ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

人工知能で社会はどう変わる? 関大シンポジウムで考える、私たちのこれから

2019年10月31日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

AI(人工知能)をはじめ、科学技術がますます発展していくなかで、私たちの生活は今後大きく変化していくと予想される。これら変化をどう受け止め、未来都市はどのようになっていくのだろうか。関西大学東西学術研究所のシンポジウム『AI×哲学×デザイン 未来都市としての大阪を考える』に訪れ、各分野の専門家の知見から、未来の世界を読み解くヒントをもらった。

人間の知能の発達と人工知能の関係

大阪大学先導的学際研究機構特任教授・浅田稔先生は、人工知能に関する数々の研究について語った。浅田先生は、自律ロボットによるサッカー競技、ロボカップの創設者の一人であり、レオナルド・ダ・ヴィンチを再現した精巧なアンドロイドを作ったことでも知られている、認知発達ロボティクスの第一人者だ。

浅田先生2

浅田稔先生は、人工知能の“育て方”について語ってくれた

 

人工知能の発達に大きく寄与したのは、ビッグデータと深層学習の二つだと、浅田先生はいう。深層学習とは、人間の神経細胞の仕組みを模したシステムで、人工知能に学習させる手法のこと。スマートフォンの音声認識や車の自動運転技術といった私たちの身近にある最新技術にも、深層学習を活用した人工知能が使われている。

 

この深層学習は、視覚・感覚情報に強く、画像認識ではすでに人間の精度を超えているが、運動情報には弱い。「運動させるために一千万回の試行をさせようとすると、ロボットは壊れてしまう」。では、人間の赤ちゃんはどのように運動しているのかというと、社会的環境の中でいろんな情報を得ることによって試行の回数を減らしているのだと先生はいう。

 

また、学習するうえで運動経験が非常に重要な要素だという話のなかで、仔猫を使った実験事例が紹介され、これがとても印象深かった。生後2週間の双子の仔猫のうち、一方は自分で動けるようにし、もう一方は動くことができない環境に置いた。数週間後、崖のビジュアルを見せると、自分で動かない仔猫は崖の前で止まらずに歩いていったという。これは、視覚情報が入っているにもかかわらず、物理的に解釈ができていないから。身体運動があることによって、視覚情報の意味が分かるということだ。“頭ではなく身体で憶える”という、非科学的にも思えるようなことが、実は科学的に重要な意味を持つのだと驚かされた。

 

人間の発達は、未だに解明されていない部分が多い。人間の赤ちゃんは母親の中にいる胎児のうちから、あくび、前屈などのいろんな運動が始まり、触覚・視覚・聴覚といった感覚もすでに得ており、生後1年でさまざまな行動を学習していく。生後5ヶ月でロボットが運動する際の順逆モデルを学習し、生後1年で食べるマネをするなどの“ふり遊び”、ロボットでいうところの内的シミュレーションができるようになる。

 

「1年でこれらすべてを学習できるロボットを作れと言われたら無理」と、浅田先生は断言する。なぜなら、なぜ赤ちゃんがこれだけのことをできるのか、という謎自体が解明されていないからだ。浅田先生の主要研究分野である“認知発達ロボティクス”とは、こうした人間の知能が創発・発達するメカニズムを解明することであり、これをロボット育成に活かす分野になる。現在、先生は、赤ちゃんの月齢別のロボットを製作し、課題を解明していこうと研究を進めている。

会場風景

会場には、幅広い世代の人たちが訪れた

知を総合してめざす、都市・環境の未来

関西大学文学部教授・三村尚彦先生は、「科学と哲学・思想、デザイン・アートといった知の総合によってめざせるものは何か」というテーマのもと、哲学の視点から考察を行った。

 

三村先生が将来の都市や生活世界について考えるための手がかりとしたのは、現代美術家の荒川修作とそのパートナーであるマドリン・ギンズだ。荒川修作は欧米でも非常に評価された現代美術家で、岡山県の『奈義町現代美術館』、岐阜県の『養老天命反転地』、東京都三鷹市の『三鷹天命反転住宅』などの作品で知られる。斜面や波打つ床、球体の部屋などで構成されるこれらの作品は、荒川+ギンズの独特な感性によって作られた、異彩を放つ空間だ。何の予備知識も持たずに訪れた人は、きっと驚き混乱するだろう。

 

彼らは自分たちのことを“コーデノロジスト”だと称し、「科学・芸術・哲学を総合して実践していくことによって、新しい価値観、本当に生きやすい世の中、もしくは本当に生きやすい世の中を感じ取る人間を作り出すのが役割」だと言った。環境や住空間を新たにデザインし直すことで人間を徹底的に改変しようとしたのだ。

 

また彼らは、『三鷹天命反転住宅』に住めば人は死ななくなる、とも言った。この住宅で味わうバランスを崩すという非日常的な感覚は、身体の中心にある重心が外に出て行く“生命の外在化”を引き起こす。これによって“私”が外に出ていき、あらゆる場所が“私”になるのだと、彼らは主張するのだ。さらに、荒川は自著のタイトル『Architectural Body』を「建築する身体」と訳し、「我々の日常的な行為は全部建築するということなんだ。建築することによって、新しい生命の構築へと向かいたい。そのプロセスを通して法律や制度、倫理や道徳を変えたい」と考えを述べている。三村先生は、「建築する身体とは新しい生命を構築すること、あるいは意識や心の創発と同じことだと思う」と語った。

三村先生2

三村尚彦先生は、生命の捉え方について新たな視点を提供してくれた

 

