ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

幻燈(ガラススライド)が投影した異国のデザイン。京都工芸繊維大学の展示でみる教材としての幻燈

2026年2月10日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

「幻燈」というものの実物を見る機会は今、なかなかありません。芥川龍之介の小説「少年」(1924年)には、主人公の少年がイタリア・ベニスの風景を映した幻燈で幻のようなものを見るエピソードがありますが、幻燈にはどこか詩的で幻想的なイメージがあります。幻燈はガラススライドに描かれた絵や写真を光とレンズを通じて拡大投影する装置で、かつては娯楽として親しまれる一方、学校の教材としても活用されていました。

 

京都工芸繊維大学美術工芸資料館「幻燈(ガラススライド)で知る世界のデザイン―パルテノン神殿からアール・ヌーヴォーまで」展(2025年12月20日終了)では、同大学の前身である京都高等工芸学校の設立(1902年)の頃、教材として収集・利用されたガラススライドを公開。当時の学生たちがどのような資料を見ていたのか、平芳幸浩館長の解説とともに観覧しました。

伝統産業の近代化をめざして収集

幻燈は17世紀ヨーロッパで誕生。日本には江戸時代に渡来し「写し絵」「錦影絵」などの名で寄席の演目にも取り入れられ、人気を集めていました。明治期には政府の主導で教育メディアとして活用されるようになり、同校でも世界各地の美術工芸品などを写した約1900点のガラススライドが収集されました。

開校時、購入されたガラススライドの一部(展示のため拡大出力されたもの)。装飾品やコーヒーセット、シャンデリアなど、細部まで確認できる

 

開校時の同校がめざしたのは「伝統産業の近代化」と「新しいデザイン」。ガラススライドに写っているのは美術教育のために撮影された装飾品や、ギリシャ・ローマの彫刻といった古典的な作品、エジプトのピラミッドやギリシャのパルテノン神殿など。古代から中世、ルネッサンス、ロココ、アール・ヌーヴォーに至るまで、さまざまな時代や地域の作品を写したガラススライドが集められ、図案(デザイン)や美術史を学ぶ資料として用いられたそうです。

 

今ならプロジェクターにコンピューターをつないで投影となりますが、その原型がこうしたガラススライドと言えます。

ドイツ製の幻燈器械(ゲルツ社)。木枠にガラススライドを入れ、ランプや電燈などの光源を用いて壁や布に投影した

 

ガラススライドの写真はガラス乾板(フィルムの代わりにガラス板を基板として利用)によるもの。サイズは8.4✕9.8センチで、非常に細密

 

《ヨーロッパ美術史》の一部。ローマ水道橋やピラミッドの彫像など

 

1900年パリ万博のパビリオンを写したガラススライド(展示用に拡大出力されたもの)。スイス館(山小屋)、化学工業製品館、電気館、農業館などが写っている

 

同校で購入されたガラススライドの半数以上は、ドイツ人の写真家シュテットナーが製造販売したもの。シュテットナーは自ら撮影旅行に出かけて撮影し、販売も手がけたそう。こうしたガラススライドを購入したのは欧米各地の大学や研究機関、美術館、博物館などが多く、「ニーズは結構高かったのでしょう」と平芳館長。

 

このようなスライドへの需要が高かったというのは興味深いですね。ガラススライドならではの良さはどのようなものだったのでしょう。

「世界中あちこちにある美術品や建築物の実物を並べて比較することってできないですよね。ガラススライドであればまったく違う場所にあるものを並べて投影、比較して様式の共通性や違いを探し出すことができる。美術史やデザイン史などの研究や教育の発展に大きく寄与したと思います」(平芳館長)

ガラススライドは歪みが少なく画像が細密。細部を拡大表示できるなどの利点もありました。

 

会場には、この時代に学んだ生徒のデザイン画も紹介されていました。

能瀬丑三《Woman Garniture》。同校のめざした“伝統産業の近代化” “新しいデザイン”を体現するかのようなデザイン

 

ガラススライドがよく使われたのは20世紀の初頭から1950年代ごろまで。それ以降はフィルム写真が主流となり、表舞台からは姿を消すこととなります。現在ではガラススライドが当時のような目的で使われることはほぼありませんが、こうした技術が半世紀近く視覚メディアとして存在し、教育の場で活用されていたことを興味深く感じました。

 

 

(編集者・ライター:柳 智子)

年末大特集 2025年 TOP10記事発表

2025年12月25日 / まとめ, トピック

2025年も残すところわずかとなりました。みなさまにとってどんな一年だったでしょうか。

さまざまな研究者へのインタビューやイベントレポートなどをお届けしてきた「ほとんど0円大学」で、今年もっともよく読まれたのはどんな記事でしょう? 年末恒例、年間ランキング<トップ10>をお届けします!

