ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

  • date:2018.10.23
  • author:南 ゆかり

濃厚で多彩な「京大らしさ」に迫るスペシャル動画、の裏側に迫る!(後編)

後編_メインのコピー

2018年7月、京都大学が「一言では決して言い尽くせない『京大らしさ』」を「大学」「学生」「教員」の3方向から伝える、スペシャル動画の配信をスタートした。3方向のうち「大学」の魅力発信について紹介した前編に続いて、後編では「学生」「教員」の魅力発信動画のねらいや制作秘話、京大の広報戦略についてスポットライトを当てていこう。

チャレンジャーな学生たちが京大を体現

まず京大らしい「学生」の魅力を紹介するのは、特設サイト「京都大学おもろチャレンジ」だ。

特設サイト「京都大学おもろチャレンジ」

特設サイト「京都大学おもろチャレンジ」

 

「京都大学おもろチャレンジ」とは、「野性的で賢い学生を育てたい」、「異文化を理解し国際的に活躍できるグローバル人材を育成したい」という想いで設立された体験型海外渡航支援制度だ。京大を卒業した財界トップたちによる総長支援団体「鼎会(かなえかい)」の全面的な支援によって2016年度にスタートした。特設サイトでは、毎年30件程度が採択されている、この「京都大学おもろチャレンジ」から選りすぐりのものをピックアップして、活動内容を動画で紹介している。「単に動画にしてYouTubeに載せるのではなく、できるだけ見やすい形で発信していこうとサイトにすることにしました」(広報課情報発信掛長・檀原正憲さん)

広報課情報発信掛長の檀原正憲さん

広報課情報発信掛長の檀原正憲さん


特設サイトを立ち上げた今年は、数名程度を紹介する予定だったが、候補に挙げた学生たちの話を聴いてみたらいずれも甲乙つけがたくおもろかったので、候補となった7名全員を紹介することになった。制作には、テレビ番組やドキュメンタリー番組を得意とする映像制作会社が関わっており、インタビューを中心に3分~4分半ぐらいにギュッと絞り込んだ密度の濃い作品に仕上がっている。


「京大がやっている面白い活動について、学内での認知につながってきているのを感じます。京大出身の先生から『おもろチャレンジに自分もチャレンジしたかった』という言葉をいただきました。とはいえ、残念ながら先生の時代にはなかったんですけどね(笑)」(広報課情報発信掛・酒井悠助さん)

広報課情報発信掛の酒井悠助さん

広報課情報発信掛の酒井悠助さん

おもろい先生たちが動画で語る

京大らしい「先生」方向から魅力を紹介するのは、特設サイト「京大先生シアター」である。3,000名を超える教員や研究者を擁する京大には、あまりメディアには登場していないがユニークな研究を行っている魅力的な先生が数多くいる。そんな中から一気に42名を取り上げ、自分の研究を自分の言葉で紹介する動画を作成し、特設サイトに載せて発信している。
京大先生シアター

京大ぐらいの大規模大学になると、どの学部でどんな先生が何をしているか、広報担当に情報が逐一舞い込んでくるなんてことは当然ない。自力で学内ネットワークを開拓する、部局のイベントに片っ端から出向く、部局に下調べをする、地道にネット検索をする、研究成果の記者発表時に顔見知りになる、アウトリーチ活動に注目する・・・などなど、極めて地道な草の根活動を日々重ねているという。
42本を一気見した。1本1本は短いが、物量があるからかその迫力は相当にある。一度にたくさん見ると、「京大ってすごい感」が増す気がする。もちろん、研究の話だからといって、難しいことを語ったりはしていない。「おもろチャレンジ」動画にもいえることだが、動画だと言葉づかい、表情、ファッションまで、その人すべてを味わい尽くせるのがとてもいい。

「先生シアター」は100本ノックならぬ、100本動画をめざしているとか。すでに、最新作の撮影もスタートしている。「おもろチャレンジ」も今後、毎年海外に雄飛する学生たちから選りすぐりの猛者が登場するのだろう。この一人ひとりが、京大を体現していく。

