝術大学奏楽堂で開催されました。このストレート過ぎるネーミングは、企画者の1人である、同大学客員教授で歌手のさだまさしさんが考案したもの。一体、どんなコンサートなのか興味津々なので、行ってきました!

豪華ゲストの名前が書かれた「電気代を稼ぐコンサート」のチラシ

豪華ゲストの名前が書かれた「電気代を稼ぐコンサート」のチラシ

足元の悪い中、会場には多くの人が訪れました

足元の悪い中、会場には多くの人が訪れました

 

「まさしと道彦の部屋〜 電気代を稼ぐコンサート」とは?

コンサート内容をお伝えする前に、そもそもこのコンサートがなぜ開催されるようになったのかについて説明しておきます。ことの発端は、昨年11月に開催された東京藝大の澤和樹前学長の退任記念公演です。この公演のなかで、澤先生と、さださん、同大学教授でクリエイティブディレクターの箭内道彦先生が、東京藝大を圧迫する電気代高騰についての話題で盛り上がりました。これがきっかけになり、さださんが箭内先生に「自分にできることで、東京藝大の力になりたい」と相談し、「まさしと道彦の部屋〜 電気代を稼ぐコンサート」を実施することになったのです。

コンサートホールに設置された募金箱。告知後、コンサート開催前日の4月14日時点で762万5,000円の寄付が集まったという

コンサートホールに設置された募金箱。告知後、コンサート開催前日の4月14日時点で762万5,000円の寄付が集まったという

 

今年2月に練習室にあったピアノの一部を売却したことでも話題となった東京藝大ですが、当初、年間約1億2,700万円と見込んでいた令和4年度の電気料金は、3億6,400万円程度に膨らむ見込みなのだといいます。そのため同コンサートは、必要経費を差し引いた全利益数百万円を電気代に充当する計画とのこと。

エントランスホールには、著名人から送られてきた花々が飾られていました

エントランスホールには、著名人から送られてきた花々が飾られていました

 

消防団姿の箭内先生と、スーツ姿のさださんが登場!

コンサートは、消防団姿(長めの法被姿)の箭内先生と、スーツ姿のさださんが登場し、大きな拍手で迎えられるところからはじまります。箭内先生が消防団姿なのは、「芸術の火を消さない」という意味を込めてなのだとか。

法被姿の箭内先生と、スーツ姿のさださん ©︎ 東京藝術大学(撮影:進藤綾音)

法被姿の箭内先生と、スーツ姿のさださん
©︎ 東京藝術大学(撮影:進藤綾音)

 

 

「(募金箱に入れるのは)できるだけ軽いもので、よろしくお願いします」と会場を沸かせるなど、ふたりのコントのようなトークによって、会場は徐々に温まっていきます。さださんによると、今回のコンサートの出演者は「ちょっと恥ずかしいことをする」のが事前ルールなのだそうです。「ちょっと恥ずかしいことは、藝術にもつながります」(箭内先生)、「恥ずかしくない者の芸術は、見られたものではありません(笑)」(さださん)という言葉を受けて最初に登場したのは、落語家の立川談春さん。立川さんは、さださんと交友があり、TVで共演経験もあるそうです。コンサートに噺家さんが、タキシード姿で現れたのにはビックリしてしまいました。

 

立川さんは、今なお多くのファンの心を掴む、さださんの名曲『主人公』を披露。甘くて優しい歌声と「自分の人生の中では 誰もがみな主人公」という歌詞が合っていて、心が洗われたのか、なぜか涙がじわりと浮かんでいました(相当、疲れていたのでしょうか……)。歌が終わると盛大な拍手に混じって「ブラボー!」の声も上がっていました。

 

ちなみにタキシード姿の立川さんは歌う前、弟子に「外務大臣に見えないか?」と聞くと、「いいえ、花嫁のお父さんに見えます」と言われたそうです。

タキシード姿の立川さん ©︎ 東京藝術大学(撮影:進藤綾音)

タキシード姿の立川さん
©︎ 東京藝術大学(撮影:進藤綾音)

 

続いて披露されたのは、誰もがご存じドラマ『北の国から』。さださんが手を左右に振りながら観客に「ご一緒にどうぞ」というあうんの合図を送ると、会場のお客さんが手を振りながら一緒に歌い出します。

 

会場はあっという間に一つになりました。改めて歌の持つパワーに感動してしまいました。

 

さまざまな演者が登場し、会場も大盛り上がり!