アンドロイド『ALTER』を開発した人工生命の研究者である、東京大学の池上高志先生は、荒川がやっていたことと『ALTER』は関係が深いと発言している。この発言が出た理由を、三村先生は「人工生命というのは、自律化が根本的に必要です。自律的にふるまうシステムは生命だと、池上先生は考えたのではないか」と推察する。そして、「人間も機械もこれから人工生命化していくだろう。境界線はあまりない。人間が機械化していって命の概念などが変わっていったら、倫理や道徳は大幅に変わるだろう」との池上先生の考えを披露した。

 

さらに先生は、単に良い建物を作るとか、システムをより良いものにすることで、今、直面している問題を解決していくという、都市・環境における一般的な近未来ビジョンに疑問を呈した。

 

「荒川・ギンズが願ったように、科学や哲学、芸術などを総合することによって、都市そのものを生命化する方向性を考えてみたらどうか。人だけではなく、町全体、空間全体にも生き生きしているという表現が当てはまる。単に活発というのではなく、生命化する。町や空間が内部にダイナミックな力を持つことで、新しい倫理や価値が生み出されていくのではないか」。三村先生は、都市・環境について、そんな未来を思い描いている。

時代に必要とされるデザインとは

最後に登壇したのは、京都造形芸術大学情報デザイン学科教授・服部滋樹先生だ。先生は、デザインの歴史を紐解きながら、デザインの世界における未来像について語った。

 

服部先生の話は、「赤い」「中は白い」「甘酸っぱい」「子どもの頃、母がすりおろしてくれた」といったキーワードから連想するものは何かという問いかけからはじまった。答えは“りんご”。キーワードの中で注目すべきは、「母がすりおろしてくれた」というもの。表面を表すだけでなく、このキーワードのように、記憶や思い出をどう引き出すかということにデザインが活用される場合が増えているという。

 

かつて20世紀は、物や形を表すのがデザインだった。戦後の復興期だと焼け野原の状態から生活を生み出していくことが、工業化が進むと不便を便利に変えることが、デザインの主な役割だった。デザイン=機能性の時代だ。

 

70年代のベビーブームの時代には嗜好性が広がっていき、中身は同じでも表層を変え、デザインは機能性から豊かさへと変化していく。90年代になると、デザイン=経済。社会はバブルに突入し、この頃のデザイナーの使命は誰も見たことがないものをデザインすることだったという。消費のためというより、時代の象徴性をつくるというミッションが与えられた時代だった。

 

そしてバブル崩壊後、「モノとコト」という時代から、「ヒト→コト→モノ」というものづくりの在り方に変化していったと服部先生は考察する。ヒトが出会い、コトが生まれ、コトのためにモノが生まれる、というものづくりの在り方だ。かつては仮想ターゲットを設定して、ものづくりが行われていたが、目に見えない相手よりも、目の前にいる相手とどうものづくりをするかというのが「ヒト→コト→モノ」の流れではないか、という。

服部先生

服部滋樹先生は、デザインのこれまでとこれからについて教えてくれた

 

現在、デザインが生まれるプロセスの中でも変化が起きている。デザインは形を作っているだけではなく、リサーチ、調整、検証、解体、編集、再構築、アウトプットという流れのなかで生まれてくる。ユーザーは、アウトプットされたものを広告で見ているだけ。ものを見る目を持っている人が多ければ広告だけで商品を理解してもらうことができたが、インターネットでものを買う人が多くなった現在、「ものの本質がわからず、値段でものを見ている人の方が多くなっているのではないか」と先生は感じている。ものづくりの本質を伝えていかないと、もの自体が伝わらないのではないか、そういう時代になってきているようだ。

 

また、広告を信じない人の増加も見受けられる。たとえば、スーパーマーケットの売り場で野菜のパッケージに貼られている生産者の顔写真を見たことがある人も多いだろう。本来なら、商品の説明をするシールが貼られていればいいはず。生産者の顔写真は、リサーチのパートに含まれるような“作るプロセス”のひとつだ。“作るプロセス”とは、誰が、どんな場所で、どんな思いで、どんな技術で作っているのか、というようなこと。もの自体に理解が及ばなくなったとき、あるいは広告を信じない人が増えている今、背後にある“作るプロセス”にこそメッセージがあり、それをどのように伝えるかが大事になっている。

 

服部先生は、「デザインでよく出てくるブランディングという言葉を漢字で表すと、“物語”であると思う。物が語る時代から、物を語る時代になっているのが現状。そして、楽しく語るべき。参加してみたいという気にならないと手に取らないので、良き参加者をどう作っていくのかが重要だ」と今のデザインの現状を分析。デザインの世界でもイノベーティブな未来像をどう作っていくべきか、という課題があると語った。

新しい時代を生きる私たちに必要なこと

最後に、三人の登壇者に加え、関西大学文学部准教授・門林岳史先生を進行役に総合討論が行われた。中でも印象的だったのは、それぞれ表現は変われど、「狭い専門分野でとどまらず、分野を超えて展開すること」「研究を楽しむ、遊びを忘れない」という発言をしていたこと。各分野の第一線で活躍する研究者やクリエイターが、現代社会においてさまざまな場面で求められている“効率化”とは逆の方向性を大切にしていることを意外に感じた。しかし、そういった回り道や遊び心がないと得られないものがあると、彼らは経験から実感しているのだろう。変化が著しく余裕のない時代を生きる私たちにとって、必要な心構えではないかと感じた。

 

また、各登壇者の発表や総合討論で触れられていたように、科学技術の進歩にともなった新たな道徳・倫理の確立が欠かせないのだとよく分かった。たとえば、臓器移植や遺伝子検査による胎児の選別など、すでに私たちの身近なところに、以前は議論されることのなかった道徳・倫理の問題が存在している。今後、AI等のさらなる技術革新によって、考えるべき道徳・倫理の問題が新たに出現していくのだろう。私たちは新たな科学技術をただ漫然と享受するのではなく、それらの技術を社会でどのように位置づけて利用していくのか、社会的なコンセンサスを図るために、社会の一員として考えていく必要がある。今回は、そんな気づきを与えてくれたシンポジウムであった。

総合討論

門林岳史先生を進行役にした総合討論で、イベントは締めくくられた

【大阪産業大学 ふじカツ】ボリュームたっぷりの揚げたてカツランチでエネルギーをチャージ!

