災害を起こす自然現象を体験!京都大学公開ラボ!
ドアが全然開かない・・・!これは確実に逃げられない。そんなちょっとドキッとする体験ができてしまう、京都大学のイベントに行ってきました!テーマは自然災害。研究施設である宇治川オープンラボラトリーにて、年に1度体験できる公開イベントです。
地震や津波、異常気象・・・。自然災害への関心が高まる一方、経験したことがないとそれがどのような影響をもたらすか、なかなか実感できないもの。京大では、さまざまな自然災害を学んでもらおうと、毎年10月下旬に宇治川のそばにあるラボを一般公開しています。
京阪電車の黄檗駅を最寄りとする宇治キャンパスから、シャトルバスに揺られること約30分。少し人里離れた場所に、宇治川オープンラボラトリーはあります。
宇治川オープンラボラトリー敷地内には、とてつもなく大きい実験棟にかっこいい設備が並んでおり、この日は20人程度のグループで順に見学しました。
最初に体験したのは第1実験棟での「降雨流出」。
1時間に200㎜という豪雨を体験してきました!傘や地面にザザザーっと打ち付ける雨粒の力に参加した子どもたちはおおはしゃぎ!
また、降水量を測る装置も見せてもらいました。
次に同じ実験棟で「流水階段歩行」を体験!建物の地下に水が流れ込んだら?という実験です。
ドドドーッとすごい勢いで流れる水に逆らいながら上るのですが・・・これがなかなかしんどい!地上での水深が40㎝以上になった水が流れこんでくると、成人男性でも階段を上れなくなるため、体験では比較的歩きやすいようにしているそうです。
両脇に手すりがあり、胴長靴をはいて、落ち着いて上るからできるようなものの、これが突然の災害、手すり無し、人々大パニック、荷物多い、おまけにヒールの高いパンプスだった日には・・・とても上れそうにありません!ゾッとします。
さて次は、第2実験棟に場所を移し「浸水ドア開閉」の体験です。
ドアの向こうに水がたまってしまったら・・・?水圧で開けにくくなるのは分かっていますが、実際どうなんでしょうか?
まずは30㎝の水深でチャレンジ。小学校高学年、中学生ぐらいになると開けられる子もいるようで、男性ならある程度力をかければ開けられていました。
私はというと、2㎜ぐらい開いたかも・・・逃げられない(泣)
次は水深40㎝に。先ほど軽々開けていた子どもたちも難しいようで、男性陣も相当力を入れてドアに体当たりぐらいしないと開けられませんでした。
このような場に遭遇したくはありませんが、火事場の馬鹿力でなんとかなるような重さではなかったです・・・。
災害などのとき、自分だけは大丈夫、ここまでは水はあがってこないだろう、と脳に正常性バイアスがかかってしまうとはよく言われますが、できる限り、すぐに安全な場に逃げることが大切なんですね。
最後に訪れた第3実験棟では、巨大な水槽が現れました!
これは人工的に津波を起こすことができる装置です。大きな板を前後に動かすことで、さまざまな規模の津波をつくることができます。
先生から津波のメカニズムの説明があった後、実際に津波を起こす実験を見ることができました。
水槽内の水がぐっと盛り上がったかと思うと、パァァン!と防潮堤に波がぶつかるものすごい音と、砕けた波の高さにみんなびっくり。
東日本大震災のとき、釜石市を襲った第1波、第2波、第3波を再現した様子も見せてもらいました。第1波はおとなしくても第2波が大きいことがわかり、安心してはいけないことが実感できます。
震災時は防潮堤が崩れ、周りにあった土砂が街に流れ込んでいきました。先生によれば、防潮堤を強くするため、震災後は周りに土ではなく石やブロックを置くことで改良を重ねているそうです。
メインの体験は以上の4つ。他にも、土石流の実験装置や都市水害のメカニズムがわかるジオラマ模型、気象観測体験もできるなど、楽しい実験装置がいろいろ!
新しいおもちゃを見るように子どもたちは喜んでいました
この宇治川オープンラボラトリー公開ラボは、毎年10月下旬に開催されている「京都大学宇治キャンパス公開」イベントの一つ。宇治キャンパスに戻れば、公開講座や大人も子どもも参加できるワークショップがなんと40件近く行われています!
甲子園球場16個分の広大な敷地に、自然科学系の研究拠点が並んでいるので、イベント内容はすべて理系。とはいえ、超文系の私でも、おもしろそう!と思うものばかりです。
次の開催は来年にはなってしまいますが、季節のいい時期に家族と、友だちと、たくさん学べる1日を過ごしてみては。