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大阪大学発「紙の電子ペーパー」が未来を変える。

2018年7月12日 / 大学の知をのぞく, この研究がスゴい!

「紙の電子ペーパー」という、「頭痛が痛い」みたいなタイトルが気になる。電子ペーパーとは、紙のように見やすく持ち運びが可能でありながら、電気的な手段でデータの表示や消去ができるディスプレイ技術のこと。大阪大学産業科学研究所・古賀大尚准教授が、紙にできないことができる電子ペーパーを紙でつくることに成功したと聞き、その不思議な研究の中身をうかがいに行った。

 

なぜ今、紙の電子媒体なのか?

 

電子ペーパーを使う代表的な端末としては、アマゾンのKindleなどが有名な電子書籍リーダーがある。ソニーもPDF文書を読み込み、タッチペンを使って手書きで書き込める電子ペーパー端末を出している。スマートフォンやタブレットでも同じようなことができるが、電子ペーパーはバックライトがなくて目に優しく、視認性も高い。薄く軽いのも特長だろう。

 

古賀先生は今回、紙製のディスプレイに、電子書籍リーダーと同じメカニズムで表示ができる基礎原理を確立した。ゆくゆくは紙でできたKindleのようなデバイスも実現可能な技術だ。しかし、そもそも紙はかさばるし重いしみたいなことで、電子媒体にとって変わられているはず。ペーパーレス化が進む中で、今なぜ、紙で電子媒体を作る必要があるのだろうか。

 

 

 

「次世代の情報媒体として、もっと軽く、折りたたんで運べるようなもの、つまりフレキシブルでウェアラブルなものに、というニーズがあります。紙という素材は、どこまで折り曲げても耐えるというフレキシビリティがあり、折りたたんでも電気を流し続けることが可能で、プラスチックやガラスに十分勝てるところまで到達しています」。

 

紙の可能性について語る古賀大尚准教授

紙の可能性について語る古賀大尚准教授

 

紙の「記録」機能でなく、素材としての機能に着目したというわけだ。また、紙は、持続生産が可能な点も重要なポイントだと先生は言う。

 

「現在、電子デバイスは非常に普及が進んでおり、途上国にも行き渡るようになりました。今後さらに世界中にばらまかれていくであろう電子デバイスに、資源やエコの視点から見て、今のように金属や石油材料をいつまでも使い続けるわけにはいかないでしょう」。

 

しかし、紙の原料である木を伐採し続けて大丈夫なのか。森林資源は枯渇しないのだろうか。

「森林伐採が悪のように言われていますが、森林資源は計画的に使うと枯渇することもなく持続的に循環できます。木は年をとるとCO2を吸いにくくなってくるので、そういった木を切って使い、新しく植え直すという循環システムがむしろ必要とされています。木は世界中に普遍的にある再生産可能な植物なので、資源という面で圧倒的なアドバンテージがあります」。

 

さらに、紙ならリサイクルも可能だし、生分解性の点でもエコ優等生だ。どうやら、人類はペーパーレス化している場合ではないかもしれない。

 

カギを握る透明な紙と紙漉き技術

 

とはいえ、紙はプラスチックやガラスと違って透明じゃないし、もちろん電気も通さないし、電子ペーパーにはいかにも向いていなさそう。紙でできないところをどう乗り越えたかが、今回の開発のカギである。

 

電子ペーパーにはさまざまな方式があるが、取り入れたのはエレクトロクロミック方式という技術だ。

 

従来であれば、電気を使って消色状態と着色状態を自由に切り替えられるエレクトロミック材料のほか、ガラスやプラスチックなどでできた透明な電極、材料を固定するシールなど、さまざまな素材が必要だが、古賀先生が挑んだのは、これらを全部紙ベースで作ってしまおうという試みだ。

 

まず、透明な電極を実現するには、ガラスやプラスチックのような透明な紙が必要だ。普通の紙は白い(パルプ繊維が太く、顕微鏡レベルでは隙間ができているため、この隙間に入った光が反射したり散乱したりして光が透過しないので白く見えるのだという)。

これを、セルロースナノファイバーという普通のパルプ繊維の1/1000の細さの原料を使って作ると、隙間がなくなって光が透過し、透明に見える紙ができる。見た目は薄いビニールのようだが性質は紙のままで、折ることもできるしちぎることもできる。

これが透明の紙!同研究室の能木雅也教授らが開発した

これが透明の紙!同研究室の能木雅也教授らが開発した

 

メモリも紙を使って作ることで、軽くて折り曲げられ、再生可能なものに

メモリも紙を使って作ることで、軽くて折り曲げられ、再生可能なものに

 

電気を流すと色が変わるというエレクトロクロミック材料は、この透明な紙に薄く塗るのだが、ここにも独自の技術がある。伝統的な紙漉きの原理を、導電材料を塗るのにも応用。均質に塗ることに成功した。

 

ろ過をするようにして均質に塗ることができる

ろ過をするようにして均質に塗ることができる

 

さらに、普通なら液体の電解質層も紙で実現する。水と油に続く第三の液体と言われるイオン液体を紙に塗り、イオン導電性を持った紙を作った。塗り方にも工夫をし、漏れもしないし蒸発もしない、電解質層が出来上がった。尚、この部分に使ったのは、白い紙。色の変わり具合が分かりやすいからだ。 

(イルカのイラストが電気を通すと浮かび上がる)

 

こうして白い紙を透明な紙2枚で挟んだ3層の紙による、電子ペーパーの基本原理が完成した。

「電子書籍としてつくるのであれば、表示するディスプレイだけでなく、データ通信のアンテナ、メモリ、電源、電池などが必要です。そうした部材も、すでに紙ベースで開発済みです」

紙の電子書籍が登場する日も、そう遠くはなさそうなのだ。

 

デバイスを廃品回収に出す

 

「今までの材料の代わりに紙を使う、というつもりはありません。紙ならではの長所が感じられ、本当に使いたいと思ってもらえるようなものを目指しています」と古賀先生。競合のものと同じか、あるいは勝つぐらいの性能に加えて、紙の気持ちよい手触りとか、リサイクルしやすさなどのメリットがプラスされたものでないとつくる意味はない、ということだ。

 

「紙のデバイスを、新聞のように廃品回収に出すのもいいかもしれない。一生使うのでなく、使い捨てというか、リサイクルしてパルプに戻すといった使い方が紙らしい。紙ベースのメモリについては、土に埋め分解されたのもすでに確認しています」。

 

古賀先生は農学部出身で、燃料電池の原料である水素の生産や自動車排ガスの浄化を紙で行う研究に携わり、一部実用化につなげた経験を持つ。研究をしながら紙のすごさに気づき、紙の素晴らしさを伝えたいと考えるようになった。紙を対象にした幅広いアプローチを行っており、デバイスだけでなく、他にも医薬品をつくる紙などさまざまなテーマに挑戦しているという。

 

研究室にて学生に指導する古賀先生

研究室にて学生に指導する古賀先生

 