2019年10月29日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

大阪産業大学の学食が全面リニューアルしたという、気になるニュースを入手。以前編集部では16号館2階の学食のレポートを掲載しましたが、なんとそのお店を含む学内の5つの学食すべてが新しく生まれ変わったとのことで、実地調査してきました!


5つの学食の中から今回ピックアップするのは、16号館2階にある揚げ物専門店「ふじカツ」です。ボリュームたっぷりのメニューで、男子学生に大人気だとか。それも当然。店のコンセプトは、体育会系の男子学生の胃袋をガッチリつかむことなのです。

ふじカツ入り口

ふじカツ入り口

 

どんな店かと入ってみると、木目調のインテリアで統一され、大きな和照明が印象的です。男子学生に人気だとはいえ落ち着いた雰囲気の店内なので、これなら女性でも入店しやすいですね。安くて美味しいだけじゃなく、インテリアにまでこだわっているところが、さすが今どきの学食です!

入店すると大きな照明が目に入る

入店すると大きな照明が目に入る

窓が大きく、開放感もある

窓が大きく、開放感もある

 

メニューは、トンカツ、チキンカツ、白身フライ、ハムカツと、フライもの尽くし。なかでもダントツに学生人気を集めているという、ふじカツ(トンカツ)とジャンボカツ(チキンカツ)各480円 を注文してみました。トンカツソースは激辛ソースに変更も可。ただし、けっこう辛味が効いているので辛いのが苦手な人は要注意です。ほかに、+10円でおろしポン酢、味噌ソースが選べます。ライス大盛りは+50円。

DSC02531 

激辛ソースにしたい場合はカウンターで直接伝える

激辛ソースにしたい場合はカウンターで直接伝える

 

券売機でチケットを購入して、カウンターで受け取ります。出てきたカツの予想以上の大きさにビックリ。お皿いっぱいに盛られたカツの存在感に圧倒されます。

看板メニューのふじカツ(トンカツ)

看板メニューのふじカツ(トンカツ)

 

このボリュームのカツに、ごはん、おみそ汁、サラダが付いてワンコイン以下とは…。しかも、カツは嬉しい揚げたて!熱々のカツをほおばると、サクサクした衣の中にはジューシーなお肉。ごはんをもりもり食べられる美味しさです。

こちらがジャンボカツ(チキンカツ)、通称「ジャンチキ」。今回はソースを激辛に変更

こちらがジャンボカツ(チキンカツ)、通称「ジャンチキ」。今回はソースを激辛に変更

 

周囲の学生たちは、大盛をチョイスする率が高め。さすが食べ盛りの学生です。こんなボリューミーなランチを食べれば、午後からも頑張れるスタミナがバッチリつきそうですね。学生たちに支持されているのが納得のお店でした!

お昼の時間帯になると大勢の学生が集う

お昼の時間帯になると大勢の学生が集う

 

せっかくなので他の学食もちょっとのぞいてみると、ふじカツと同じ16号館の1階には「JOLIE」。街中のカフェのようなかわいいインテリアの店内で、パスタやパン、デザートなどが楽しめます。

「JOLIE」の入口

「JOLIE」の入口

かわいらしい壁紙

かわいらしい壁紙

「JOLIE」のパン。種類があって楽しい

「JOLIE」のパン。種類があって楽しい

 

さらに、本館地下1階にはカフェテリア式の「ぷろーじっと!」、12号館には中庭に面した開放的なテラス席が人気の「ラ・フォーレ」。東西に長いキャンパスの東側まで足を延ばすと、クリスタルテラス2階には全面ガラス張りの明るい「Sky Blue」。その日の気分によって、それぞれ個性的な店舗から選べるのがうれしいですね。

「ぷろーじっと!」も行列ができる人気店

「ぷろーじっと!」も行列ができる人気店

健康長寿のための知識を楽しく学ぼう。武庫川女子大学『食べて! 歌って! Enjoy食育』講座。

2019年10月24日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

人生100年も現実となってきた超高齢化社会の日本。ただ長生きするのではなく、いつまでも健康で豊かな人生を過ごしたいですよね。武庫川女子大学 国際健康開発研究所では、健康長寿のためには正しい食生活が欠かせないとの考えのもと、さまざまな研究活動、情報発信、食育の実践活動などを行っています。研究所内のHealthyは一般公募によるスタッフも参加し、理想的な食生活をめざして食の教育を広める活動をするグループです。今回は、Healthy主催の特別食育講座『食べて! 歌って! Enjoy食育』が開催されるということで、会場にお邪魔してきました。

会場の武庫川女子大学甲子園会館

会場の武庫川女子大学甲子園会館

 

会場は、NHK朝ドラ「まんぷく」の舞台として有名になった、武庫川女子大学甲子園会館です。会場には60名ほどの参加者。当初40名の参加者を募集したところ、希望者多数のために急遽60名まで増員したとのこと。健康的な食事について知りたいという人はたくさんいるようです!

