前回の記事では、今話題の近畿大学の「ウナギ味のナマズ」について、学術的な見地からのお話をお伝えしました。しかし、それよりも肝心の味は?という点が気になった人は多いはず。そのあたりに抜かりはありません。今年の7月24日、土用丑の日限定で販売されたナマズの蒲焼、実食してきました。(参照:ウナギの危機を救う ウナギ味のナマズ誕生)
養殖ナマズを取り上げると決めてから、困っていたのが実食について。販売しているところが少なく、難しいかな…と思っていたところに、土用丑の日に、しかも梅田の「近畿大学水産研究所」に限定で食べられるとの情報を見つけ、ここぞとばかりに乗り込みました。
ご年配や大学生らしき人が多い中、スーツ姿の人もちらほら・・・
この「近畿大学水産研究所」には以前、「近大マグロ」を食べに行ったこと(参照:近大マグロを食す!)がありますが、今日も変わらず盛況でした。11時から開店ですが、開店前にはいつも100人以上が並ぶこともあるそうです。
今回の「ナマズ重」は限定30食だったので、念には念をと9時から店の前へ。かなり早くから行ったおかげで前の方に並べました。ちなみに「ナマズ重」には、前もって予約カードが配布されており、私も手に入れることができて一安心。
苦労して手に入れた予約カード・・・
ここからはひたすらに時が過ぎるのを待つばかり。ふと後ろを向くと、ズラリと並ぶ行列が見えます。持久戦を乗り越え、いよいよ開店。席に案内され、あとは目的のブツが運ばれてくるのを待つだけ!そしていよいよ…。
これがナマズ重だ!お値段2,200円
ナマズ重のほか、小鉢やお吸い物がついています。心を落ち着け、ついに実食。
「確かにウナギっぽい!いやウナギか!」という第一印象。しかししばらくすると「あ、別の魚かな?」と口の中が混乱。しかし、全体的にはかなりウナギに近いのではないでしょうか。
近くで見ると、違いが分かる?
落ち着いてもう一度味わってみると、皮の香ばしさや脂の雰囲気はほぼウナギ。しかし、ナマズの身が結構しっかりしているのか、身が厚いところになるとウナギとは違った味わいがあります。とはいえ、あのとぼけた顔のナマズがこんなに洗練された味になるのか…と驚きました。日本人の味へのこだわりは半端ないですね。
マスコミもたくさん取材に来ていました
日本人の魚好きは、DNAレベルで根付いているのでしょうか。マグロやウナギの数を減らすほど貪欲ですが、一方は完全養殖を、もう一方は似た味の魚を創り出す…執念に近いたくましさ?を賑わう店内を見てふと感じました。
将来さまざまな味を気兼ねなく楽しめる、そんな贅沢な時代がやってくるのも時間の問題かもしれません。
ところで、ナマズの蒲焼も関西風と関東風に分かれるのだろうか…。