目玉がゴロゴロ、まばたきシパシパ。デスクワークをしているとなかなか避けられないドライアイですが、「ちょっと目が乾いているだけ」なんて放っておくと、頭痛や視力低下につながることもある侮れない疾患です。 今回は、順天堂大学発のアプリ「ドライアイリズム」をご紹介。2分程のテストでその日のドライアイの状態がチェックできるだけでなく、毎日の計測データを提供することでドライアイの研究に活用される双方向型のアプリとなっています。 最近ずっと目が疲れがちな筆者が、実際にアプリを試してみました!
まずは基本情報を入力。一見「これってドライアイに関係あるの?」という項目もありますが、ビッグデータ解析にかけられるため正確に答えておきましょう。
こちらがホーム画面。調査項目がいくつかあるようですが、まずはドライアイ測定をやっていきましょう。
ドライアイ測定の項目は、
・まばたき測定(30秒で何回まばたきするか)
・まばたき我慢(まばたきを何秒間我慢できるか)
・OSDI診断(目の症状に関するアンケート調査)
の3項目で所要時間は2分程度。まずは、まばたき測定から。
こんなかんじでガイドの位置に顔を合わせると、自動でまばたきの回数を計測してくれます。そして……
9回! 3秒に1回もまばたきしている計算。思ったよりもめちゃくちゃまばたきしていました。
今度はできるだけまばたきを我慢して、その秒数を診断しますが……アイタタタ。あっという間に目が乾いて全然我慢できませんでした。
6.2秒。どうも長いほうではなさそうですね。
このあと、ドライアイの診断で用いられる目の症状に関するアンケートに応えて診断終了です。結果は……?
正式な診断ではないものの、やっぱり軽度のドライアイとの結果。薄々わかってはいましたが、他人から指摘されるとちゃんと目を労ってあげないと……という気持ちになります。
さて、一度ホーム画面に戻ります。
「生活習慣調査」、「うつ病チェック」はアンケート式の調査項目で、ドライアイ測定と合わせて毎日記録していくことで、睡眠時間などの生活習慣やうつ傾向とドライアイとの相関がわかるというもの。「労働生産性」は目の症状がどれだけ仕事や学業の能率に影響しているかを自己診断するものでした。
こうしたデータはアプリを通して開発チームに送信され、プライバシー情報を含まないビッグデータとして研究に役立てられるそうです。(アプリ初回起動時に研究協力の同意確認がありますが、同意はいつでも撤回できるようになっています。)
そのほかには、その日同じようにアプリを使っている人たちのドライアイ症状が地図上にマッピングされるドライアイマップや、日々の変化を振り返ることができるカレンダーなどの機能がありました。
「みんなもドライアイなんだ」という連帯感を生むため……ではなく、地域ごとの気候やお天気による傾向を可視化するものだと思われます
ところで、どうしてドライアイのアプリに「うつ病チェック」が含まれているのか不思議に思いませんか? 調べてみると、順天堂大学医学研究科の村上晶教授、猪俣武範准教授らがまさにこの「ドライアイリズム」を使ってビッグデータ解析を行った研究結果を見つけることができました(プレスリリースはこちら)。
その研究結果とは、「ドライアイの自覚症状が重い人ほど抑うつ症状を併発していることが多い」というもの。なんでも、ドライアイとうつ病にはホルモン、代謝、神経学的不均衡など共通した危険因子があり、実際にアプリで収集したビッグデータを解析することで両者の相関関係が明らかになったそうです。ここからは筆者の想像になりますが、ドライアイの症状がある人はそれだけ生活習慣に問題を抱えていたり、デジタル環境でストレスを受けやすかったりもするでしょう。心のケアにも要注意かもしれません。
診断もお手軽だし、こんなふうに研究に活かされているのを知ると「続けてみようかな」という気持ちになりやすいかも。目の症状が気になる方は試してみてはいかがでしょうか。
記事を書き終え、目を労るために近所の公園でぼんやりお花を見てきました。春だなあ