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”心地よい空間”×”美味しい学食”、千葉商科大学「The University DINING」

2025年7月1日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

2015年の開設以来、“おしゃれすぎる学食”として知られる千葉商科大学の「The University DINING」。総合的にデザインされた魅力的な建物であるとともに、オリジナリティあふれる“食”も多彩に取り揃うとか。気になる同学食に行ってきました!

 

とびきり心地よい空間

千葉商科大学は、JR総武線「市川駅」や京成線「国府台駅」、北総線「矢切駅」などが最寄り駅として利用できます。この日は、「市川駅」から歩いて向かい、約20分で自然に囲まれた静かな場所に立地する同大学に到着しました。

千葉商科大学の正門

 

正門から入るとすぐ左手に見えるのが「The University DINING」です。これまでの学食のあり方を一新した、“学生の創造欲を刺激する学食、地域の文化・情報のハブとなる学食”というコンセプトのもと、学食企画・建築デザインを手掛けた建築家ユニットのシーラカンスK&H株式会社をはじめ、日本を代表するクリエイターたちの手によって、建築デザインから内装、家具、サイネージなどに至るまで総合的にデザインされた新しい学食が誕生したのだそう。

 

平屋建てのスタイリッシュな外観で、外周壁はガラス張りになっていて開放感があふれています。

ロゴマークは、食堂とひと目で分かるようにそれ自体がピクトグラムになっているのだそう

建物を囲うように設置されたテラス席

 

室内に入ると、天井を覆う幾層もの木の梁が、ナチュラルで温かな雰囲気を演出しています。その天井を介して届く柔らかなライトの光と、窓から差し込む太陽光も相まって、まるでリビングのようなくつろぎ空間に。驚くほどの心地よさがあります。

 

また、国内外で幅広く活躍するLINE-INC.によるインテリアデザインも秀逸。例えば、バラエティに富んだハイセンスな家具類がセレクトされていて、バランスよく配置されていることもあって不思議と落ち着きます。

広さ1120.30㎡のフロアに350席が設置されています

 

室内でひときわ目を引いたのが、世界的に活躍する人気イラストレーターSHOGO SEKINE氏によるカラフルでポジティブなアートワーク。コンセプトを体現するべく、「The University DINING」が地域のイベントスペースやライブハウス、 企業のワークショップ会場になることも。食や憩いの場というだけでなく、さまざまな個性が「つどい」、縁が「つながり」、未来を「つくりだす」、ワクワクする創造拠点を象徴するような壁画でした。

SHOGO SEKINE氏によるポップでおしゃれな壁面イラスト

食を中心に国内外のカルチャー誌が並ぶ棚も。すべて自由に読むことができます

 

ダイニング&ベーカリーの2軸展開の「美味しい学食」

「The University DINING」の核となる「食」については、「bills」など話題のカフェやレストランなどを運営する株式会社トランジットジェネラルオフィスがプロデュースを手掛け、メインダイニングの他に、本格的なカフェが楽しめるコーヒー&ベーカリースタンドが併設されています。

 

美味しく栄養バランスも取れる日替わりランチは、「REGULAR SET」(550円)と「DON SET」(450円)の2種類が毎日用意されているそう。「REGULAR SET」は、スープ&ライスに好みの主菜と小鉢2品を選んで付けるプリフィックス・ランチスタイルで、「DON SET」は、丼とスープ、小鉢が楽しめるのだとか。しかし、この日は用事が長引き、到着時刻にはランチの営業が終了……(泣)。

この日の「REGULAR SET」の主菜3種の案内

 

気を取り直して、「The University DINING」の中央に位置するコーヒー&ベーカリースタンドへ! 「自由が丘ベイクショップ」のオープニングディレクターがメニューを監修していて、焼き立てのパンをはじめオリジナルのサンドイッチやハンバーガーなどの軽食、香り高いコーヒーなどが揃っています。

みんな大好き! ポテトフライも並びます

 

好物の「フィッシュバーガー」(280円)を迷わずセレクトし、お腹が空いていたのでサンドイッチの「ツナブロッコリーとアボカド」(400円)も追加。初夏の陽気だったこともあり「ストロベリースカッシュICED」(350円)をお供に。

 

テーブル席に着いて、早速「フィッシュバーガー」から実食。バンズがふんわり食感で、肉厚&やわらかな白身魚フライとしっかり味のタルタルソースとも相性抜群。期待を裏切らない味で大満足でした。続いて、「ツナブロッコリーとアボカド」。これでもかくらいたっぷりの野菜が入っていて野菜不足の体が喜んでいるのを実感。甘酸っぱさとシュワっとした炭酸の爽快感がたまらない「ストロベリースカッシュICED」も最高でした。

「フィッシュバーガー」(写真右)、「ツナブロッコリーとアボカド」(写真左)

紙コップなどのツール類にもロゴマークが

パンなどを温めるためのレンジも完備

 

座る場所によってもさまざまな表情が楽しめる「The University DINING」。食後は窓際のカウンター席に移動し、外の景色を眺めながらしばし休憩。

電源も完備された奥行きのあるカウンターでPC作業に最適

 

「The University DINING」は、今年2025年に10周年を迎え、その間に地域のファンも増え続けているのだとか。この日も、女性グループがコーヒーを飲みながら談笑する姿が。近所の方はもちろん、近くに寄った際は、ぜひ訪れてみてください。想像以上の心地よさと、美味しい学食が待っています!

学食レベルを超えた本格寿司! 東京大学柏キャンパス「お魚倶楽部はま」

2025年6月17日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

千葉県柏市、東京大学柏キャンパス内にある「お魚倶楽部はま」は、同大学の学食でありながら、れっきとした寿司店です。「大学内に寿司店!?」とこれだけでも珍しいでが、手頃な価格で本格寿司が味わえるとあって数々のメディアに取り上げられています。気になる話題の学食を体験しに行ってきました!

 

アイコニックな魚の看板が目印

柏キャンパスは、本郷・駒場キャンパスに次ぐ東京大学の主要キャンパスの一つで、広大な敷地には最先端の研究所・研究棟が並んでいます。最寄り駅は、つくばエクスプレス線の「柏の葉キャンパス駅」。駅からはシャトルバスが出ていますが、心地よい気候に誘われてこの日は歩いてキャンパスへ。30分ほどでキャンパスの入口に到着しました。

新緑が眩しい緑あふれるキャンパス入口。門や塀はなく、開放的な雰囲気

 

入口から直進するとすぐに現れるのが学融合の道(けやき並木)です。「知の冒険」をテーマに、新たな学問の創生や学問の進化を推進する柏キャンパスの中心に位置しています。

学融合の道には、さまざまな研究の一端がモニュメントやパネルを通じて展示されています

 

学融合の道を左折し3分ほど進むと、突き当りに見えてくるのが海洋と大気の基礎的研究を推進する大気海洋研究所です。お目当ての「お魚倶楽部はま」は、同研究所の1階に。アイコニックな魚の看板が目印です。

大気海洋研究所外観

海をイメージした(!?)鮮やかなブルーが目を引きます

 