「紙は、まだまだ大きなポテンシャルを秘めた素材です。ペーパーレス化という流れができているのは、用途や機能が限定されてしまっているからに過ぎません。紙は、人や環境に抜群にやさしい素材です。真に魅力的な機能を生み出して、新しい時代に不可欠なグリーンイノベーションに貢献したいと思います」。

 

起源はエジプト文明という歴史の古い「紙」は、現代までずっと情報記録媒体として使われてきた。しかし、ここへ来て、紙の新たな機能を見出す研究が盛んに行われだしているという。紙のリノベーションはどこまで行くのか、大いに期待したい。

ラーメン専門店なのに学食。京都産業大学の「らーめん壱馬力」。

2018年7月10日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

京都の有名ラーメン店の2号店なのに学食というレアな存在なのが、京都産業大学の「らーめん壱馬力」。どんなところなのかと、出かけてみた。

 

高いハードルを乗り越えて出店

 

京都産業大学のラーメン専門店学食「らーめん壱馬力」はグルメサイトにも載っていて、所在地の欄には「京都産業大学並楽館1F」とちゃんと書いてある。

一般的な店と変わらぬ佇まいだ

一般的な店と変わらぬ佇まいだ

 

そのオープンは、今から10年前の2008年。当時、京都産業大学では、学生がキャンパスに長く滞在するように、学食をはじめとするアメニティ施設の拡充を図っていた。特に学生の毎日の食を預かる学食は、おいしく、安く、ボリュームがあるのはもちろん、4年間通っても飽きないものにしたいと考えた職員さんたち。出店してくれるお店はないかと、さまざまなつてをたどった。

 

大学には長期休みがあるため一般的な学食の営業期間は実質9カ月ほど。市中と同じような経営はできないので、参入のハードルは高い。そんな難題に挑戦しようと手を上げたのが、京都・千本丸太町の有名ラーメン店「しゃかりき」だった。

 

当時の担当者だった京都産業大学職員の井上朋広さんは、ラーメン店では大盛りを頼んで汁まで1滴残さず飲み干すという大のラーメン好き。出店は大歓迎ではあったが、350~400円という学生のランチ事情に、1杯600~700円はしていたラーメンがどう応えたらいいのかにはかなり悩んだとか。「といっても、結局はお店にお願いして調整していただくしかない。市中より安く、なるべく同等の商品を出してもらう、というところからスタートしました」。

 

ラーメンブームに火がつくまではいっておらず、ラーメン街道と呼ばれる激戦区・京都一乗寺もそれほど騒がれてはいない頃だったが、壱馬力の開店は一部のラーメンマニアの間で「千本のしゃかりきが2号店出した! 大学の中に出す?」などと話題になったとか。学生たちの間では、本格的なラーメンが学食価格で食べられることで、あっという間に人気店になった。

 

午後3時を過ぎても男子学生を中心に賑わう

午後3時を過ぎても男子学生を中心に賑わう

 

良いものを食べてもらおうと、スープは自店で仕込み化学調味料は使わない。麺はクォリティの高さで知られる有名製麺所・麺屋棣鄂(ていがく)から仕入れている。

 

突然爆発的にヒットした「油そば」

 

オープン当時、壱馬力の看板商品は紛れもなくラーメンだった。そら、そやろ、ラーメン屋やねんから、と思いました? 

 

しかし、今は違う。ラーメンの売上は1割に過ぎず、残り9割を占める主力商品となっているのが、「油そば」だ。オープン2年目ぐらいから火がついて、爆発的なヒットが現在まで続いている。ちなみに、なぜ火がついたのかは謎だ。

 

油そば300円。トレーには大学のキャッチコピー!?

油そば300円。トレーには大学のキャッチコピー!?

 

油そばとは、麺がタレで味付けされたスープのない麺料理。油そば専門店も一部にはあるが、ラーメン屋で出している店はそんなに多くない、どちらかといえばマイナーメニューだそうだ。なのに、壱馬力では超ド級のスター選手。店長の美藤陽二さんいわく、「券売機でも、油そばは下のほうの目立たない小さなボタンなのですが、学生さんはそれしか押してない」。

 

その秘密は、なんといっても300円というその安さ。にもかかわらず、ラーメンの標準的な麺の量が150gなのに対して、壱馬力の油そばは200gの大ボリュームである。さらにもう一つの魅力は、トッピングし放題なこと。「最初は2、3種類のトッピングだけだったが、学生さんのリクエストもあって今では9種類にまで増えた」と美藤さん。このトッピングで、自分好みの味にして食べるのが京産大生の食べ方だ。

 

トッピングコーナーに並ぶ豊富な調味料。酢、ラー油、マヨネーズ、ごま油、一味、ねぎ油、魚粉、ゴマ、こしょうと全9種

トッピングコーナーに並ぶ豊富な調味料。酢、ラー油、マヨネーズ、ごま油、一味、ねぎ油、魚粉、ゴマ、こしょうと全9種

 

食べてみた。ほぼ初の油そばだったが、麺の少しモチモチめの歯応えとタレの風味がベストマッチで、とてもおいしい。トッピングコーナーで試しに酢をかけラー油をかけ、後でもう一度、マヨネーズも。これをかけたらどうなるかな、次はこれを試してみようか。トッピングの種類が多いとなんか楽しい。

 

トッピングで自由にアレンジできる

トッピングで自由にアレンジできる

 

大ヒットした油そばには、今ではシリーズも生まれている。油そばと「塩油そば」を定番に、「チャーシュー油そば」や「ピリもや油そば」、さらに、ラードをオリーブオイルに変えて野菜を載せた「油そばライト」もある。また、季節が変わるごとに限定メニューも開発しており、私たちがうかがった5月には、なんと「ピザそば」なるものが。気になって美藤店長に聞くと、トマトベースのタレで味わうイタリアンな油そばだそうだ。

 

京産大生のソウルフードは永遠に

 

お話を聞くのにピーク時を避けようと午後3時頃にうかがったのだが、学生さんの来店がひっきりなしである。男子学生が多いようだが、「女子学生も油そばはよく食べてくれていますよ」と美藤店長。

 

「学生アンケートに『油そばは京産のソウルフード』と書かかれていたのが、うれしくて。大げさに言いたいわけではないんですけど、文化として根付いているみたいです」

 京産大生になったら、まずは油そばを食べんとな、みたいな。トッピングもいわば無造作に置かれているし(学食ですから)、ねぎ多めを注文できるがとくに貼り紙もなかったりするから、前にいる常連らしい先輩を真似しつつ、だんだんと自分の油そばを味わえるようになっていく、みたいな。

 

「いつもねぎ多めを頼んでいた学生が、あるとき、冗談で『いつもの!』と声をかけてくれて。ちょっとしたやり取りなんですけど、学食ならではの交流があって楽しい」と美藤店長。アルバイトとして働いているのも、全員京産大生だ。

 

油そばのことばかりになってしまったが、壱馬力の魅力はまだまだある。「京都背脂醤油ラーメン」470円は、普通に市中の店で食べると650円はするクォリティ。また、しゃかりきの人気メニューである「濃厚魚介つけめん」も味わえる。京都ではつけ麺が珍しく、しゃかりき自慢の濃厚ダレを味わってみたい人に人気だという。

 

看板メニューはこちら!

