ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

  • date:2018.5.17
  • author:羽田理恵子

東京が京都に染まる1ヶ月!「京まなび」で大学教授の特別講座を受けてきた。

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「京まなび」とは、京都の歴史、文化、ものづくりが東京に集結する「京あるきin東京」の2018年のテーマ。2月3日(土)〜3月11日(日)にかけて、東京の各エリアで様々なイベントが開催されました。そこで今回は、京都の大学による特別講座に参加してきました!

 

伝統文化から現代アートまで   京都の魅力が凝縮した「京あるきin東京」。

 

今年で8回目となる「京あるきin東京」とは、京都市、京都商工会議所、京都市観光協会などオール京都で進めている京都創生の取組をPRするイベントであり,東京で様々な京都に触れ、知り、学ぶことで、自分らしい楽しみ方を見つけて欲しいというもの。そして京都が1200年もの歴史の中で大切にしてきた伝統に触れることで、私たちが気づかなかったこと、忘れてしまっていたことに出会う機会を与えてくれるものです。

 

今回は「京まなび」をテーマに2月3日、丸の内のKITTEのオープニング・イベントからスタートしました。千代田、中央、港、新宿など都内各所で、「見る学」「知る学」「食べる学」から楽しくまなびを体験します。

時を超えて磨かれてきた京都の職人の技、古都の雅を感じる踊り、室町時代から近・現代に至るアート作品に触れる「見る学」。歴史の裏側や京都の歩き方、暮らし方、働き方など、知られざる京都に出会えるイベント揃いの「知る学」。そして「食べる学」では、長い歴史と四季折々の自然が生み出した京の食文化を堪能。東京にいながら京都を100%満喫する1ヶ月です。

楽しくまなびを体験して欲しい。そんな思いがこもったノート型の「京まなび」のパンプレットは読み応え◎

楽しくまなびを体験して欲しい。そんな思いがこもったノート型の「京まなび」のパンプレットは読み応え◎

 

さて、ご存知のように京都は世界に誇る「大学のまち」「学生のまち」。今回は14大学が「京あるきin東京」のための特別講座を開催するということで、京都にある大谷大学の草野顕之先生のお話しをうかがってきました。募集早々に満席となったこの人気講座、タイトルは「二つの本願寺の謎 ―東本願寺と西本願寺―」です。

 

 

東と西2つの本願寺の謎説きに、歴史ドラマが繰り広げられる。

東本願寺をお東さん、西本願寺をお西さんと親しまれていますが、もともとは親鸞聖人を宗祖とする浄土真宗の本山、一つの本願寺でした。とっても有名なことですけど。それがなぜ、同じような建物を持った瓜二つの本願寺ができたのでしょうか?

本願寺の歴史をご存知の方は多いと思います。でもその知識に自信がなかった私は、草野先生お手製のレジュメ資料とともに臨場感あふれるお話しにググッと引き込まれていきました。時は戦国時代。お話の主役は、本願寺の顕如と教如の親子です。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康など脇を固める人物との関係もまた興味深かった。

 

点と点であった登場人物が複雑な線でつながり、脳内歴史ドラマが繰り広げられていきました。まるでミステリアスでロマンチックな歴史ドラマのよう…主役の教如には伊勢谷友介さんを推して、その他キャスティングもばっちり脳内完了(笑)。

 

本願寺と信長の石山合戦は元亀元年(1570年)~天正八年(1580年)、息子である教如が顕如を助けてどんどん動き出す

本願寺と信長の石山合戦は元亀元年(1570年)~天正八年(1580年)、息子である教如が顕如を助けてどんどん動き出す

 

謎解きのスタートは大阪です。本願寺は一時、現在の大阪城あたりにありました。そこは浄土真宗を全国的な教団に育てた蓮如上人から11代目の顕如までが門主を勤めた場所。この地を、全国制覇に乗り出した信長が狙ったんですね。軍用金を献上したのに、さらに本願寺の土地を譲るよう無理を言ってきた。そこで起きたのが本願寺と信長軍との10年にも及ぶ石山合戦です。