素敵な雰囲気の建物内観

素敵な雰囲気の建物内観

長寿地域の食生活ってどんなもの?世界での研究活動で分かったこと。

講座は、研究所所長 家森幸男先生の講義『世界に学ぶ! 食べ方上手』からスタート。世界で長寿を誇る地域の食生活を調べた研究結果から、健康長寿のためのヒントが得られるお話です。

国際健康開発研究所の所長 家森幸男先生

国際健康開発研究所の所長 家森幸男先生

 

とくに興味深かったのは、100歳以上の高齢者の割合が高く、世界一の長寿地域と言われたこともある沖縄から移住した人が多かった、ハワイ・ヒロとブラジル・カンポグランデを調査した事例です。「ハワイ・ヒロが沖縄を超える平均寿命で世界有数の長寿地域となったのに比べ、ブラジル・カンポグランデは日本の平均寿命より17年も短命である」という驚きの結果が出たそうです。この2つの地域の差は、食生活。ハワイ・ヒロの場合、「蒸し料理中心で食塩摂取量は沖縄の半分に近く、大豆や魚、果物を豊富に食べ、脳卒中や心臓死が少なかった」といいます。一方のブラジル・カンポグランデは「肉料理に偏った食事によって塩分・脂肪過多であり、沖縄食文化のひとつである魚介・大豆の摂取頻度もかなり低く、生活習慣病の割合が高くなっている」ことが分かりました。食生活の変化が寿命に大きな影響を与え得ることがよく分かる事例ですね。

ヨーグルト効果で健康長寿を実現するヨーロッパの村

また、100歳超えの長寿者が多く住むというヨーロッパのグルジアの村の食生活も紹介されました。この地域の食生活での一番の注目ポイントは、毎日、どんぶり一杯ほどのヨーグルトを食べていること。「ヨーグルトは、カルシウム、マグネシウム、カリウムを豊富に含みます。日本の免疫力が低下した高齢者が毎日ヨーグルトを食べると、インフルエンザの抗体値が上がったという研究結果から、免疫力強化に効果があることが分かっています。また、マグネシウムは血管細胞のイオン・バランスを整えてくれる効果があり、生活習慣病のリスクを下げますが、日本人のマグネシウム摂取量は摂取推奨量を満たしていないのが現状です」といいます。

食育の5つのポイントとは

Healthyが掲げる食育の5つのポイントは、①食事バランス、②適塩、③適脂、④多菜、⑤マグネシウムを豊富に含む食材の摂取。マグネシウムを豊富に含む食材については、「“まごわやさしいヨ”と憶えてください」と、家森先生。“ま=まめ(大豆)、ご=ごま(種実)、わ=わかめ(海藻)、や=やさい(野菜)、さ=さかな(魚介)、し=しいたけ(きのこ)、い=いも、ヨ=ヨーグルト”の摂取をお勧めされていました。しっかりした研究結果に基づいたお話を聞くと、食生活についてきちんと考えないといけないな、という気持ちになりました。

豊富な食材が使われた適塩ランチを実食!

講演が終わればちょうどお昼時。皆さんお待ちかねの健康ランチです。

健康ランチ

 

メニューは以下のものになります。

主食:おやこ大豆の混ぜごはん

主菜:鯛のトマト甘酢ソース

副菜:野菜ときのこのカレー炒め、海の幸・山の幸!乾物と根菜の煮物、野菜たっぷり洋風みそ汁

デザート:紅茶のキウイ・ぶどう寒天

献立を考えたのは、食育についての知識をHealthyで学んだ“食育先生”というグループ。大学生から大人の方までバラエティに富んだメンバーが登場し、みんなで「いただきます!」。食育先生が解説をしてくれる献立のポイントを聞きながら、食事タイムの始まりです。

“食育先生”のみなさん

“食育先生”のみなさん

 

まず驚いたのは、一食の食塩相当量がわずか2.3gしかないのに、物足りない味だと感じないこと! まわりの参加者からも、「塩が少ないのに薄くなくて、おいしいね」という感想が聞こえてきます。素材の味がしっかり活かされ、カレーや甘酢がほどよいアクセントとなり、いつもより薄味でも充分においしくいただけます。普段の食事ではずいぶん濃い味に慣れ過ぎているんだな、と反省…。

 

そして、いろんな種類の食材が使われており、とても栄養バランスの良い食事です。「うちの食事にはきのこや海藻が足りないかな」「野菜をもっと摂らないとね」と、参加者の皆さんは食べながら自身のいつもの食卓を振り返っている様子。実際に食べてみることで、理想の食生活がどんなものか実感できます。

 

レシピを教えてもらえたので、「おいしいから家で作ってみよう」と話している参加者も。これだけ多彩な献立を毎日の食卓に用意するのは難しいかもしれないけれど、少しでも意識するきっかけになりそう。本日の献立にはない他のメニューが載ったレシピ集も配られたので、ぜひ実際に作ってみたいですね!

