ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

  • date:2018.6.19
  • author:河上 由起子

武庫川女子大学のブラウン・ライス・ウィークでプチ国際貢献!

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ブラウン・ライス―ちょっと聞き慣れない言葉だが「玄米」のこと。じゃあ、ブラウン・ライス・ウィークは玄米週間?2010年から毎月この取り組みを続け、国連WFP協会と連携協定を締結した武庫川女子大学を取材した。

 

きっかけはオックスフォード大学!?

 

ブラウン・ライス・ウィークとは、一週間限定で玄米を使用したメニュー(360円程度)を学食で販売し、売上の10%を寄付しようという取り組みだ。寄付先は食糧支援活動等を行う国連WFP協会。途上国で飢餓にあえぐ子どもたちに給食を提供する「学校給食プログラム」に役立てられている。武庫川女子大学では、8、9、3月の長期休暇を除き、毎月開催している。

 

大学に到着するとオレンジのかわいい看板が

大学に到着するとオレンジのかわいい看板が

 

ウィーク中なら誰でも学食利用OK!格安でランチが楽しめるとともに、ちょっとした国際貢献もできてしまうのだ。また、玄米には食物繊維やビタミンB1が多く含まれ、便秘やダイエットに悩む若い女性には強い味方である。

 

学食はいくつもあり、それぞれ日替わりでメニューが異なる。玄米タコライス(左)、玄米定食(右)※メニューは一例

学食はいくつもあり、それぞれ日替わりでメニューが異なる。玄米タコライス(左)、玄米定食(右)※メニューは一例

 

取材時のメニューは、西宮市・中央キャンパスのアゼリア食堂で提供されていた「梅マヨチャーハン&わかめスープ」。玄米とちりめんじゃこの香ばしい味のなかに、ほんのり梅のスパイスがきいたヘルシーなおいしさだ。私の場合、玄米を使った料理をすることはほぼないので、こういう機会に食べられるのはうれしい。

 

「梅マヨチャーハン&わかめスープ」。シンプル&ヘルシー!

「梅マヨチャーハン&わかめスープ」。シンプル&ヘルシー!

 

若者受けのこんなメニューも。デミグラスオムライス(左)、玄米ライスコロッケ(右)

若者受けのこんなメニューも。デミグラスソースオムライス(左)、玄米ライスコロッケ(右)

 

この取り組みの発端は、かつて武庫川学院の学院長・大河原量氏が「学生、生徒、教職員が一体となった国際貢献、社会奉仕はできないか」と考えていたところ、皇太子さまのご著書『テムズとともに 英国の二年間』を読んだことがはじまりだという。ご著書には、皇太子さまがオックスフォード大学留学中に経験したブラウン・ライス・ウィークのことが書かれており、大河原氏は奉仕の精神を学ぶよいシステムだと、感銘を受けたそうだ。

 

その後、2009年に皇太子さまが武庫川女子大学を訪問された。ご著書のことが話題になり、皇太子さまも喜ばれたことがきっかけとなって、翌2010年からスタートすることになった。

 

教職員や一般からメニューを公募したところレシピは100を越えた。現在はそれに加えて、後述する学内公認ボランティア団体「ブラウン・ライス・ボランティア」のメニューチームの学生がレシピを考案し、栄養計算した新作も提供されている。

さらに附属の中学校・高等学校、幼稚園でも実施しており、学院全体の取り組みとなっているのだ。

 

附属幼稚園で月1回開催、ブラウン・ライス・カレーの日

附属幼稚園で月1回開催、ブラウン・ライス・カレーの日

 

「食」から考える、学生たちの国際貢献

 

当初、実務担当は教職員だったが、2012年からは食に関するボランティアに興味がある学生を募り「ブラウン・ライス・ボランティア(通称ブラ★ボラ)」が立ち上がった。

 

集まった1期生は約50名。最初はブラウン・ライス・ウィークのビラ配りが主だったが、文化祭など学内外のイベントで国連WFP協会の活動についてパネル展示をしたり、玄米を使ったレシピ開発を行ったりと活動の幅を広げていった。

 

国連WFP協会が主催するチャリティイベントの補助スタッフとしても活躍

国連WFP協会が主催するチャリティイベントの補助スタッフとしても活躍

 

当初から顧問を務める松井徳光先生(学生部長・生活環境学部食物栄養学科教授)によると「軌道にのってきた2013年頃、食べ物の大切さをもっと学ぶために、田植えや稲刈りからやってみたいという声が学生からあがったんです」。その積極性には先生も驚いたそうだが、丹波篠山までバスを走らせ、泥んこになって田植え・稲刈りをするのは恒例行事となった。

 

自然の中で懸命に取り組むブラ★ボラメンバー

自然の中で懸命に取り組むブラ★ボラメンバー

 

収穫した玄米は文化祭で販売し、収益は全額、国連WFP協会に寄付するという。「全額寄付というのも学生たちの意見でした」と松井先生。打ち上げなどに収益の一部を使ってしまいそうなものだが…意識が違う。

 

そんな彼女たちのモチベーションを支えるのが、国連WFP協会の職員が毎年行う講義だ。世界人口の9人に1人が飢餓に苦しんでいること、国連WFPが途上国に支援する食糧の量よりも、日本のフードロスの方が多いことなど、学生は現実を目の当たりにするという。

 

現在73名のメンバーを束ねる委員長の大西陽香さん(食物栄養学科3年生)は「国連WFPのお話は衝撃的でした。でも、自分たちの活動がここにつながっているんだということに感銘を受けました」とふり返る。

 

松井先生は「知らなかったことを知る。そうすれば寄付をしているというだけではなく、自分たちの活動の“意味”がより深くわかってくる」と話す。自主的にメンバーだけで勉強会をする姿もみられるという。

 

お話を聞いたメンバー。左から落合絵令奈さん、蒔田紀子さん、下垣内実穂さん、大西陽香さん

お話を聞いたメンバー。左から落合絵令奈さん、蒔田紀子さん、下垣内実穂さん、大西陽香さん

 

学生の成長ぶりを見守る顧問の松井先生

学生の成長ぶりを見守る顧問の松井先生

 

大西さんと同じく食物栄養学科3年生の下垣内実穂さん、落合絵令奈さんは「もっと勉強し、世界の情勢を発信しようと思っています」(下垣内さん)、「学生でもこの活動を知らない人がいる。もっと広く紹介していきたい」(落合さん)と意欲的だ。副委員長の蒔田紀子さんは「ご飯を食べる。そういったことでも寄付ができるんだと知ってもらいたいです」と話してくれた。

 

2018年5月には、同大は国連WFP協会と連携協力の協定を締結した。「社会に貢献できる女性の育成」という教育目標と、ブラ★ボラの活動内容が合致していること、連携を強化して学生をさらに成長させたいとの願いから、今回の締結につながった。全国の大学では初の試みだ。

 

アゼリア食堂の入口には、国連WFPからの感謝状が飾られている

アゼリア食堂の入口には、国連WFPからの感謝状が飾られている

 

世界を知り自分たちの活動につなげていく。学生たちのようにはできなくても、ブラウン・ライスを食べるという簡単なことからでも、世界の厳しい食事情を知る一歩となる。小さな国際貢献から、まずははじめてみませんか。

 

メニューや日程はWEBサイトからチェックできる。11:00~だが、12:15~の昼休みは混み合うのでこの時間は避けて出かけてみよう。

 


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