看板メニューはこちら!

 

全国的にも珍しいラーメン専門店学食、ぜひ一度訪れて、京産大生のソウルに触れてみてほしい。京都産業大学には全部で9の学食があるので、京産学食サーフィンなんていうのもいかかでしょうか。

リブランディングへの挑戦。京都産業大学の「Re:広報」(後編)

2018年6月28日 / 大学PRの世界, 大学を楽しもう

京都産業大学の広報改革。新サイト「Re:世の中」オープンについて取材した前編に続き、そのルーツでもあるブランディングサイト「Re:大学」と交通広告ブランニュー戦略について聞いた。

 

過去最多の受験者数につながるメッセージ

 

「Re:大学」とは「Re:世の中」の上位に置かれているブランディングサイトだ。大学として発信しているメインメッセージは「世の中を変えたいなら、大学から、自分たちから変えていこう」。「Re:世の中」もこの一部として、社会を見直し変えていきたいと思うヒントを提供しているのだ。

 

「Re:大学」サイトの設置は2017年度の新学部、現代社会学部開設がきっかけだった。メイントピックは新学部の情報だったが、単に新学部の紹介に終わることなく、「人任せの社会でなく、自分たちで社会を変え、未来をつくっていこう」という京都産業大学からの強いメッセージとして発信した。

 

「世の中を変えたいなら・・・」のメッセージを掲載

「世の中を変えたいなら・・・」のメッセージを掲載

 

それが高校生や受験生の心をつかみ、2017年度入試の受験者数はのべ5万5000人を超える。大学創設以来、最多の数字であり、前年度から約1万人もアップした。現代社会学部自体も、定員の20倍以上の受験者が集まった。広報部・課長補佐の増村尚人さんは、この成功を「高校生に好まれる広報をするというのでなく、本学の意志をしっかりと伝えたことが受け入れられたのではないか」と振り返る。

 

強力なメッセージが発信できた背景には、2015年に迎えた創立50周年を目指して行った大学のリブランディングがある。京都産業大学の創設者・荒木俊馬は、宇宙物理学者であり、大学が象牙の塔だった時代にあえて産官学の積極的な連携を推進した人。荒木が、京都産業大学の「産業」に込めた強い意思を、ブランディングテーマにすえた。

 

産業とは英語で言うインダストリーではなく、「むすび(産)わざ(業)」。新しい価値を産み出す大学、社会と結びついて新しい価値を創造していくことによって社会に貢献していく使命を持った大学である。それを明確にし、「むすんで、うみだす。」というスローガンも作った。”50年前から京都産業大学は変わり続けてきた大学だった。そのDNAは、今も脈々と受け継がれている。私たちは今もこれからも変わり続けていく。大学を常に再構築していく。変革の時代を生き抜く力を育てる大学として”。

「Re:大学」のそんなメッセージは、受け手の心に素直に落ちた。

 

現在、「Re:大学」が取り扱っているメインテーマは、2019年度に開設予定の国際関係学部、生命科学部の2学部と、再編予定の経営学部である。教育内容やカリキュラムそのものよりもむしろ、ブランディングテーマに基づいて、新しい価値の創造に向けて自ら変わる大学、という切り口で取り扱う。これからの時代に求められる価値とは、新しい時代を開拓していけるような人材とは何かを伝えることに重点が置かれている。

 

ホームページで大学のどこかの特徴だけを尖らせるのは難しいが、「Re:大学」のような別サイトならやりやすい。増村さんは、「今後も世界に誇れる研究分野や応援文化が根付いているスポーツなどさまざまな特色を取り上げ、新しい広報として展開していきたい」と意欲的だ。

 

「共感」をめざした車内広告の一大転換

 

Webだけでなく、交通広告についても2018年4月から大きくリニューアルした。過去10年ほど続けてきた電車の車内ポスターにおいて、学生や教員の研究など具体的事例の紹介を一新。フォトポエムに変えた。その理由を、増村さんは次のように言う。

 

「イメージ調査をすると、京都産業大学という名前は知っているが、どんな大学かは特にイメージがない、という残念な結果が出ました。それは、10年間、具体的事例の広告を出し続けても大きく変わらなかった。それで、考え直したんです。こんなすごいことやってるよ、すごい人がいるよ、と“ええとこ”ばかり出しても響かないのではないか。共感を得ないとイメージが浸透しないのではないかと」。

 

広報戦略を見直し、車内ポスターでの表現を、大学の姿勢を見せ、価値観をメッセージとして伝える方向へと大転換することになった。2000年代前半から自作の詩と写真のポストカード制作を中心に活躍する詩人で、自作をまとめる出版社の代表でもあるきむさんを起用して、在学生や高校生の夢を持って頑張る人を応援する、精一杯、背中を押すというメッセージを発信することにした。

 

シリーズ第一弾「初心は宝物だ」(2018年4月)

シリーズ第一弾「初心は宝物だ」(2018年4月)

 

広告の印象がガラッと変わったこともあり、ツイッターでの反響は非常に大きいという。「これって京都産業大学やったんや」「朝、しんどいときにこれ見たら、いつも励まされる」「次が楽しみ」などおおむね好評。

 

注目度は高く、中学の先生から『授業で詩を使いたい』という問い合わせもあったという。なかには、「京都産業大学って気づかなかった」というものもあるが、「それでもいいです。その人の背中を押すことができていれば・・・。いつか気づいてくれればいい」と増村さん。確かに、共感を得られるメッセージであれば、自然に大学のイメージは浸透していくだろう。

 

受け手は誰か、何を伝えたいかに真正面から向き合ったのが、京都産業大学の“Re:広報”だという気がする。これからも、どんな「Re」に挑戦していくのか楽しみだ。

リブランディングへの挑戦。京都産業大学の「Re:広報」(前編)

2018年6月26日 / 大学を楽しもう, 大学PRの世界

大学創立50周年を迎えた2015年を契機に、新学部開設や学部改組など変革を続ける京都産業大学。新しい大学像をアピールする大学広報においても挑戦が始まっている。

 

あのナショジオとコラボした「Re:世の中」開設    

 

京都産業大学が、2018年4月から「Re:世の中」というサイトを立ち上げた。トップページには、宇宙に浮かぶ地球と一筋の光と「今日も世界は更新中!」のフレーズ。デザインもかっこいい。

 

記事のタイトルが宇宙のような空間に浮かび上がるトップページ

記事のタイトルが宇宙のような空間に浮かび上がるトップページ

 

 

京都産業大学の研究や学生の取り組みとともに、ナショナル・ジオグラフィック(以下ナショジオ)誌の記事の冒頭が読め、興味があればさらにリンクをたどってナショジオ日本版サイトへ飛んでじっくり記事を読むことができる。よく見ると、京都産業大学の記事よりもナショジオの方が多いぐらい。大学の取り組みを集めたキュレーションサイトかと思いきや、よくあるものとはちょっと趣が違う。