次に登場したのは、飛び級で東京藝大に入学し、現在20歳で大学院生という、ヴァイオリニストの河井勇人さん。

 

天才でありながらユーモアもある方のようで「学生の分際で、地下の楽屋からここまで来るのにエレベーターを使ってしまいました。僕の電気代を払ってくれる方は、募金箱にお願いします」と会場を沸かせました。

 

さださんからも「もっとコンサートで喋るといいよ」とのコメントが入り、さらなる笑いが起きていました。

 

そんな河井さんが披露したのは、ウクライナ出身のヴァイオリニストであるミルシュタインの『パガニーニアーナ』という曲。とても美しい音色で、なぜか少女が跳ねまわる姿が思い浮かびました。アップテンポのところでは再び「ブラボー!」の声も上がっていました。

ヴァイオリニストの河井勇人さん ©︎ 東京藝術大学(撮影:進藤綾音)

ヴァイオリニストの河井勇人さん
©︎ 東京藝術大学(撮影:進藤綾音)

 

次は、学生と共に、ラッパーであり東京藝大のゲスト講師であるMummy-Dさんが登場。なんでも箭内先生が行うデザイン学科の「映像論」の授業では、ラップを制作し、映像化するという名物課題があるそうです。そのラップ制作の講師であるMummy-Dさんが、教え子と共に登場したわけです。

Mummy-Dさんの教え子による映像作品 ©︎ 東京藝術大学(撮影:進藤綾音)

Mummy-Dさんの教え子による映像作品
©︎ 東京藝術大学(撮影:進藤綾音)

 

課題でつくられた作品6本を披露。あくまでもデザインを学んでいる学生たちなので、歌は専門外。しかし、どれも個性的で、訴えるものがあります。なかにはフルイラストでくすみ系の色調が特徴的な、YOASOBIの世界観を彷彿とさせるものもありました。実際に今回上映された作品をつくった学生クリエイターの中には、YOASOBIのMV制作にかかわった方もいたそうです。かなりレベルの高い映像作品でした!

 

スペシャルゲストも登場!

コンサート前半の中盤にさしかかりました。箭内先生が「同志を呼びます!」と言うと、なんと『明日はきっといい日になる』や『福笑い』などの曲で有名な歌手・高橋優さんが登場。箭内先生は高橋さんのプロデューサーでもあるので出演が実現したようです。

 

箭内先生、高橋さん、Mummy-Dさんの3名により、THE HUMAN BEATS「Two Shot」が披露されました。3人の歌声が温かくて、ずっと聴いていたくなりました。

 

後半もじっくりと楽しめる内容!

20分の休憩をはさんだ後半では、舞台中央に高座が用意され、着物姿のさださんが落語を披露しました。さださんにとっての「ちょっと恥ずかしいこと」は、落語だったようです。本物の落語家さんのような軽快な語り口でした。

 

続けて立川談春さんが落語「替り目」を披露。会場全体に笑いが広がりました。

 

その後は、前学長の澤先生が登場。さださんが、「笑ってよ 君のために 笑ってよ 僕のために」という歌詞が耳に残る『道化師のソネット』でその場を感動に包み、澤先生がバイオリン、さださんがギターを演奏し『案山子』が披露されました。『案山子』は、上京した子どもを心配する親心が綴られた、さださんの名曲。パイプオルガンに当たるライトの色が、薄緑色や青系統の色だったこともあってか、子どもの頃走ったであろう原っぱの映像が脳裏に浮かび、親心と童心が入り交じった気持ちになりました。

 

聴覚だけではなく、視覚でも楽しませてくれる……そういう仕掛けも、芸術の成せる技なのかなと感じました。

 

さらに聴覚と視覚に訴える演出は続きます。澤先生が演奏する、バッハの『G線上のアリア』の音色に合わせて、学生が即興油画を披露。2階客席からでも手の平ほどのサイズに見える大きな筆を滑らせ、正方形のキャンバスにダイナミックな絵を描く姿には迷いはありません。左上下を水色系統の色で塗り、それを割るように左端中央から赤色のこぶしが力強く描かれ、何かを殴っているようにも、想いをぶつけているようにも見えました。

 

油絵を描いた学生さんによると「私にとってのG線は赤でした。これが私にとってのG線上のアリアです」と語っていたのが印象的でした。

学生が即興で描いた油絵 ©︎ 東京藝術大学(撮影:進藤綾音)

学生が即興で描いた油絵
©︎ 東京藝術大学(撮影:進藤綾音)

 

心に残ったさださんの言葉

さらに伝説のフォーク・デュオ「グレープ」で、さださんがデュオを組んでいる、吉田政美さんが登場し、『無縁坂』『花会式』を披露。アンコールでは『精霊流し』を披露しました。「『精霊流し』は歌ってくれないのだろうか……」と思っていたところ、アンコールで歌ってくれたので、思わず前のめりになって聴き入ってしまいました。

 

コンサートを通してもっとも心に残ったのは、すてきな音楽はもちろんですが、さださんの「心が今動いたなと思ったら、そっちにいったほうがいい」という言葉でした。コロナ禍の影響などもあり、たとえ心が動いたとしても、思うように行動ができない日々が続きました。また、コンサートのなかで澤先生は「コロナ禍などで芸術はなくてもいい、と言われがちですがそんなことはありません。こういう時だからこそ考えないといけない。音楽や芸術はつらい時でも人の心を癒してくれます」と観客に向けてメッセージを贈ってくれていたのが印象的でした。