栄養バランスの良い料理のレシピ集

栄養バランスの良い料理のレシピ集

楽しく学んで、食生活を見直すきっかけに。

食後は、食育に関する知識が楽しく学べるクイズ大会です。クイズの成績によってお土産にもらえる品物が選べるということで、盛り上がる参加者たち。

 

さらに、武庫川女子大学の音楽学科有志による『浜甲カンタービレ』がイベントに華を添えてくれます。「まんぷく」主題歌のコーラスを聞かせてくれたほか、参加者も一緒に美しい音色のトーンチャイムを演奏したり、なごやかなひと時が過ごせました。

浜甲カンタービレのみなさん

浜甲カンタービレのみなさん

参加者もトーンチャイムで演奏に加わった

参加者もトーンチャイムで演奏に加わった

 

最後に、Healthy代表であり、東海大学健康学部の准教授でもある森真理先生から、「今日学んだことを一つでもいいから誰かに伝えてください。それが健康長寿のための食育活動を広めることにつながります」と閉会の挨拶。森先生の「健康は人任せにしない」という言葉が心に残り、このイベントで教わったことを参考にして自身の食生活を見直してみようという気持ちになりました。

Healthy+代表、東海大学健康学部准教授の森真理先生

Healthy+代表、東海大学健康学部准教授の森真理先生

お土産

お土産

 

 

追手門学院大学の新キャンパスで、自慢の釜炊きごはんを食べよう!

2019年6月18日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

大阪府茨木市にある追手門学院大学に今春、新たなキャンパスが誕生しました。従来の茨木安威キャンパスから約2kmに位置する、茨木総持寺キャンパスです。正三角形のメタリックな学舎は、美術館かと思うようなアートな雰囲気。そのすぐ隣にある建物は、広々としたスペースの学食『追手門学院食堂』です。一般道路の歩道から直接アクセスできる開放的な学食は、普通のレストラン感覚で気軽に入店OK。その利用しやすさから、幼児を連れた親子や熟年夫婦、女性グループなど、年齢層もさまざまな一般客の姿が多く見られます。

校舎

特徴的な形が目を引く、追手門学院大学の新キャンパス

食堂外観

『追手門学院食堂』はガラス張りで開放感バツグン

 

学食を運営しているのは、『まいどおおきに食堂』でおなじみの株式会社フジオフードシステム。同社社長が追手門学院大学の卒業生ということで出店が実現したそうです。

 

この学食の最大の魅力は何といっても、釜炊きのごはん! つやつや光るごはんは噛むとお米の旨みが感じられ、食欲が増していく美味しさです。定食類はごはんの量の調節ができ、男子学生はお茶碗いっぱいのごはんをモリモリ食べていました。

068

かまどの存在感がすごい!

 

一番人気は、日替わりメニュー。日替わり定食450円のほか、本日のお魚定食500円、日替わり丼400円があります。来訪時、日替わり定食のメインは油淋鶏、日替わり丼はチャーシュー丼でした。日替わり定食は、2つの小鉢付き。サラダや酢の物、冷奴、キンピラゴボウなどの中から自由にチョイスできます。ワンコインでお釣りがくるコスパの良さに加え、一汁三菜で栄養バランスも良いなんて、こんな食堂が近所にあれば足繁く通いたくなりそう。平日朝の時間帯は、ごはんとおみそ汁、2種類の選べる小鉢で、280円の朝定食も提供しています。

070

日替わり定食はメイン+小鉢二つでおかずがいっぱい!

069

日替わり丼は、肉々しいチャーシュー丼!

 

学食内の一角には、ドリンクやスイーツが楽しめる『OG CAFE』があり、コーヒー100円~。おすすめは、豆乳やおからを使用した体にやさしいスイーツ、神戸発の“はらドーナッツ”です。プレーン120円、シナモン150円など。素朴でなつかしい味のドーナツをお供に、食後のティータイムを楽しんでみてはいかが。ちなみに食堂は、大学生だけでなく併設する中学・高校生も使用するので、12時半から13時半ぐらいの間はかなり混みあいます。この時間帯はできるだけ避けた方がよさそうですよ!

カフェ

ついつい長居したく『OG CAFE』

074

やさしくてなつかしい味に、気持ちがほこり♪

 

ドリンクバー付きでお得感アップ。大阪産業大学の「Parfai T.T」で家庭的メニューを満喫。

2019年5月9日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

※学食「Parfai T.T(パルフェティティ)」は閉店し、「ふじカツ」としてリニューアルオープンしています。リニューアル後の学食レポートはこちら(http://hotozero.com/?p=14246

 

すぐそばに生駒山が広がる大阪産業大学は、緑あふれる気持ちのよいキャンパスです。学内にはいくつかの学食がありますが、今回紹介するのは中央キャンパス16号館2階にある「Parfai T.T(パルフェティティ)」。麺類、カレー、定食、デザートなどが学食プライスで提供されています。日替わりで通常メニューにはないお得メニューが登場することもあり、行ってみてのお楽しみ。単品の麺類以外にはすべてドリンクバー付きで、コーラやオレンジジュース、アイスコーヒー、ウーロン茶などが飲み放題。混みあっていない時間帯なら、ドリンクを飲みながらのくつろぎ&おしゃべりタイムが楽しめますね。

生駒山

キャンパスの奥には、大阪と奈良を隔てる生駒山の姿が

外観

ちょっとレトロな看板がいい味を醸し出している

 

店外の券売機でチケットを購入し、カウンターで注文。今回チョイスしたのは、チキン南蛮ランチ600円です。チキン南蛮にコロッケ、サラダ、ごはん、おみそ汁が付いた定食です。ドリンクバーも付いてこの価格ならお得感があります。味はというと、家庭的な手作り感のある味わい。自宅でおかあさんのごはんを食べているようなほっこりした気分になれます。おなかもいっぱいになり、食後にはもう一杯ドリンクを楽しんでゆったりした時間が楽しめました。周囲の学生さんもドリンクを飲みながら、友達たちと一緒にランチタイムを満喫しているようでした。

