ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

  • date:2015.5.18
  • author:高村 四郎

大学発広報誌レビュー第1回 帝京大学「Flair」

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楽しさと読みやすさのオブラート

大学に限らず、企業や自治体、各種団体など、さまざまな組織が「広報誌」を発行しています。その役割は、学生・保護者、市民や顧客といった、いわゆるステークホルダー(利害関係者)に、活動内容をよりよく理解してもらうこと。不祥事が起きれば誌面でも説明責任を果たさなくてはいけないし、めざましい成果があった際には、広報誌で大々的にアピールすることでロイヤルティ(忠誠心)を高めることもできます。つまり広報誌は、組織と社会をつなぐ大事なパイプ役というわけです。

 

今回からスタートする「大学発広報誌レビュー」は、大学が発行している「ひときわ目を引く」広報誌をご紹介するコーナー。第1回は、帝京大学の「Flair」を取り上げます。

 

みなさんも覚えがあると思いますが、官公庁をはじめ公共性の高い団体が発行する広報誌の多くは、おかたい文章におざなりな写真が添えられていて、とにかく読む気がしないもの。ターゲットを歳若い受験生に絞った大学案内であればやわらかい表現も多用されますが、幅広い読者層に向けた広報誌となると途端に読みやすさを失うのは、担当する部署の多くが、普段受験生と接している入試広報ではなく、法人本部であることも関係しているようです。

 

その点、帝京大学の「Flair」は、表紙をひと目みてもわかるとおり、まるで書店に並ぶ雑誌のようなデザインです。毎号特集が設けられており、最新号の特集は「BRUTUS」でも定期的に取り上げられる“写真”をテーマとした「写真がうまくなるルール」。ちなみに前号の特集は「時間管理を考える8つのヒント。」。「東洋経済」や「プレジデント」で扱われても違和感のない内容です。

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写真を大きく掲載したレイアウトが美しい。

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くみっきーが自撮りの方法をレクチャー。













最新号を読み進めていくと、なるほど読みやすい。ビジュアル要素を多用する一方、白場を大胆に取り入れ、テキスト要素を最低限に留めることで文字アレルギーを起こすこともない。インタビューは木村伊兵衛賞受賞のカメラマン浅田政志や、「with」のモデル「くみっきー」こと舟山久美子をはじめとする、プロの写真家やモデルたち。とにかく豪華です。

 

とはいえ、特集を読み終えるあたりで「これって帝京大学と関係ないのでは?」と頭にクエスチョンが浮かぶことも事実。そんなことを思いながらページをめくると、続いてクラブ紹介に教員紹介といった大学情報が登場。もちろんビジュアルやテキストのクオリティは特集と遜色のないものです。

 

とにかくおもしろい特集で間口を広く設けて楽しく読ませ、その延長線上に大学に関する情報を、特集と同じく「楽しく読みやすいオブラート」に包んで読者に届ける。幅広い読者層に読まれなくてはならない広報誌という媒体特性を踏まえた上での、技アリの工夫です。あらゆる広報誌がこうあるべきとは言えませんが、とかく読みづらいイメージがある広報誌のソリューションとして、「Flair」はひとつの答えと言えるのではないでしょうか。

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大学紹介部分も誌面が洗練されている。

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職員による店紹介。他ではあまり見られない企画だ。

 


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