※年間PV数(閲覧回数)によるランキング

10位|植物図鑑(2):土をつくり、森を育てる。身近な植物・コケの美しさと生態系で果たす大きな役割を学ぼう

盆栽や日本庭園などでその美観をたたえられることはありますが、ふだんそれほど目立つ存在ではないコケ。土がなくても生息し、根も維管束ももたず体全体で水分を吸収するなど「へぇ~」と思う発見がいっぱい。エゾスナゴケの美しさにも注目です。

 

記事はこちら!→ 植物図鑑(2):土をつくり、森を育てる。身近な植物・コケの美しさと生態系で果たす大きな役割を学ぼう

 

9位|かつて誰もが使ったMD(MiniDisc)。その興亡から見えてくるものとは? 京都女子大学の日高良祐先生に聞いた

1992年に発売開始され、2000年代にかけて流通したMD(ミニ・ディスク)。かつての愛用者(筆者含む)は、一度ならず「便利だったのになぁ…」と遠い目になったことがあるのでは。その影響や衰退の背景などを、メディア技術史を研究する先生が解説します。

 

記事はこちら!→ かつて誰もが使ったMD(MiniDisc)。その興亡から見えてくるものとは? 京都女子大学の日高良祐先生に聞いた

 

8位|日本大学生物資源科学部の「骨の博物館」で、骨の多様性と進化を体験!

日本大学湘南キャンパス内にある「骨の博物館」の展示レポートです。日本在来馬と競走用のサラブレットの骨格の違い、骨粗しょう症になったホワイトタイガーの頭蓋骨など、骨は多くのことを物語っていることがわかります。

 

記事はこちら!→ 日本大学生物資源科学部の「骨の博物館」で、骨の多様性と進化を体験!

 

7位|学食レベルを超えた本格寿司! 東京大学柏キャンパス「お魚倶楽部はま」

「おいしい◯◯をリーズナブルに食べられる」。なんだかんだ言っても、要するに、つまるところ、学食の魅力はここに尽きるのではないでしょうか。きわめつけが、寿司。学食が寿司を出しているのではなく、寿司店が大学に入っているのです。あっぱれ!

 

記事はこちら!→ 学食レベルを超えた本格寿司! 東京大学柏キャンパス「お魚倶楽部はま」

 

6位|ぬいぐるみに心を感じるのは「認知のバグ」? 白百合女子大学の菊地浩平先生に、人形と人間の不思議な関係を聞いてみた

わら人形からカワイイぬいぐるみ、アクスタまで。そういえば、人の世にはいつも人形がそばにあります。愛でたり畏れたり、なぜ人間は人形に「何か」を見出してしまうのでしょう? 人形劇の研究を専門とする先生が語ります。

 

記事はこちら!→ ぬいぐるみに心を感じるのは「認知のバグ」? 白百合女子大学の菊地浩平先生に、人形と人間の不思議な関係を聞いてみた

  

5位|現代の吟遊詩人、ラッパー・志人のリリックから考察する。国立民族学博物館「越境する韻律の世界」イベントレポート

「現代の吟遊詩人」ラッパーと音楽人類学の研究者が登壇した国立民族学博物館のイベントレポート。吟遊詩人にもラップにもあまりなじみがありませんでしたが、文字のない社会で歴史やニュースを伝える口承伝承がルーツだったと知って納得。

 

記事はこちら!→ 現代の吟遊詩人、ラッパー・志人のリリックから考察する。国立民族学博物館「越境する韻律の世界」イベントレポート

 

4位|「100%効く愛の呪文」?ロシアの呪術を文化人類学で紐解く、神戸市外国語大学の藤原先生に聞いた

日本で呪いというと暗い所でコッソリと行うイメージですが、ロシアでは、呪った相手に「呪ってやったぞ!」と宣告(?)することが多いそう。「呪術には人間らしさがあふれている」「興味があるのは、客観的な事実ではなく、世界観」という文化人類学者へのインタビューです。

 

記事はこちら!→ 「100%効く愛の呪文」?ロシアの呪術を文化人類学で紐解く、神戸市外国語大学の藤原先生に聞いた

 

3位|図書館そのものを学問に!?その魅力や図書館の役割について同志社大学の佐藤翔先生に聞いてみた

図書館で調べものをする……のではなく、図書館そのものを研究対象としている先生へのインタビュー。スマホで手軽に調べものができる時代、図書館の役割とは? あらためて図書館のもつさまざまな機能に注目したくなります。

 

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 2位立教大学で細野晴臣氏の“ずっと好き”を巡る。懐かしい記憶にそっと触れた企画展「細野さんと晴臣くん」

音楽活動55周年を迎えた細野晴臣氏の「細野さんと晴臣くん」展のレポート。過去の「晴臣くん」と現在の「細野さん」の視点を行き来するような展示構成、体験型インスタレーションなど、来場者を引き込む工夫が光ります。そして根強い細野さん人気!