「『先生シアター』でいろんな先生と知り合いになり、京大の先生はやっぱり面白いなと改めて実感しました。研究内容があまり絵にならないからどうしようかと思っていた先生が、撮影当日、数式をバーっと書き出して、すごくいい絵が撮れたり。動画をつくる私たちも楽しめています」(檀原さん)
「においは薬になりますか?」薬学研究科 伊藤美千穂 准教授01 「ヒトの脳を癒し、ニューロサイエンスに挑む」医学部附属病院 荒川芳輝 特定講師01
「哲学はタイムマシン」人文科学研究所 田中祐理子 助教03 「個人の尊重原理に基づく国家・社会の在り方を探究する」 法学研究科 土井真一 教授02

浮かび上がる「らしさ」

前編で紹介した総長による大学の魅力動画「知のジャングル」を含めて、これらの動画で表現したいのは、「一言では決して言い尽くせない『京大らしさ』」だと京大の広報担当者たちは一貫して語る。5、6年ほど前から主体的な発信をスタートし、いろいろと広報ツールを刷新していったが、ブランディングが定まっていない点は課題として残っていた。京大の119年の歴史の中で、多数の卒業生や教員、学生たちの実績によって醸成されたイメージはあるが、大学自らが、京大=コレ!というものを明確にしているわけではなかった(それが京大らしさだという声も多かった)。いわば、理念やビジョンは明確に在っても、その「見える化」が出来ていなかった。
それでは受け手に伝わらないと、2017年度に手がけたのが「京都大学ブランド策定事業」になる。プロの手も借りて、徹底的に学外調査を行い、今の京大の姿を浮き彫りにし、さらに学内ワーキングを重ね、学内関係者が思う京大らしさを徹底的に洗い出していき、「京大らしさってこうだ」というある程度の方向性を確認した。
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その結果が、「一言では決して言い尽くせない」である。
「多様性」という一言では足りないし、「自由」といってもそれだけではない。日々京大で起こる全てのことが「京大らしさ」を語っている。「一言では決して言い尽くせない『京大らしさ』」をどう表現していくか、その一つの答えが、今回の3方向からのスペシャル動画だったのだ。

「一言では決して言い尽くせない京大の魅力を紹介するには、まず、広報の人間自体が京大のことに興味がないとできません。なので、私たちは常にアンテナを張り巡らせて、京大に注目しています。もはや「趣味は京大です」・笑。京大にはすごくおもろいリソースがいっぱいあるので出さないともったいない、という精神でやっています」(広報課広報企画掛・播さん)

広報課広報企画掛の播真純さん

広報課広報企画掛の播真純さん


 今までに紹介したものも含め、一般人が見ても面白いサイトが多い。たとえば「ザッツ・京大」もその一つだ。ここに掲載されるネタは、日頃メディアに取り上げられるような一軍ネタばかりではない。むしろそれよりも、オフィシャルWebサイトや広報誌といった一軍の根幹をつくり支える「二軍ネタ」が雑多に詰まっている。探検部、ブーメランサークルなどオリジナリティあふれる学生の活動、不老不死や最高の焼きイモを作るといった常識では考えられない研究をしている教員や学生など、京大ならではのネタが雑多に詰まっており、京大をよりマニアックに知ることが出来るサイトといえるかもしれない。(「ザッツ・京大」の誕生秘話はこちらから

「ザッツ・京大」

「ザッツ・京大」


「細かい説明文や凝ったデザインがなくても、それを見るだけで、なんとなく京大らしいと思ってもらえることを意識して、発信しています」(播さん)

京大では、いつもいろんなところでいろんなことが進行している。ネタはたくさんあるが、まだまだ拾いきれていないのが広報担当者の悩みだという。変革し続ける京大広報のこれからに注目したい。

 


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