ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

名古屋大の研究棟でお気軽フレンチ「シェ ジロー」

2016年4月27日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

地下鉄名城線名古屋大学駅から下車すると、多くの学生とすれ違うが、4月は心なしか彼らの面影にあどけなさを感じてしまう。キャンパスがいつもより賑わいでいるのも、新入生が多いせいなのかもしれない。

学生たちの話声を背に、レストラン「シェ ジロー」があるES総合館へ向かった。シャープな外壁が印象的なこの建物は、名古屋大学駅からほど近いこともあり、地域交流ゾーンとしての役割も果たしているらしい。

2011年竣工。工学研究科中央棟・素粒子宇宙研究棟とも呼ばれる

2011年竣工。工学研究科中央棟・素粒子宇宙研究棟とも呼ばれる


2階部分が大きなガラス張りとなっており、同大出身でノーベル物理学賞受賞の益川敏英氏がデザインされ目を引く。

ノーベル賞受賞者と関わりが深い同大ならでは

ノーベル賞受賞者と関わりが深い同大ならでは


益川先生のお顔からゆっくりと目線を下に移すと、バルーンシェードが美しいレストランが。「シェ ジロー」だ。学内のレストランとは思えないような落ち着いたつくりで、店内はカーテンを通して日差しが差し込むため、明るすぎず心地よさを感じる。

やわらかな日差しに包まれる

やわらかな日差しに包まれる

クラシカルな雰囲気の内装も

クラシカルな雰囲気の内装も


入ってすぐに目に飛び込むのは、スタンランが描いたクラシックポスター。赤い服の女の子がミルクを飲む様子が暖かな色調で描かれており、お店の雰囲気によく合う。

メニューは週替わりランチが880円。肉料理と魚料理からセレクトでき、パン、サラダ、スープ付き。メインは、例えば「鶏モモ肉のソテー ラビゴットソース」または「サーモンのポアレ トマトソース」といったメニューだ(取材時)。
他にもランチコース2,260円(要予約)があり、予約できるのがうれしい。落ち着いて会食を楽しみたい時にはぜひ利用したい。

デザート360円。写真はパイナップルのケーキ

デザート360円。写真はパイナップルのケーキ


客層は、お値段的に学生よりも教職員や研究者が多いそう。おとなにとっては、メインにプラスアルファがついて880円ならお値打ちだし、お店の雰囲気は抜群なのでお得感あり。


2011年のES総合館竣工当時から開店している「シェ ジロー」。これからも多くの教職員や学生、一般の見学者の胃袋を満たすことだろう。その中には未来のノーベル賞受賞者もいるかもしれない。

ナンバーワンはこれだ!名古屋大学附属図書館の逸品たち!

2015年7月9日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

「わあ!」と思わず感嘆の声をあげそうになった本がある。なんと3.5×3.5mmの洋書が展示されていたのだ。正に米粒のように小さい名古屋大学附属図書館最小の蔵書である。訪れたのは特別展示「名大図書館No.1」。今回は読書家もそうでない方も楽しめるこの展示会をご紹介したい。

名古屋大学附属図書館は、蔵書数約320万冊をほこる学びの拠点。緑葉が繁茂するキャンパスの木立を抜けると、カフェが併設された白壁のスタイリッシュな姿を目にすることができる。

図書館前。学生たちの笑い声や討議の声が聞こえてくる

図書館前。学生たちの笑い声や討議の声が聞こえてくる


今回の展示会、大学の所蔵資料だから高尚なものなのでは?私に理解できるかな…と期待と不安を胸に会場に入ると、そこには遊び心あふれる“認定証”と共に、図書館の「○○No.1」が展示されていた!