 

広報部・課長補佐の増村尚人さんは「Re:世の中」の狙いを、次のように語る。

「社会で今起こっているさまざまな事象の一端を紹介することで、現代社会にとって大切なものとは何か、気づきや発見を提供したいと考えました。進路選択の岐路に立つ高校生にとって、自分の興味や関心のありかを見つける手助けになればという思いもあります」。

 

この思いを叶えてくれるコラボ先として白羽の矢を立てたのが、ナショジオだった。「未知の地球をわかりやすく伝える」をスローガンに、社会の今を幅広く切り取って示してくれるメディアだ。「高校生には内容が難しすぎるのではないか」という心配もあったが、それよりも新たな興味や関心を開拓してくれるカバー領域の幅広さや記事の読み応えを重視したとか。ナショジオの記事に興味を持つ社会的な関心の高い層に、本学のことを知ってほしい、とも考えた。

 

京都産業大学のニュースは大学ホームページにも掲載されているが、大学名を知っている人や興味を持った人しかアクセスしない。その点「Re:世の中」では、研究分野やナショジオの記事の分野に興味を持った世界からのアクセスが期待できる。「ナショジオの記事と並ぶ本学の進んだ研究内容や取り組みの記事を読んで、すごい研究をやってるんだなと再認識してくれれば」と増村さん。コンタクトポイントを広げると同時に、研究や取り組みの時代性や社会性、守備範囲の幅広さや専門性の高さに改めて気づかせる、大学リブランディングのツールにもなるというわけだ。

 

 

世の中を見直し自分の未来を見つめるツール

 

毎月10日、ナショジオの記事と学内の記事と併せて、8本ずつ更新。ナショジオの記事本文の冒頭はそのまま転載するが、「より気付きや視点を提供するきっかけに」と、記事の始めに「京都産業大学による見どころチェック!」をつけて記事へと導入している。

 

記事の選択は、ナショジオ・大学の記事とともに、広報部で行っている。もっとも重視しているのは、多様なテーマをバランス良く選ぶこと。2019年度には10学部になり、人文・社会・自然科学分野を網羅した全国でも最大規模の一拠点総合大学として、さまざまな関心を持った学生を集めたいという思いがある。また、ニュースの鮮度はもちろん、多様性と話題性、高校生の興味度、分かりやすさもポイント。5月は、京都文化についての記事なども取り上げられている。現時点では、狙い通り高校生が見ている他、30~40代の読者も多いとか。保護者層も含まれているかもしれない。

 

更新された記事がスマートに並ぶ

更新された記事がスマートに並ぶ

 

今、高校の進路指導が変わりつつあるという。早期に自分の関心事を見つけること、社会と自分の関わり方を考えた学びを探究すること、それによって将来、社会的活躍を果たし個性を発揮することが求められている。こんな職業に就きたい、というよりも、その職業に就いて社会にどう貢献したいか、というところから職業観を育んでいくわけだ。「ナショジオの記事を教材に使う高校もあると聞いています。『Re:世の中』で社会の動きを知り、職業選択の役に立ててくれればうれしい」。

 

高校生、受験生、もちろん大人にとっても、世の中を見直して課題を再確認し、進むべき道を再構築するきっかけとなるサイト、それが「Re:世の中」だ。今後、読者の関心のありかを探りながらさらに発展させていきたいという思いを語る増村さん。

「『Re:世の中』だけでなく『Re:大学』全体も、また交通広告などその他の媒体についてもどんどん新しい挑戦を進めていきたいと考えていますし、現に進めています」。

 

「Re:大学」? 交通広告? 

 

このまま記事を終わらせることができない事態になってきた。ということで、詳細は後編に続きます。

 

「京都精華大学メガネ」、今年も全国の眼鏡市場で新作発売!

2018年5月8日 / 大学発商品を追え!, 大学の知をのぞく

京都精華大学で進行中の産学連携プロジェクト「あいうぇあデザインあいうえお」。学生がメガネデザインを学び、作り上げたオリジナルメガネの中から優れた作品を実際に販売してしまう、日本唯一の試みだ。2期生の作品が、3月2日、全国の眼鏡市場で販売スタート。今年も、鮮度抜群のセイカメガネが並んだ。

芸大生のつくったメガネが大好評

「あいうぇあデザインあいうえお」は、2015年にスタートした試み。国内トップのメガネ産地、福井県鯖江市にあるメガネフレームデザイン会社・(株)ボストンクラブと、眼鏡市場ブランドでおなじみの眼鏡小売チェーン(株)メガネトップ、デザイン事務所であるソウウェルデザインオフィスが、同大学デザイン学部 プロダクトコミュニケーションコースとコラボレーション。「アイウェア・デザイン」の授業を行って、メガネの可能性やそのデザインの面白さを感じてもらいつつ、未来の優秀なアイウェアデザイナーの育成を目指すというものだ。昨年度プロジェクトの詳細については、こちらに紹介している。
2018年3月2日、このコラボ授業2期生のうちから選ばれて商品化された3シリーズ「IROIRO」「mutenka」「Working Woman」が、全国の眼鏡市場店頭に並んだ。このうち、「IROIRO」「mutenka」をデザインした学生さんと、コラボ授業の仕掛け人、平田喜大先生(京都精華大学デザイン学部 プロダクトコミュニケーションコース教授)に会って、話を聞いてみた。

平田喜大先生

平田喜大先生

左:高井佑理さん 右:瀧内彩加さん

左:高井佑理さん 右:瀧内彩加さん


「IROIRO」をデザインしたのは、高井佑理さん。フレームの上下左右ともに色が違うというカラフルなメガネだが、「メガネとは『人の印象を変えるもの』。せっかくなら、明るく面白い方向に変えてみたい」というのが発想の原点だったとか。斬新なデザインだが、それだけに、商品化までにはいくつも越えなければならないハードルがあった。たとえば色合い。顔にかけるメガネなので、人の顔になじむ、というのが大切な要素。抑えた色合いでありながら、しかも色の楽しさを生かせるくすみのない色を選ばなければならない。「ものすごいボリュームの色見本を見て選びました。赤といっても、柄があるかどうかや半透明か透明かでまったく印象は違います。自分がほしいのはどれやろう、と考え出すと、きりがなくなってきて」と大変だったプロセスを振り返る高井さん。

「IROIRO」上下左右、フレームの色がすべてちがう!

「IROIRO」上下左右、フレームの色がすべてちがう!