丁寧に握られた寿司をカウンター席で

早速、中に入ると、カウンター席とテーブル席を合わせて16席のこぢんまりとした店内に中国人の2人組と大学職員さんと思しき女性の先客が。在店中、店内を見ていると入れ代わり立ち代わりさまざまなお客さんが来店しており、人気の高さがうかがえました。

外国人の学生や研究者の来店率も高そう。入口には手書きの英語案内も

 

カウンター席に案内され、お茶をいただきながらメニュー選び。20種類以上ある豊富なメニューを前に“迷える幸せ”のひと時。学食らしいリーズナブルな価格で新鮮な海鮮がたっぷり楽しめる「日替わり丼」(600円)や、「地魚5貫にぎり」(1080円)が看板メニューらしいのですが、この日は早くも売り切れてしまったよう……(残念!)。

豊富なメニューは見ているだけで楽しい

 

気を取り直して再検討。「あれもこれも食べたい」欲望から、「12貫にぎり」(1,100円)や「15貫にぎり」(1,780円)に目を奪われつつも、自身の適量に合わせて「にぎり」(980円)を注文しました。

 

さて、2010年にオープンした「お魚倶楽部はま」は、もともとは東京中野区で店を構え、ご夫婦で営む寿司店だったとか。当時、その店の近くに東京大学の研究拠点があり、常連だった同研究所の教授から柏キャンパスの学食業者入札応募の誘いを受けたことが縁で、中野から移転したのだそう。この日は、女将さんが板場に立って切り盛りしていました。待っている間、その手捌きを眺めていられるのもカウンター席ならではの醍醐味です。

ガラスのショーケースにネタがズラリと並んでいます

 

そうこうしているうちに、寿司下駄に乗って注文の「にぎり」が到着! マグロ(赤身)、イカ、サーモン、コハダ、ヤリイカげそ、たまご、蒸し海老、山芋オクラ、ネギトロ巻の9種類のお寿司に、嬉しいことに味噌汁まで付いています。

 

では、いざ、実食! 食べたいネタから食すスタイルで、まずは旬(春)のコハダから。酢締めされて臭みもなく、口の中に広がる旨味――。続いて、新鮮なイカ、サーモン、ヤリイカげに舌鼓を打ちながら、ネギトロ巻3貫を一気に平らげ、味噌汁でホッとひと息。

 

後半は、甘めのたまごから再開。山芋オクラの食感を楽しんだ後、肉厚でソフトな食感の蒸し海老を堪能し、ラストはサッパリとした味の柔らかなマグロで締め、あっという間に完食。

どれも本格的な味わいで、絶品の寿司ランチでした。

彩りも鮮やかな「にぎり」

 

お茶を飲み干し、余韻をかみしめながら退店。そうそう、店の外にブース席やテラス席も用意されていてここでも飲食が可能です。さらに、「お魚倶楽部はま」は、夜も寿司居酒屋として営業しており、地魚や深海魚など珍しい鮮魚や日本酒なども取り揃えているそう。近所ならぜひ通いたい!

ビニールカーテンで覆われたユニークな形のブース席

 

これから暑さが本格化する中、「さっぱりとお腹を満たしたい」と思う日も多くなりそうです。そんな時はぜひ、「お魚倶楽部はま」の寿司ランチに訪れてみてください。

新たな有形文化財、駒澤大学の「禅文化歴史博物館」を花まつりの季節に探訪!

2025年6月5日 / 話題のスポット, 大学を楽しもう

仏教の教えと「禅」の精神を建学の理念とし、7学部・17学科を中心に多彩な学びを展開する駒澤大学。2025年3月、同大学の「禅文化歴史博物館」の建物が国の有形文化財(建造物)に登録決定しました。都内のあちこちで桜が満開となった4月上旬、同館に訪れ、建築の魅力を体感するとともに、館内展示も合わせて堪能してきました。

稲妻型の外観が圧巻。次代へ継承される文化遺産へ

禅文化歴史博物館は駒澤大学が有するキャンパスの一つ、駒沢キャンパス内にあります。もとは大学図書館として1928年に建設され、その後、図書館の新築に伴い宗教行事を行う場などとして活用。1999年、東京都選定歴史的建造物に選定されたのを機に博物館としてリニューアルが進められ、開校120周年記念事業の一環として2002年に開館。以降、博物館として、広く一般に向けて仏教や禅の歴史や文化を発信しています。

 

関東大震災後の復興に向け建てられた復興建築の一つで、後の戦争や高度成長期の地域開発など、時代の荒波を乗り越えて現存する稀少な建築とされています。耐震耐久性を考慮した鉄骨鉄筋コンクリート造の重厚な佇まいには堂々たる存在感があり、キャンパス内の近代的な建物のなかでひときわ異彩を放っていました。

 

この建築の最大の見どころは、ユニークな稲妻型の正面外観です。「折板構造(せつばんこうぞう)」という工法によって造られたそれは、独創的なだけでなく圧巻の造形美で非常に見応えがあります。

 

設計者は、銀座サッポロライオンビヤホールなどの設計を手掛けたことでも有名な菅原榮蔵。20世紀建築界の巨匠の一人とされるフランク・ロイド・ライトに影響を受けたとされ、館内外でその要素を見て取れます。

例えば、外壁を覆うスクラッチタイル。ライトの代表作である旧帝国ホテルで多用されたスダレ煉瓦の意匠を引き継いだタイルで、一つひとつ引っかき傷を付けたような模様で独特の味わいを醸し出しています。

旧帝国ホテルが関東大震災で軽微な損傷だったことから、震災復興期には、ライトの影響を受けたライト風(式)建築が多用されたといいます

 

また、博物館入口をはじめ館内にも旧帝国ホテルに採用されたテラコッタ装飾が用いられ、温かみある陰影を生み出しています。さらに玄関のタイルは日本六古窯のひとつ、常滑焼(とこなめやき)でつくられており、旧帝国ホテル(ライト館)で使われたタイルと同じ意匠なのだとか。こうした装飾などもほぼ当時の様子をとどめている点で稀少性が高いといえます。

博物館入口を飾るテラコッタ

 

館内に入ると吹き抜けになった大ホールが現れ、天井にある幾何学模様のステンドグラスに目を奪われます。ライトの影響を受けながらも、こうしたステンドグラスや、それを際立たせる柱のない無柱空間構造などに設計者の創意が体現されています。

万華鏡のようなステンドグラス。広い空間に差し込むやわらかな光が印象的でした

 

建物に合わせて製作されたとされる椅子や棚、衝立などが現存していることにも驚きます。あたかも建築の一部として有機的に存在しているようでした。

椅子や棚が設置された一角。タイムスリップしたかのようなノスタルジックな雰囲気

仏教美術や工芸品を通して仏教と禅宗を学ぶ

建築を堪能した後は、館内展示の鑑賞へ。

突然ですが、みなさんは「仏教・禅宗とは何か」を説明できますか? お葬式やお墓参り、最近ではマインドフルネスや坐禅体験などを通じてその存在感はより増しつつも、しっかりと答えられる人は多くはないかもしれません。

 

ざっくり解説すると、仏教は紀元前5~6世紀頃にインド北部(現ネパール)で生まれたお釈迦様(=ゴータマ・シッダールタ=仏陀)により「真理を悟り、人生苦の根本問題を解決すること」を目的に説かれた教え。その後、中国に渡り、より実践的な一派として「禅(宗)」が成立します。