内観2

木で統一された店内はゆったりとした雰囲気

チキン南蛮

ボリューム満点のチキン南蛮ランチ

 

食後にキャンパスを歩いていると、16号館近くにある駐輪場のそばで路面電車を発見。なぜこんな所に路面電車が展示されているかというと、大阪産業大学は1928年に創設された「大阪鉄道学校」が起源だからなのです。産業社会に役立つ実践的な人材を育成するという大阪産業大学の教育のはじまりを象徴するモニュメントなのですね。残念ながら車内には入れませんが、昔なつかしい路面電車をぜひ見て帰ってください。

チンチン電車

駐輪所のチンチン電車が、大阪産業大のルーツを物語る

洋食メニューが人気の阪南大学「リバティラウンジ」でお得にランチ♪

2019年3月28日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

今回おすすめする学食は、阪南大学の「リバティラウンジ」。阪南大学の最寄り駅は近鉄南大阪線の河内天美駅ですが、「リバティラウンジ」のある本キャンパスと南キャンパスが少し離れた位置にあるので、キャンパスを間違わないようにご注意を。

河内天美駅の案内板

「リバティラウンジ」に向かう場合は、本キャンパスへ

阪南大学本キャンパス

ブラウンで統一されたキャンパスは開放感◎

 

駅前ロータリーにある案内板にしたがって北側にある本キャンパスに向かうと、徒歩5分ほどで到着。レンガ調のブラウンで統一され、スタイリッシュなキャンパスです。お目当ての学食は、正門からまっすぐ奥に入ったところにある「50周年記念館」の1階にあります。ガラス張りの大きな窓に囲まれた店内には自然光が差し込んでおり、300席ある広々とした空間は落ち着いた雰囲気。郊外にあるオシャレなカジュアルレストランといった印象を受けました。

リバティラウンジの内観

ガラス張りの空間は気持ちよく、ついつい長居したくなる

 

メニューは、各種定食をはじめ、丼、麺類、カレーライスなど種類豊富。中でもオムライスやハンバーグといった洋食メニューが人気なようなので、今回はチーズハンバーグを注文してみました。チーズハンバーグはライス付きで530円と、お財布にやさしい学食プライス。栄養バランスに気をつけたい日には、追加でサラダやみそ汁(各60円)をプラスするのもおすすめです。

チーズハンバーグ

熱々の鉄板が食欲をさらに刺激する!

 

券売機で購入したチケットを注文カウンターに出してしばらく待つと、熱々の鉄板に乗せられたハンバーグが登場。鉄板のおかげでハンバーグにチーズがとろりとからみ、最後まで温かいまま食べられるのがうれしいですね。手作り感のあるハンバーグは大きさも十分で食べ応えもバッチリ。今回は残念ながら売り切れでしたが、メガハンバーグというメニューもあるので、たっぶり食べたい人はお試しあれ。また、食後のデザートにおすすめのアイスクリーム(190円)の味は、10種類以上。定番のバニラやチョコレートのほか、メロンソーダ、巨峰、マロン、マンゴーなど、バラエティ豊富な味から選べます。

 

西洋料理はいかにして東アジアに伝わったのかを、関西大学の研究会で学んできた

2019年3月14日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

今では日本でも当たり前のように食べられている“西洋料理”は、日本を含めた東アジアに、どんなふうに伝わって受け入れられていったのかご存知でしょうか。そんな謎の解明に取り組んでいる研究者たちが集まるセミナーがあると聞けば、ちょっと気になりますよね。関西大学アジア・オープン・リサーチセンターで開催された、「近代東アジアにおける西洋料理の伝播と受容」と題する研究会にお邪魔してきました。

中国での西洋料理の広まりは、上海から。

最初に登場したのは、関西大学アジア・オープン・リサーチセンター長である、外国語学部の内田慶市教授。中国での西洋料理の伝播について教えてくれました。内田教授によると、中国に西洋料理を伝えたのは主に宣教師だそう。面白いのは当時の文献に、「すべて火を通して食べる」「自分たちの皿でそれぞれ食べる」「席は男女別にわけない」など、料理内容以外の記述が多く見られること。わざわざ記載しているということは、当時の中国と西欧では、食事マナーを含めた食文化そのものが大きく異なっていたことがわかりますね。

レクチャー1

最初に関西大学外国語学部の内田教授がレクチャー

 

1840年代以降の中国では上海を中心とする租界に西洋人が住み、ホテルやレストランで西洋料理が食べられるようになりました。1950年頃、ロシアの作家ゴンチャロフは渡航記に、上海に立ち寄った際、“ビフテキ、ハムエッグ、羊肉の煮物、プディング”などの西洋料理を食べ、ポートワインやシェリーといったお酒類を楽しんだと記しています。これは、日本でいうと江戸時代で、黒船がやってきた頃の話。そんな時代に、上海ではすでに本格的な西洋料理を食べることができたとは驚きです。

“チョコレート”は中国語で何と翻訳された?

内田教授がとくに注目しているのが、「1966年に上海で出版された『造洋飯書』という西洋料理のレシピ本」とのこと。これを編纂したのは、上海で活動していたの宣教師クロフォード夫人です。夫人は「中国人のコックがまともな西洋料理を作れないのを見て、この本を作ることにした」のだとか。

造洋飯書

上海で出版されたレシピ本『造洋飯書』

 

271ものレシピが記載されており、チョコレートは“知古辣”、レモンは“來門”、ドライフルーツは“果乾”など、食材や料理名が中国語と英語で書かれています。中国にない食材や料理をどんな中国語に翻訳したのか着目してみると興味深いです。また、「食器類はきれいに洗って拭く」、「タオルと雑巾、テーブル拭きをきちんとわけること」と、衛生面の大切さについて丁寧に説かれているのも気になるところ。当時の中国人は衛生面にさほど気をつかっていなかったのかも。

知古辣

『造洋飯書』では、チョコレートを“知古辣”と表記

日本人はいつから料理を“いためて”いた?