一方、瀧内彩加さんがデザインした「mutenka」は、「IROIRO」とは真逆のコンセプト。「メガネが顔になじんで、その人の個性をジャマしないようなものをめざした」という。肌の色に合わせて4色のバリエーションがあるが、どれも、確かに無添加、ナチュラルで優しい逸品という雰囲気が漂う。左のテンプル(つる)の先だけをしずくの形に仕上げ、髪をかきあげたときにチラッとみえるナチュラルなおしゃれ感を演出している。瀧内さんの中では、こだわりたい最大のポイントが、量産化の壁になった。磨きの手間がかかり、右と左のテンプルで部品数が違うことで生産管理も煩雑になる。途中で両方ともしずくにする、という方向も出たが、彼女の思いをくんだメーカーさんが当初のデザインの実現に動いてくれたという。

「mutenka」 

「mutenka」

こだわりのしずく

こだわりのしずく


発売後、3シリーズともなかなかの売れ行きとか。ぜひ店舗でチェックしてみてほしい。

「Working Woman」

「Working Woman」


※商品の詳細はこちらから→https://www.meganeichiba.jp/frame/brand/kyoto_seika_university/

小さくても充実感は大きなメガネづくり

平田先生は、学生にアイウェア・デザインを学ばせる狙いについて、「メガネというミニマムな存在の中に、デザインに必要な学びが詰まっている」と語る。人間工学はもちろん、多様な素材の知識、加工の方法など、非常に幅広い学びがあるという。

また、授業では、「実際に使えるものを最後まで自分の手で作る」という体験を重視。各自のデザインが完成したところで、産地である鯖江に見学に出かける。一般的にはセルフレームと呼ばれたりするメガネは、アセテートという素材が使われている。そのアセテートやメタルなど、それぞれ素材の違うフレームの工場で、職人の手仕事をじっくり見る。さらに、アセテートの生地倉庫に入らせてもらって、膨大な種類の中から自分のつくりたいメガネにあった材料を自分でチョイス。大学に持って帰って、自分たちで最終製品の形まで仕上げる。

アセテートの生地倉庫内

アセテートの生地倉庫内


強度を出すためには、アセテートを貼り合わせるといった技も必要。貼り合わせたら、その継ぎ目がわからなくなるまで磨いてスベスベにしておかないと、継ぎ目からホコリや汚れが浸入して持ちが悪くなるのだという。磨いて磨き倒してあと少しで完成というところでポキッと折れてしまう、といった憂き目にあいつつ、学生たちはメガネづくりの醍醐味を知るわけだ。

「アイデアを出して、スケッチや3Dモデルに落とし込み、レンダリングや製図もして、最後は自分たちの手で使える形にできる。思った以上に、デザインの一から十まで体験できました」と瀧内さんが言えば、高井さんも、「やってみたからわかったことばかり。この授業を受けるまでは、メガネって機械で作っていると思っていたぐらい」と言葉を重ねる。2人とも、メガネづくりでデザインにとって大切なことを学べたことに加えて、ものづくりの楽しさを徹底的に味わえたと満足気だ。

アイデア出しから始まった

アイデア出しから始まった

各々がデザインしたメガネを持つ学生たち

各々がデザインしたメガネを持つ学生たち

京都精華×鯖江はこれからも進化

産地やメーカーが、このコラボに寄せる一番の期待は、アイウエア・デザイナーを育てることにある。このプロジェクトは鯖江のメガネ業界からも注目されており、部品メーカーなどさまざまな企業が素材の提供や加工などに協力、また福井県の産業支援センターや鯖江市などもバックアップしている。
人材育成に加え、学生とのコラボから得る新鮮な発想にも価値を置いている。

「プロのデザイナーは、経験上、突飛な発想が出てきても、『それはないな』などとつい整理してしまう。でも、学生からは、思ってもみないようなもの、実現不可能なアイデアがポロポロ出てくる。自分たちが、実務の中で忘れてしまいがちなところ、大事にしなきゃいけないのに薄まりがちなところを、授業の中で再発見できる、そんな期待も感じます」(平田先生)

今後は、ウェアラブルデバイスメーカーとの連携も視野に入れるなど、さらに進化を続けていくとか。セイカメガネから、目が離せない。

ガツンときた。2018年4月1日、近畿大学入学式レポート

2018年4月17日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

4月1日、快晴。エイプリルフールであり、多くの大学で入学式が挙行される日だ。今年は、前々から評判の近畿大学の式にお邪魔させてもらうことに。近大OBであるつんく♂さんプロデュースでの5年目。よく言われている「ド派手」というだけじゃなかった、感動の式の模様をレポートする。

圧がすごい。7,200人の入学式

関西にある12学部と短大や大学院の入学生が対象の入学式は、東大阪キャンパスにある「近畿大学記念会館」が会場。その周辺、最寄りの長瀬駅、八戸ノ里駅からの道は、スーツ姿の男女であふれる(わりと、大げさでなく)。

保護者らしき方もたくさん見かけた。しかし、保護者はキャンパス内の別室でビデオ列席。部屋はいくつか用意されていたが、なかには満席の札が出ているところも。今年の新入生約7,200人。ボリューム感が、会場に着く前からかなり放出されている。

さらに、高揚感を覚えてしまったのが、8,000人収容の会場に足を踏み入れた時だ。薄暗い内部は、まるでライブ会場。ステージ上には、たぶん光を当てると変化するんだと思う、クリアな感じのオブジェが飾られ、背景には2つのフロントスクリーン。左右にはLEDの大モニターが2つ。完全にライブ前気分に陥る。暗いなかで行われる入学式なんて、生まれて初めてだ。

アイドルパフォーマンスでスタート

アリーナ席から階段席へ、会場は、徐々に新入生で満杯になった。8割方、入ったか、というタイミングで、ステージ上に漫才コンビ・霜降り明星が登場。「スプーンに映した小栗旬」の粗品さんとボケ担当で近大文芸学部OBせいやさんが、得意の近大ネタを中心に会場を盛り上げる。これが前座。

ワクワクと笑顔でいっぱいになる新入生たち

ワクワクと笑顔でいっぱいになる新入生たち

カウントダウンとともに開会のアナウンスで、いよいよ入学式がスタート。なんと、トップはKINDAI GIRLSのパフォーマンスだ。KINDAI GIRLSとは、2014年から始動した入学式のために結成される学生パフォーマンスユニットで、入学式につんく♂さんが作詞・作曲したオリジナルの楽曲を歌って踊る。

新入生も含めて25人のメンバーが在籍するKINDAI GIRLS2018

新入生も含めて25人のメンバーが在籍するKINDAI GIRLS2018

今年の楽曲は、「Free Your Imagination!」。メロディも歌詞もさすがはつんく♂さんというか、帰りには口ずさんでしまっているぐらいのポップさ加減。でいながら、歌詞は入学式のテーマをド直球に表現したものだ。

 

夢って止まらない

誰だって無限大

自信がなけりゃ つければいいじゃん 

ればいいじゃん

地球の未来は

僕らの手にある

Let’s free your imagination! Yeah

 

歌詞をよく聴いてみると、学生アイドルユニットが超頑張りを見せるパフォーマンスは、やっぱりこの入学式のスタートチューンにふさわしいんだなと、妙に納得してしまう。ちなみに、入学式当日、KINDAI GIRLSの初CDがリリースされ、会場ではGIRLSによる手売りもやっていた。中身は、「Free Your Imagination!」をはじめ過去のも併せた入学式オリジナルソングで、タワーレコードやAmazonでも手に入る。