 

箭内先生からはコンサート前にメールでコメントをいただいており、そこにも「このコンサートが一話完結でなく、たとえ電気代が高騰してコロナ禍で芸術などなくてもいいという風潮になっても、芸術の根を絶やしてはいけないという藝大からの発信となり、寄付の増加等に繋がり、芸術を志す学生たちが安心して学ぶ場を維持できる、その小さなきっかけになれれば幸いです。そして、この国と社会における芸術文化にもっと光を、そう強く思っています」と記されていました。

 

芸術に浸り、心の動きを感じられる時間っていいなあと、改めて感じさせてくれた同コンサート。こういう時間があるからこそ、仕事や家事や育児などの日々の生活を頑張れるのだと思います。どんなに大変な時でも、心が潤う時間は持っていたいなと感じました。今後も楽しみにしています!

関東学院大学×有隣堂コラボのカフェ「BACON Books & cafe」がオシャレすぎる!

2023年5月30日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

2023年4月に開校した関東学院大学 横浜・関内キャンパスの地下1階に、オープンしたのが「BACON Books & cafe」。創立138年を超える関東学院大学と創業113年の歴史をもつ横浜の老舗書店である有隣堂がタッグを組んだブックカフェだと聞き、早速行ってきました。

 

関東学院大学と有隣堂の連携で生まれたカフェ

関東学院大学 横浜・関内キャンパスは、JR京浜東北線・JR根岸線「関内」駅南口を降りると、すぐ目の前にあります。

法学部、経営学部、人間共生学部が通う横浜・関東キャンパス

法学部、経営学部、人間共生学部が通う横浜・関内キャンパス

 

同キャンパスの1階には、昨年12月にオープンした「Nathan-Coffee 1884」と、今回訪れた「BACON Books & cafe」は、同大学と有隣堂が連携して運営するカフェなんです。

 

店舗名は「知は力なり」で知られる、イギリスの哲学者フランシス・ベーコンにちなんで付けられたそうです。「ベーコンの美味しいブックカフェなのかな」と思ってしまった筆者。お恥ずかしい……。

 

本屋さんも併設で、大人な雰囲気

1階の「Nathan-Coffee 1884」は明るいカリフォルニアをイメージした店内に対し、地下1階の「BACON Books & cafe」は落ち着いた大人の雰囲気。夜の時間帯も営業されていて、お酒も飲めるので、打ち上げなどで利用する人も多いそうです。

地下におりると、「BACON Books & cafe」の入り口

地下におりると、「BACON Books & cafe」の入り口

店内に入るとすぐに本や文具が置かれたコーナー。オシャレすぎて、ついつい買いたくなります

店内に入るとすぐに本や文具が置かれたコーナー。オシャレすぎて、ついつい買いたくなります

奥に進むと書籍コーナーには、雑誌や文庫のほか、さまざまな本が並びます

奥に進むと書籍コーナーには、雑誌や文庫のほか、さまざまな本が並びます

歴史書をはじめ、哲学、文学、心理学の学術書など、さまざまな「知」が学べます

歴史書をはじめ、哲学、文学、心理学の学術書など、さまざまな「知」が学べます

 

店内は54席。カフェの入り口には、オシャレな文具が置かれ、右側には本屋さんが広がります。「知の拠点」として、有隣堂の選書チームが選んだ本が約5,600冊並んでいて、選ぶのが楽しくなります。「学生たちが研究するうえで役立ちそうな本が置かれているのかな?」と思いきや、そこはあえて意識せずに、純粋に思考や知識が深まる本を選んでいるそうです。

 

ちなみにカフェ内で読みたい場合は、購入をしてからとなるので注意してくださいね。

 

こだわりのメニューを注文!

お店に入って左側が、カフェスペースになっています。

メニューはランチメニュー(11〜14時)のほか、ティータイムメニュー(14〜17時)、ディナーメニュー(17〜22時30分、ラストオーダー21時30分)の3つに分かれています。

 

ランチメニューには、チキンオーバーライス(800円)、ジャンバラヤ(900円)、シュリンプコブサラダ バゲット付き(1,150円)など、学生や社会人がサクッと食べられるメニューがラインナップ。

店舗は地下にあるものの、入り口が日差しの入る広場になっているため明るい雰囲気

店舗は地下にあるものの、入り口が日差しの入る広場になっているため明るい雰囲気

まるでホテルのラウンジのような店内

まるでホテルラウンジのような店内

 

ティータイムでは、デザートや軽食類が楽しめます。スイーツも充実していて、「自家製ベイクドチーズケーキ」(680円)や「ワッフル」(1,000円〜)など、パティシエが作ったものを楽しめるんです。

 