日本には鎌倉時代以降に伝来し、栄西や道元、隠元らによって日本三大禅宗の「臨済宗・曹洞宗・黄檗宗」が開かれました。駒澤大学はそのひとつ、曹洞宗の学林(禅僧の学問所)を源流とし、同館の展示は禅宗、特に曹洞宗の歴史と文化にフォーカスを当てた内容になっています。

曹洞宗と駒澤大学の歴史の説明パネル

 

同館は2階建てで、この日公開されていたのは1階の常設展示でした。大ホール全体を禅の象徴空間として演出した「展示室A」と、大ホールから放射状に配置された5つの「展示室B」から成る構成です。禅僧の墨蹟(ぼくせき:禅僧の記した筆跡)や絵画をはじめとする仏教美術、工芸品など幅広い展示を通じて、仏教や禅宗の歴史・文化が多面的に紹介されています。各室に掲示された説明パネルでは史実の背景や関係性などについても丁寧にわかりやすく紹介されており、筆者のような前知識のない者にも新たな「知」をもたらしてくれる内容でした。

「展示室A」内の一仏両祖と須弥壇(しゅみだん:本尊を祀る場所)

三大禅宗のひとつ、黄檗宗の宗祖・隠元が日本に広めた煎茶の茶器。隠元は中国の僧侶で、煎茶をはじめさまざまな中国文化を日本に伝えたとされています

 

道元自筆の『正法眼蔵嗣書』公開、禅寺の鳴らし物(楽器)体験も

ここからは春季特別公開で展示された『正法眼蔵嗣書(しょうぼうげんぞうししょ)』と、仏教・禅宗入門におすすめの展示をいくつかご紹介します(※2025年の春季特別公開は4月8日に終了。毎年4月と11月に公開されます)。

 

まずは、曹洞宗の宗祖・道元自筆の『正法眼蔵嗣書』から。正法眼蔵には「仏法の真髄をあまねく包蔵せる書」という意味があり、道元の思想の集大成として今日まで伝わってきたそう。後世の門人により編集され、その過程によっていくつかの構成がありますが、現在流布している95巻本(本山版)のうち第16巻にあたる「嗣書」は、1243年の道元自身による修訂本で、冒頭から末尾まで欠落のない完全本であることから極めて貴重な資料です。美しく鮮明で確かな道元の筆致を、時を経て見られることに感動します。

『正法眼蔵嗣書(しょうぼうげんぞうししょ)』

 

次は、彫塑家・桝澤清による作品「釈尊生涯のレリーフ」。もともとは駒澤大学旧本館の講堂壁面にあった仏教美術で、お釈迦様の誕生から死までが4枚のレリーフで表現されています。「二象による灌水(降誕)」「菩提樹(成道)」「法輪への礼拝(説法)」「仏塔への礼拝(涅槃)」の4場面を通じて、お釈迦様やお釈迦様が生きた時代を知ることができます。「釈尊生涯のレリーフ」については、禅文化歴史博物館の公式動画でわかりやすく紹介されているので、ぜひこちらもご覧ください。

(YouTube)資料紹介「釈尊生涯のレリーフ」

「法輪への礼拝(説法)」の場面のレリーフ

 

最後に紹介するのは、体験コーナー「“禅博”の鳴らし物(楽器)」です。禅寺の修行で用いられる「鼓(く)」「柝(たく)」「鏧子(けいす)」「鈴(れい)」「引鏧(いんきん)」「鐃鈸(にょうはつ)」「木魚(もくぎょ)」という7種類の鳴らし物(楽器)が展示され、実際に鳴らすことができます。私語を厳しく禁じる修行中は、坐禅や読経、食事などの開始を鳴らし物によって伝えるのだそう。これだけの種類の鳴らし物に触れられる機会はそうそうありません。ぜひ同館で体験してみてください。

7種類の鳴らし物

 

お釈迦様の誕生祭「花まつり」

訪問した日は、4月8日のお釈迦様の誕生を祝う仏教行事の「花まつり」が開催されており、誕生仏像が祀られ、来館者には甘茶が提供されていました。日本では、草花で飾った花御堂(はなみどう)をつくり、誕生仏像に甘茶をかけて祝うのだとか。なぜ甘茶かというと、お釈迦様の誕生時に九頭の龍が現れ、頭から香湯(甘露の雨)を注いだという伝承に由来しているのだそうです。

花御堂と中央には誕生仏像

ほんのり独特な甘みを醸した甘茶

 

文化財としてその存在だけで時代を雄弁に物語る禅文化歴史博物館や、仏教・禅宗の歴史・文化の展示、さらに花まつりまで堪能できた今回の探訪。知識が深まると新たなことに自然と目が向く連鎖――知らないことを知る楽しさをあらためて実感しました。新緑が気持ちのいいこれからの季節、ぜひ新たな「知」と出会いに禅文化歴史博物館に出かけてみてください。

慶應義塾ミュージアム・コモンズ 新春展2025「へびの憩う空き地」をレポート!

2025年2月6日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

東京・三田の慶應義塾大学三田キャンパス東別館にある慶應義塾ミュージアム・コモンズ(通称:KeMCo)で、2月7日(金)まで開催されている「新春展2025―へびの憩う空き地」。その年の干支をテーマに、同大学の学部や諸研究所をはじめ、さまざまな部署が所管する貴重な作品・資料を展示・公開する展覧会で、2022年以来、KeMCoの新春恒例企画となり今回で4回目を迎えます。今年は「巳年」ということで、「へび」にまつわる稀覯本(きこうぼん)や屏風、鏡など47点が大集合! KeMCoの学芸員・長谷川紫穂さんと学芸員補の常深新平さんの特別ガイド付きで体験してきた新春展の模様をお届けします。

 

<2024年の新春展はこちら>
慶應義塾ミュージアム・コモンズ 新春展2024「龍の翔(かけ)る空き地」をレポート!
<2023年の新春展はこちら>
慶應義塾大学ミュージアム・コモンズの新春展「うさぎの潜む空き地」に行ってきた!

 

インタラクティブコンテンツやアート体験も!

「へびの憩う空き地」鑑賞前に気になったのが、新春展のイントロダクション的に1Fエントランスホールに展示されていた映像作品です。慶應義塾中等部・女子高等学校の学生が象形や楷書などで書いた干支の書作品を、KeMCoM(慶應義塾ミュージアム・コモンズ学生スタッフ)の制作したプロジェクションマッピングによって演出。多様な書作品だけでも見応えがありますが、手をたたくとその音に反応して演出が変わるインタラクティブコンテンツでした。

子どもから大人まで楽しめる展示でした(残念ながら、インタラクティブ要素は写真に映らず)

【うたとへび】セクションは、必見!

