突然ですが、こちらの画像を見てください。
横に通っている灰色の線が傾いて見えませんか? 線はすべて平行なのですが、その周りにある模様の力で傾いて見えるんです。
このような目の錯覚のことを錯視といいます。錯視といえば平面のものが有名ですが、立体を使ったものもたくさんあります。今回はそんな錯視の専門家である関西大学総合情報学部のノーマンD. クック教授の3Dイリュージョン作品と、映像の研究を行う同学部、林武文教授の作品を楽しめる、関西大学博物館「ノーマンD.クック教授、林武文教授のふしぎなサイエンスアート」展を訪ねました。
3Dイリュージョン(逆遠近錯視)とは?
展示されている作品は主に、3Dイリュージョン(逆遠近錯視)のもの。立体的に見える絵画や見る角度によって印象が変わるものなど、不思議で楽しめる新しいアートです。
具体的にはでこぼこのある立体に本来とは逆の遠近感をもつ絵を描くことで凹凸が逆に見えたり、人の動きに合わせて絵も動いて見えたりします。
こちらがその3Dイリュージョンの説明に使用されていた作品。
それぞれ描かれている絵は同じですが、凹凸が異なります。
一番下は平面に絵を描いたもの、真ん中は絵から受ける凹凸と同じ凹凸を施したもの。一番上が3Dイリュージョンに使用されているもので、絵の奥行きとは逆の凹凸が施されている
一番上の箇所を横から見た図。絵で一番奥になる部分がここでは一番出っ張っている部分になる
凹凸があることで、見る方向によって絵の見え方が変化し、まるで動いているような不思議な感覚を味わうことができます。
こちらの作品の近くには、白いキャンバスにさまざまな絵をプロジェクションマッピングで映し出す作品もありました。このプロジェクションマッピングについては、総合情報学部の林武文教授が担当。
3Dプロジェクションマッピング
こちらでも3Dイリュージョンの不思議を体験することができます。
その他にも、どこから見てもこちらを向いているように見えるコイや、
ノーマンD. クック教授作「こいにこい!」
文字が回転しているように見える作品も。
左から見た図
右から見た図。文字が反時計回りに回るように感じる
こちらは横回転だけではなく、上下の見る位置によっても見え方が異なる。仕組みは上のものと同じ
また、2017年7月に完成したばかりという、最新の作品も初披露! 鏡に映った女性の姿を描いた作品ですが、こちらはぜひ会場で確かめてください。
一部の展示作品はかなり近くまで顔を寄せてじっくり眺めて楽しむことができます。
関西大学博物館「ノーマンD. クック教授、林武文教授のふしぎなサイエンスアート」は2017年9月30日(土)まで開催です。
この夏、錯視の不思議な世界に浸ってみませんか?