 

しかし10年間も戦ってお互いに攻略できず。そこで信長が天皇を動かし、本願寺が退去することで和睦へと話が進んで行った。ところが、いざ退去の時となると顕如の息子、教如が死を覚悟して一部の門徒と篭城をするんですね。蓮如上人が開いた大切な土地を敵に渡していいのかと。でも信長軍は戦いのプロ、最終的には約4ヶ月に明け渡すことになるんです。

和睦のための織田信長起請文には門徒を許すなどと書かれているが、教如は信長の言葉を信用していなかった

和睦のための織田信長起請文には門徒を許すなどと書かれているが、教如は信長の言葉を信用していなかった

 

ところが信長の急死で事態は一転。退去と篭城、別々の道を選んだ顕如と教如が和解する時がやってきます。秀吉により本願寺は大阪天満、さらに京都堀川七条へと再建がなされました。ところが物語の舞台がやっと京都になったと思ったら、主役の顕如が亡くなってしまう。今度は跡目騒動が勃発!草野先生のお話は知っていることなのにドキドキしてきます。

大阪、鷺森(和歌山県)、貝塚、天満…そして天正19年(1519年)、秀吉により本願寺は京都へ

大阪、鷺森(和歌山県)、貝塚、天満…そして天正19年(1519年)、秀吉により本願寺は京都へ

 

長男である教如が継職するものの、秀吉の命によりわずか1年で隠退。弟の准如が跡取りになるんですね。この就任に大きく働いたのが二人の母・如春尼(にょしゅんに)。ゴッド・マザーか?この方もなかなか濃いキャラです。彼女は有馬温泉で湯治をしていた秀吉のところに押し掛けて行き、相談をしたという記録も残っています。

長男の教如と三男の准如は歳が離れており、母親の如春尼(結婚前は公家のお嬢様)は末っ子をとても可愛がったとか

長男の教如と三男の准如は歳が離れており、母親の如春尼(結婚前は公家のお嬢様)は末っ子をとても可愛がったとか

 

いよいよクライマックスが迫ってきます。准如が門主になって数年後、秀吉が没すると家康と教如が仲良くなっていくんですね。石田三成の野望を察知して教如は関東まで御注進に行っている。そのような恩義に報いるため、関ヶ原の戦い後に家康は教如に土地を与えて東本願寺が設立されるわけです。

質疑応答では、かなり突っ込んだ質問はもちろん突拍子もない質問に会場に笑いが起こることも

質疑応答では、かなり突っ込んだ質問はもちろん突拍子もない質問に会場に笑いが起こることも

 

家康が准如の西本願寺を潰さず2つとした理由として、古くから一向一揆の勢力を半減させて政治をやりやすくするためと言われてきたそう。ところが近年になり、本願寺分化の見直しが進んできているそうです。

遠因を辿ると石山合戦の篭城と退去で教団が2つに分かれ、さらに顕如亡き後の跡継ぎの問題でより明確になった。それを受け、家康がそのまま教如の東、准如の西と2つの本願寺を認めたのではないかと草野先生は見解を示してくださいました。なるほど!

 

草野先生の言葉一つひとつを聞き漏らさないように耳を澄ませ、レジュメ資料とモニターを目で追う熱心な聴講生のみなさんとともに、あっと言う間に過ぎた90分。教壇を降りた草野先生はとてもチャーミングで「なるべく文章は原文に近いものを使って、できるだけ言葉で補うことで歴史的な臨場感を出したかった」とお話しくださいました。

 

もっとお話しを聞きたい。妄想ドラマを脳内で見たい。先生のご本も読んでみたい。次の機会がとても楽しみになりました♪

「京あるきin東京」は毎年2月~3月頃に開催されています。ぜひ来年もチェックして京都の魅力をたっぷり味わってみませんか?


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