ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

  • date:2018.7.5
  • author:羽田理恵子

抜群のエンタメ性で大学インターネットTV局の常識を変える! 「青学TV」の撮影現場に潜入してみた。

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若葉の緑がますます鮮やかになってきた表参道の青山学院大学青山キャンパス、水曜日の午後。ここで2017年9月に開局したインターネットTV局「青学TV」が「今週の青学」の撮影を行うと聞いてお邪魔してきました。動画視聴数が半年で約30万回という青学TVのヒミツを探ります!

アプリでパッと見る、スマホ時代の青学TVコンテンツ。

青山キャンパス近くに「青山学院アスタジオ」が設置され、NHKのスタジオを招致するなど、メディアとの連携・活用を積極的に行ってきた青学。そんな特長を活かし、社会一般にも広く情報・知識等を公開することを目的とした「青学TV」が開設されました。企画・制作・編集・発信の拠点は「青学TV編集室」。映像のプロフェッショナルはもちろん、学生たちも番組作りに一部携わっているそうです。

 

アカデミックな印象が強い大学の動画は、授業やシンポジウム、講演会などをフルバージョンで配信していて敷居が高い感じがしませんか?授業1コマ分の動画を視聴するには、それなりのネット環境なども必要ですよね。ところが青学TVにはそんな心配がいりません。パソコンではなくスマホ視聴が基本、しかもチャンネルが9つもあるんです。青学ゆかりの人を紹介する「青アンテナ」、がんばる学生・卒業生を応援する「AoSTAR」、青学の学びをコンパクトに紹介する「アオ・ガク・モン」などバラエティに富んでいます。

青学TV編集室長の井口先生(左から5人目)、ディレクターの大房先生(一番左)とともに和やかに撮影準備中

青学TV編集室長の井口先生(左から5人目)、ディレクターの大房先生(一番左)とともに和やかに撮影準備中

 

1本の動画は、見やすいように3分以内、長い動画は分割するなど徹底されています。「青学TV開局にあたっては動画視聴数を確保することを第一の目標にしました」と語るのは青学TVの編集室長でもある井口典夫先生(総合文化政策学部教授)。スマホでアプリをダウンロードして見ることで青学TVはいつでも、どこでも、負担なく視聴することができます。

本番がはじまると先生方は後方でスタッフを見守っています。

本番がはじまると先生方は後方でスタッフを見守っています。

 

さらに井口先生は「青山学院大学が先端的なメディアを持って学内外に広く情報を発信していることを知ってもらいたい。大学インターネットTV局にエンタメ性やニュース性を加えることが先進性であると思っています。青学はどんな大学かということだけでなく、ここでの学びや生活、渋谷・青山地域の新しい動きまで、学生が自分の足で見て回ったものを紹介する。若者の正直な情報を発信しています」と説明してくださいました。

プロの映像技術が活かされた、クリエイティブな番組づくり。

今回取材した「今週の青学」は、学生が中心となって企画、撮影を行う青学の今を伝える番組。その名の通り、青学のイベント告知、ブックカフェ情報、部活の紹介などを発信しています。撮影後に学生スタッフから、台本・演出なし、わずかなリハーサルだけで撮影していると聞いてビックリ!段取りがよくて感心してしまいました。

「ブックカフェ便り」の撮影前、リハーサルは1〜2分とか

「ブックカフェ便り」の撮影前、リハーサルは1〜2分とか

 

撮影の指導をしているのは青学TVのディレクター 大房潤一先生。総合文化政策学部の非常勤講師も兼務されており、NHKの教育番組の制作にも携わる映像のプロフェッショナルです。「青学TVでは、テレビ局で映像制作するそのほとんどができます。クリスマスの点火祭をVR動画で撮影したこともありますよ」と大房先生。余談ですが、先生の教え子で人気2人組YouTuber「水溜りボンド」が卒業記念に作った動画は破格の視聴回数だったそうです。

1台の4Kカメラで固定から接写までOK

1台の4Kカメラで固定から接写までOK

 

NHKディレクター×教授×学生で作る番組「アオ・ガク・モン」は、さまざまな先生の研究を多彩な切り口で紹介していておもしろいですし、雑誌社と一緒に制作した「相模原キャンパスでオシャレさんを探せ!」など、企業とコラボした企画も青学TVの特徴のひとつです。

あなたの青学TV○○を、質問してみました。

青学TVに携わる学生メンバーは約50名。これをやりたい!というメンバーがそのつど集まって制作しているそうです。今回は学生スタッフの西尾菜々美さんと大木瑞紀さん(ともに総合文化政策学部3年生)を直撃しました。

アナウンサー役の西尾さん(左)と制作担当の大木さん(右)、ともに就活生。がんばれ!

