ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

  • date:2017.2.9
  • author:中橋 由香

ミライを感じる 甲南大学「甲南サイエンス体感展示イベント」

大学の研究ってなんだか難しそう、あんまり生活には関係なさそう、そう思っていませんか? もちろんまだまだこれからの研究もありますが、近い将来私たちの生活を変える研究が生まれているのも確かです。
今回は、とくに科学の分野で大学の研究を体感してもらおうという甲南大学の「理系でミライ無限大!甲南サイエンス体感イベント」に行ってきました。

 

兵庫県・神戸市。オシャレな街という印象がとても強いのですが、実は全国でも有数の“大学都市”でもあります。そんな神戸市と同市にある大学がタッグを組み、その魅力を発信する取り組みがグランフロント大阪で開催中です。

 

神戸市にある大学が順番に展示を行うこの取り組み。今回は1月23日(月)から開催されている甲南大学の「理系でミライ無限大!甲南サイエンス体感展示イベント」を訪ねました。

 

こちらがその展示ブース。
今回は甲南大学が取り組む研究のなかでも理系の研究が展示されています。

 

まずブース入り口にあるこれ。こちらは知能情報学部の田中教授の研究です。

 

IMG_5459

 

すぐ近くを通るとセンサーが反応。通り抜けた人の身長を記録するというものです。入場と退場で表示色が異なるのですが、入退場人数を自動でカウントできるという優れもの。
ちなみに私も試してみましたが、出てきた身長がかなり正確!(靴の高さも含まれます)

 

2つのセンサーを使って身長を算出しているそうなのですが、こんな正確に数値が出るのか……と感心してしまいました。
こちらの研究は、例えば鳥居の近くに設置して参拝者数をカウントしたり交通量を計測するなどに応用できる技術なのだそう。
たまに交通量を手でカウントしている方を見かけますが、なるほど、そういうところを機械で代用できるようになるようです。

 

こちらは知能情報学部の山中准教授のスマートウォッチを使って自分の行動を計測できるもの。ユーザビリティテストなどを手軽に行えるんだそうです。

 

タブレット上でテストをする様子

タブレット上でテストをする様子

 

すごいのは、ウェブサイトなどのデジタルのものだけでなく、壁の掲示物のわかりやすさなどのテストにも使えるところ。
手の動きから計測しているのか、どういう仕組みかがわからなかったのですが、ちょっとした手の迷いなど、微細な動きをしっかり計測できるというから驚きです。

 

こちらの2つは色素を専門に研究されている理工学部の木本准教授の研究成果。
手前のこれ、一見するとただの小さなドームです。
しかしこれ、「吹き付けて作るタイプの太陽光電池」なんだそうです。

 

吹き付けるタイプの太陽電池

見ただけでは何なのか分からない……

 

太陽光電池といえばパネルをずらーっと並べるのが一般的。

 

太陽光発電のイメージ

太陽光発電のイメージ

 

ですが、この塗料が一般的になると、曲面でも塗料を噴射するとそれが太陽光発電の電池になるといいます。
将来的には家のカーテンで太陽光発電ができるなど、あらゆるもので発電ができるかも!とのこと。

 

すごい、めちゃくちゃ未来を感じます。

 

なお、お隣には印刷の色は実は3つのインクで表現できる、ということを体感できるスペースもあります。拡大すると網点が見えたりと、知識として知っていても実際見ると「おおっ」と思うこと間違いなしです。

 


さて最後はこちら。理工学部の林教授の研究にかかわるものです。

 

土石流の実験器具

今回の展示のなかでも一番大がかりなもの

 

こちらは土石流について体感できる展示です。
土石流って耳にする機会も増えましたが、実際どういうものなのかあまりわかっていませんでした。
土石流って水の勢いがすごすぎて土砂や岩が流されてくるものだとばかり思っていたのですが、実は水だけでは大きな災害にはならないんだそうです。

 

それを実験でわかりやすく体感できるのがこの装置。

 

岩に見立てた発泡スチロールのかけらや細かな砂や土、丸石の代わりとなる発砲ビーズ(体が沈むソファなどに使われているアレ)を使い、土石流がどんな仕組みでどのような結果を引き起こすのかをわかりやすく知ることができます。

 

広島の土石流災害などでも、下流付近まで大きな岩が流されたりしていたそうですが、これがなぜなのか、また地質によって被害がどう変わるのかなど、とてもわかりやすく知ることができます。

 

詳しくはぜひ実験で感じていただきたいです。
おそらく皆さん思っている以上に驚かれると思います。私はかなりびっくりしました。

 

その他にも甲南大学で研究されている漫才ロボットや案内ロボットの紹介も。今回は写真のみとのことです。

 

話題を指定するとネットを駆使して漫才をするロボット。今回は紹介のみ

話題を指定するとネットを駆使して漫才をするロボット。今回は紹介のみ

 

案内ロボット。今回は紹介のみ

案内ロボット。今回は紹介のみ

 

色々と体感させてもらいましたが、「えっどうなってるの?!」と思うものも多く、また、どれも簡単に体験できるので子どもでも楽しめるような展示ばかりでした。取材中も何組かのご家族がブースを訪れる様子も。

 

期間中は13時~17時は甲南大学のスタッフの方が常駐しているので、説明を聞きながら展示を楽しむことができます。

 

甲南大学の展示は2月18日(土)まで。また、2月11日(土)、12日(日)は「知の世界を楽しく学ぶ!甲南大学公開講座」も開催予定です。公開講座では、神戸という土地をテーマにした生活文化セミナーや、地域ブランドのお話しなど、4つの講座が開講予定。
こちらの展示と一緒に、ぜひ公開講座で大学の知の一端にも触れてみてはいかがでしょうか。

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