“へびたちの住処”と化した展示ルーム

 

それでは、「へびの憩う空き地」の展示ルームへ。【うたとへび】【動物界のへび】【恐ろしげなへび】【象徴するへび】【明治のへび】【物語のへび】【想起させるへび】【舞踏とへび】の8セクションから構成され、セクションごとにまつわる作品・資料が展示されています。注目セクションのほかに、筆者の印象に残った作品・資料をピックアップしてご紹介します。

 

まずは、注目セクションから。「本展示の目玉は、【うたとへび】セクション。中でも 屏風仕立ての『虫の歌合(うたあわせ)』は、作品の規模が大きくこれまで展示スペースの都合上、公開される機会があまりなかったため希少性の高い作品です」と常深さん。

屏風仕立ての「虫の歌合」

 

「虫の歌合」は、絵も書も居初(いそめ)つなという人物によるものと推定されており、この人物は最古の女流絵本作家に位置づけられうるといいます。「歴史的な意味においても見応えがあります」と常深さん。江戸時代前期(17世紀後半)に名前の判明する女流絵本作家がいたことは世界的にも珍しいのだそうです。

 

この絵では、「歌合」とは、歌人が左右に分かれて和歌を詠み合い優劣を競う文学遊びで、「虫の歌合」では、歌人として擬人化された虫たちが登場し、秋の夜に歌合を行う様子が描かれています。絵をよく見てみると、人の頭上にへびや蛙が乗っています。

当時へびや蛙は「虫」に分類されていた。色遣いなどが美しい

 

「なんだかユーモラス」と思って見ていましたが、このように歌合の様子をパロディ化する動きは特に江戸時代辺りから強まったのだといいます。豊かな発想力に脱帽です。

 

上の写真は、常深さんいわく「虫たちの歌合の司会兼審判を務めるひきがえるが、へびと勝負している場面で、ひきがえるはへびに怯みながらも果敢に挑んでいる様子 」なんだとか。現代でいう、熱いMCバトルが繰り広げられているのでしょうか――。

 

他にもさまざまな擬人化した虫が描かれていて、見ているだけで本当におもしろい「虫の歌合」です。

なかなかリアルな描写。虫が苦手な方は少~し遠目からどうぞ

 

擬人化された十二支の動物たちが歌合をする様子が描かれている作品もありました。江戸時代前期の「十二支歌仙歌合色紙帖」という作品です。

十二単をまとったへび。ニョロっと頭が見えている

 

上の写真では擬人化したへびしかいませんが、子(鼠)vs丑(牛)、丑(牛)vs寅(虎)のように、次の干支にあたる動物との歌合が展開されているんだとか。

 

ちなみに、このへびをモチーフに、慶應義塾大学三田キャンパス内の喫茶店「カフェ八角塔」では新春展とのコラボレーションメニュー「歌合う巳―苺のシュークリーム」が提供されていました(会期中のみ)。シュークリームのへびが求肥の着物をまとったスイーツで、中には苺の実(=「巳/み」)が。ちょっととぼけたへびの表情がなんとも可愛らしいです。

「歌合う巳― 苺のシュークリーム」(¥700税込) 写真提供:カフェ八角塔

 

THE インパクト作品&資料3連発!

ここからは、筆者が思わず気になったインパクトある作品・資料をお届けします。まずは、【恐ろしげなへび】セクションにあった漫画『へび女』(さあ、ご存知の方は「へび女」の恐ろしい顔を思い出してください)。故・楳図かずお氏の代表作で、恐怖をテーマにし少女漫画に革新をもたらすとともに、漫画を単なる娯楽を超えた芸術にまで高めた重要な作品です。専門的な展示が続くなかで、身近な漫画が混在しているとなんだかホッとするのは筆者だけでしょうか。

 

「今回の『へび』のようにさまざまな描写のバリエーションが集まった場合、各種作品・資料においてリアルな描写やデフォルメされた描写など、さまざまな描写を楽しんで鑑賞いただけるようバランスも考えています」 と長谷川さん。『へび女』でも、どの見開きを展示するか検討が重ねられたそうです。

 

【動物界のへび】セクションで、縦40cmほどの大きさがありどっしりとした存在感で目を引いたのが、スイスの自然学者であったコンラート・ゲスナーの著書『動物誌(四足動物)』です。「1606年の制作当時、生物研究に挿絵を導入したことは画期的で、科学に対する偉大な貢献だったことが想像されます。美しい色彩は職人によって施されており、非常に資料価値の高い書物です」と常深さん。

 

同書には、実在するへびに加えて、細部が実際と異なる想像上のへびも含め多種多様なへびが描かれているんだとか。同セクションにあったイタリアの博物学者フィリッポ・ブオナンニの『博物誌』に描かれた生々しくリアルなへびの絵も見応えがありました。

『動物誌(四足動物)』

『博物誌』 1773~1782年頃に出版された

 

ラストはこちら。【象徴するへび】セクションに展示された「マランガン儀礼用装飾板」です。

マランガン儀礼用装飾板、20世紀初頭(収集)、慶應義塾大学文学部民族学考古学専攻所管

へびが自らの尾をくわえている

 

へびは古代から生命の象徴とされ、脱皮は新たな生まれ代わり、尾をくわえた姿は無限の循環を意味するといわれています。この装飾板は、どんな儀礼に使用されたのかは定かでないらしいのですが、尾をくわえたへびが周りを囲っていることに注目すると、当時の人は永遠を願うような儀式で使用したのでしょうか――。そんな想像をしながら楽しく鑑賞しました。

学生スタッフによる体験型企画にチャレンジ!

全セクションの作品・資料を鑑賞し終えたあとは、KeMCoM(慶應義塾ミュージアム・コモンズ学生スタッフ)が企画する、デジタルを活用した体験型コンテンツの鑑賞に。オリジナルのへびのイラストから1点をセレクトしクリックすると、運勢が飛び出すという「デジタルへびみくじ2025」や、地を這うへびの目線を通じて三田キャンパス内のアートを巡る映像作品「へびの(きままな)三田キャンパスアートツアー」など楽しい企画が満載でした。

 

コンテンツの一つにあった「へびの願い事パブリックアート」に参加した筆者。参加者が抱負や願い事を書いた専用用紙を壁に貼ってつなげていくと1匹の大きなへびが完成するというものです。筆者は、「元気」と大きく書いて貼ってきました(元気があれば何でもできる!)。

「デジタルへびみくじ2025」。「中吉」、出ました!

「貼る方向は参加者にお任せ。最後にどんな形になるか楽しみです」とKeMCoMの学生さん

 

実は、昨年の「新春展」も体験した筆者。ジャンルを超えた多種多様な作品・資料が横並びに展示されていて思いもよらない出会いがある――。それこそが本展覧会の魅力だとあらためて実感するとともに、幅広く学際的な研究を行う慶應義塾だからこそ実現できる展覧会でもあると思いました。

 

KeMCoM企画のコンテンツで、今年も3Dプリンターによる御朱印風のオリジナルスタンプがあったので、記念に新春展ポストカードに押印し、KeMCoを後にしました。

KeMCo新シリーズ展示がスタート

またKeMCoでは、今年から始まった小さな展覧会シリーズ「ふとした点景」が、2Fの階段の踊り場で開催されています。「『ふとした点景』とは、展示物とそれを含む空間の景色を指しています。そこに対峙した人にとって、物事の新たな見方や思わぬ発見をもたらす機会になれば嬉しいですね」と長谷川さん。

 

展示台が一つ置かれ、現在は、現代美術家の故・岡崎和郎氏のオブジェ「招福猫」が鎮座。「招福猫」は小ぶりながらも圧倒的な存在感を放ち、そこに在るだけで吹き抜けの広い空間を引き締めているから不思議です。場所や空間全体をアートとして表現するインスタレーションを彷彿とさせる展示でしばし見入ってしまいました。年間を通して展開されるそうなので、三田方面にお出かけの際にぜひ!