さらに、ディナーメニューには、「真鯛のブイヤベース」(1,800円)、「福島牛&白河高原清流豚のハンバーグ フライドポテト添え」(2,000円)などもあり、とっても豪華! イギリス産の珍しいクラフトビールも置いているので、要チェックです。

 

どのメニューも美味しそうで、何を注文するか悩むところですが、今回は「福島牛&白河高原清流豚のハンバーグ フライドポテト添え」を注文してみました。

 

今回、注文した「福島牛&白河高原清流豚のハンバーグ フライドポテト添え」は、指定されたエリアでしか売られていない福島県産黒毛種の牛肉で「学生たちに、いいものを食べさせてあげたい」という思いから、お願いして卸してもらっているそうです。通常のレストランで食べたら、倍の金額はするお肉を使っているのだとか。こういったことができるのも、関東学院大学と福島県には以前より交流があり、2022年に同大学の金沢八景キャンパスで「ふくしま物産展」を開催するなど、良い関係を築いてきた結果のようです。

ボリューム満点の「福島牛&白河高原清流豚のハンバーグ フライドポテト添え」

ボリューム満点の「福島牛&白河高原清流豚のハンバーグ フライドポテト添え」

 

豚肉にもこだわり、さっぱりとした味わいの白河高原清流豚を使用。肉の食感を残すため、粗くひいたミンチ肉が使われています。

ケチャップや中濃ソースを使ったソースの上に、生クリームがかかっています

ケチャップや中濃ソースを使ったソースの上に、生クリームがかかっています

 

卵を使わずに作っているそうで、オーブンで全体的に蒸すように焼くことで美味しく仕上がっているのだとか。肉の味がしっかりしていて食べ応えがあるうえ、ポテトもたっぷり。かなりお腹がいっぱいになりました。

 

でもスイーツは別腹! ということで、食後に店内で一番人気のデザート、「ワッフル(ミックスベリー)」をいただきました。

ミックスベリーのワッフル。上にのっているバニラアイスも美味しかったです!

ミックスベリーのワッフル。上にのっているバニラアイスも美味しかったです!

 

このワッフルも自家製。てんさい糖を使っているため、やさしい甘さが特徴です。外はカリッと、中はふんわり。よくワッフルの上にのっているソースやアイスは、別々で食べるほうが筆者は好みなのですが……こちらのワッフルを食べて、一緒に食べるとさらに美味しくなる!と感激しました。

 

なんでも手作りソースやアイスなどと一緒に食べてちょうどいい味わいになるように、ワッフルの甘さや質感などを調整して作られているそうです。だから一緒に食べると、おいしさが倍増するはずですね!

 

スタッフの方が専門家と共にコーヒー豆の配合を考えてつくった、オリジナルブレンドコーヒーもいただいて、至福の時間を味わうことができました。

 

もちろん学生だけではなく一般の方も利用できるので、気になる方は行ってみてください。

12〜14時は混みやすい時間帯。ゆっくり過ごしたい方は、それ以外の時間帯が狙い目です!

ガラス張り! 開放的な東京電機大学の学食で食べる鯖塩焼き定食

2023年3月28日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

東京都足立区にある東京電機大学 東京千住キャンパスは、最寄り駅「北千住」東口から徒歩1分の場所にあります。学園創立100周年を機に、2012年4月に開設したキャンパスです。

 

街中に溶け込むように各施設が建ち、建物はまるで駅近くに佇む商業ビルか、オフィスビルのようです。

お目当ての学食のある建物は、3号館。少しわかりづらいですが、通りを渡った4号館の裏手にあります。

駅前広場のようだが、写真に写る建物すべてが東京電機大学の建物

駅前広場のようだが、写真に写る建物すべてが東京電機大学の建物

 

今回取材した学食は、3号館の2階にあります。2階部分は1階から見えにくいうえ、何となく「一般人が階段をのぼっていいのかな?」と思いがちですが、気にせず2階まで上がりましょう。学食は一般人にも開放してされているので問題はありません。

 

オーダーの仕方は、一般的な学食と同様で食券を購入してカウンターで渡す方式。2023年4月からは、各種電子マネーが使えるようになるそうです。

3号棟2階の学食入り口 ※現在はM2階の学食は休止中

3号棟2階の学食入り口 ※現在はM2階の学食は休止中

 

学食内は白と青系統の色で統一され、落ち着いた雰囲気。周囲がガラス張りのためか明るく開放感があります。連続性のあるライトがアクセントになっています。

 

メニューは唐揚げ丼(M390、L470円)、艦めしカレー(590円、大盛640円)、パスタ(400円)など、うれしい学食価格! サラダ(50円、100円)、温泉玉子(50円)、コロッケ(100円)など、サイドメニューもプラスしやすい価格で提供されています。(2023年3月時点)

食堂内の様子。左奥の厨房カウンターから、料理を受け取る

食堂内の様子。左奥の厨房カウンターから、料理を受け取る

 

今回は洋風や丼ぶり系メニューが多いイメージの学食では異彩を放つ、「鯖塩焼き」(460円)を注文。カフェのような器にのっての登場です。

鯖塩焼き定食には、お味噌もセット!

