「サードプレイス」という言葉を聞いたことがありますか? わたしは最近聞くようになりました。でも「サードプレイス」って何なのか知らない…。簡単に調べてみました。
「サードプレイス」とは、自宅、職場に続く、第3の居場所であり、新たな交流が生まれる場所である、ということだそうです。
そんな大切な場所であるサードプレイスを、地元の方のために作ろう! という動きが桃山学院大学の「サードプレイス~シェア桃大~」プロジェクトです。今回はそのプロジェクトに参加している学生の方々にお話をお伺いしてきました!
サードプレイス ~シェア桃大~」ができるまで
サードプレイスが重要視されつつある場所であるということは理解したのですが、ではなぜ桃大がサードプレイスをつくることになったのでしょうか?
実は元々は大阪府が考案していたプロジェクト(商店街の空き店舗などに地域活性化につながる店舗などを誘致するもの)に社会学部 社会福祉学科の松端(まつのはな)ゼミが応募したのがきっかけ。
選考には惜しくも外れてしまったのですが、その応募内容に興味をもった和泉市が協力を申し出て「サードプレイス ~シェア桃大~」が実現した、ということだそうです。
商店街活性化&子育て支援をめざして
「サードプレイス~シェア桃大~」は、2015年の9月に仮オープンを果たし、10月から本格的に運営スタートしました。
現在1ヶ月ごとの予定が発表され、市民の生活支援や子育て支援を目的にした企画が開催されています。企画は桃大の学生たちが考えたものだけではなく、和泉市を中心に活動する市民団体による手作り商品の展示販売やワークショップなども行われ、商店街の活性化に一役買っています。詳しくはホームページをご覧ください!(サードプレイス ~シェア桃大~)
わたしがおじゃまさせていただいた日は、桃大の学生が小学生~中学生の生徒たちに勉強を教えるという企画が開催される日。生徒たちが来る前に学生のみなさんにお話しをお聞きしてきたので、ここからはインタビュー形式でごらんください!
サードプレイス学生代表・小林さん(3年次生)
サードプレイス学生副代表・魚山さん(3年次生)
サードプレイス学生スタッフ・西村さん(左・3年次生)と今井さん(右・3年次生)
――サードプレイスに参加されることになったきっかけを教えてください。
小林さん:わたしたち全員、このプロジェクトの主軸となっている松端先生のゼミ生だったことがきっかけで参加するようになりました。そしてわたしがゼミ長を務めていたので、そのままサードプレイスでも学生代表として活動させていただいています。
――学生企画である勉強会を開催する上で苦労したことはありますか?
小林さん:広報活動ですね。主に子どもを対象にしているので、保護者の方に知っていただくのはもちろんですが、子どもたちに直接アプローチすることも大事。そう思い立って、11月に「いずみ音楽祭」というイベントで、商店街の店舗にご協力いただき、店舗を巡ってスタンプを集めるスタンプラリーを開催しました。
今井さん:スタンプラリーの参加は1人1回のみって説明しても何回もまわってくる子がいたりして(笑)大変だったけど、楽しんでくれているのが伝わってきて良かったです。
――では、楽しいときはどんなときですか?
西村さん:勉強のことだけじゃなくて、最近のはやりとか、ちょっとした世間話などもするのですが、新しい世界を知れるんです。そんな時、楽しいなと感じます。
小林さん:子どもたちと話すことが楽しいです。ここは学校や塾ではないので、わたしたちは子どもたちにとって、近い存在なんです。勉強も教えるけれど、一緒におやつを食べたり遊んだりもする、近所のお兄ちゃんやお姉ちゃん的な存在でありたいなって思っています。
この日もおやつを食べながら談笑している場面が
――このプロジェクトに参加し、自身の成長を感じるときはありますか?
魚山さん:子どもたちの対応にマニュアルがあるわけではないので、どこを褒めてあげるか、どこで叱るべきなのか、そういったものを自分たちで考えて行動しています。そんな時には自分の成長を感じますね。今後も、子どもたちの成長を見守るのはもちろん、自分も成長していきたいと考えています。
――今後の展望はどのようなものですか?
魚山さん:学生とサードプレイスを利用してくださる市民団体が共同してできるイベントをつくっていきたいです。あとは、後輩たちにつなげていきたい。すでに現在、2年次の学生が企画してくれています。
僕たち学生は大人に比べて失敗することも多いです。ここは遠慮せずに、周りの大人に頼って成長できる場所。学生である僕たちにとっても、ここが「サードプレイス」であるように展開していければな、と思っています。
小林さん:現在、小学4年生の子たちが中心になって利用してくれているのですが、今後はもっといろんな学年の子どもに利用してもらいたいですね。あと、学校で貧困家庭などについて専門的に学んでいることもあり、経済的な理由で塾などに通えない子どもたちに利用してもらいたいと考えています。ただ、対象をしぼってしまうと、利用しづらくなってしまうので、その辺りをどう対処していくかがこれからの課題だと思っています。
「子どもたちが勉強している横で一緒に作業することが多いです」と小林さん
宿題に励む子どもたち。計算ドリル…、懐かしい…!
学生とは思えない、しっかりとした対応をしてくれたみなさん。先を見据えて行動されていて、同年代とは思えませんでした。桃大が中心にたってつくりだす「サードプレイス~シェア桃大~」。今、住民のみなさんの認知が徐々に進み、学生企画以外の企画においても利用者が増えているそうです。
今回お話を聞かせていただいて、名実ともにサードプレイスとして地元の方から必要とされる日もそう遠くないように感じました。