大学の知的な雰囲気を楽しむうえで、図書館は格好のスポットである。とくに秋といえば、読書の秋ともいうわけで、足を運んでみるのにとくにおすすめのシーズンなんじゃないだろうか。というわけで、今回のテーマは大学図書館! この施設の活用法について気ままに書かせてもらおう。
調べてから使おう大学図書館。
文部科学省のデータを調べてみると、2014年の段階で学外者の利用を認めている大学図書館はおよそ全体の93.7%。ここまでいくと、ほとんど、とは言わないまでも、だいたいの図書館は学外者が使えると言っていいように思う。
ただ、ここで注意しておかないといけないのは、学外者が利用できるといっても、その利用規約は館によってまちまち。地域住民のみ限定して開放しているところもあれば、有料の図書カードをつくらないといけないところもある。はたまた、利用はできるけど、本の貸出はNGというところもあるのだ。これについては、ぜひご自身が行こうとしている大学図書館のHPを事前に調べとくのがいいだろう。
大学図書館ならではの強みと魅力。
利用するのに何かしらの制限があるかもしれない、と書くと、面倒くさがりの人はだったら公立の図書館に行くよ! と思われるかもしれない。でも、待って欲しい。大学図書館には、大学図書館ならではの魅力があるのである。
まず一つは環境。大学図書館は、当然、大学のキャンパスの中にある。大学に足を運んだ人なら頷いてもらえると思うのだが、大学のキャンパスは緑が多く、知的な雰囲気があってステキなのである。この雰囲気を楽しみつつ、ときには読書後に学生食堂に立ち寄るなど、そんな使い方が大学図書館ならできる。
さらに、大学図書館は傾向として、自校の学部学科と関連する資料が充実している。学生や教員は、自校の学部学科と関連する学問領域について日々研究・学習している。そういう人が中心となって使っていると、自然と関連する書籍が増えていくようなのだ。だから、デザイン関連の本を借りたいときは芸大の図書館に、法律関連の本を読みたいときは法科大学院がある大学の図書館に、といったように使い分けをするのもいいかもしれない。
関西大学図書館は、関西有数の蔵書数を誇り、大学と連携協定を結んでいる自治体在住の方々に対する市民利用を実施している。詳しい利用方法はこちら。
快適に利用するために、知っておいて欲しいこと。
大学図書館を気持ちよく使うために、いくつか知っておいて欲しいことがある。一つは、学生たちのテスト期間前の利用はなるべく避けること。これはわざわざ説明するまでもないが、テストが近づくと、たくさんの学生が図書館に押し寄せるわけで、これと鉢合わせしないようにした方がいい。
逆におすすめしたいのは土曜日の利用である。土曜日は開講している授業が比較的少ないため、キャンパスにいる学生もまばら。おまけに、多くの社会人は休日なので、使うのにもってこいなのである。なお、日曜日・祝日になると休館しているところが多い。時折、通信教育課程のスクーリングなどの兼ね合いで開館している場合もあるが、けっこうレアなケースと思っておいていいだろう。
そして、利用するうえで忘れてはならないのが、夏(8〜9月)と冬(2〜3月)の長期休暇の存在である。この期間、大学図書館の開館日時は不定期になる。そのため、この期間の利用を考えるなら、事前にHPで開館状況をチェックしておくのが無難である。ちなみに、長期休暇期間を利用して、受験生に自習スペースとして大学図書館を開放する大学もある。もし偶然、受験生と居合わせたら、それは恐らくそういうことなのでやさしく見守って欲しい。
他にも大学図書館での本の探し方やら、びっくりするほどオシャレな大学図書館の紹介など、伝えたいことがもう少しあるのだが、長すぎる文章は好まれないので、今回はここまでにしておく。続きは、またどこかでコラムにまとめたいと思う。
ともかく、秋である。読書をするにしても、家のベッドより知的な空間で楽しんだ方が気分も盛り上がる。ぜひ近くの大学図書館に足を運んで、読書の秋をいつもよりもっとずっと楽しんで欲しい。