寒さが厳しく、あたたかいものが恋しいなあと思っていたところ、龍谷大学農学部が新鮮な果物や野菜を使ったジュースを手軽にいただけるショップ「Juicer Bar (ジューサーバー)」を運営する株式会社京阪レストランとコラボレーションして、「かぼちゃスープ」という商品を限定販売するというニュースが飛び込んできました。記者発表が行われるとのことで、お邪魔させていただきました。
土にまみれるのも楽しい! 広大な田畑で、農と食を体験学習
まず、龍谷大学農学部と株式会社京阪レストランがコラボしてスープを販売する経緯をご紹介しましょう。龍谷大学農学部では、滋賀県大津市に農場を構えており、ここを舞台に「食の循環実習」という授業に取り組んでいます。この授業は、農学部にある植物生命科学科、資源生物科学科、食品栄養学科、食料農業システム学科の合同で行われ、農作物について作付けから栽培、収穫、加工、販売、消費、廃棄物の再利用まで一連のサイクルを学びます。
そんな実習のスピンオフとして企画されたのが、今回のスープの販売なのだとか。「学生たちが丹精を込めて育てた農作物がどのような商品になり、どんな人に食べていただいて喜んでもらえるのか、体験してもらうことが狙い」と、本企画の中心人物の一人、食物栄養学科の山崎英恵先生は語ります。
「食の循環実習」は1年後期〜2年前期に実施
バターのようであり、ナッツのようでもある。スープにぴったりのかぼちゃ
農場では米や大豆、小麦、落花生、ナスなどが栽培されていますが、スープの材料として白羽の矢が立ったのが「バターナッツ」というかぼちゃです。日本ではあまりなじみがないのですが、アメリカではポピュラーな野菜で、ナッツのようなコクと風味、バターのようなクリーミーさからこの名前が付いたのだそう。日本で流通している西洋かぼちゃと違って繊維質が少ないので、スープの材料としてもってこい。ビタミンA、C、Eも豊富で栄養満点、抗酸化作用、美肌作用、さらに風邪予防にもなることから、「寒い時期にがんばる受験生を応援する」のにぴったりだと採用が決まりました。
さらに、バターナッツは病害虫に強くて育てやすいうえ、「3カ月以上保存可能で流通させやすいことも、今回の企画に適していた」と、実習の指導にあたる植物生命科学科の吉良徹先生はいいます。
瓢箪のような細長い形が特長のバターナッツ
まるでかぼちゃのクリーム。なめらかさと甘さのハーモニーがたまらない!
さて、龍谷大学農場で育ったバターナッツがどんなスープになったのか。なんと試食させてもらうことに! さっそくいただくと、驚くほどなめらかで、まろやかな甘さ。かといって、しつこさはなく、気持ちまでほっこりとあたたまります。
「バターナッツのなめらかさ、甘さを最大限に活かすため、味付けはたまねぎとブイヨンだけとシンプルにしました」と、Juicer Barの商品開発担当者。「私たちが思っていた以上においしいスープができたので、受験生はもちろん、たくさんの方に味わっていただきたいですね」と、山崎先生も太鼓判を押します。
おなかも満たせるようにと、ビックリするほど大きなクルトンがゴロゴロ
カップのQRコードにアクセスすれば「バターナッツ」の詳細がわかる
頭と心にエネルギーチャージ。がんばれ、受験生!
記者会見では、バターナッツの梱包や出荷に携わった資源生物科学科2回生の中川鮎実さんからも話が聞けました。「『食の循環実習』では他学科や他学年の学生と交流を持てるし、農作物の栽培についてだけでなく、流通や販売など農と食の流れを学べるのがいいですね。今回のバターナッツかぼちゃスープに対して、消費者の方がどんな反応をしてくれるかも楽しみです」とのこと。勉強、試験疲れをこのスープで癒やし、志望校に合格してほしい!と受験生にエールも送ってくれました。
龍谷大学農学部では、このスピンオフ企画をきっかけに、外部とのコラボレーションを推し進め、商品を通じて、食・農の大切さを伝えていきたいとのこと。次はどんなおいしい商品が登場するのか楽しみです。
スープのできに中川さんも大満足!
かぼちゃスープは「Juicer Bar淀屋橋店」にて1/28より販売 ※バターナッツがなくなり次第販売終了