龍谷大学瀬田キャンパスの開学30周年を記念して、農学部「ベジタブル料理コンテスト」が開催されました。コンテストのテーマは、SDGs(持続可能な開発目標)を促進するベジタブル料理。京野菜・近江野菜を1つ以上使用することが条件で、日本の伝統ある食文化“1汁3菜”の創作料理のアイデアと味で競います。
バラエティ豊かな料理に審査員も感心。優勝は京都の高校生チーム!
瀬田キャンパスで学園祭が行われていた10月26日、1次予選を勝ち抜いた、高校生から社会人までの7チームが最終審査に臨みました。
審査員には、NHK「きょうの料理」の出演者として知られる料理研究家の大原千鶴氏、ミシュラン三つ星の料亭「一子相伝 なかむら」店主の中村元計氏など食への造詣が深い面々が登場。
審査員の方々がずらり
名の知れた食の専門家に審査されるとあって少し緊張ぎみな参加者たちも、調理時間がスタートすれば真剣に食材と向き合って調理を進めていきます。調理時間は約2時間。調理台の上には、各チームが用意した色とりどりの野菜をはじめ、さまざまな食材が並びます。これらの食材がどんな料理に生まれ変わるのでしょう。とても楽しみです。
調理室には参加者たちの熱気があふれた
素材がどのように生まれ変わる!?
手際よく食材を切っていくチームもあれば、普段は料理をし慣れていないのか慎重に包丁を使う高校生チームも。限られた時間内に1汁3菜を完成させるにはチームワークも重要。事前にシミュレーションをきっちり行ったのか、どのチームも役目を分担して着実に料理を仕上げていきます。全チームが時間内に盛り付けまで終えて、無事に料理を完成。いよいよ審査です。
レシピや調理のアイデアをプレゼンした後に、審査員が試食。イタリア料理の食材と知識を生かしながら和のメニューを仕上げたチームがあれば、大人のお子様ランチをテーマにした彩りも美しい品々、腸の能力をアップする健康メニューなど、それぞれの料理はこだわりが満載。
アピールポイントをプレゼン
審査員も興味津々。どんな食材を使ったのか尋ねたり、調理のポイントなど、試食をしながらさまざまな質問が飛び交う
「おいしい」との言葉が出れば、調理チームのメンバーはとびきりの笑顔! どの料理も完成度が高く、試食終了の時間を押しそうになるほど審査員は熱心に試食されていました。
そして、最も審査員の票を集めた優勝チームは「桂高等学校」。準優勝が社会人のチーム「うんとこさ」でした!
優勝した桂高等学校チームは、「京の伝統野菜を守る研究班」で活動している高校1~3年生の3人。外国人をもてなす京のビーガンフードをテーマに、すべての料理に京野菜もしくは自作のメンマを使用。金時にんじんのおいなりさん、京水菜の白和えなど京野菜をふんだんに使ったメニューを作成しました。
優勝した桂高校のメニュー。金時にんじんのおいなりさん、特製豆腐ハンバーグ、京水菜の白和え(ゴマ風味)、里芋、九条ねぎの京子カブおろし味噌汁、不思議なメンマ
優勝し笑顔を見せる桂高校のメンバー
自信作のみそ汁は、里芋と九条ネギの食感とぶつからないように、おろした京小カブを入れたのがポイントだとか。調理時の火加減を試行錯誤したり、豆腐ハンバーグの成型がうまくできずに何度も練習したり、最終審査を迎えるまでも苦労があっただけに、優勝という結果は「とてもうれしい」と喜んでいました。
準優勝うんとこさのメニュー。大人のお子様ランチ(お揚げのコロッケ風、ラタトゥイユ、春菊と京こかぶのポタージュ、キャロットラぺ)
審査員の講評では、大原氏が「想像を超えるレベルのものばかり。それぞれ工夫されていた」、中村氏が「みんなの料理に対する思いが伝わった。プロの料理人の目から見ても、おもしろいと思うアイデアがあった」と述べ、ハイレベルな料理に感心されていた様子。
正直なところ、ベジタブル料理というと健康的だけれども地味なのでは…と先入観を持っていたのが、こんなに美味しそうでバラエティに富んだ料理が並ぶなんて、予想外の驚きのあった料理コンテストとなりました。
SDGsポスターコンテストや農学部の収穫物販売も。
この日は料理コンテスト以外にも30周年記念イベントとして、高校生・龍谷大生から募集したSDGsポスターも展示されていました。環境問題など社会が抱える問題の解決に向け、普段行っている活動や学習成果について発表する場として、環境に優しい農法の提案や産学連携での蜂蜜プロジェクトなどを展示。若い世代が世界的な問題の課題に向けて真剣に取り組んでいるのはとても心強く感じますね。
農学部を擁する龍谷大学ならではの活動報告が多く掲示されているのが印象的
会場から出てみると、にぎやかに学園祭が開催されていました。そこでは、農学部生が主体となっているサークル「龍谷FARM」が作るイモを使ったサツマイモスティックを発見。ホクホクした食感のサツマイモは甘くて美味しかったです!「龍谷FARM」はなんと200人超の学生が所属しており、農家の方とのつながり、知識を養いつつ新しい農法や品種改良にチャレンジしているサークルです。
農学部産の収穫物を販売しているブースでは、お米ヤジャガイモ、玉ねぎ、ニンニクのほか、ちょっと珍しいバターナッツも販売していました。
サツマイモスティック
自家製の収穫物販売ブース
龍谷大学の特に農学部のさまざまな活動の一端に触れ、もっとどんな活動をしているのか知りたいと思えた一日でした。