先生はアカデミックガウン姿

これ以降、プログラムは続いていくのだが、とにかくどこを切っても、いわゆる入学式「らしくない」。司会は近大卒業生の“あの”DJマーキーさんと、高知さんさんテレビアナウンサーの石井愛子さん。ご両人はやはりプロ、よくマイクに乗る声でエンタメな雰囲気を盛り上げていく。「これは入学式なのか」と途中で何度も思うのは、この声のせいでもある。

もちろん、学長式辞をはじめとする、らしいプログラムもあるのだが、これも趣向がある。式辞で登場した学長・細井美彦先生は、シックなアカデミックガウンで正装。学部長の先生たちも、紹介されると同じくアカデミックガウン姿で現れて、何かしらのウェルカムポーズをしてからひな壇を降りてくる。「Welcome! よく来たね」と手を広げて新入生を迎えるその気持ちが伝わるようで、その道では素人の先生方なのに見事なパフォーマンスになっている。

シックなアカデミックガウンで学長・細井美彦先生が登壇

シックなアカデミックガウンで学長・細井美彦先生が登壇

学生代表の堂々としたパフォーマンス

受験者からの人気が急上昇、2018年度入試で5年連続志願者数全国私大トップを記録した近畿大学ならではの演目もある。「今年の入試を振り返ってみましょう」というアナウンスで、各学部の入試倍率がスクリーンに映し出される。カウントアップ式にだんだんと倍率の高い学部へと順に発表され、そのたびに拍手と歓声があがる。いわば「きみたちはこんなに厳しい競争を乗り越えてきた」と贈られるエールに、新入生の心が反応していく。

在学生たちの歓迎も、一味違った。在学生代表として登場した学友会連合会委員長・田中祐弥さんのスピーチは、ヘッドマイクをつけてステージを縦横無尽に動き回るスーパープレゼンテーション。ビデオ映像を交えて、大学生活の充実度や楽しさ、キャンパス施設の便利さなどがたっぷり紹介された。また、在学中に全員が長期留学を経験するのが売りの国際学部の、ただ今留学中の学生たちとも生中継でつないだ。

Apple新製品発表か、TEDかという感じの、在学生代表・田中さんのスピーチ

Apple新製品発表か、TEDかという感じの、在学生代表・田中さんのスピーチ

アメリカと台湾をつないだライブ中継。それぞれ仲良しの留学生友だちと登場

アメリカと台湾をつないだライブ中継。それぞれ仲良しの留学生友だちと登場

これらの歓迎に応えた入学生総代・林幸穂さんの宣誓も堂々としたもの。彼女は、合格が決まった後に近大で自分がやりたいことをSNSで発信し、それが大学関係者の目に留まって、総代に選ばれたのだとか。

「化粧品の天然成分開発に関わり、海外でも活躍したい」と夢を語る農学部の林さん

「化粧品の天然成分開発に関わり、海外でも活躍したい」と夢を語る農学部の林さん

スモークにキャノン砲に紙吹雪

中盤を過ぎると、フィナーレに向かって一気に加速。ゲストのBeverlyさんの曲披露の後につんく♂さんの祝辞、続いて各クラブの在校生とKINDAI GIRLSが登場して、つんく♂さんのギターに合わせて校歌斉唱。

「笑われるほどでっかい目標を立てよう!」と祝辞を贈るつんく♂さん

「笑われるほどでっかい目標を立てよう!」と祝辞を贈るつんく♂さん

客席の新入生たちが立ち上がり、肩を組んで校歌を歌う

客席の新入生たちが立ち上がり、肩を組んで校歌を歌う

そして、新入生7,200人が紙飛行機を飛ばすという最後のパフォーマンス。いつのまにか桜の花びらの形をした紙吹雪が一斉に舞い始め、さらにキャノン砲がドッカーンと打たれるのと同時にジェットスモークが噴出、空からはキラキラの紙テープがヒラヒラと舞い降りてきた。いやこれが入学式なら、やっぱり、うれしいんじゃないか。

カウントダウンに合わせ全員が紙飛行機を思いっきり飛ばす

カウントダウンに合わせ全員が紙飛行機を思いっきり飛ばす

つんく♂さんは、式終了後のインタビューで「最高のエンターテイメントになった」と感想を述べ、会場から出てきた新入生たちは顔を紅潮させて「楽しかった」と話していた。入学式で新入生を笑顔にするにはどうしたらいいのか、徹底的に追求したらこうなるのだろう。このイベントの裏にどれだけの人が動いたのか。YouTubeにアップされた「平成30年度近畿大学入学式ダイジェスト」によると、バックステージ設営に動員したスタッフの数、なんと、1,200人! ちなみに、紙吹雪は4㎏とか。 

桜の花びらの形をした大量の花吹雪が新入生の前途を祝う

桜の花びらの形をした大量の花吹雪が新入生の前途を祝う

前座から2時間超の式だったが、長さを感じさせない。入学生たちにとっては、これが人生に一回きりの大切なメモリアルだということを気づかせてもらえたはず。それはやはりハッピーなことではないか。圧倒的な同期のボリュームが頼もしかったかもしれないし、先輩たちのパフォーマンスにつながりの温かさを感じたかもしれない。粛々と進行する儀礼的な入学式が、新入生の心に響くんか? 主役は彼らだ。常識をぶっこわせ、これが近大じゃ! そんな声が聞こえた気がした、ガツンと来る入学式だった。

防災意識アップ。大阪大学×大阪ガス「アカデミクッキング」開催!

2018年2月1日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

教養を深めつつ料理も体験できるというユニークな講座「アカデミクッキング」は、大阪大学×大阪ガスの人気企画。1995年に阪神・淡路大震災が起こった1月17日のプログラムは、「今年も忘れずにおきたいこと」と題して地震をテーマに開かれた。

まず宇宙や地球へ思いを馳せる 

講義を担当した廣野哲朗先生(同大学大学院理学研究科准教授/宇宙地球科学専攻)は日本を代表する活断層の研究者。「地震はなぜ起こるのか」というメインテーマに入る前の予備知識として、宇宙や地球の構造を少し解説してくれた。

調理の前に学びの時間

調理の前に学びの時間

 

宇宙は、今、138億歳で、太陽系の位置する天の川銀河が生まれたのは宇宙誕生の8億年後だとか。太陽や地球のたどる運命もすでに大方わかっていて、太陽はこの後、どんどん大きくなって超新星爆発をして死に、太陽が拡大する過程で地球の水は干上がり、太陽に飲み込まれてその一生を終えるという。

 

太陽も地球も有限とは。地球が一生を終えるのは20億年後だそうだが、ちょっと複雑な気分になった。

 

さらに、天の川銀河のような銀河は宇宙にあまた存在しており、その一つひとつに恒星の周りを惑星が回っている太陽系のようなものが存在している。地球のような生きた惑星は宇宙に限りなく存在するのだから、宇宙人がいてもなんの不思議もない。