鯖塩焼き定食には、お味噌汁もセット!

 

鯖が思ったよりも大きいうえ、肉厚でテンションが上がりました。家庭で焼くとつい焼きすぎてしまいがちな鯖ですが、こちらはいい具合に焼かれ身はふっくら。醤油なども必要なく、ちょうどいい塩加減でした。

 

そしてお米も、ふわっとしていておいしい! 日本で白米がおいしいのは「当たり前」と思われがちですが、このような定食プレートを食べる場合は、かなり重要なポイント。ふかふかのお米と鯖塩焼きで、とても癒されました。

ふっくらとしたごはんと、魚の身

ふっくらとしたごはんと、魚の身

 

食券購入の際に見かけた「電大バリバリチョコソフト」(250円)が気になり、デザートに購入してみました。大学の名前を冠したソフトクリームなので、期待が高まります。

 

出てきたソフトクリームは、思っていたよりもずっしり。ちょっと大きめの湯飲みくらいの大きなカップに、ソフトクリームがたっぷり入っています。通常のソフトクリームコーンでは、絶対に支えきれないほどボリューム満点!

電大バリバリチョコソフト

電大バリバリチョコソフト

 

チョコ味の部分がほろ苦く、甘すぎずおいしい! 少々量が多いので「食べ飽きてしまったらどうしよう」と思いながらいただいていると……。

 

中から、シャリシャリの食感が! 下のほうにはさりげなくフレークが入っていました。「パフェみたい」と感動しつつ完食。

食べ始めは「どこがバリバリなの?」と不安でしたが、食べ進めていくと納得の食感でした。

下のほうから、フレークが出現!

下のほうから、フレークが出現!

 

ふっくらした焼き魚と、パフェみたいなソフトクリームがいただけて大満足! 駅前なので、乗り換えがてら近くに行った際はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

中央大学の学食「ヒルトップ食堂」でご当地グルメ・八王子ラーメンを食べてきた!

2023年3月9日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

小田急線「多摩センター」駅からモノレールに乗り、3つ目の「中央大学・明星大学」駅にある、中央大学多摩キャンパス。今回は同キャンパス内にある、学食「ヒルトップ食堂」に行ってきました。

 

広くて迷いそうになる、中央大学多摩キャンパス

多摩モノレール「中央大学・明星大学駅」という駅名通り、改札口を出て右手に中央大学、左手に明星大学のキャンパスが広がります。本当に大学のために作られた駅といった様子で改札口を出て右を向くと、もう大学の看板が見えました。

法学部・経済学部・商学部・文学部・総合政策学部・国際経営学部の6つの学部で構成される多摩キャンパス。敷地面積が50万㎡を超える

法学部・経済学部・商学部・文学部・総合政策学部・国際経営学部の6つの学部で構成される多摩キャンパス。敷地面積が50万㎡を超える

 

まさに駅直結。これなら迷いようがない! と思ったのですが大間違い。キャンパスは想像以上に広く、危うく迷いそうになりました。

慌ててスマホを取り出し、グーグルマップで確認しながら行くと、学食が入る12号棟へスムーズに辿りつけました。

街中のような敷地内。実際には左側、背後、奥にも建物が点在

街中のような敷地内。実際には左側、背後、奥にも建物が点在

地図中央あたりに位置する12号棟が、学食の入っている「ヒルトップ食堂」

地図中央あたりに位置する12号棟が、学食の入っている「ヒルトップ食堂」

 

選べる楽しさがある、学食「ヒルトップ食堂」

「ヒルトップ」と書かれたまるでオフィスか美術館のような建物が学食の入った棟。各階には、美味しい食事が食べられるスペースがあり、ラーメン、うどん、丼ぶり、パンやコーヒーなど、さまざまなランチメニューが楽しめるんです。今回は1階のレストランコープに行ってみることにしました!

ヒルトップ食堂の外観

ヒルトップ食堂の外観

まるで商業施設のようなフロア案内

まるで商業施設のようなフロア案内

食券を購入するシステム。現金だけではなく、スイカやパスモでの決済も可能です

食券を購入するシステム。現金だけではなく、スイカやパスモでの決済も可能です

清潔感のある明るい学食。学生さんの憩いの場所

清潔感のある明るい学食。学生さんの憩いの場所

 

赤色がアクセントカラーとなっている施設内。一般的な学食同様、食券を購入するシステムです。

 

メニューはカレーライス(340円)、野菜もたっぷり鶏塩クッパ(480円)、長浜風とんこつラーメン(500円)などがあり、リーズナブルな価格設定。迷った末、外に旗看板が出ていた八王子ラーメンのねぎ入り版「八王子ネギラーメン」(540円)をチョイスしました!