ユニークなものでは「持ちやすい資料No.1」として認定された持ち手つきの資料。

世界でも珍しい持ち手つきの本。名大図書館ではこの1冊のみ

世界でも珍しい持ち手つきの本。名大図書館ではこの1冊のみ

 

タイトルも『誰かに先を越された広告』と興味をそそる。風景に手を加えたり、活用することで注目を集めるゲリラ広告をカラー図版で紹介した本で、この本自体も狙ってこんな形にしたらしい。「こんなの初めて!」と誰かに話したくなること間違いなしだ。

思わず「わあ!可愛い」とにっこりしてしまうのは「いちばん小さい和書」として認定を受けた「こつう豆本」だ。9×7cmの小ぶりな本はそれぞれに色とりどりの装丁が施され、目が釘付けになってしまう。この本は、江戸時代後期に婦女子の娯楽用として作られ始めたもの。かつては袖珍本(しゅうちんぼん)とも呼ばれ、袖に収まるほどの豆本という意味だ。現在でも収集している愛好家がいるほど人気が高い。

豆本のコレクション。日本古書通信社が発行し「こつう豆本」と呼ばれる

豆本のコレクション。日本古書通信社が発行し「こつう豆本」と呼ばれる

また、冒頭に登場した米粒級の「いちばん小さい洋書」、実は聖書である。1965年に凸版印刷株式会社が発刊した。すべて手作業で製作されたらしく、印刷技術の発達や日本人の手先の器用さに感心する書物だ。

「一目見てわかる物を展示したかった」と話すのは、この企画を担当した名古屋大学附属図書館情報サービス課の伊原尚子さん。たしかにここに展示されている資料のどれもが、一瞬にして来場者の目を奪う。「知らなければ、なかなか目につかないものをイチバンと名付け、楽しめる切り口にした」と言う伊原さん。展示の仕方も誰にでも分るようにと工夫されており、子供から大人まで楽しく過ごすことができる。

こちらは「歴史ロマンNo.1」の古銭宝鑑集。本物の古銭が結わえてある

こちらは「歴史ロマンNo.1」の古銭宝鑑集。本物の古銭が結わえてある


最後にぜひ紹介したい資料がある。ノーベル賞受賞者5名による博士論文の「原本」だ。5点の論文、これは「日本でいちばん多い」所蔵の数である。日本有数の実力をもつ名古屋大学ならではの資料といえる。

青色発光ダイオード(LED)の開発で、2014年話題となった赤﨑勇氏の博士論文(1964年)

青色発光ダイオード(LED)の開発で、2014年話題となった赤﨑勇氏の博士論文(1964年)

2008年物理学賞を受賞した益川敏英氏の博士論文(1967年)

2008年物理学賞を受賞した益川敏英氏の博士論文(1967年)















このような貴重な資料に出会える図書館主催の展示会は、定期的に開催されているのでぜひ足を運んでほしい。学術資料だけじゃない大学図書館の魅力が再発見できるはずだ。

RANKINGー 人気記事 ー

  1. Rank1

  2. Rank2

  3. Rank3

  4. Rank4

  5. Rank5

PICKUPー 注目記事 ー

BOOKS ほとゼロ関連書籍

50歳からの大学案内 関西編

大学で学ぶ50歳以上の方たちのロングインタビューと、社会人向け教育プログラムの解説などをまとめた、おとなのための大学ガイド。

BOOKぴあで購入

楽しい大学に出会う本

大人や子どもが楽しめる首都圏の大学の施設やレストラン、教育プログラムなどを紹介したガイドブック。

Amazonで購入

関西の大学を楽しむ本

関西の大学の一般の方に向けた取り組みや、美味しい学食などを紹介したガイド本。

Amazonで購入
年齢不問! サービス満点!! - 1000%大学活用術

年齢不問! サービス満点!!
1000%大学活用術

子育て層も社会人もシルバーも、学び&遊び尽くすためのマル得ガイド。

Amazonで購入
定年進学のすすめ―第二の人生を充実させる大学利用法

定年進学のすすめ―
第二の人生を充実させる …

私は、こうして第二の人生を見つけた!体験者が語る大学の魅力。

Amazonで購入

フツーな大学生のアナタへ
- 大学生活を100倍エキサイティングにした12人のメッセージ

学生生活を楽しく充実させるには? その答えを見つけた大学生達のエールが満載。入学したら最初に読んでほしい本。

Amazonで購入
アートとデザインを楽しむ京都本 (えるまがMOOK)

アートとデザインを楽しむ
京都本by京都造形芸術大学 (エルマガMOOK)

京都の美術館・ギャラリー・寺・カフェなどのガイド本。

Amazonで購入

PAGE TOP