 

記事はこちら!→ 立教大学で細野晴臣氏の“ずっと好き”を巡る。懐かしい記憶にそっと触れた企画展「細野さんと晴臣くん」

 

そして、気になる一位は……?

 

 1位「ひのえうま迷信」の地域差に浄土真宗の戒めが関係? 仮説をデータで立証した大阪大学の石瀬先生に聞いた

来年がひのえうまということもあり、注目を集めたのがこの記事。過去のひのえうまでは出生率や男女比にも大きな影響がありましたが、明治時代以前は男女比の乖離に地域差があったそうです。それには浄土真宗の教えが関係していたといいますが、その教えとは……?

 

記事はこちら!→ 「ひのえうま迷信」の地域差に浄土真宗の戒めが関係? 仮説をデータで立証した大阪大学の石瀬先生に聞いた

 

* * *

 

人形に寿司店、ラップに呪術にひのえうま。今回も、なかなかカオスな顔ぶれがトップ10入りしました。

本年も弊サイトをご覧いただき、誠にありがとうございました。来たる2026年が希望に満ちた明るい年となりますよう。今後もお付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

(編集者・ライター:柳 智子)

京都工芸繊維大学「ポスターで見るアール・デコ誕生とその後」展で体感。アール・デコと100年前の世界

2025年12月16日 / 体験レポート, 大学を楽しもう

今年は大阪・関西万博が開催され話題をふりまきましたが、今をさかのぼること一世紀、パリでデザイン史にその名が刻まれることになる博覧会が開催されました。通称「アール・デコ博覧会」(「現代国際産業装飾美術博覧会」)です。

現代の万博と同じくパビリオンが立ち並び、ファッションやアクセサリー、家具、建築などの装飾デザインをテーマとした博覧会。そこに現れたスタイルは1960年代に入って再評価がすすみ、100周年の今年は各地で関連の展示が開かれています。

 

京都工芸繊維大学美術工芸資料館では「ポスターで見るアール・デコ誕生とその後」を開催(2025年12月20日まで)。国内外のアール・デコ様式のポスターが並び、他の展覧会ではあまりみられない日本人デザイナーによる作品も紹介されています。平芳幸浩館長の解説のもと観覧しました。

会場エントランス

 

そもそも、アール・デコとは

アール・デコのはじまりとされるアール・デコ博覧会が開催されたのは1925年のパリ。150ものパビリオンが並び、装飾・産業美術の展示のほかファッション・ショーや写真展、ダンスや音楽の実演なども行われ、近年の万博と同様、家族で出かけて一日楽しめるイベントだったといいます。

 

アール・デコは1920年代から30年代にかけての装飾スタイルで、その特徴は直線的で幾何学的な形態や左右対称性、東洋趣味、古代趣味など。それ以前のデザイン様式(アール・ヌーヴォー)が手工芸的、曲線的だったのに対し、工業化に対応した機能的で単純化されたデザインで、非ヨーロッパ圏の装飾などさまざまな地域や時代の意匠が取り込まれているのも特徴です。

 

アール・デコ博覧会の宣伝ポスターは4種類制作されました。下はその一部です。

 

左側のポスターでは黒ぐろと描かれた人々がかたまり、工場から上がる煙をバックにトーチのようなものを掲げています。

右側のポスターでは、やはり工場から真っ黒な煙が上がっています。この博覧会のモチーフがバラの花だったということで、中央上部にバラが描かれています(工場の黒煙とともに……)。

これらがアール・デコ博のポスターとは、ちょっと意外な気がします。「アール・デコ」という華麗な響きには似つかわしくない気がするのですが……。

 

「産業装飾博なので、産業、インダストリアルの部分が強く出ていると思います。この展覧会のポスターは4種類ありますが、デザインのイメージが統一されているわけではないんです」(平芳館長)

 

アール・デコというスタイルが、この時点で定まっていたわけではないんですね。

「アール・デコの特徴である幾何学的な文様や東洋趣味などはすでに1925年の前にも含まれています。博覧会にたくさん出ているということは、少し前の時代から当然存在していたことになります」。後年になってみると非常に特徴的なデザインが多数出そろっていたということで、この博覧会の名称「アール・デコ」がデザイン様式のひとつとして語られるようになったそうです。

パリで活躍した日本人デザイナー、里見宗次

アール・デコのスタイルが広まっていくのは1920年代後半から30年代にかけて。フランスからヨーロッパ、アメリカ、日本にも伝わり、その中にはパリで活躍した日本人デザイナー、里見宗次による作品があります。

 