自然光が差し込む階段の踊り場。天気によっても作品の見え方が変わりそう

 

南極地域観測隊の食事をクローズアップ! 東京農業大学「食と農」の博物館で実感した、食べることは生きること

2025年1月16日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

日本から直線距離で約14,000km離れた南極大陸。日本の約37倍ある広い陸地のほとんどは厚い氷に覆われ、凍てつく世界が広がります。そんな極寒の過酷な環境で暮らす南極地域観測隊を支えてきた「食」にスポットをあてた企画展「南極飯!」が、現在、東京農業大学「食と農」の博物館で開催されています。キャッチーな展示名に好奇心をくすぐられ、大学近くにある博物館へ。本展を企画した同大学学術情報課程准教授・田留健介先生にアテンドいただきながら巡ってきました。

 

自身の“南極体験”が企画展のはじまりに

東京農業大学「食と農」の博物館は、常設展示や多様なコンセプトの企画展示、イベントなどを通じて、食と農の「今まで」「今」「これから」を発信するとともに、食と農に関する知識や情報を広く提供しています。

開催中の「南極飯!」は企画展示で、田留先生の“南極体験”がその発端だったといいます。田留先生は、2020年に第61次南極地域観測隊に抜擢され、南極のプリンセス・エリザベス基地(ベルギー)で約1ヶ月半を過ごしました。陸上生物調査隊として、氷点下の中で朝から夕方まで調査を続ける日々だったといいます。

南極地域観測隊員時の田留先生

 

「個人差もありますが、極寒の中では1日の消費カロリーが通常の約1.5~2倍必要になるといわれ、調査をしているだけでエネルギーがどんどん消費されます。すると、調査中にガクンと疲れて、急激に指先や体が冷え、『食べないと命に関わる』と危険を感じる場面に幾度か遭遇しました。そうした場合、すぐにチョコレートなどの甘味を口に入れて少し休憩すると血がめぐり、徐々に体温が上がっていくのがわかるんですね。食べることは、生きることに直結していると、自分の体を通して痛感しました。この経験から得た『食べることの大切さ』を、多面的なアプローチで発信する企画展をと考えたのが『南極飯!』です」と田留先生。

 

本展は南極での食事情を中心に、南極の自然などを含む7つのパートで構成されています。ここでは、筆者が気になった「南極の大自然&生きもの」と「南極飯!」パートの展示内容をピックアップしてお届けします。


南極の大自然&生きものを体感!

まずは、「南極の大自然&生きもの」パートから。雄大な南極の自然を写した巨大な写真パネルが出迎えてくれます。

迫力ある巨大パネル

 

「南極は太古の地球がそのまま残った未知の大陸。本当に美しいです」と田留先生。真っ白な氷と真っ青な空のコントラストを見ていると、原始の世界に誘われるようです。パネルの先で待っていたのは、南極の生きものたちの剥製です。思わず「かわいぃ」と声が漏れたウェッデルアザラシの子や、世界最大のペンギンであるコウテイペンギン、その次に大きいオウサマペンギンもいて、実際の大きさや色などを観察できる貴重な展示に。

ウェッデルアザラシの子の剥製

コウテイペンギンの剥製

 

本展は、「大人だけではなく子どもたちにも親しみを持ってもらえるように意識しました」と田留先生。オウサマペンギンの剥製は、南極観測船の窓から見ている気分が味わえるように展示するなど、楽しい仕掛けもありました。

氷上のペンギンを極観測船から見ることをイメージした展示

 

「南極にこんな生きものが!」と驚いたのが、地衣類です。地衣類とは、菌類と藻類が共生関係を結んでできた複合生物で、これまでに400種以上が確認されており南極の陸上生物の中で一番の種類の多さだとか。

地衣類の一種「オオロウソクゴケモドキ」

 

田留先生は地衣類を専門に研究しており、南極の内陸部にあたるセール・ロンダーネ山地で地衣類やコケ類のサンプリングを行ったそう。「岩や石の隙間に隠れるように生えているんです。南極の強風や乾燥に耐えられる場所なんでしょうね。極限環境下で生き延びるための工夫を垣間見た気がしました」と話します。他にも、全長2m近くにもなる巨大魚であるライギョダマシの剥製標本や、エビに似たナンキョクオキアミの液浸標本など、南極の海に生息する生きものにも触れられる充実した展示内容となっていました。


南極飯の「進化」と「変わらないもの」

南極でさまざまな観測を行うためには、健康維持が最も大きな課題の一つであり、同行する調理隊員の作る食事が観測隊員を支えています。企画展の「南極飯!」パートでは、1957年の第1次観測隊員が食べていたカレーやけんちん汁、生姜焼きなどを含めた50食以上の南極飯が食品サンプルでズラリと展示されていました。

 

サンプルを俯瞰して見ると、日本の家庭料理が多いことに気付きます。「非日常の南極で何ヶ月間も生活をする時、どれだけ“日常”を確保できるかが重要になります。慣れ親しんだ味は、日々精神的な安らぎを与えてくれ、翌日の観測へのモチベーションにもつながります。極限環境の南極で『ああ、食べたい』と求める味は、60年以上前から今も変わっていません」と田留先生。

第1次観測隊員が食べていた南極飯

 

そんな中、第1次観測隊員の「おどろき飯」を発見! なんと、南極に生息するオオトウゾクカモメを巨大な焼き鳥にして食べていたというのです(現在は国際的な取り決めにより、オオトウゾクカモメをはじめとする南極の野生生物を捕獲し食べることは禁止されています)。

 

オオトウゾクカモメは翼を広げると約130cmほどになり、南極大陸と周辺の島のみで繁殖するカモメです。カモメの焼き鳥…。なかなか想像しがたい味ですが、第1次観測隊員の中野征紀氏の著書『南極越冬日記』によると、「酒と砂糖、醤油タレに1日漬け込むと美味になる」とのこと。巨大な焼き鳥を再現した食品サンプルと一緒に写真を撮れるフォトスポットも設置されていました。

串の長さは約50cm。巨大な焼き鳥です

 

調理隊員が作る「変わらない味」がある一方で、昨今は食品加工の技術革新により南極に持ち込める食材も進化し、食事の幅が広がっているといいます。冷凍食品や真空パックの保存食の進歩は著しく、特に軽くて持ち運びが便利なフリーズドライ食品は多数開発されており、野外観測時の強い味方として活躍しているそうです。

食品メーカーが開発した各種フリーズドライ食品


南極で生野菜は「ぜいたく飯」

観測隊員は、越冬隊と夏隊に分かれており、越冬隊員は1 年を通して南極に滞在します。田留先生は夏隊の一員として参加されましたが、それでも滞在後半になると生野菜や果物、牛乳、卵などが恋しくなったそう。「いわゆる長期保存ができない食材は、南極では『ぜいたく飯』なんです」と田留先生。技術が進み、長期常温保存ができる牛乳や豆腐なども開発されていますが、「新鮮さ」は格別なおいしさだと教えてくれました。

