ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

  • date:2022.4.7
  • author:川崎 啓太

大学発広報誌レビュー第28回 群馬大学「GU’DAY」

学生参加型だから生まれるコンテンツの数々。

日本全国の大学が発行する広報誌を、勝手にレビューしてしまおうというこの企画「大学発広報誌レビュー」。第28回目となる今回は、群馬大学が発行する「GU’DAY」を取り上げます。

 

群馬県内に4つのキャンパスを構える群馬大学。受験生向けサイトが群馬を題材にした漫画とコラボして注目を集めていますが、年に2回発行する広報誌もかなりの充実ぶりです。「GU’DAY(グッデイ)」最大の特徴は、在学生広報チーム「学生広報大使」が編集と記事作成を担当して、学生ならではの目線から群馬大学をPRしていること。この「学生広報大使」が実に多彩な情報発信を行っている点についても、あわせてレビューします。

 

第11号の特集は「群大生の生態図鑑」。在学生が大学生活のリアルなイメージを語ってみせるのは、まさに大学の広報誌の王道的な企画です。しかしこの「生態図鑑」は、通り一遍の情報に終わりません。生協食堂の名物メニュー、4キャンパス周辺の詳細なお店マップなど、おそらく群大生スタッフがそれぞれのオススメを出し合った情報を8ページに渡って掲載。スーパーの特売日を活用すればポイントが貯まりやすい、キャンパスに近い自動車教習所なら授業の空きコマに受講できるなど、群大生の生活が見えてくる誌面です。

高校生・在学生が知りたい地元情報がぎっしり

高校生・在学生が知りたい地元情報がぎっしり

 

特集以外のページも「学生広報大使」のメンバーがインタビューを担当。高校生向け、在学生向けと記事を読んでほしい対象者を明示した上で、Q&A方式で読みやすい記事に仕上げています。大学の広報活動を支えるだけでなく、学生だからこそ気付けることや素直に驚けることがあり、語り手の言葉を引き出せている部分があると感じました。ちなみに卒業生の仕事場を訪問する記事では写真部に所属する学生が撮影を担当しており、写真のクオリティもしっかりしています。

誰に向けて書かれた記事なのかを分かりやすく表示

誰に向けて書かれた記事なのかを分かりやすく表示

 

「学生広報大使」は2017年に120人余りでスタートしたそうですが、2019年度には276人にまで拡大。これは全学部生・大学院生の5%近くが登録していることになります。この組織規模を活かせることもあるのでしょう、活動内容は広報誌編集の他にも、オープンキャンパスなど高校生向けイベントの対応、オリジナルグッズの企画やデザインなど実に多彩。また、Zoomを使ったラジオ番組を配信したり、TikTokに各キャンパスまでの道筋案内を投稿したりと、Z世代ならではのデジタル・SNS広報も非常に活発です。

自分が通う大学に愛着を持った学生が大学の魅力を発信するチームに入って、主体的に行動しながら下の学年に組織を受け継いでいく「学生広報大使」。学生参加型広報の理想の姿だと感じました。

イントロページで「学生広報大使」発信のSNSを紹介

イントロページで「学生広報大使」発信のSNSを紹介

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