みなさん、普段地図は使いますか? 最近はスマートフォンで簡単に場所を検索できるし、ナビまでできて便利ですよね。とくに知らない土地を歩くには必須の地図ですが、もちろん昔の人もさまざまな地図を活用していました。
今回ご紹介するのは、江戸時代に作成された地図で今の金沢市内を散策できるアプリ、金沢工業大学の「古今金澤」です。
「古今金澤」は、江戸時代に作成された金沢城下町の本格的な絵地図である「寛文七年金沢図」と現代の地図を組み合わせ、古地図とともに金沢の町を楽しめるアプリです。
起動させるとこのように、下にGoogleマップ、上に「寛文七年金沢図」が表示されます。地図同士の位置が同期しているので、どちらかの地図を動かすと連動してもう一方の地図も動くという仕組み。もちろん、拡大縮小も可能です。
上の古地図には約3,600件もの文字の記載がありますが、その多くが加賀藩主前田氏に関わる藩士の氏名なのだそうです。身分別の町割(区画)や重臣の武家屋敷の位置などがたくさん書き込まれており、当時の金沢の様子がうかがえます。
地図を見ると、昔の道がそのまま残っているような場所もある
「寛文七年金沢図」は本格的な測量で作成された絵地図だそうですが、縮尺等が異なったり重要度で大きさを変えるなど、現在の地図にそのまま適用はできません。
このアプリでは独自の技術によって、今の地図と古地図の位置関係を補正し、同期されるよう調整されています。
アプリはGPSと連動しているので、自分のいる場所と古地図を比べて現地を楽しめます。
その場にいない場合でも、マップを自由に動かせるので、金沢の気になる場所を選択すれば、古地図と今の地図を見比べて楽しむことができますよ。
なお、古地図に書かれている文字は、長押しで表示させることも。
さらにそこからウェブ検索で詳しい情報を調べることもできる優れものです!
長押しで表示された文字をタップすると、ネット検索画面に移る
地図は古地図とGoogleマップの分割表示のほか、古地図のみ、Googleマップのみの三段階に切り替え可能。切り替えは上下のフリックで行います。
上にフリックするとGoogleマップに
下にフリックすると古地図のみになる。
古地図のみの状態でもGPSと連動して地図がちゃんと動きます。
地図だけでなく、「古地図検索」からは、登録されているスポット名から場所がわかる機能も。
登録されているスポットには、詳しい説明付きの場所もあり、「解説を見る」ボタンをタップすることで詳細を見られます。
解説が登録されているスポットは、画面に「解説を見る」項目が表示されます
解説の詳細画面
解説は、江戸末期から明治時代に掛けて編纂された金沢の郷土資料である「金澤古蹟志」の一部。金沢の百科事典とも言うべき資料だそうで、かなりの情報が掲載されています。
また、「写真を撮る」機能では、古地図と共に景色の写真を撮影も可能です。
「写真を撮る」画面。古地図と実際の風景をあわせて写真を撮影できる。※画面ははめ込みです
北陸新幹線の開通と相まって観光地として人気が高まっている金沢。当時の城下町に思いを馳せながら、金沢の町を楽しんでみるのはいかがでしょうか?