里見宗次は1904年大阪生まれ。大正時代(1922年)にパリにわたり、1930年代、第一線で活躍。戦争が始まって日本に一時帰国し、戦後ふたたびフランスに戻って活動したという人です。

 

KLMオランダ航空や日本郵船、御木本真珠などのポスターを手がけた売れっ子で、かつては日本でもよく個展が開かれたのだそう。今回の展覧会でもいくつかのポスターを見ることができました。

下の写真、左から6点が里見の作品です。左端の『ORIENT CALLS』という文字が見えるのは東亜交通社のポスター《東洋への誘い》(1936年)。船や機関車、日本のコケシやチャイナドレスの人、ターバンや象などがコラージュ的に配置されていて、まさにヨーロッパからみたORIENT(東洋)。ポスターが描かれた1930年代は、日本が国を挙げて外国人観光客を誘致していた時代でもありました。

里見宗次によるポスター(左6点)

 

左から2枚目はパリからコート・ダジュール地方を結んでいたP.L.M.鉄道のポスター(1934年)。その右の、線路のようなものが走っているのは国鉄(当時の鉄道省国際観光局)のポスター(1937年)です。

国鉄のポスターには海や山のような景色も描かれていますが、画面の大部分を線路が占め、しかも新幹線並みのスピードを感じます。観光地の魅力よりも移動のスピード感が強調されているのがおもしろい。「対角線がスピード感を出しています」と平芳館長。この作品は1937年のパリ万博に出品されて好評を博し、金賞を受賞したそうです。

交通、工業化、大量生産……社会の大変革

極端な遠近法や幾何学的な表現などを用いてアール・デコ様式を象徴するポスターを生み出したのがカッサンドルです。下の写真右、巨大な船が正面から描かれたポスターはカッサンドルによる代表作《ノルマンディ号》(1935年)。彼の作品は里見宗次のほか、同時代の多くのポスター作家に影響を与えたそうです。

左はムーラン・ルージュのポスター

 

日本で作られたポスターでは、東京の地下鉄の広告も展示されていました。杉浦非水《東京地下鉄道株式会社》(1927年)は、やはり線路が画面を斜めに走る構図で、華やかに着飾った都会の人々がホームに並び、お出かけのわくわく感が伝わってくるようです。

 

少々毛色のかわった展示も。下は、時刻改正を伝える大阪鉄道局のポスターです。

文字も斜め。(ちょっと読みづらい?)

 

「国鉄、今のJRも広告が非常にうまいんですが、昔から面白いデザインのものが多いんです。デザイン部門がしっかりしていて。たぶんポスターが一番よく掲示される場所って日本の場合は駅ではないでしょうか。いろんなキャンペーンや商品の宣伝にフル活用されていたと思います」(平芳館長)

 

展示全般を通して感じるのは、船や鉄道、飛行機など乗り物のポスターが多いこと。スピード感や空間の広さ、奥行きを強調した表現が印象的で、ポスターの作られた1920~30年代がスピードと移動の大変革の時代であったことが伝わってきます。

車、くるま、クルマ。左から2つ目は24時間耐久レースの宣伝

 

会場には、乗り物以外のポスターも多数。粉ミルク、ゴルフクラブ、時計、オペレッタ、タバコ、演劇……。

下の画像は、左から石鹸、パスタ、電動工具の広告です。

真ん中のポスター《満月印パスタ》は学生に特に人気だそう

 

ひとくちにアール・デコの時代と言ってもさまざまな側面があると思いますが、今回、会場に足を運んで印象に残ったのは、やはり「乗り物」と、遠くに向かって走るような対角線の構図です。この時代のスピードと移動、生産と消費の拡張などの激変を、ポスターは雄弁に語りかけているように感じました。

 

 

(編集者・ライター:柳 智子)

大学広報誌レビュー第37回「高知大学マガジン SRU」

2025年8月21日 / コラム, 大学発広報誌レビュー

全国の大学が発行する広報誌をレビューする「大学発広報誌レビュー」。今回とりあげるのは、高知大学が発行する「高知大学マガジン SRU」です。SRUとはSuper Regional Universityの略で、高知大学がめざす「地域を支え、地域を変えることができる大学」を表す言葉でもあります。

 

高知大学は高知市に本部を置く国立大学で、高知の自然や社会を活かした実践的な研究と学びに強みをもちます。巻頭記事「研究のススメ!」では毎回2名の研究者に焦点を当て、高知大学の研究を紹介。最新号(2025年7月発行)で紹介されているのはアオウミガメの研究です。

高知大学マガジンSRU vol.8 巻頭記事「研究のススメ!」

 

高知県はアカウミガメの産卵地として知られ、四国で最も産卵数が多いのが高知海岸です。高知海岸まで車で10分という立地にあるのが高知大学総合研究センター海洋生物研究教育施設。記事では30年以上にわたってウミガメの研究に取り組む同センターの斉藤知己教授が、産卵数の減少などアカウミガメを取り巻く環境の厳しさや研究の展望を語ります。