キャベツの千切りや牛乳など、日常では当たり前の食材が南極では「ぜいたく飯」に

 

そうした中、農業技術の革新によって南極基地内で水耕栽培ができるようになりました。日本の観測拠点となる昭和基地では、リーフレタスやルッコラ、クレソンなど「生野菜」が栽培され、観測隊員の食事に貢献しているといいます(南極環境保護法に基づき、出発前に環境省に確認申請を行ったうえで種子等を持ち込んで栽培)。現在は、プチトマトやきゅうり、イチゴの栽培も進められているそう。さらに農業技術が進めば、南極で多彩な野菜が育つ日も夢ではないかもしれません。

昭和基地での水耕栽培の様子を再現した展示が“農大”っぽいですね

 

末来の科学を支えるのは、おいしいごはん

丁寧かつわかりやすく展示をアテンドしてくれた田留先生。観測隊員時に使用していたご自身の装備一式とともに

 

南極で起こる環境変動は地球全体に大きな影響をもたらすことから、今後の地球環境変動の予測の要だとされています。今この瞬間にも、私たち人類と地球の未来に向けて、南極では多くの観測隊員によってさまざまな観測や研究が進められています。田留先生は最後にこう話してくれました。「観測隊員の命を支えているのは、ご覧いただいたような“おいしいごはん”です。つまり、南極においては、まぎれもなく食が未来の科学を支えています」

 

食べることは、生きること――。食が未来の科学を支えている――。気軽な気持ちで鑑賞に臨んだ筆者ですが、思わぬ学びを得ることができた見応えのある企画展でした。2025年3月29日(土)まで開催しているので、ぜひ足を運んでみてください。

淹れたてのオリジナルブレンドを愉しめる早稲田大学歴史館の「Café Clio」

2024年11月21日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

朝食時やランチ後、午後休憩のコーヒータイムが毎日のルーティンという人は多いはず。その味もさることながら、一口飲んだ瞬間のリラックス効果や、ふわ~っと広がる香ばしい香りもコーヒーの魅力ですよね。今回は、50年以上の歴史がある早稲田大学の公認サークル「珈琲研究会」が開発したオリジナルブレンドコーヒーが飲めるという同大学歴史館内の「Café Clio(カフェ・クリオ)」に行ってきました。

気軽なミュージアムをめざし「Café Clio」を併設

「Café Clio」の入る早稲田大学歴史館は、早稲田キャンパスの1号館1階にあります。最寄り駅の東京メトロ東西線「早稲田駅」からは徒歩5分ほど。この日は同駅から近い南門からキャンパスへ。門から続く並木道を直進し、最初の角を右折します。

會津八一記念博物館(右手)と8号館・法学部棟(左手)に挟まれた並木道

 

正面にそびえ立つ早稲田大学のシンボル、大隈記念講堂を仰ぎ見ながら足を進めると、左手に見えてくるのが早稲田大学歴史館。歴史館の角に、「Café Clio」の小さな黒い看板が立っているので目印に。

「Café Clio」の小さな黒い看板。おしゃれ♪

 

早稲田大学では、キャンパスそのものをミュージアムにすることを目標としており、既存の坪内博士記念演劇博物館や會津八一記念博物館に加え、2018年、1号館1階に3つ目のミュージアム「早稲田大学歴史館」が開館。同大学の歴史に関する資料や情報を、デジタル媒体も取り入れながら展示しています。

 

その際に「いつでも立ち寄って楽しめるミュージアム」をめざし、「Café Clio」や早稲田グッズショップが併設されたそうです。なお、店名のClioは、歴史館にちなみ歴史を司るギリシャ神話の女神の名から付けられたとか。

早稲田大学歴史館の入口。趣きある扉が印象的

苦みの中にほんのり甘味の「珈琲研究会ブレンド」

扉を開けるとコーヒーの香ばしい香りが漂ってきます。早速、奥のカウンターでお目当ての「珈琲研究会ブレンド(550円)」を注文。合わせるフードは「特製ホットドック(650円)」に。ドリンクはコーヒーだけではなく、「紅茶(550円~)」や「クリームソーダ(680円)」「自家製レモネード(650円)」なども。フードは「ピザフリッタ(580円)」もあり、「シフォンケーキ(680円)」や「濃厚アイスブリュレ(550円)」といったデザートも充実しています。

 

珈琲研究会ブレンドは、ブラジル産の豆をメインに3種の豆がブレンドされているそうで、同研究会の学生が試行錯誤の末に完成までこぎつけた唯一無二のオリジナルブレンドコーヒー。一杯ずつ丁寧にハンドドリップし提供してくれます。

 

一口、口に入れると、深煎りのコクと苦みが広がりつつ、ほんのり甘味も感じられ、「美味い!」と心の中でつぶやきながら堪能。とにかくバランスがよくて飲み飽きません。

珈琲研究会ブレンド。上品なカップ&ソーサーが優雅な時間を演出してくれる

 

続いて、特製ホットドックを実食。プリっとしたソーセージは、噛んだ瞬間、肉汁が溢れ出るほどのジューシーさで、カリッと焼かれたコッペパンと相性抜群でした。付け合わせのサラダもシャキッと新鮮で抜かりなし!

手を汚さず食べられるように、特製ホットドックにはワックスペーパーが用意されている

 

ホットドックを食べ終えるとなんだか甘いものが食べたくなり、季節のアイスクリームを追加注文。2種類の味が選べるようになっていたので、旬の栗とバニラをセレクト。栗アイスは栗の実の食感が楽しく、バニラアイスは甘すぎず重すぎずちょうどい~。そして、さりげなく添えられたビスケットの塩気とアイスの甘さが最高! あっという間に完食でした。

可愛い見た目の季節のアイスクリーム

ゆったり落ち着いた雰囲気が心地いい

「Café Clio」は、落ち着いた雰囲気の店内でゆったり過ごせるのも魅力です。この日は、学生から年配の方まで幅広い年齢層が利用していました。

 

安定感があって驚くほど座り心地のいい椅子は、リラックス気分を倍増させてくれます。そして、流れるBGMは、「お客様にコーヒーを五感で楽しんでもらいたい」という想いから、珈琲研究会の学生が「コーヒーに合う音楽」をさまざまなジャンルの中から厳選しているんだそうです。思わず長居してしまったのは、コーヒー効果だけではなくBGMの演出もあったんですね。

静かで落ち着いた雰囲気の店内。アルバイトスタッフも、珈琲研究会所属の学生が勤めているそう

 

メニューも雰囲気も掛け値なしにおすすめの「Café Clio」。早稲田界隈にお出かけの際は、ぜひ訪れてみてください。

人気ランキング1位の東洋大学から、新たに誕生した学食「Umart!―イノチと食。」

2024年10月29日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

その美味しさとメニューの充実ぶりなどが支持され、早稲田大学「学食研究会」が選ぶ関東圏「学食ランキング」で2年連続1位に輝き、殿堂入りを果たした学食といえば、そう、東洋大学白山キャンパスの学食です。

以前、ほとんど0円大学でも同大学のインドカレーを紹介しています

2024年5月、そんな人気の学食を有する東洋大学の朝霞キャンパスに、新たな学食「Umart!―イノチと食。」が誕生したと聞いて、これはもう行くしかないでしょ、ということで新しもの好きな同僚と2人で行ってきました!