「われわれが存在することが、宇宙人が存在することを証明している」という先生の言葉に、とても納得してしまう。

 

さらに、最近の宇宙科学の研究で、私たちの住む宇宙以外にたくさんの宇宙があるということもわかってきているのだとか。ユニバースではなく、マルチバースなのだそうだ。他の宇宙は観測すらできないのだが、理論的に推測されるのだそうだ。

 

「宇宙は、ますます理解できない世界になりつつあります」宇宙は私たちからさらにさらに遠い存在になるみたいだ。

イメージ

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改めて地震のメカニズム

そんな宇宙談義から話は地球の誕生から地震の発生へと進む。地球は今、46億歳で、宇宙の歴史の中でいっても結構な古参である。

 

生まれたときには火の玉のようだった地球に大量の雨が降って海ができた。地球の内部は、表面から地殻、マントル、核という層構造になっているのだが、誕生時の膨大な熱と自然に地下でおきる核分裂の熱を宇宙空間に逃がそうとしてマントルが対流し、対流に引きずられて表層のプレートが移動する。

 

海側のプレートと陸側のプレートが接する海溝部分では、海側プレートが陸側プレートの下に沈みこもうとする。引きずられて変形した陸側プレートにひずみが蓄積され、限界が来て元に戻ろうと跳ね上がるときに起こるのが海溝型地震。そこでの力が内陸に徐々に伝わって活断層が動くときに起こるのが内陸型地震だ。

 

「地震は私たちに被害をもたらす存在ですが、別の見方をすれば地球が生きていることの証明。火星や木星のように冷えてしまった星ではプレートは動かず、地震も起こりません」

防災意識が一気に点灯

それでは、地震はどこで頻発するか。

 

世界の地震分布図を見せてもらうと、日本列島の上には点が密集している。まさに地震大国。日本付近には4つものプレートがひしめき合っており、普段から地震が群発しているという世界的に見ても特異な場所なのだという。

 

さらに活断層もたくさんある。とくに、中部から近畿にかけては地図に書ききれないほどの活断層がある地域。阪神・淡路大震災を引き起こした六甲-淡路島断層系のほか有馬-高槻構造線、上町断層など、関西の都市部に活断層が多くあり地震のリスクは極めて高いとのことだ。

危険性を語る廣野先生

危険性を語る廣野先生

 

先生は、アメリカのカリフォルニア州法で制定された活断層法を紹介。活断層の真上付近に建物を新築してはいけないという法律で、日本でも2012年、徳島県で似たような趣旨の条例が制定されたという。

 

大阪大学の豊中キャンパスがある豊中市には上町断層が通っており、断層の上に民間のマンションや学校などの公共施設が建っている現状がある。先生は条例制定の必要性を指摘する。

 

さらに、南海トラフ地震の起きるリスクについて、研究から今わかっていることが明らかに。過去に発生した地震の周期からみて次の地震は30年以内に70~80%の確率で発生が予想されている。甚大な被害が予想される巨大地震で、東南海地震と南海地震が連動して起きる可能性も高いという。

 

また、津波の想定としては、東日本大震災のときと違って、太平洋沿岸地域では地震後わずか数分から10分程度で到達し始めるという。一人ひとりが震災への備えについて改めて考えるきっかけになる講義だった。

本格非常食クッキング5品を実作

防災意識が高まったところで、大阪ガスクッキングスクールの先生にバトンタッチ。定期的に非常食を食べ、食べたら買い足して常に新しい非常食を備蓄するローリングストック法への理解を深める、備蓄食クッキングレシピを教えてもらった。

 

作り方のコツと重要な部分の実演を見た後、参加者の皆さんが4つの班に分かれて調理開始。

アカデミクッキング専用のエプロンを身につける

アカデミクッキング専用のエプロンを身につける

サバ缶のつくねバーグを調理中

サバ缶のつくねバーグを調理中

 

男性の方の顔も見え、年齢層もバラエティに富んでいる。男性も含めて料理はしなれている方ばかりのようで、役割分担をしながらスムーズに料理が進む。ビニール袋を使うパッククッキングで洗い物を減らす工夫、切り干し大根など繊維の豊富な乾物を避難生活の健康管理に役立てるなど、防災クッキングのプチ知識もいくつか盛り込まれていた。

 

30分ほどで手早く調理終了。サバ缶のつくねバーグ、切り干し大根とわかめの和え物、ツナととうもろこしの塩こうじごはん、とろろ昆布のすまし汁、抹茶のチーズケーキ乾パン入りと、1汁2菜にご飯もの、デザートまでついた本格的な献立が並び、みんなで試食。

缶詰や乾物を使った5品が完成!

缶詰や乾物を使った5品が完成!

 

非常用食材を中心に使ったとは思えない華やかな食卓に、参加者の皆さんも満足そうだ。知的好奇心と料理スキルを磨いておいしく食べたいという欲求を満たすだけでなく、地震への備えをすぐに始めないと、という気にもさせてくれる、一石三鳥?四鳥の有意義な時間だった。

 

取材協力:大阪大学21世紀懐徳堂

大阪大学×大阪音大の月を知り尽くす音楽会

2018年1月23日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

木枯らしが吹く季節になると、月が格別、近くに感じられる気がしませんか。いつもタダモノでないコンサートを聴かせてもらえる年に一度の秋のお楽しみ、大阪大学×大阪音楽大学のジョイント企画のテーマも「月と音楽」がテーマでした。よかったですよ、かなり。

第7回(2016年)開催時の記事はこちら

 

月にひたり音楽にまみれる2時間

 

今回の企画は、惑星科学の専門家で、アポロが持ち帰った月の石や、はやぶさの収集した微粒子の研究をされている大阪大学の寺田健太郎先生によるお話と、大阪音楽大学出身で世界的に活躍するヴァイオリニストであり、同大で教鞭を取られている松田淳一先生率いる弦楽四重奏のジョイントです。

 

寺田先生の解説を、松田先生や司会進行役の久保田テツ先生らが聞く

寺田先生の解説を、松田先生や司会進行役の久保田テツ先生らが聞く

 

解説はスクリーンに画像や映像を映しながら行われた

解説はスクリーンに画像や映像を映しながら行われた

 

最初のナンバーは、ドビュッシーのピアノ曲「月の光」。弦楽で奏でられ、いきなりアッと驚かされました。「月の光」以外の演目は、ベートーヴェンの「ピアノソナタ14番『月光』」、ジョン・ウイリアムスの「スター・ウォーズのテーマ」、スタンダード曲で知られた「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」、ドヴォルジャークの「アメリカ」第4楽章、ラヴェルの「弦楽四重奏曲へ長調」第4楽章、グレン・ミラーの「ムーンライト・セレナーデ」というラインナップ。弦楽四重奏曲でないものは、すべて松田先生が編曲されたそうです。

大阪音大の卒業生などで編成

大阪音大の卒業生などで編成

 

