ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

  • date:2015.5.26
  • author:花岡 正樹

大学はこう使え! 第1回 大学ビギナーは大学博物館を利用せよ!

追手門学院大学「宮本輝ミュージアム」の内観

大学はやっぱり入りづらい。

学生以外にとって大学は入りにくい。門の横の詰め所に守衛がいて、「関係者以外立ち入り禁止」と書かれた看板がドンッと置かれているところもよくある。私のような英国紳士然とした身だしなみをした男(ぜんぜん怪しくない)であっても、正直、大学関連の仕事をしていなかったら近寄らなかったのではないかとさえ思う。

 

とはいえ、大学は面白い。いくら都心にあっても外部と切り離されたのびのびした空間が広がっているし、歴史的な建造物があるところも少なくない。一般の人が利用できる施設や、楽しめる催しだってたくさんある。なかに入ってしまえば意外なほどウェルカムなのに入りにくいだなんて、すごくもったいないことである。で、考えてみた。大学にほとんど足を運んだことのない人は、まず「大学博物館」を使ってみたらいいんじゃないかと。

大学博物館のここがステキ。

では、大学博物館の何がいいのか? まず一つに、一般の人を対象にした施設であることが挙げられる。つまり、もし万が一、ふらふらと大学に入って守衛に止められたとしも、「あ、博物館に来たんで!」と元気よく答えれば、そうですかと納得してくれるし、多少でも気の効いた守衛なら丁寧に場所を教えてくれるはずである(たぶん)。

 

もう一つは、大学博物館は一般の博物館と異なり、基本的に展示されている品々が研究資料なのである。研究資料というのは、読んで字に書くごとく、研究するために集めてきた資料のことを指す。つまり、展示を目的に集めたものではない。そのため、なかには見栄えしないものや、ちょっとわかりにくいものもある。でもだからこそ、研究の生々しい足跡を感じ取ることができるし、装飾されていないリアルさを感じることができる。これもまた、大学博物館ならではの良さである。

大学博物館の多彩な世界。

実はひとことに「大学博物館」といっても、いくつかのタイプがあるのをご存知だろうか。一つ目は、総合博物館。幅広いジャンルの展示がされており、大学の学問や研究の奥深さを一番ダイレクトに感じられる博物館・オブ・ザ・博物館である。代表的なものだと「東京大学総合研究博物館」や「京都大学総合博物館」、それに「大阪大学総合学術博物館」などが挙げられる。

調べてみると旧帝大には、すべて博物館が設置されており、名古屋大学以外は“総合”の名を冠していた。やはり歴史があり、研究領域もだだっぴろいため、自ずと多種多様な資料が集まってくるのだろう。

マチカネワニのマークが目を引く大阪大学総合学術博物館の入り口

マチカネワニのマークが目を引く大阪大学総合学術博物館の入り口

歴史を感じさせる大阪大学総合学術博物館の外観

歴史を感じさせる大阪大学総合学術博物館の外観

二つ目は私立大学に多いタイプで、教育内容(学部学科)と関連のあるいくつか、ないし一つのテーマにしぼって展示するタイプの博物館である。たとえば、京都・西本願寺の学寮を起原とする龍谷大学では、仏教をテーマにした総合博物館「龍谷ミュージアム」を運営している。また「禅」の精神を重んじる駒沢大学なら「禅歴史博物館」を、関西唯一の音楽単科大学である大阪音楽大学なら「音楽博物館」を学内に設置したりしている。 これら博物館は、展示を通して大学の特色を強くアピールしているので、展示を見るとどんな大学かが自然とよくわかる。それにテーマが明確なため、自分の興味に合う博物館を見つけやすいというのも利点である。

龍谷ミュージアムの外観

龍谷ミュージアムの外観

龍谷ミュージアムの貴重な仏教関連の資料 (ベゼクリク石窟復元大回廊 撮影:東出清彦)

 

 

そして最後、三つ目に挙げるのは、創設者や著名な卒業生の偉業を称えるタイプの博物館である。このタイプのものは比較的規模は小さく、図書館内部や建物に隣接して設置されていることも少なくない。 代表的なものだと、追手門学院大学の「宮本輝ミュージアム」、明治大学の「阿久悠記念館」、東洋大学の「井上円了記念博物館」など。人物にフォーカスしているため内容が具体的でわかりやすく、ファンならもろ手をあげて喜ぶようなレアな展示もたくさんある。研究を知る、というのとは少し違うが、これはこれで大学の魅力がつまった博物館なのだ。

追手門学院大学「宮本輝ミュージアム」の内観

追手門学院大学「宮本輝ミュージアム」の内観

同ミュージアムには宮本輝氏の直筆原稿などもある

同ミュージアムには宮本輝氏の直筆原稿などもある

とりあえず、行こう。

かなり強引にわけてみたが、大学博物館で主流になるのはおそらくこの3つのタイプである。他にも、博物館より水族館にちかい東海大学の「東海大学海洋博物館」や、マンガ図書館と博物館が融合した京都精華大学と京都市が共同運営する「京都国際マンガミュージアム」など、博物館の範疇におさまらない魅力的な大学博物館はけっこうある。でも、語り出すとほんとキリがないので、今回は割愛させてもらうことにした(ゴメンナサイ)。

 

ちなみに大学博物館の情報は、大学の公式HPを調べるとだいたい掲載されている。ただし、すべての大学に博物館が設置されているわけではないので注意してほしい。

 

初夏である。出かけるにはちょうどいい季節である。大学なんて卒業してから行ってないなぁ、なんていうアナタ、大学博物館に遊びに行ってみてはどうだろう。大学は勉強するだけでなく、楽しめる場所だと強く実感してもらえるはずである。


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