アナウンサー役の西尾さん(左)と制作担当の大木さん(右)、ともに就活生。がんばれ!

 

A:青学TVに入ったきっかけは?

西尾さん:テレビアナウンサーを目指していたところ、カメラの前で本番を経験する機会はそうないので、友達が声をかけてくれたときにすぐ参加を決めました。青学TVには台本がないんですね。今日これやります。はいどうぞ、って(笑)。本番に強くなりましたね。

 

大木さん:私は3年生で入ったばかりです。友達がすごく楽しそうだったことや、もともと映像に興味があって、企画・撮影・編集まで機械操作を含めて実践的に一から教えていただけるので入りました。

 

A:青学TVの現場で感じたことは?

西尾さん:私は出演だけなんですが、言葉を繋げて、読点しか使わないで話していると、編集後の映像を見るとブッと言葉が不自然に切れているんです。だから「○○です」など言い切るなど、編集のことも考えて話すようになりました。

 

大木さん:毎週ネタが必要で、青学の紹介できる所を探すアンテナをすごく張るようになりました。先日初めての出演があって、緊張するので全部携帯のメモを見ながら話していたんですが、親がすごく喜んでくれました(笑)

「今週の青学」の本番。一般公開されているイベントもあるので動画は要チェックです

「今週の青学」の本番。一般公開されているイベントもあるので動画は要チェックです

 

A:青学TVを経験してうれしかったことは?

西尾さん:自分の知らなかった青学や、渋谷・青山のことがわかるようになりました。プロも取材するような本格的なプレス発表に参加したのもうれしかったですね。周りにはフジテレビのアナウンサーや新聞記者がいらして、すごい現場にいるという感じでした(笑)

 

大木さん:CM制作会社のインターンで、絵コンテの映像版といえる「Vコンテ」をつくる作業があって、それは普段社員の方がやるんですね。でも青学TVで使っている動画編集のソフトだったので「はい、使ったことがあります」と言えて。それができたことはうれしかったです。

 

A:困ったことや大変だったことは?

西尾さん:一番準備したのは駅伝の祝賀会でのインタビューです。選手の顔と名前と記録を全部調べるのが大変でした。インタビューでは学生目線で質問しようと、プライベートなことや勝負飯を食べる店を聞いたりしました。自分が知らない話題になったときでも、わかりやすく伝えないといけないことが難しいですね。

 

大木さん:困ったらすぐに先生に相談します。青学TVは意見を出しやすく、自分のこだわりを結構ぶつけられるんです。やりすぎたら大房先生がダメなところを指摘してくれるという安心感があるからだと思います。

 

A:おすすめのコンテンツを教えてください。

西尾さん:私はやっぱり「今週の青学」かなぁ。1週間に1回、最新の情報をお届けしているから。青学生じゃなくても利用できる場所も紹介しているので見てもらいたいです。

 

大木さん:私も「今週の青学」。でも、結構、見ているのは大学の先生が出ている「アオ・ガク・モン」。恋愛心理学の番組はおもしろいですよ。

撮影終了後、編集作業に入る前に全員集合。みなさん、どうもありがとうございました。

撮影終了後、編集作業に入る前に全員集合。みなさん、どうもありがとうございました。

 

和気あいあい賑やかな撮影スタッフを見ていると、クリエイティブな仕事はとても楽しいと改めて思いました。作る苦しみ、仕上げる辛さはあるけれど…。

「新入生が国際学生寮の映像を見て入寮したと聞いたんです。青学TVが実際に役に立っていると思うとうれしいですね」。大房先生はこんなことをおっしゃっていました。クリエイター冥利ですね。

井口先生、大房先生、そして学生スタッフのみなさん、これからも素敵な動画を撮ってください!

 

旬の青学情報から渋谷・青山のおもしろそうなお店紹介まで、バリエーションにあふれる青学TV。気軽にスマホでチェックしてみませんか?


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