次に、龍谷大学文学部の余田弘実教授が、近世日本の料理書を調査する中で、とくに「いためる」という調理法が日本でどう広まっていったのかをレクチャーしてくれました。17世紀の日本には、「油を入れて食材をいためるという調理法はほとんど知られていなかった」といいます。“いり”という表現はあるものの、“煮る”という意味だったり、油を入れずに火にかけているか、食材から出る油をそのまま利用しているに過ぎなかったとか。それが18世紀になると、“南京汁”など外国の地名が付いた料理名が出てくるようになり、19世紀の料理本では油でいためるという意味の「いためる」が普通に見られます。

レクチャー2

龍谷大学文学部の余田教授は“言葉”から料理をひもとく

 

「油でいためるという異国の調理法が、中国料理の影響を受けて広まっていったのではないでしょうか」と余田教授。現代日本では日常的な“油でいためる”という調理法が江戸時代半ば頃まで当たり前ではなかったこと、外国から伝わった調理法だということを知り、二重の意味で驚かされました。余田教授は「言葉を追いかけていったら、異国の料理を受け入れる準備ができてきたのが江戸時代であることがわかります。明治になって突然、西洋料理が入ってきて受け入れられたのではありません」と、日本における異国料理の受容についての考えを述べられます。料理そのものではなく、“言葉”という視点から異国料理の受け入れを探るというのが新鮮で、興味がひかれるお話でした。

西洋料理に不慣れな日本人による多くの失敗談も。

続いて、梅花女子大学の東四柳祥子准教授がお話されたのは、明治期における西洋料理の受容について。150年前の日本というと、鎖国から開国へと大きく変化していった時代です。食文化においても西洋料理が取り入れられた理由のひとつは、「海外との付き合いを模索する中で、西洋人に日本料理が不評だったから」だとか。濃い味を食べなれている西洋人には、ダシ文化の繊細な日本料理のおいしさがわからなかったのでしょう。また、日本人は西洋人と比べて貧弱な体にコンプレックスを感じており、肉食を嗜好する西洋人の食生活を見習って“富国強兵”を進めようという時代でもあったのです。

レクチャー3

梅花女子大学の東四柳准教授は、日本に西洋料理が取り入れられた当時を語る

 

また、明治の初め頃は、外国の文化をうまく理解できずに笑いものになる日本人もいたとか。ナプキンは食べ残しを持ち帰るふろしきだと勘違いしたり、ナイフやフォークがうまく使えずに手づかみで食べたり、肉を刺したナイフを口に入れて唇を切るなど、当時の手記等にさまざまな失敗談が残されています。今となっては笑い話ですが、当時の日本人は慣れない食文化にかなり戸惑ったことが想像され、気の毒に感じてしまいますね。

和洋折衷をうまく取り入れた、日本人。

料理書においては、1872年には日本で最初の西洋料理書として、仮名垣魯文『西洋料理通』、敬学堂主人『西洋料理指南』が出版されています。『西洋料理指南』には、日本初のカレーレシピも。また、「日本の料理本にはなかった分量や調理時間が書かれています」と、東四柳准教授。それまでの日本人の料理手順って、とても適当だったことが判明しました。

カレー

今ではおなじみのカレーライスも、最初はレシピが適当だった!?

 

家庭の主婦など女性読者層を対象とした西洋料理書が出版されるのは明治の後半、1900年頃になってから。この頃から、家庭の中でも西洋料理を作ることが勧められますが、フルコースを食べることは珍しかったよう。当時の食生活が分かる本を見てみると、ある中流階級の家でフルコースを食べたのはレストランで年に2回だけ。後は、オムレツやキャベツロールなど、献立の中に時々洋風の料理を取り入れています。このように、「明治期の日本人は、これまでの食生活の中にうまく西洋料理を受容しています。自分たちの生活スタイルに合わせて、和洋折衷料理を取り入れてきたのではないでしょうか」と東四柳准教授は話されました。

ヨーロッパに君臨した、フランス宮廷料理。

最後に、辻調グループ・辻静雄料理教育研究所の八木尚子副所長が西洋料理を代表するフランス料理についてレクチャー。八木副所長によると、「私たちがイメージするフランス料理とは、宮廷料理に源をもつ高級料理のことです」とのこと。宮廷料理の発祥は14世紀で、王の料理長などを務めたタイユヴァンという大料理人が知られています。ルイ14世の時代にグランド・キュイジーヌと呼ばれる、豪華で大掛かりな食事スタイルが生まれ、ルイ15世の時代には技巧を凝らして洗練された料理が発展。フランス料理は国内のみならず、ヨーロッパの宮廷・貴族の憧れとなったのです。

レクチャー4

辻調グループ・辻静雄料理教育研究所の八木副所長がフランス料理の歴史を概説

 

18世紀後半、フランス革命という大きな転換期を迎えたフランスでしたが、ナポレオンが帝政をしいたことから、宮廷料理が存続。19世紀の“料理の王”と呼ばれたアントナン・カレームは、外相タレーランに認められて、ナポレオン宮廷で活躍しました。のちにロシア皇帝やイギリス皇太子、ロスチャイルド家に仕えたという華麗な経歴の持ち主です。「カレームを雇うには、高額な報酬が必要だった」とか。