こうした演奏と寺田先生の月にまつわるさまざまなトピック解説が対バンを張るイベントです。月のトピックといっても、私のような天体のことをほとんど知らない素人が興味を持つような話題もちゃんとちりばめてくれました。

 

「地平線から上ったばかりの月は赤く大きく見え、頭上高くに来ると小さく見えますが、あれは錯覚。一日の間で月の大きさは変わりません」。

 

えー! あれを錯覚と言われてしまったら、自分が見ていることがいろいろ信じられなくなりそうです。満月の時に、目の前に5円玉の穴に月がぴったりはまるようにかざし、その時の目から5円玉までの位置を覚えておいて、夕方と頭上に来た時とを比べてみるとわかるそう。同じ距離なら同じ大きさというわけです。

 

「月は楕円軌道を描いているので、満月の大きさには時期によって差があります。地球に一番近づいた時の満月は大きくなります」。

スーパームーンとかいう、あれのことですね。寺田先生に、2017年の最スーパームーンは12月4日と教えてもらい、その夜は心の準備をしてじっくりと眺めました。「今一番地球に近づいた月」を思うと、いつもと違う月に感じられます。

 

松田先生も、お話が相当面白い。司会進行役で、今回のイベントを企画された大阪音楽大学の久保田テツ先生に「古来から月は表現者を刺激する存在のようですが、音楽家にとってはどうでしょう?」と水を向けられた時の答えなど、最たるものでした。

 

「ネアンデルタール人は、月夜に宴会をしたといいます。宴会とはつまり求愛活動であり、踊りのうまい男はモテたらしい。昼間に狩猟をして体力を使ったはずなのにまだまだ余力がある強い男は女性に好かれる。踊る男は音楽家につながります。音楽の能力とは、ずっと昔にプログラミングされたものなのかもしれませんね。太陽には仕事や労働のイメージがありますが、月は自由や創作意欲の象徴です」

 

イベントのチラシ映像。モチーフは世界初のストーリーのある映画として知られる「月世界旅行」

イベントのチラシ映像。モチーフは世界初のストーリーのある映画として知られる「月世界旅行」

 

 

ほかにも演目や作曲家についての解説も折々にはさまれ、興味深く聞くことができました。ベートーヴェンのピアノソナタ第14番「月光」では、「ベートーヴェンは表題をつけるのが好きでなく、月光という名前も後で他の人がつけたもの」「第1楽章でゆっくりした曲から始まるのは、当時のピアノソナタの常識では考えられない」「メロディに“無”を与え、宇宙や存在を超えたものへの畏怖を表現している」といった「!」な情報と弦楽四重奏によって、初めて聴くような新しい「月光」に触れることができました。

 

月と地球の不思議な関係

 

「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」では、アポロ11号の時にオルドリン飛行士が月で流したというエピソード、この曲のもっと有名なバージョンを歌ったフランク・シナトラとアポロ計画を推進したケネディ大統領は大の仲良しだったというような裏話が。演奏中には、バックのスクリーンに月の上を歩くアポロ11号の宇宙士たちの映像が流れるなど、洒落た演出です。

 

月の石を研究する寺田先生によると、アポロ計画全体で月から持ち帰った石は、12人の飛行士が6カ所から380kgを集めたそう。月を研究すると地球のことがわかるので、石を持ち帰ったことはアポロ計画最大の成果だといいます。コンサートの最後には、月の石の実物に触れるチャンスも設けられていました。

 

また、月と地球の不思議な関係についての逸話も、印象に残っています。月の大きさは地球の3.67分の1、約4分の1で、これは火星と衛星フォボス(1/309)、木星と衛星ガニメデ(1/27)、土星と衛星タイタン(1/23)と比較しても、非常に比率が大きい。それだけに地球に対する月の影響力は大きいのだそうです。

地球と月の関係を他の惑星と比較

地球と月の関係を他の惑星と比較

 

1日の長さも月の影響下。月の引力でできる潮の干満がブレーキとして働いて地球の自転はだんだんと遅くなっており、今から4億年ほど前の1日は今よりずっと早くて21時間ほどだったそうです。

 

また、大きな月が公転していることが、地球の自転軸を安定させているそう。万が一地球が横倒しになったりすると生物には大打撃なので、月はかけがえのない守り神でもあるようです。

 

ロックでエールを贈るサプライズ

 

寺田先生のお話の最後には、松田先生や久保田先生からの質問するコーナーが。「月移住は可能か?」という質問には、月には放射線が飛び交い隕石もぶつかってくるので定住はとても危険。でも最近、日本人が月の表面に洞穴があることを発見し、そこに基地を作ろうという話になっているというお話があり、会場にどよめきが起こりました。

 

寺田先生は普段はどんな音楽を聴いているのかという質問には、「日本のロック」という答えが返ってきました。「みんなが右を向く時でも、左を向かないといけないことがある。突っ張っているところが、ロッカーと研究者とそっくり」なのだそうです。

 

そこで、寺田先生へプログラムには載っていないサプライズ。エレファントカシマシの「今宵の月のように」の演奏がプレゼントされました。「努力しても報われない時に聴くと励まされる」エレカシファンという寺田先生は、演奏の後「音楽の力に感動しますね。涙が出そうです」とうれしそうでした。

 

次のラヴェル「弦楽四重奏曲へ長調」第4楽章は、「混沌をテーマにした曲」だそうで、ドヴォルジャークの「弦楽四重奏曲第12番ヘ長調 作品96, B.179 『アメリカ』」と同様、弦楽四重奏として書かれた曲でした。確かに、いろいろな要素がいっぱいで緊張感の中に弦楽の美しさが湛えられた、圧倒されるような曲。松田先生が、「ボレロ」が大宇宙ならこの曲は小宇宙とおっしゃっておられた、まさにそんな感じでした。

 

ラストナンバー「ムーンライト・セレナーデ」の前に、進行を務めた大阪大学21世紀懐徳堂・肥後楽さんから、今日のプログラムがいつもより1時間遅い15時からスタートした理由の披露が。

 

コンサートが終わる頃、ちょうど月が出るようにセッティングしたのだそうです。「残念ながら今日は三日月だそうですが、少しゆっくりと空を見上げてみてください」。

 

その言葉通り、コンサートがはねて会場の大阪大学会館を一歩出た途端、薄明りの残る真正面の空に見えたのはすっきりとした三日月です。

※イメージ

※イメージ

 

自然現象も計算に入れた粋な計らいに感謝しながら大阪大学豊中キャンパス内を歩く頭の中には、今目の前で聴いたばかりの弦楽バージョンの「ムーンライト・セレナーデ」が鮮やかに鳴り続ける夢幻のような小旅行。

 

どちらかというとクラシックが得意ではなかったのにもっと聴きたいと思ったこと、空に月や星の浮かんでいるのを見るのが楽しみになったことなど諸々併せ、ちょっとだけ脱自分した私にとっては大きな一歩のコンサートでした。

 

 

取材協力:大阪大学21世紀懐徳堂

 

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