 

食券購入後はトレイを持って、「ラーメン」と書かれた看板の下で食券を渡します。八王子ラーメンを食べたことのない筆者は、どんなラーメンが出てくるかワクワクです。

 

学食は目の前で盛りつけられている様子が見えるので、テンションが上がります。

麺はモチッとしていて、汁との絡みが抜群!

麺はモチッとしていて、汁との絡みが抜群!

ネギがたっぷり入った「八王子ネギラーメン」

ネギがたっぷり入った「八王子ネギラーメン」

 

ラーメンの具材は大盛りのネギと、ナルト、チャーシュー、メンマ、煮卵でした! 麺は少し縮れ気味で、モチッとしていて、麺と汁だけでも楽しめそうな味わいです。

 

なかでも、ネギのパンチが効いていて良かったです。ネギの切り方が不揃いなため、味に強弱が生まれてモリモリ食べられました。このネギがカウンターに山盛りになっていたら、たくさん欲しくなってしまうかも!

醤油ベースのタレに、 表面を油が覆っており、きざみ玉ねぎが具として用いられていることが特徴の八王子ラーメン

醤油ベースのタレに、 表面を油が覆っており、きざみ玉ねぎが具として用いられていることが特徴の八王子ラーメン

 

醤油味のスープは味わいが深く、それでいて重たくないのでするする飲めてしまいそうです。しかしよく見ると、何やら白いものが浮かんでいます。食べてみると、ふわふわとした食感。鶏のミンチ肉かな?と思いつつ、厨房の方にうかがうと「背脂」とのこと。背脂まで堪能できました!

 

ヒルトップ食堂は、名前の通り高台にあるので外に出ると眺めが抜群! 散歩がてらランチを楽しんでもいいですね。

慶應義塾大学ミュージアム・コモンズの新春展「うさぎの潜む空き地」に行ってきた!

2023年2月2日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

1月10日から2月9日までの間、慶應義塾大学のミュージアム・コモンズ(通称KeMCo)で開催されている「KeMCo新春展2023 うさぎの潜む空き地 特別企画 鏡花のお気に入りたち」。うさぎにまつわるさまざまな作品の展示のほか、うさぎを愛した小説家 泉鏡花のコレクションも楽しめる当展覧会。どんなうさぎたちが潜んでいるのか観てきました!

 

作品を観る前に知っておきたい、展覧会の楽しみ方

慶應義塾大学 三田キャンパス東門の並びにある、白い建物が目印の慶應義塾ミュージアム・コモンズ。毎年、年始めには「新春展」として干支にちなんだ展覧会を開催しています。今年の干支であるうさぎは、ペットやキャラクターとしても愛されている生き物。どんな内容の展示物があるのでしょうか。

 

※昨年、開催された新春展「KeMCo新春展2022 虎の棲む空き地」の様子はコチラをご覧ください。

慶應義塾ミュージアム・コモンズ(三田キャンパス東別館)入り口

慶應義塾ミュージアム・コモンズ(三田キャンパス東別館)入り口

 

建物に入るとすぐにエントランスがあり、パンフレット類の置かれたテーブルが設置されています。こちらのパンフレットは、展覧会のマストアイテムです。

建物に入ってすぐの場所にあるエントランスに用意されたパンフレット類。会場の3階へ!

建物に入ってすぐの場所にあるエントランスに用意されたパンフレット類。会場の3階へ!

 

同展覧会では作品をじっくり観賞できるように、会場には個々の作品の解説文はなく、LINE上で楽しめます。パンフレット内や会場には、KeMCoのLINEアカウントによるQRコードが表示されているので、スマートフォンで読み込んでから展覧会を観るとより深い理解が得られます。

 

ちなみに自宅からもLINE解説の確認が可能。パンフレットの後ろのページにある、出品作品リストに掲載されている作品番号を入力すると、解説を見ることができます。

 

うさぎの違う面も感じられる、新春展

展示品は90点以上あり、展覧会場は大きくわけて5つのエリアにわかれています。絵本などに描かれたうさぎを知る「物語に潜むうさぎ」のほか、うさぎと秋草を描くことで月をイメージさせるなど、連想をテーマにした「連想に潜むうさぎ」、ノウサギの歯なども展示されている「自然界に潜むうさぎ」、うさぎをモチーフにした映像作品や舞台空間メモなどが展開されている「人の間に潜むうさぎ」、泉鏡花の身の回りにあったうさぎを観られる「特別企画 鏡花のお気に入りたち」が展示されています。

各エリアの展示テーマはどれも特徴的で興味を刺激する

各エリアの展示テーマはどれも特徴的で興味を刺激する

「物語に潜むうさぎ」では、うさぎに関する絵本などや、物語をモチーフにした絵画などを展示

「物語に潜むうさぎ」では、うさぎに関する絵本などや、物語をモチーフにした絵画などを展示

 

