コロナ禍で開催予定だったイベントが中止になったり、オンラインイベントに移行したりしているなか、大学祭も多くの大学がオンラインで実施された。調べてみたところ、オンライン大学祭の特設ページは、どこも各大学のカラーがでていてみているだけでも楽しい。そのなかでも今回は、東京大学の第 70 回駒場祭に注目!東大に足を踏み入れたことのない筆者が「ぜひ私に!」と原稿執筆者として手を挙げた。
まずはウェブサイトをみてみましょう。
2020年11月21日(土)~23日(月)の3日間で行われた駒場祭。企画内容や各団体のSNSやブログ等による活動を閲覧しているだけでも楽しい。ホームページのクオリティーの高さに当日への期待がさらに高まる
今年のテーマは「かざり」。小豆色と白色を基調とした和風なデザインのトップページ (第 71 回駒場祭のウェブサイト)を開く。情報量の多さにどれから見ようか迷ってしま うところだが、探しやすい工夫がなされている。
特筆すべきは、何と言っても企画数の多さだ。展示、物販、参加型、ライブなど計 9 つの コンテンツがあり、企画総数は 394 もある。そこで、「みどころ企画」から 2 つ(こちら は企画数が絞られているから選びやすかった)、参加型(こちらは無数にある企画を赴く ままに閲覧し、びびっときたものを選んだ)から 1 つを選ぶことにした。 選んだのはこちら。
・東大 LEGO 部展示(展示/ライブ/カルチャー)
・なるほど実感!サイエンスミュージアム@駒場 (展示/参加型/ライブ/学術・自然科 学)
・ずぼら女子大生の1日を救え!(参加型/ライブ/学術・人文科学)
【1】東大 LEGO 部展示
今年で創立 13 年目を迎える東大 LEGO 部。LEGO という懐かしい響きに誘われ…どんな企画 があるのかを調べたところ、“LEGO しりとり”という企画が目に留まる。なんとなく、ど んな企画か想像はできるが、実際に見てみたい。これにしよう。
配信は、Youtube にて。2 日目の 17 時にゆるーく始まった。
トップバッターの学生さんによりつくられたのは“レモン”。あれれ?“ん”がついてしまった と仕切り直し。頭文字はそのまま“れ”でいくこととなり、気を取り直して器用に LEGO を組み立てていく学生さん。
参加人数は6名で、画面に写っているのは2名。左の学生さんが主のプレーヤー、右の学生さんは何をつくっているのか想像しながら、自身が次につくるものをシンキング。最初のワード“れいぞうこ”のあとは、こま→まきじゃく→くじゃくと続き最後は“みかん”で終わりましたとさ。(ちゃんちゃん)
ある程度かたちがみえてきたところで、次のプレーヤーである隣の学生さんが「これ、分かっ た時点で答えいってもいい?れいぞうこ!」。どうやら…ルールは、今、決まったようだ。
幼児期の知育として活用される LEGO。東大の学生さんは、幼少期 LEGO で遊んだ人が多い のでは?とか想像しながら、ひたすら夢中に楽しく LEGO をつくる学生さんに心が洗われました。
【2】なるほど実感!サイエンスミュージアム@駒場
まったく科学に興味関心がない筆者だが、こんな機会がなければ自発的に触れることはないだろうと 2 つ目の企画はこちらに決めた。企画を主催するのは、東大の科学の面白さを伝える団体東大CAST(CommunicAtors of Science & Technology)だ。日ごろ、小学校や中学 校などでサイエンスショーや出張理科実験教室などを精力的に行う学生団体なようだ。
気になるのは企画の内容だ。サイエンスアトリエ(身近な材料を使ってつくる工作)、サ イエンスミニゲーム(実験動画に絡めたシミュレーションと振り子)、など計 9 つの企画 が連なる。内容をみていると、どれもしっかりとつくりこまれていて、どれを選んでも楽 しそう。いつも時間に追われている筆者だが、時間とうまく付き合いたい!そんな理由で 今回は実験動画『時間が見える!?時計の歴史をウォッチング!』を閲覧することに決め た。
Youtube 動画が貼られた企画ページをクリックすると、約 20 分程度の動画がはじまる。何 千年も昔、現在の時計ができる前は、どうやって時間を測っていたのか。火時計、水時 計、振り子時計、水晶時計…。それぞれの歴史をどうやって測っていたのかをわかりやす く動画とイラストで解説してくれる。
漢字や英語にはフリガナがふられており、子どもで楽しめる企画となっている。企画のWEBページには、動画内容の振り返りや動画で紹介される水時計の作り方が掲載されている。さらに興味を深めたい方にやさしい工夫がなされている
【3】ずぼら女子大生の1日を救え!
最後は、今回選んだ企画のなかで最も興味を持った「ずぼら女子大生の1日を救え!」。 主催するのは、ずぼらが生きやすい社会を作りたいをモットーに活動している学生団体 「ずぼらのメガネ」。Zoom での 1 時間半程度のワークショップが行われるとのことで、参 加することに決めた。
ワークショップは、➀“朝の支度の時間が足りなくてストレス!”そんな悩みをリスト化 して解決しよう②“忘れ物が多い、部屋が片付かない…”そんな悩みを物理的な側面から解決しよう③“ずぼらさんを救う便利なアプリ”を紹介の 3 つで構成されていた。
Zoomを使用したワークショップでは、私を含めて13名が参加。ずぼらさんに役に立つライフハックばかりだった
代表の Rie さんが司会進行等を務められ、各課題に対しての解決策をアドバイザー(学生 さん)が提案していくかたちで進められた。途中、参加者自身も自分の課題を書き出したり、チャットにコメントする場が設けられ(もちろん強制ではない)、筆者自身も自分の 課題をゆるく整理することができた。
特に印象に残ったのは、②“忘れ物が多い、部屋が片付かない…”そんな悩みを物理的な 側面から解決しよう。
これはある課題(例えば部屋が片付かない)が何に萎えて行動に移せないのか、それらの何が手間なのか、そしてその手間を物理的に解決しようというものである。
ハッとした気づきは、手間に関する考え方。タスクに対する手間を“思考の手間”(これをやってあれをやって…と順序などを考えること)と、“行動の手間”(この行動をするために、これを用意して…等を考えること)にわけ、それらをいかにシンプルにするかということ。実行に移す前にいまいちど自身の課題を書き出してみたら、「これ、要らない!」という手間があるかも
筆者もれっきとしたずぼら女子(おばさん)だが日ごろ抱えている問題をこうやって一緒 に考えるっていいなと。東大生のアイディアのシャワーを浴びて、すっきり。すぐに実践 したいことばかりでした。
終わりに…今回駒場祭を盛り上げてくれた駒場祭公式マスコットこまっけろ。
もう文化の秋は過ぎさり、2021 年がスタートしてしまったが、まだまだ外出するのが難しい昨今、駒場祭の公式サイトは今でも閲覧可能なので、追い文化祭をするのはいかがでしょう。