「研究のススメ!」より。右上のグラフは高知県のアカウミガメ上陸・産卵回数、産卵成功率を表す。高知海岸で調査した中で一番多かったのは2013年の88回。それが2023年には6回にまで減った

 

記事によると、アカウミガメの産卵回数が減少している原因の一つは「誤って置網に入ったり、はえ縄にかかったりするなどの混獲だと思います」と斎藤先生。高知県のお隣、徳島県の蒲生田海岸の場合は、農地を高潮から守るための離岸堤により浜に砂が流入しなくなるなど、環境の変化も大きな要因だといいます。

斎藤先生は「ウミガメが産卵するための最適な条件を解明し、砂浜をどう維持していけばいいのか、政策にも助言できるような研究成果を得たい」と語ります。

 

地域と連携した取り組みを紹介するコーナーも。最新号のテーマは「海藻が切り開く四万十の未来」。

高知県四万十市はスジアオノリとアオサ(ヒトエグサ)の県内一の産地として知られていますが、スジアオノリは2020年度から、ヒトエグサは2021年度から、温暖化の影響で全く取れなくなってしまいました。

そこでスタートしたのが、四万十市と高知県、企業が参画し、高知大学が代表機関となって海藻の復活や環境保全、ビジネスの創出に取り組むプロジェクト「しまんと海藻エコイノベーション共創拠点」です。記事では、このプロジェクトについて3名の先生が紹介しています。

地域との連携を紹介するコーナー「カケル大学」。毎回、地域に根ざした産学官の活動が紹介されている

 

高知大学が開発した技術を使ってアオノリを陸上養殖するほか、ミナミアオノリからバイオマスプラスチックを作ったり、ミナミアオノリにCO2を吸着させてバイオマスとして利用したりする構想があるそう。

なかには、ちょっと意外な研究も。地球温暖化の原因の一つにメタンガスがありますが、高知県の海によく生えるカゲキノリという海藻を牛の飼料に加えると、牛のげっぷに含まれるメタンガスを9割以上も抑えることができるといいます。こうした取り組みからは「食べる」だけではない、海藻の可能性を知ることができます。

「経済が回ればCO2は出る。でも四万十では仕事をするほど環境に優しい。ここには環境に優しい仕事がありますよという流れにしたい」(プロジェクトに関わる平岡雅規先生)

 

バックナンバーでは、土佐和紙を使って作品をつくる卒業生の和紙アート作家や、「海洋医学」「海洋医療」など耳慣れない学問の紹介も。高知だからこそできる研究や教育内容は、どれも興味深いです。

 

*広報誌「SRU」は年3回発刊で、高知県内各所に設置。デジタルブックでも閲覧できます

 

 

(編集者・ライター:柳 智子)

もうすぐ夏休み、遊んで学ぼう。全国の大学の子ども向け体験講座やイベントをチェック!

2025年7月3日 / まとめ, トピック

早くも7月。全国の大学で、夏休みの子ども向け講座やイベントがたくさん予定されています。今回は、無料または1000円以内で参加できる科学イベントや体験講座を中心に、ほとゼロ編集部がいくつかピックアップしてご紹介します。

 

*いずれのプログラムも定員があります。詳しくは各プログラムのホームページでご確認ください。

東北大学

KDDI「スマートフォン分解教室」

まずは東北エリアから、スマホを分解するという東北大学のプログラムをご紹介。40工程におよぶ手分解を通じてスマートフォンの構造を学び、さらにはマテリアルリサイクルを通じた循環型社会などについても考えようというもの。機械に苦手意識がある子も興味津々で取り組めそう。

 

|開催日: 8月23日(土)

|対象:小学5年生~中学1年生

|参加費:下記のHPにてご確認ください

|申込: 7月23日(水)12:00より受付開始

 

●詳細はこちら!

https://www.ip.eng.tohoku.ac.jp/campus/science/

 

早稲田大学

リズムマシンをつくって、自分の音楽を演奏しよう!

