さて皆さま、『360°(サンロクマル)』というウェブサイトはご存じでしょうか。この3月に現れた、京都大学生がさまざまな京大関係者を取り上げるというメディアサイトです。「京大の面白さを余すことなく発信するメディア」を標榜する『360°』、いったいどんな人たちが運営しているのか。サイトを運営する“中の人”にお話を伺いました。
ところで『360°』って?
『360°』は2017年3月に「京大の面白さを余すことなく発信するメディア」をめざして開設されたメディアサイト。
いろいろな活動をしている京大生のインタビュー記事やクラブ・サークルの記事、恋愛を真面目に考えるなどなど、多岐にわたる記事が公開されています。
去る3月24日の京大卒業式では、毎年恒例の卒業生のコスプレフォトをTwitterアカウントでリアルタイム配信。Twitterで話題となり、ネットニュースなどにも取り上げられました。
まとめ記事はこちら。
コスプレの祭典「京大卒業式」が今年も尋常じゃない【2017速報】
コスプレの祭典「京大卒業式」の裏側!【2017年・現場からの詳細報告】
その他にも
「カレーになりたい」 その愛は縦横無尽。 京大カレー部・石崎楓の「全てをカレーにする野望」とは
や
GANGSTERSの主役はもはやこの人たち?【アメフトから日本の大学スポーツを変える挑戦】
など、京大生が内からみたおもしろいことを発信しています。
(京大カレー部については、こちらの記事を見た後、本を即購入しました。こちらもおすすめ!)
京大こと京都大学といえば、関西随一の国立大学。頭が良くて個性的な人が集う大学というイメージが根強くあります。
とはいえ、自分が京大生じゃないと、京大って結局どういうところなの?というのが本音でもあります。
このメディアサイトを運営してるのはどんな方たちなのか、気になったので直接話を伺ってきました。
京大生がおもしろいをめざす、『360°』
今回話を伺ったのは、『360°』編集部の代表、松村真仁さん(京都大学総合人間学部4年生)と副代表の浅原祐太さん(京都大学総合人間学部4年生)。
代表の松村真仁さん(京都大学総合人間学部4年生)
副代表の浅原祐太さん(京都大学総合人間学部4年生)
――まず始めに、このサイトを立ち上げた経緯は?
浅原さん「このサイトの大目標は、『京大生が見るメディア』にしたいというのがあります。
京大生が見るメディアってどんなものか?となると、やっぱりおもしろいと思ってもらうのが一番かなと。じゃあ何がおもしろいのか、人もおもしろいし、京大の中でもおもしろい物事はいろいろあります。その中でコンテンツとしておもしろいと思うものを、ジャンルを限らず全部載せようということで、いろいろな記事を掲載しています」
――記事は編集部の中で企画・制作されているんですか?
浅原さん「編集部主導の企画もありますが、いろんな人が情報を発信できるメディアとして運営しています。メンバーは固定ではなくて、都度『こういう記事を載せたい』と手を上げた人に書いてもらう形です。コアメンバーは現在5人。もちろん寄稿だけでなく編集部が企画制作している記事もあります」
松村さん「このサイトを通じて何かを実現したい人がいればOKで、企画を持ち込んでもらうこともありますね」
浅原さん「サイトの管理や記事の編集、戦略などはコアメンバーが担っています。あまりにもメディアの趣旨に沿わない記事はお断りすることもあります」
なるほど。執筆は発信したい人が行っているそうですが、掲載前には必ず編集部のチェックが入るそうで、自由な投稿サイトというものではないそう。
――これまでの記事で特に反応がよかったのは?
松村さん「やっぱり卒業式でしょうか。ツイッターでもかなりリツイートされ、流入も多かったですね」
浅原さん「まだ立ち上げ早々で『360°』を知らない人が大半だったこともあり、まず知名度を上げたいという目的があってやった企画なんです。かなり拡散されましたし、狙い通りの効果が出たなと感じます」
松村さん「あの日はTwitterのリツイート通知が鳴り止まなくて、まるで芸能人になったような気分でした(笑)」
話題になったツイートの一部。当日は『360°』の公式ツイッターでリアルタイムに情報を流していました
――定期的に記事の更新など、メディアサイトを運営するのは大変だと思いますが、苦労したのはどういうところでしょうか?
浅原さん「まずこういうメディアサイトの運営は経験がなかったので、どうやったら成功するのかとか、組織としてやって行くにはどうしたらいいかを考えるのがとても大変でした。今はまだ『360°』というメディアそのものが知られていないので、認知拡大をめざしています。なかなか拡散しないのが悩みどころですね」
松村さん「戦略は浅原さんが担当してくれているので、僕の方はメディアの方向性をコントロールする方に力を注いでいます。方向性がぶれないように、どんなプランでやっていくか、どんな人にメンバーとして協力してもらうかとか。
僕らも今年4年生になり、組織を後輩に引き渡す必要があり、そのあたりも今悩みどころです。全部初めてのことなので手探りで、まだいろいろと考えている最中です」
――ありがとうございます。では、当面の目標はどういうところなんでしょうか?
浅原さん「まずはメディアとしての認知度を上げていきたい」
松村さん「僕は長期的なところで、『どんなメディアにしたいか』を考えています。
おもしろいメディアにしよう! という最初の目標を大切にしているのですが、じゃあ『どんなものがおもしろいのか』、おもしろいの意味を考えている最中です。その中で、外から見たおもしろさだけを追究するのではなく、自分たちが楽しみながらコンテンツを作り、愛してもらえるメディアをめざしたいです」
――このメディアに関わって得たものは?
浅原さん「僕はメディアを通じて人のつながりができるのが醍醐味だと思います。いろいろな人に関わって視野も広がりました」
松村さん「発信することの気持ちよさを知れたことでしょうか。
実は自分から何かを発信するのは苦手な方でして……。でも、トライしてよかったと思っています。この経験をここで終わらせず、自分や周りの人にもリレーしていければと思っています」
――ありがとうございました。
色々お話しを聞いていると、本人たちが感じている「京大生はおもしろい」を発信されているんだなというのを強く感じました。
京大はおもしろい、というのは漠然と感じていましたが、ではどこがおもしろいのかどんな人がいるのか、そのリアルな感覚をこのメディアでなら知ることができそうです。
とくにインタビュー記事ではインタビュアーの方がおもしろいと思うことがしっかりと書かれていて(しかもこれがすごくおもしろいんですが)、もっといろいろな人にこのサイトを知って欲しいというのが本音です。
このサイトや今回お話しを伺ったお二人を見ていると、いかに私の中の「京大像」が固定観念にとらわれているかを感じました。まだまだこれからどんなおもしろいものが出てくるか、『360°』に注目です!