ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

  • date:2016.3.25
  • author:高村 四郎

大学発広報誌レビュー第9回 東京工業大学「Tech Tech」

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少年の心をがっちりつかむ、
「応援したくなる」広報誌。

日本全国の大学が発行する広報誌を、勝手にレビューしてしまおうというこの企画「大学発広報誌レビュー」。第9回目となる今回は、東京工業大学の広報誌「Tech Tech(テクテク)」を取り上げたいと思います。

東京工業大学は文部科学省が選定する「スーパーグローバル大学」の一校として選出されているほか、英国「タイムズ・ハイアー・エデュケーション」誌による大学ランキングでは、日本国内で3位、アジア圏で21位(共に2015年)を獲得するなど、日本を代表する理工系総合大学です。

その東京工業大学が発行している広報誌が「Tech Tech」。名称の由来は明確ではありませんが、「テクノロジー」と人の歩みの擬音語である「てくてく」をかけたものであると考えてまちがいないでしょう。主に高校生をターゲットとしていることがWebサイト上には明記されています。「東工大のリアルを伝える広報誌」とキャッチコピーが添えられ、年に2号が発行されています。

近年「リケジョ」と呼ばれる女子理系学生にスポットライトが当たるブームがありました。とはいえ理系学生の多くが男子学生であることは紛れもない事実。「Tech Tech」は、そんな理系男子のロマンチシズムを鷲掴みにする心踊る企画にあふれています。

最新号である28号の第1特集は、「重力波の理論を”今”実証する」、第2特集は「消えた火星の広大な海謎に迫る」です。
いかがですか?理系ならずとも男性であれば内に潜む少年の心が首をもたげるのではないでしょうか。

もちろんそこは日本の誇る理系総合大学。看板だけ大仰で、ページをめくると「アインシュタインにちょっと詳しい教員のインタビュー」などですませるようなことはしません。
アインシュタインが100年前に予言した「重力波」。それを観測すべく開発が進められている大型重力波検出器「KAGURA(カグラ)」の研究には、東京工業大学の大学院理工学研究科が参加しています。
この特集では、「世紀の発見」を目指して研究に取り組む現場を綿密に取材し、わかりやすい言葉で大学の取り組みを紹介しています。

ケレン味あふれる「KAGURA」の容貌に胸が高鳴る

ケレン味あふれる「KAGURA」の容貌に胸が高鳴る


その制作方針は第2特集にも貫かれています。かつて広大な海に覆われていたであろう火星。現在ではなくなってしまったその海の行方を探るこの企画。冒頭から惑星科学の一人者である教員の大胆な仮説が提示され、読者は一気に引き込まれます。文字通り天文学的な時間と距離の彼方に、海に覆われた火星を想起させてくれる、なんともロマンに溢れた内容となっています。

火星に水が存在するならあるいは生命体も?!と空想がかきたてられる

火星に水が存在するならあるいは生命体も?!と空想がかきたてられる


これらふたつの特集に共通して言えるのは、一見すると無機質でつまらなく思えてしまうかもしれない理系の研究に「夢がある」と思わせてくれること。特集を読み終えた頃には、嫌が応にも「東京工業大学、がんばれ!」と応援の念を抱かざるを得ない気分になってしまっているのです。

大学広報誌の大きな役割のひとつが、単に活動を紹介するだけでなく、読者にその大学の「ファン」になってもらうということ。「Tech Tech」が見せてくれる科学の「夢」には、多くの(特に男性)読者をシンパにしてしまう不思議な魔力が秘められています。


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