早稲田大学理工学術院が主催する科学実験教室「ユニラブ」では、電気で動くハンマーを使って音を出す「リズムマシン」で音楽を作り、電気と音楽について遊んで学べるプログラムを開催。電気で鉄を動かして、音のタイミングを工夫して、最後はみんなでミニコンサート。理科と音楽の垣根などなくなってしまいそう。

|開催日:8月5日(火)

|対象:小学校1・2年生

|参加費:無料

|申込:7月7日(月)まで(抽選)

 

●詳細はこちら!

https://dpt-unilab.w.waseda.jp/lab1/lab2025-05/

 

藤田医科大学

医療体験イベント「動く!見える!感じる!放射線×医療のおもしろ体験」

愛知県の藤田医科大学ではCTや透視装置などの医療機器を操作して、放射線などについてハンズオンで学ぶプログラムを開催。医療従事者でなければ一生触れることがなさそうな機器に触れ、操作できる貴重な機会。医療の仕事にも物理の内容にも興味がわきそうです。

 

|開催日:8月15日(金)

|対象:中学生

|参加費:無料

|申込:7月24日(木)まで

 

●詳細はこちら!

https://www.fujita-hu.ac.jp/~chiiki/course/summerevents2025/index.html

 

大阪公立大学

バイキンズワールド

にぎやかなバイキンのイラストが目を引くこちらのイベントは大阪公立大学から。オリジナルキャラクターを用いたiPad用ゲームで遊びながらバイキンについて理解を深め、ちょっとまじめなお話も聞いて学べる内容です。愛嬌たっぷりのバイキンたちがカワイイ。

 

|開催日:8月12日(火)

|対象:小学3~6年生

|参加費:無料

|申込:7月15日(火)まで

 

●詳細はこちら!

https://www.omu.ac.jp/lifelong-learning/course/event-05575.html

 

梅花女子大学

本の帯創作ワークショップ

本の魅力をアピールし、読者の興味を引く本の帯。梅花女子大学は「本の帯創作コンクール」(主催:朝日新聞大阪本社、大阪読書推進会)に合わせ、本の帯の創作ワークショップを開催。思わず手に取りたくなるようなキャッチコピーや装飾の入れ方など、魅力的な帯を制作するコツを学べます。一度自分で作ると、本や帯を見る目が変わるかも?

|開催日:7月27日

|対象:小学生以上

|参加費:無料

|申込:7月24日(木)まで

 

●詳細はこちら!

https://www.baika.ac.jp/news/detail.php?id=2249

 

広島国際大学

香りの科学:香りの成分を作ってみよう

広島国際大学では、子ども向け「科学・ものづくり・おしごと体験フェア」を開催。ものづくり体験講座では、化学反応を利用して果物の香りや料理の香りなどを作る講座が開かれます。子どもの頃にこんな体験をしたら、化学を好きになりそう。他にも多彩な体験プログラムが予定されています。

 

|開催日:7月26日(土)

|対象:小学生(1~6年生)、中学生

|参加費:1000円

|申込:7月7日(月)午前9時まで

 

●詳細はこちら!

https://www.hirokoku-u.ac.jp/regional_cooperation/kids.html

 

大分大学

大分大学 STEAM夏祭り2025 「牛乳が地球を救う?!」

牛乳からプラスチックを作れるって本当? 高校生が講師となり、小学生を対象に行われる「大分大学STEAM夏祭り2025」では、牛乳から生分解性プラスチックを作る講座を開催。身近な材料を通じて、プラスチックについての理解がぐっと深まりそう。ほかにも化学的にお菓子(グミ)を作る講座なども。

|開催日: 8月3日(日)

|対象:小学3年生~6年生

|参加費:無料

|申込:7月28日(月)まで *先着順

 

●詳細はこちら!

https://www.steam.iem.oita-u.ac.jp/event/%e5%a4%a7%e5%88%86%e5%a4%a7%e5%ad%a6steam%e5%a4%8f%e7%a5%ad%e3%82%8a2025/

 

 

今回ご紹介したのは、たくさんあるイベントのごく一部です。みなさまのお近くの大学でも、その大学ならではの講座やイベントが見つかるかも。申し込みの締め切りが迫っているものもあるので、ぜひ早めにチェックしてくださいね。

 

 

(編集者・ライター:柳 智子)

大学発広報誌レビュー第36回 立命館大学「RADIANT」

2025年6月26日 / コラム, 大学発広報誌レビュー

全国の大学が発行する広報誌をレビューする「大学発広報誌レビュー」。今回とりあげるのは、立命館大学が発行する「RADIANT(ラディアント)」です。

 

立命館大学は京都市内に本部を置き、17学部21研究科を擁する総合大学。2025年5月に創立125周年を迎えました。

冊子名「RADIANT」の意味は「光を放つ」「光輝く」。立命館大学の研究活動報として2015年より発行され、これまで「お金」「観光/ツーリズム」「宇宙」「ゲーム・遊び」などのテーマで、さまざまな分野の研究が紹介されています。

(左)「観光/ツーリズム」特集号より、観光とポピュラーカルチャーとの関わりなどに関する記事 (右)「お金」特集号より「eクチコミが消費者行動に与える影響」

 

テーマが一目で伝わる誌面デザイン

 

最新号(2025年3月発行)のテーマは「いのち輝く」。大阪・関西万博(EXPO2025)のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」にちなみ、脳科学やロボティクス、社会福祉などの研究が紹介されています。

 

上の見開きで登場するのはロボットを使った発達科学の研究。ヒトはどのようにして心や認識を発達させていくのか、ロボットを使ってこの問いの答えを見出そうとするものです。たとえば幼児は身近な大人の行動をマネしますが、その動作を行うのがロボットの場合も、同じようにマネするのでしょうか?