「物語に潜むうさぎ」のコーナーでは、『不思議の国のアリス』『ピーターラビット』関連の絵本や、日本のおとぎばなし『因幡白兎』『かちかちやま』などをモチーフにした作品が展示されていました。

物語によって違いはありますが、うさぎは多くの場合、「非力だが、賢い」生き物のような描き方をされています。他の動物でも足の速い生き物はたくさんいますが、小さいのに「すばしっこい」というのが関わっているのでしょうか。

うさぎの身体的な特徴からか、いろいろな作品で同じような描かれ方をしているのが興味深かったです。

 

「連想に潜むうさぎ」では、「うさぎ」と「月」を結びつける連想から生まれた工芸品や絵画が紹介されています。月にうさぎが住むという考えは、紀元前に遡るそうです。その頃から、うさぎは神秘を象徴するような生き物だったのでしょうか。

「連想に潜むうさぎ」の作品展示

「連想に潜むうさぎ」の作品展示

 

そんなことを考えながら観ていたところ展覧会場に、「うさぎと秋草」の組み合わせは「月夜」を思わせる、という内容の文章が記されていて、ハッとしました。

 

たしかにうさぎと秋草が描かれた絵画を観て、月夜を思い浮かべる自分がいました。その連想は、お月見や月に潜むうさぎに通じる気がします。物語や説話によってうさぎのイメージが生まれ、いつの間にか見えないものも想像できるようになっていくほど、イメージが植え付けられていたのです。モノやコトに対するイメージの強さは、見るものの情報を変える力を持っているほど強烈だと改めて感じさせられました。

 

うさぎを愛した、泉鏡花の世界

物語や説話によって、子どもから大人まで多くの人たちに浸透していったうさぎのイメージ。うさぎを愛した小説家・泉鏡花の身のまわりには、多くのうさぎグッズがありました。大小、さまざまなうさぎの作品が展示されていますが、なかでも興味深いのが「水晶の兎」です。

「特別企画 鏡花のお気に入りたち」の作品

「特別企画 鏡花のお気に入りたち」の作品

 

1873年(酉年)に生まれた泉鏡花は、向かい干支である卯(うさぎ)を形取った水晶の置物を幼少の頃、母親から譲り受けたそうです。このことを契機に、膨大な数のうさぎ雑貨をコレクションするようになった泉鏡花。展示されている「水晶の兎」は、母親から最初に譲り受けたものではないそうですが、執筆時などに身近に置かれていたものだそう。愛らしいうさぎの姿に癒されながら執筆していたのでしょうか。

「特別企画 鏡花のお気に入りたち」の「水晶の兎」

「特別企画 鏡花のお気に入りたち」の「水晶の兎」

 

鑑賞を進めていくと、泉鏡花の展示品の中に葉っぱが紛れこんでいました。これは何!? と思ったところ、泉鏡花は、江戸時代中頃に出版された絵入り娯楽本で知られる草双紙のところどころに葉っぱを挟み込んでいたそう。当時の葉がそのまま展示されていると聞き、驚いてしまいました。まるでしおりのように挟まれていたためか、とてもきれいな状態で残っています。なぜ葉を挟んでいたのか、その意図はわかってはいないそうですが、好奇心旺盛な泉鏡花の人柄が感じられるエピソードでした。

挟み込まれていた葉っぱとともに、草双紙が展示されていました。とってもリアル!

挟み込まれていた葉っぱとともに、草双紙が展示されていました。とってもリアル!

 

うさぎがどのように愛されてきたか感じられる展覧会

入り口に置いてあった展覧会パンフレットによると、1871〜1873年の日本では「ウサギバブル」と称されるほど、うさぎが人気を博していたそうです。当初はペットとして愛されていたうさぎでしたが、次第に「うさぎを飼育すれば病気にならない」という、よくわからない説が広まり、さらに繁殖しやすさからお金儲けを企む人たちにも目をつけられ、ブームは加速していったという歴史があるそうです。

 

うさぎ本来の個性と、物語や説話から植え付けられたイメージと、大人の思惑が組み合わされ、現代でも根強い人気を誇る「うさぎ」につながっていることが感じられる展覧会でした。

「みんなの書き初め」や「うさぎおみくじ」ができる体験型展示も併設。学生主導でつくられたデジタルとアナログを上手に組み合わせた展示になっているので、興味がある方はぜひお立ち寄りください

「みんなの書き初め」や「うさぎおみくじ」ができる体験型展示も併設。学生主導でつくられたデジタルとアナログを上手に組み合わせた展示になっているので、興味がある方はぜひお立ち寄りください

 

展覧会後は、コラボスイーツを味わおう!