 

日本では、アントナン・カレームの技法を受け継ぐフランスの料理人から学んだ秋山徳蔵が、宮内庁に新設された洋食部門の初代料理長に就任。八木副所長は「明治政府は、外国と結びつく饗応のための料理ならフランス料理だと考えたのでしょう。政府主導で伝わったフランス料理がやがて日常の食卓へと普及していったのです」と語られました。

研究会を終えて

異国の食文化の伝播と受容についての研究発表が行われた今回の研究会は、さまざまな側面から多くの発見がありました。この研究会では今後、料理を中心とした文化背景や人物に焦点をあてた研究をすすめるほか、レシピの再現やデータベース化の試みも予定している、とのこと。東アジアにおける料理と文化についての新たな発見があることを期待したいですね。

関西学院大学の『ケンタッキーフライドチキン』の珍しい限定メニューに迫る!

2019年2月21日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

白い壁と赤いレンガ屋根の時計台が印象的な関西学院大学、西宮上ケ原キャンパス。ここには、大学内店舗の第1号店である『ケンタッキーフライドチキン 関西学院大学店』があります。老若男女に広く人気のチキンがいつでもキャンパス内で食べられるなんて、学生がうらやましいですね。しかも、全国でも数店でしか提供されていない限定メニューがあるというのです。ぜひ食べてみたいという人もご心配なく。一般利用OKです!

 

ケンタッキーフライドチキンがあるのは、西宮上ヶ原キャンパスのシンボルともいえる時計台に向かって右手奥に位置するH号館です。館内に入ってみると隣には牛丼の「松屋」があり、ショッピングセンターのフードコートのような雰囲気でした。

関西学院大学の正門

西宮上ヶ原キャンパスの正門。緑が多く、いかにも大学らしい雰囲気

関西学院大学の時計台

正門からぐんぐんと進んでいくと、スパニッシュ・ミッションスタイルの時計台が見えてくる

 

料理の注文方法は、券売機でチケットを購入して、カウンターで注文する学食スタイル。注目ポイントは、店舗限定の特別セットメニューが用意されていて、通常の店舗よりもリーズナブルな価格で食べられるところ! 日替わりのお得なメニューもあり、ナゲットやポテトがなんと半額になる日も。学食店舗ならではのうれしいサービスです。

関西学院大学のH館

H館の左わきには、見覚えのあるメガネおじさんののぼりが……

僕らのケンタッキーフライドチキン

H館に入ると、まるでイ○ンにでも来たかのようなフードコートを発見!

 

気になる限定メニューはというと、ケンタ丼とチキン南蛮丼の2種類、いずれも単品で550円(税込)、ドリンクとセットで600円(税込)。今回はケンタ丼を実食してみました。クリスピーチキンが2つ、シイタケ、シシトウ、サツマイモの天ぷらの上に、甘辛いタレがかけられた天丼のようなどんぶりでした。

ぼくらのケンタ丼

クリスピーチキンの存在感がすごい!全国的にもめずらしいケンタ丼

ケンタッキーのメニュー

ケンタ丼以外にも魅力的なメニューがいっぱい!

 

「ケンタッキーのチキンとご飯の相性は?」と疑問に思いながらも食べてみると、チキンと甘辛いタレがマッチしてご飯が進む味わいに驚き! 野菜天ぷらもサクサクして美味です。ケンタッキーフライドチキンの新たな美味しさを教えてくれる逸品と言えるでしょう。ご飯の量は軽めですが、チキンや野菜天ぷらのボリュームがあるのでお腹も満足です。次は、タルタルソースと合わせるとどんな味になるのか、気になるチキン南蛮丼も食べてみたいですね。

RANKINGー 人気記事 ー

  1. Rank1

  2. Rank2

  3. Rank3

  4. Rank4

  5. Rank5

PICKUPー 注目記事 ー

BOOKS ほとゼロ関連書籍

50歳からの大学案内 関西編

大学で学ぶ50歳以上の方たちのロングインタビューと、社会人向け教育プログラムの解説などをまとめた、おとなのための大学ガイド。

BOOKぴあで購入

楽しい大学に出会う本

大人や子どもが楽しめる首都圏の大学の施設やレストラン、教育プログラムなどを紹介したガイドブック。

Amazonで購入

関西の大学を楽しむ本

関西の大学の一般の方に向けた取り組みや、美味しい学食などを紹介したガイド本。

Amazonで購入
年齢不問! サービス満点!! - 1000%大学活用術

年齢不問! サービス満点!!
1000%大学活用術

子育て層も社会人もシルバーも、学び&遊び尽くすためのマル得ガイド。

Amazonで購入
定年進学のすすめ―第二の人生を充実させる大学利用法

定年進学のすすめ―
第二の人生を充実させる …

私は、こうして第二の人生を見つけた!体験者が語る大学の魅力。

Amazonで購入

フツーな大学生のアナタへ
- 大学生活を100倍エキサイティングにした12人のメッセージ

学生生活を楽しく充実させるには? その答えを見つけた大学生達のエールが満載。入学したら最初に読んでほしい本。

Amazonで購入
アートとデザインを楽しむ京都本 (えるまがMOOK)

アートとデザインを楽しむ
京都本by京都造形芸術大学 (エルマガMOOK)

京都の美術館・ギャラリー・寺・カフェなどのガイド本。

Amazonで購入

PAGE TOP