発達科学を専門とする板倉昭二教授(OIC総合研究機構)による実験では、人間とロボットの間にアイコンタクトがあったかどうかで幼児の模倣行動に違いがみられたといいます。アイコンタクトがその違いを引き起こしたのだとしたら「人と関わるロボットがヒト型である必要はないかもしれない」との考察が目を引きます。

 

注目の若手研究者の研究を紹介するコーナーも。下の記事では日本文学研究者が、社会から排除される人の心情と、人を排除する社会の構造を安部公房の作品から読み解きます。

岩本知恵さん(衣笠総合研究機構 専門研究員)の研究紹介

 

例として挙げられている安部公房の小説『赤い繭』は主人公の身体が絹糸になり、繭へと変形するという変形譚。突飛な設定のようですが「主人公にとって変形は決して比喩ではなく、自らの身体認識の変容」という分析が時代背景や社会とのかかわりから示され、興味をそそられます。

 

冊子に掲載された記事はすべてウェブサイトでも読むことができます。下はクラシック・コンサートの鑑賞スタイルに関する2022年の記事。

「クラシック・コンサートの「聴き方」の変遷を追う」

https://www.ritsumei.ac.jp/research/radiant/article/?id=137

 

クラシック音楽のコンサートはおしゃべり厳禁というイメージですが、18世紀までのコンサートでは演奏中に聴衆が立ち歩いたりおしゃべりしたりする光景がごく普通に見られたのだそう。文学部の宮本直美教授はヨーロッパ各国で催されたコンサートのプログラムを精査するとともに「客席の音」にも注目。それまでにぎやかだった客席が19世紀に入ると沈黙し始め、「まじめ芸術音楽」と「ポピュラーなコンサート」が分化していったという経緯と分析が紹介されています。

 

冊子をウェブサイトで読む際、デジタルブックやPDFで閲覧することが多いですが、RADIANTの場合は専用ウェブサイトがあり、ウェブページとして新たにデザインされている点が特徴的です。冊子は特集テーマでまとめられた一体感があり、ページを開いたときの視覚的なインパクトが強い印象。ウェブサイトでは、より読むことに集中しやすいと感じました。

ウェブサイトから冊子版のテーマで記事を検索したり、冊子からQRコードでバックナンバーの注目記事にアクセスすることも可能。紙とデジタルを連携させつつ、それぞれの持ち味をいかした広報活動が展開されているところからも「新たな社会共生価値と創発性人材を生み出すことを目指す」という同大学の研究にかける熱量が伝わります。

 

 

(編集者・ライター:柳 智子)

文化人類学の視点でみる社会と芸術について、京都市立芸術大学の佐藤知久先生に聞く

2025年3月17日 / 大学の知をのぞく, この研究がスゴい!

旅行に行ったときなど、自分の「常識」では考えられないようなことが自然に行われていて驚くことがあります。でも、その習慣が生まれた背景を知ると納得することが多いもの。文化人類学は、そこにくらす人々の生活に入りこんで、ある文化がどのような文脈のなかで息づいているかを知ろうとする学問とも言えます。

 

今回お話を伺ったのは、文化人類学を専門としつつ、震災の記録活動や美術館のあり方を考える活動などに取り組んでいる京都市立芸術大学芸術資源研究センター教授の佐藤知久先生です。芸術と障害について考える「もぞもぞする現場」というプログラムを知って先生の研究に興味をもち、障害者と美術館、震災の記録活動、それらと文化人類学とのつながりなどについて伺いました。

障害者がバリアなしに美術館を使えるようにするには? 「もぞもぞする現場」

 

――先生は文化人類学をベースに広範囲なテーマで研究されていて、障害者がバリアなしに美術館を使えるようにするための活動「もぞもぞする現場」にも取り組まれています。まずはこの取り組みについて教えていただけるでしょうか。

 

「もぞもぞする現場」の「もぞもぞ」には、「そもそも」と「妄想」という意味もあります。障害者やアーティストを含むさまざまな人が、芸術や美術館のあり方について「そもそも」のところから考え、「美術館をこんな風に変えたらどうか」「こんなことができたらおもしろそう」というアイデアを持ち寄って話しあい、美術館や外部の施設とつながって何かを始めてみようという取り組みです。文化庁の事業の一環で、2022年度にスタートし、現在3年目。5年計画で、私は「言い出しっぺチーム」のひとりとして関わっています。