展覧会観賞後にはずせないのが、慶應義塾大学 三田キャンパス内にある喫茶店「カフェ八角塔」。先ほど紹介した、泉鏡花の本に挟まれた葉をモチーフとしたコラボスイーツ「鏡花の葉っぱビスケット」を会期中のみ限定販売しています。展覧会を楽しんだあとは、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

 

試行錯誤を経て誕生したという「鏡花の葉っぱビスケット」。書物をイメージした紙を開くと、中に葉っぱの形をしたビスケットが入っています。大きな葉型のビスケット案もあったそうですが、これくらいコンパクトで、いくつか入っていた方が食べる楽しさが膨らみますね。薫り高い紅茶「マルコポーロ」との相性もバッチリでした。

残念ながらビスケットのお持ち帰りは出来ないそうですが、ビスケットを挟んでいる文庫デザインの包み紙は持ち帰りが出来るそうです!

左から、ヴァニラのような香りのふわりと広がる紅茶「マルコポーロ」(800円)、「鏡花の葉っぱビスケット(左から時計回りで、ほうれん草、かぼちゃ、にんじん味)」(300円)

左から、ヴァニラのような香りのふわりと広がる紅茶「マルコポーロ」(800円)、「鏡花の葉っぱビスケット(左から時計回りで、ほうれん草、かぼちゃ、にんじん味)」(300円)

 

さまざまなうさぎを観賞し、うさぎおみくじや書き初めをして、美味しいビスケットを味わい、帰宅後はLINEで解説文を読み直して余韻に浸る……楽しみ方がいっぱいの新春展でした!

ゴシック様式の重要文化財で楽しめる慶應義塾大学 「カフェ八角塔」

2023年1月31日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

慶應義塾大学三田キャンパス内にあるカフェ八角塔は、慶應義塾図書館旧館を改装し、2021年8月にオープンした喫茶店。歴史的建造物の中でいただけるのが、サイフォンで淹れたコーヒーやこだわりのパスタです。そんな非日常な空間で、ちょっぴり贅沢な時間を過ごしてきました。

形状が印象的な建物をめざしましょう

形状が印象的な建物をめざしましょう

重要文化財に指定されている旧慶應義塾図書館。カフェ八角塔は1階にあります

重要文化財に指定されている旧慶應義塾図書館。カフェ八角塔は1階にあります

 

慶應義塾図書館旧館は、1912年に竣工した赤いレンガにアーチ型の窓が特徴的なゴシック様式の建物。中に入ると、クラシカルな雰囲気満載で、建築物が好きな方にも楽しめる空間です。階段の踊り場には、ステンドグラスが輝いていたのが印象的でした。

踊り場にあるステンドグラス

踊り場にあるステンドグラス

 

お目当てのカフェ八角塔は、入り口から入って右側にあります。シャンデリアに洋風の窓、レトロな雰囲気の調度品。大学内にあるカフェとは思えない空間が広がっています。

カフェ八角塔の内観

カフェ八角塔の内観

 

食べ物は、スイーツだけではなく、トーストやサンドウィッチといった軽食のほか、特製ナポリタン(900円)、カレー「コルリ」(1200円)などのガッツリ系メニューもありました。

珈琲や紅茶のテイクアウトも対応しているそう。

メニュー表は、昔図書館として使われていた建物であることにちなんで、図書貸出カードがモチーフ。2月9日までキャンパス内にある慶應義塾大学ミュージアム・コモンズで開催中の「KeMCo新春展2023  うさぎの潜む空き地」とのコラボスイーツを限定発売

メニュー表は、昔図書館として使われていた建物であることにちなんで、図書貸出カードがモチーフ。2月9日までキャンパス内にある慶應義塾大学ミュージアム・コモンズで開催中の「KeMCo新春展2023 うさぎの潜む空き地」とのコラボスイーツを限定発売

 

今回は平日11時30分〜14時30分限定のドリンク付きのランチセットがあったので、限定特製ナポリタンセット(1300円)を頼んでみました。

 

盛り付けがとてもきれい!こちらの特製ナポリタンの味付けは、横浜のホテルニューグランドのトマトソースをベースに、バターやトマトケチャップを加えた、奥行きのある味わい。しかも、もちもちとした太麺で、ソースと絶妙にマッチしていました。

上品でありながら懐かしさをおぼえる特製ナポリタン

上品でありながら懐かしさをおぼえる特製ナポリタン

 

セットのドリンクは、珈琲、紅茶、八角塔珈琲牛乳(プラス100円)、八角塔紅茶牛乳(プラス100円)の中から選べます。今回はサイフォンで抽出されているという珈琲をチョイス。クリアな味わいで、食後にぴったりでした。

サイフォンで抽出された珈琲。優雅な一杯をどうぞ

サイフォンで抽出された珈琲。優雅な一杯をどうぞ

 

午後や土曜日はほぼ一日中満席なことが多いとのこと。ゆっくり楽しみたい方は平日の午前中がねらい目。どのメニューもこだわりが息づいていて、舌がよろこぶおいしさ。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。

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