 

命と食が輝くスマートキャンパス

JR武蔵野線「北朝霞駅」と東武東上線「朝霞台駅」の2駅が最寄り駅となり、都心からもアクセスしやすい朝霞キャンパス。両駅からは徒歩10分ほどで着き、近くに黒目川が流れるなど落ち着いた雰囲気のエリアにあります。

ゆったりと穏やかに流れる黒目側沿いの朝霧キャンパス

 

2024年に“命と食が輝くスマートキャンパス”をコンセプトにリニューアルした朝霞キャンパス。生命科学部と食環境科学部が板倉キャンパスから移転し、「生命(いのち)と食」に関する総合的な教育研究拠点に生まれ変わりました。

校舎の壁面には波型の模様があしらわれ、生命の誕生や輝きを表現しているんだとか

 

到着して正門から入るとプロムナードがあり、そこを抜けた先にキャンパスの玄関口であるエントランスホールが見えてきます。

エントランスホールにはソファもあり、学生の憩いスペースになっていそう

 

エントランス奥に見えるガラス張りの食堂が「Umart!―イノチと食。」です。「Umart!」は、企業と協働し学生が主体となって企画運営しているのが特徴で、「U:ユートピア」「Uma:うまっ!」「mart:市場」「art:アート、創造」「!:感動」をつないだ食堂名は学生が考案したそう。

 

食堂名以外にも、コンセプトからメニュー、デジタルサイネージ動画などに至るまで学生たちが手掛け、さらに、「フードコーディネート論」の授業を受けた学生が中心になって選定された食器は、美味しく見える色や形だけでなく、壊れにくさ、重ねやすさといった利便性も重視されているのだとか。

エントランスホールを通って、しばらく進むと「Umart!」にたどり着きます

 

食堂内に入ると、明るく開放的な雰囲気。元素記号をイメージしたライトが印象的です。約600人が一斉に利用できるそうですが、この日は夏休み期間で学生の姿はまばらでした。

ウッディーな雰囲気で、たっぷり差し込む光が気持ちいい食堂内

左手奥に見えるのはオープンキッチン

 

「夏休み限定メニュー」でスタミナチャージ

荷物を席に置いて、さっそくメニュー選びに。夏バテの体にスタミナをチャージしてくれそうな「夏休み限定メニュー」が並びます。何にしようか迷う~。

食欲をそそるビジュアルの看板です

注文はタッチパネル食券機。現金専用・電子マネー専用端末があります

 

胃袋が2つしかないというのに、色々食べたい欲求には勝てず、同僚と2人で「本日のカレー:焼きチーズカレー(¥600)」「Umart!スペシャル:油淋鶏定食(¥580)」「本日の麺:彩り野菜のサラダうどん(¥580)」の3メニューを注文! いざ、実食へ。

 

まずは、同僚の「焼きチーズカレー」から食レポ。生卵も乗ったカレーで、卵を割って絡めて食べるとまろやかな味わいが口いっぱいに広がり、「控えめに言って絶品!」だそう。トロリと溶けたチーズとも好相性だそうで、ぺろりと完食していました。

バーナーで焼き目がつくまでチーズを炙って仕上げていました

 

お次は筆者。大好きな「油淋鶏定食」を堪能しました。クリスピーな衣がザクッ! 甘酸っぱい香味ダレとのマッチングも抜群で、たっぷりの野菜や小鉢、スープも付いてとてもバランスの良い定食でした。

揚げ鶏が3つもついて食べ応えあり!

 

そして、「彩り野菜のサラダうどん」を2人でシェア。コシのある冷やしうどんが喉越し最高で、膨れたお腹につるつると入っていきます。冷しゃぶと野菜、わかめもたっぷり乗って一皿で一日分の栄養が摂れた気がする!

シャキシャキとしたねぎの食感・風味もたまらん!

 

本格スイーツは見逃せない!

さすがに満腹のはずが…、入口で魅了された本格スイーツを食べてみたくて、2人でお腹をさすりながら再び食券機へ(笑)。

豊富なスイーツメニューがズラリ

 

「濃厚ソフトクリーム(ミックス)」と「いちごチョコクリームクレープ」をセレクトしてデザートタイム♪ その名の通り、チョコレートとバニラのコク深い味わいが同時に楽しめるソフトクリームに筆者は大満足。同僚が食べたクレープは、ふんわりホイップクリーム&濃厚チョコレートソースに、甘酸っぱいいちごがアクセントになって絶妙なお味だったそうです。

ボリュームたっぷりな「濃厚ソフトクリーム(¥190)」

クレープが映えるギンガムチェックの包装紙が可愛い「いちごチョコクリームクレープ(¥420)」

 

今回は、「夏休み限定メニュー」でしたが、通常は、「熱々鉄鍋メニュー」から「黄金半熟オムライス」「出汁香る究極のうどん」に「各種定食」など、白山キャンパスにも引けをとらない豊富なメニューの数々が揃っているそう(食べてみたい!)。

黒目川沿いは最高の散歩コースのようなので、段々と涼しくなるこれからの季節、ぜひ散歩がてら、「Umart!―イノチと食。」のランチを食べに訪れてみてください。

細胞一つひとつに響く神秘の音――。立教学院創立150周年記念企画 パイプオルガンコンサート「音楽と宇宙」

2024年10月10日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

その音色の多重性から、「楽器の女王」ともいわれるパイプオルガン。テレビなどで演奏を見ることはあっても生演奏を聴いたことがなかった筆者。そこで、期待に胸を膨らませつつ向かったのが、8月9日に東京・池袋の東京芸術劇場大ホールで開催された立教学院創立150周年記念企画の「パイプオルガンコンサート『音楽と宇宙』」です。

 

立教学院のオルガニスト・﨑山裕子氏が宇宙を想起させる楽曲をパイプオルガンで演奏する合間に、宇宙物理学の第一人者である村山斉先生(米国カリフォルニア大学バークレー校物理学科・MacAdams冠教授)がさまざまな切り口で宇宙をレクチャーしてくれるというユニークな企画のコンサートです。

 

第1部は「宇宙で鳴っている音」「宇宙の数式」「宇宙の成り立ち」、第2部では「光と影」「ブラックホール」「過去と未来」というテーマで、演奏とレクチャーが行われました。当日の模様をダイジェストでお届けします。

パイプオルガンの美しく圧倒的な響き

会場となった東京芸術劇場

 

立教学院は、1874年に米国聖公会の宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズ主教が東京・築地に聖書と英学を教える私塾を開校したことに始まり、今年で創立150周年を迎えます。今回のコンサートは、創立150周年記念の一環で開催されました。教会音楽の魅力を幅広く発信する立教学院ならではのパイプオルガンコンサートとして企画され、旧知の仲である﨑山氏と村山先生との久しぶりの再会がきっかけとなり、「音楽と宇宙」をテーマにしたコラボレーションが誕生したそうです。

