昨今、おしゃれな学食はめずらしくなくなってきましたが、それのはるか上をいくのが今年2023年の4月にオープンしたばかりの「カフェテリア・アゴラ」。それもそのはず、リーガロイヤルホテル直営とのこと。地域にちなんだオリジナルメニューもあると聞きつけ、早速行ってきました。
それぞれの過ごし方ができるアート空間
「カフェテリア・アゴラ」があるのは、大阪大学のサテライトキャンパスである中之島センターの中。辿り着いた中之島エリアは、梅田からすこし歩いたところに位置するオフィス街で、美術館が集まる文化的なエリアでもあります。ちょうど並びにあるのが2022年にオープンした大阪中之島美術館。岡本太郎展などで話題になりましたよね。
実は、この中之島エリアは大阪大学発祥の地で、創立70周年の2004年に、ゆかりあるこの土地にサテライトキャンパスが設立されたそうです。
スマートな外観の中之島センター。オフィス街に位置するだけあり、ひろく一般の方々に向けた公開講座や催事が開催されているそう。おもわず大阪で仕事をしながら阪大サテライトに通って学ぶ、という刺激的な生活を思い浮かべてわくわくしてしまいます。知的好奇心っていくつになっても大事ですよね、とそんな妄想をしながらカフェのある2階へあがってみると……
アート作品が並ぶカフェテリア・アゴラ
約80席もあるおしゃれな空間がひろがっていました。グループでゆったりくつろげるソファ席から、打合せにぴったりなテーブル席、ひとり時間に便利なカウンター席やすこし奥まった席まであり、数人で打合せをしたい時、ちょこっと作業をしたい時、ゆったりぼーっとしたい時、様々な用途でつかえそうです。筆者は平日に行きましたが、ひとりで作業をするひと、美術館帰りで談笑するふたり連れ、ビジネススーツで打合せをするグループなど、みなさん思い思いに過ごしていましたよ。
そんな多用途な利便性をおさえてなにより目をひいたのは、空間のいたるところにちりばめられたアート作品です。
大きな絵画が飾られた壁面
いたるところにあるアート作品
大きな絵画やオブジェたち。これらは大阪大学総合学術博物館の収蔵品や、寄贈された作品だそうで、空間内のあちこちに置かれています。いいアイデアが浮かんでこないとき、仕事が行き詰まったとき、ふと周りにあるアート作品を眺めてみれば、なにか変化が訪れるかも。
カラフルバーガーと、パフェ仕様なミックスジュース
さて、くつろぐのは大きな絵画が眺められるテーブル席に決定! 待ちに待ったフードを注文しにいきます。サイネージメニューを見ると、フードからスイーツまで豊富なラインナップ。ランチタイム(11時~14時)とカフェタイム(14時~16時)で内容もすこし変わるそう。私はイチオシだというアゴラバーガーセットを頼んでみました。じゃーん。
具材たっぷりアゴラバーガーセット(1480円)
見た目もおいしいゴージャスサンドです。グリルされたパンから覗く色とりどりの具材は、左から、マンゴー、アボカド、ラタトゥイユ、エッグスプレッド。チーズがとろけた細長ハンバーグの上にぎっしり詰まっています。つけあわせのポテトも太くて食べ応えあり。ドリンクカップの手書きウサギのチャーミングさにやられてしまいました。
バーガーにかじりつきながら、読書をしたりアートを眺めたりしているとあっという間に時間が経ち、いつのまにかカフェタイムに。すかさずデザートを注文。頼んだのは、かわいらしいビジュアルが目をひく、その名も「中之島四丁目ミックスジュース」(700円)です。
ハートがかわいい中之島四丁目ミックスジュース(カフェタイム限定)
大阪名物として浸透しているミックスジュースですが、こちらのミックスジュースはまるでパフェのようないでたち。自家製ミックスジュースとシャリシャリとしたイチゴのアイスクリームが二層になっています。注目はなんといってもかわいいトッピング。ホワイトチョコと甘いメレンゲで、美術館と中之島センターをつなぐデッキをイメージしているそう。見た目にもおなかにもおいしいフード×スイーツと、アートに囲まれた空間に、リフレッシュするひとときでした。
メニューは他にも、ランチタイムの、今月のシェフランチ(1580円)、オムライス(850円)、今月のパスタ(950円)。カフェタイムの、ガトーショコラ(500円)、フレンチトースト(700円)、アフタヌーンティーセット(二人前4000円)など。ワインやビールまで置いてあるのにはびっくり。次に来た時にはどれを頼もうかなぁと想像しながら、カフェテリア・アゴラをあとにしました。
古代ギリシアで、政治、経済、文化の拠点であった公共広場を意味する「アゴラ」。中之島センターのフライヤー置き場に寄ってみると、メタバース、AI、月と地球、坂本龍一のピアノ……などなど、多彩な公開講座情報が並んでいました。また、カフェを出て周りを歩けば、国立国際美術館や大阪中之島美術館、プラネタリウムのある大阪市立科学館、もうすこし足を伸ばせば、フェスティバルホールや大阪市立東洋陶磁美術館、そして大阪大学が協働運営者となっているコミュニティスペース・アートエリアB1まで。
アカデミックな知と芸術文化がゆるやかにつながっている、このエリアの豊かさをひしひしと感じます。あたらしいひらめきもアイデアも、こうした交差のなか起こる化学反応で生まれていきそうですよね。アートな空間においしいフードとスイーツがそろう「カフェテリア・アゴラ」に、ぜひ一帯エリアとあわせて行ってみてくださいね。