これって拡大したらどうなっているんだろう?
そんな疑問を誰もが一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。
その疑問を解決できる道具、顕微鏡。
大阪大学では、夏休みにこども向けのイベントが多数実施されており、そのうちのひとつ「2017体験!こどもミュージアム」で顕微鏡に関するイベントがありました。
今回は「見えないものを見る」~顕微鏡の世界~と題されたこのイベントについてインターンシップ生の私たちがレポートします!
ここでは、こどもたちは手作り顕微鏡とデジタル顕微鏡、電子顕微鏡の三種類の顕微鏡を実際に体験し、肉眼では見ることのできない世界を感じていました。
それでは、それぞれの顕微鏡を使った体験を紹介していきます!!
ハンドメイドで顕微鏡
顕微鏡といえば、学校で使う金属製のモノを思い浮かべる人が多いと思います。
まずは、その顕微鏡を自分で作る!というコーナー。
「レンズもいるし、大変そう…」と思いがちですが、実は、紙とガラスビーズで完成してしまいます!
紙でできたキットと説明シート
これでどうやって作るの…?
こどもたちも不思議そうに用意されたものを眺めています。
そんななか、さっそく先生の説明と一緒に手作り体験がスタート。
まずは形通りにカットする作業から。みんな真剣です!!
カットできたものは、順番に組み立てていきます。
順調に進んでいくなか、こどもたちが最も苦戦したのは穴をあけた紙にビーズを挟む作業。
このビーズが顕微鏡のあの“レンズ”の役割をしていたのです!
そして手作り顕微鏡本体が完成!
見たいモノを準備し、ようやく覗いてみることができました!
手作り顕微鏡のなかを覗き込むこどもたち
玉ねぎの皮や、コルクなどいろんなモノをさっそく覗いてみる…
意外に拡大されて見えたのだとか!!!
この手作り顕微鏡は、17世紀頃、レーウェンフックというオランダの科学者が作った顕微鏡を参考としています。彼は独特の構造を持つ単レンズ顕微鏡を製作したことで知られています。
かつて、学者以外の庶民もこの原理を利用して顕微鏡をつくって研究していた、といった先生からのエピソードも。
こどもたちの真剣に覗いている姿が印象的でした♪
つくしの胞子は動く!?魚の年齢が鱗で分かる!??
このコーナーではデジタル顕微鏡を使って、肉眼ではよく見えない胞子をこどもたちに見せていました!
真剣にモニターを見つめるこどもたち
皆さんはつくしの胞子を見たことがありますか?
実は、水分を与えると丸くなるんです!
水蒸気をかけると…
丸くなりました! 乾くと戻ります
この仕組み、胞子にある「弾糸」が水分を含んで膨らむことで起きるそうです。
水がある場所でしか生きることができないつくしは、水のあるところでは丸まって留まり、乾いたところでは広がって風に飛ばされやすくするんだそう。
こどもたちも「すごい!動いてる!」とはしゃぎながら、実際に自分で水蒸気をかけて
丸くなる胞子を楽しんでいました。
つくしの胞子のほかにも、ジャガイモの澱粉やコルクを見ることができましたが、中でも面白かったのが魚の鱗。
なんと、鱗は木と同じように年輪があり、これを数えることで魚の年齢が分かるんです。
これにはこどもたちも「こんなんなってるんや~!」と驚き。
普段見ているものと拡大されたものの違いを堪能できたようです。
ちなみに、このデジタル顕微鏡よりも先ほど登場した手作り顕微鏡の方が高倍率なんだとか。
どちらも体験した男の子は「あっち(手作り顕微鏡)の方がおっきく見えた!」と、比べてみていました。
最新型の顕微鏡!「ろくまるくん」
手作り、デジタル、そして最後に最新型の電子顕微鏡が登場!
この顕微鏡は、なんと最大6万倍まで拡大可能! つまり肉眼で見る6万倍近くで見られるということ!
名前はJCM-6000、通称「ろくまるくん」と呼ばれています!(カワイイ!)
この体験コーナーでは、ろくまるくんの操作を体験することができました!
まずは、ろくまるくんの操作説明から。みんな真剣!
今回は、顕微鏡で見るものを、アリ、クモ、紙、シャープペンシルの芯、ボールペン、カッター、消しゴムの中から選び、自分で操作していきます。
そして自分で範囲を決め、プリントアウトします。
その写真はゲットできます!
シャープペンシルの芯の写真を眺める女の子
私が取材をしていると、ひとりの女の子が「これ何やと思う?」と聞いてきてくれました。
「何やろ~難しいなぁ~」と答える私。
「これはカッターやで~」と女の子が楽しそうに話してくれました♪
ほかにも自分で気づいたことをメモする子もいて、みんな各自で楽しんでいたようです。
見えない世界を見るのはおもしろく、つい私も一緒に見入ってしまいました!
もらった写真を見せてもらいました!!(こちらはシャープペンシルの芯)
最後には、これはなんでしょう?クイズもあり、みなさん楽しそうに参加していました!!
セミナー以外も楽しめる!
会場となった博物館の二階では、顕微鏡に関する常設展示も行われており、国産初の電子顕微鏡をはじめとしたさまざまな顕微鏡や、最新の電子顕微鏡を用いた研究成果などが紹介されています。
この他にも、大阪大学のルーツや、日本で初めてワニの化石が発見された待兼山に関する展示も!
博物館には展示だけでなくテラス席付のカフェもあり、いろんな楽しみ方ができます。
緑豊かな素敵な場所なので、みなさんぜひ足を運んでみてはいかがですか?