 

同コンサートでは、“次世代を育てる”というコンセプトのもと、小学校、中学校、高等学校の児童・生徒が招待されており、親子連れの姿がたくさん見受けられました。会場はほぼ満席でコンサートへの関心の高さがうかがえました。

 

着席から間もなくして会場が暗転。約9000本ものパイプを有し、世界最大級を誇る巨大なパイプオルガンがライトアップされ浮かび上がった瞬間、荘厳な音色がホールに響き渡ります。聞き惚れんばかりの美しく圧倒的な響きに一瞬にして心奪われた筆者。そして、パイプオルガンならではの神秘的な音が上から降ってくるような感覚を初めて体感。その音がふわ~っと体を包み込み、細胞一つひとつに染みわたっていく――気付けば、あっという間に2曲の演奏が終了していました。

パイプオルガン下で宇宙の映像がスライドに映し出され、目と耳で宇宙を感じることができた

 

印象的だったのは、2曲目の「前奏曲 ト短調」。作曲者である17世紀ドイツのオルガニスト、ディートリヒ・ブクステフーデが宇宙に深い関心を持っていたという背景もあり、神秘に満ちた宇宙を彷彿とさせる一曲でした。

「天体が奏でる音」を初体験

イータカリーナ星雲の解説をする村山先生

 

演奏の余韻が冷めやらぬ中、村山先生が登場。村山先生は、素粒子論・宇宙論を専門とし、『宇宙は何でできているのか』(幻冬舎)などの著書も多数執筆されている宇宙物理学の第一人者です。

 

「パイプオルガンの荘厳な音を聞くと、美しい宇宙の映像が思い浮かぶ」といい、地球から約7600光年離れたイータカリーナ星雲という天体の画像をスライドに映して宇宙のレクチャーが始まりました。第1部のテーマ「宇宙で鳴っている音」「宇宙の数式」「宇宙の成り立ち」の中でも興味深かったのが、生まれて初めて聞いた「宇宙で鳴っている音」でした。

 

NASA(アメリカ航空宇宙局)では昨今、巨大宇宙望遠鏡が捉えた天体の現象を映像化するだけではなく音に変換し、視覚障害のある人や弱視の人を含めたより多くの人に宇宙を体感してもらうプロジェクトを進めているそうです。村山先生が、「イータカリーナ星雲の音」を実際に聞かせてくれたのですが、驚くほど神秘的で美しいのです。

 

宇宙では、星は生まれては消え、消えては生まれることを繰り返しているそうで、「星が誕生するときの音」「星が消えていくときの音」なども披露され、どの音もまるで宇宙をイメージして作曲されたアンビエント・ミュージック(環境音楽)のようでした。「宇宙における星たちの展開を詳しく見ていくと、天体はさまざまな音を奏でている」と村上先生。なんだかロマンがあります。

NASAの宇宙望遠鏡が撮影した「創造の柱」と呼ばれる新たな星が誕生する瞬間

世界初演!? 《太陽系交響曲》の披露

続いて、J. S.バッハの「前奏曲とフーガ イ短調」の演奏が終わると、「バッハの曲はよく数学的といわれる」と村山先生。バッハの音楽は数学的で緻密な操作が重ねられていて、優美な旋律の背景には理論的な構造があるんだそうです。そしてバッハだけではなく、音楽には数学が深く関係していて、人が心地よく感じる音には数学的な規則性があるといいます。例えば、「ド・ミ・ソ」の和音は、周波数の比率が4:5:6となっていて、音波が互いに干渉せずに共鳴しやすく、美しいハーモニーが生まれるそうです。一見、音楽とは対照的とも思える数学の存在がその裏にあるとは驚きです。

 

「次に、宇宙の和音を聞いてみましょう」と村上先生。私たちが住む地球は、太陽のまわりを回る太陽系と呼ばれる星の一つで、地球以外にも水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星などがあります。これらが太陽のまわりを回る様子を音に変換したものがあり、まずはそれを聞かせてもらいました。

 

突然ですが、救急車が、サイレンを鳴らしながら近づいてくると音は高く聞こえ、遠ざかっていくと音は低く聞こえますよね。太陽系の星も地球から近いか遠いかで、回る様子の音に高低差が生まれるのだそうです。先ほど聞いた太陽系の星が回る様子の音を今度はパイプオルガンで再現し、全部一度に弾いてみると、調和のとれたハーモニーがそこに現れました。太陽系の星の間には、「天体の音楽」と呼ばれる美しい秩序が存在するそうで、その秩序をあたかも表現したような神秘的なハーモニーでした。

 

さて、いたってシンプルな「和音演奏」だったのですが、村上先生が「今のが、《太陽系交響曲》オルガン付き、世界初演でした」と茶目っ気たっぷりな紹介をしたため、会場からはどっと笑いが起きていました。

その後の休憩時間に、世界唯一の「回るパイプオルガン」の様子を楽しむこともできた。約2分かけて伝統的なスタイルからモダンスタイルのパイプオルガンに180度ぐるっと回転

バッハの有名オルガン曲がラストを飾る

第2部の演奏は、「詩篇前奏曲第2巻 2番 詩篇 139 篇 11 節」(ハーバート・ハウエルズ)に始まり、「永遠の教会の出現」(オリヴィエ・メシアン)から「ファンタジー 第 2 番」(ジャン・アラン)、「鏡」(アド・ヴァメス)と続き、パイプオルガンの多彩な音色と響きの変化を存分に堪能できる4曲が披露されました。

第 2部はメタリックでモダンなオルガンで演奏された

 

そして、コンサートのラストを飾ったのはバッハの有名なオルガン曲である「トッカータとフーガ ニ短調」。劇的な冒頭もさることながら、非常に美しいハーモニーとドラマチックな展開が特徴の一曲で、﨑山氏の圧巻の演奏も相まって、終始、感動しきりだった筆者。演奏が終わると、会場からは割れんばかりの拍手が沸き起こっていました。

 

一方、「光と影」「ブラックホール」「過去と未来」をテーマに展開された第2部の宇宙レクチャーの中で衝撃的だったのが、私たちは「宇宙からきた星のかけら」だという驚くべき事実。「どういうこと⁉」と、思わず前のめりで村山先生の話を聞くと、まず私たち人間が原子からできていることが前提といいます。138億年前、ビッグバンと呼ばれる大爆発によって宇宙が誕生し、その後、星が生まれ、星が寿命によって潰れて、宇宙に拡散された酸素や炭素などの原子からやがて私たち人間が生まれたのだといいます。

 

自分のルーツが、まさか宇宙にあったとは、スケールが大き過ぎます。でも、何百億年前からどれだけの偶然と必然が重なって私たち人間が今ここに存在しているのだろう――そんなふうに考えると尊い思いがしました。

 

約2時間のコンサートが終了。パイプオルガンの美しく深い響きと、知れば知るほど面白い宇宙の世界を存分に体感したコンサートでした。「音楽と宇宙」をもっと深めるべく、書籍ブースでさっそく村山先生の著書など関連書籍を数冊購入し(現在、読書中)、劇場を後にしたのでした。

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