「もぞもぞする現場」での話し合いの様子。「もぞもぞする現場」は京都にある芸術家支援団体「HAPS(東山アーティスツ・プレイスメント・サービス)によるプログラムで、文化庁の「障害者による文化芸術活動推進事業」に採択されている

 

――「もぞもぞする現場」を通じてめざす美術館の姿は、具体的にはどのようなものでしょうか。

 

たとえば選挙の投票所の建物の手前に階段があると、車いす利用者は投票がしにくくなりますよね。でも、階段がなければスッと投票できる。それと同じことが美術館、あるいは芸術というものについてもあって、美術館で展示したり鑑賞したり、創作したりする場に行くことを阻む「障害」が、美術館や芸術の側にもあるのではないかと思っているんです。そしてそれは、いわゆる障害者に対してだけではなく健常者に対してもあるのではないか。ちょっと近寄りがたい感じとか、美術業界の内輪のためにやっているような感じとか。

 

まずは「階段はあるけどスロープもつける」というような発想で、美術館に入りやすくなるものを作ってみたらどうでしょうか。やっぱりこの「階段」はなくそう、ここの「階段」もなくそう、となって、いずれは多くの「階段=障害」がなくなってしまうかもしれない。逆に「この階段はゆずれない」というものが見えてくるかもしれない。あるいは美術館が、芸術を「見る」ためだけの場所ではなくなって、対話したり、さまざまな傷をなおすための場所になるかもしれない。

いろいろな可能性が考えられますが、それを自分たちの暮らしている場所のなかにある美術館で考えてみようというのが、「もぞもぞ」がめざしているところだと言えます。特に公立の美術館や大学にとって、こういうことは重要なことだと考えています。

 

――これまでに、どのような “妄想” が出てきているのですか?

 

障害者のケアや子どもの教育に携わる方々、アーティストも多く参加していて、「美術館で寝てみたい」「休憩場所を増やす」「対話型鑑賞のバリエーションを増やす」「作品を触れるコーナーを作る」「レプリカが展示されていて、何をしてもよい(壊してもよい)部屋がある」など、さまざまな「現場」からさまざまな “妄想”がもちこまれて共有され、そのうちのいくつかは展覧会場で実践させてもらっています。

“妄想”のひとつ、筆談による対話鑑賞を実践。京都市美術館別館で開催された2024年度 共生の芸術祭「いま、なにしてる?」(主催:きょうと障害者文化芸術推進機構)にて 撮影:有佐佑樹

 

たとえば体の動きが限られていて、ベッド型の移動機器で移動している方は、寝ているわけですね。そういう方がそのまま鑑賞しやすいように、絵を天井に展示して、寝たまま鑑賞するというアイデアもありました。天井画というものはありますが、寝ながら見ることってなかなかない。

あるギャラリーで実際にやってみたんですが、すごく面白くて「これはめちゃめちゃいける」と思いました。

 

――寝ながら絵を見ると、どんなふうに見えるのでしょうか。

 

寝ながら見ると、そもそも絵のどっちが「上」なのかわからない。だから、絵を見るのに最適な場所を、寝転んだまま、ずるずる体を動かしながら探るんですが、この感覚が初体験でした。頭の重さを支えている首の筋肉が重力から解放されると空間の認知のしかたが変わるという科学的知見もあるそうですが、別の重力場にいるような感覚のなかで絵を見るのは、すごく新鮮な体験でした。

アトリエの天井に展示されたドローイング作品を寝ころびながら鑑賞する様子。「もぞもぞする現場」Meet up ⑥「空っぽのアトリエみつしまで、もぞもぞ話す」より

 

もちろん、画家は絵を描くとき、絵のどちらが上なのかということを多くの場合決めています。だからこの絵のどちらが上なのかは、疑ってはいけない常識のように大事なことです。でも、それを取りはらった状態で絵を見ることが新鮮な体験となりうるということは、画家にとっても興味深い現象なのかも、と思います。

「もぞもぞする現場」の4年目、5年目には、実際に美術館の展示としても、ぜひ「寝ながら鑑賞」を実現したいと思っています。

社会問題と芸術と文化人類学の接点

 

――こうした美術館での活動と、先生の専門である文化人類学とはどのようにつながっているのですか?

 

文化人類学を専攻していた大学院生時代に、ある知人がHIVに感染したんです。1992年のことで、AIDSという病気もまだ日本で広く知られておらず、病気を医学的に治すということに加えて、社会的な差別や攻撃からHIV陽性者を守らないといけないということが現実的な課題としてありました。

 

その知人は古橋悌二というアーティストで、ダムタイプ(京都市立芸術大学の学生を中心に1984年に結成されたアーティスト・グループ)のメンバーでした。作品やアーティストとしての活動を通じて、社会の偏見や差別や解きほぐすにはどうしたらいいか。周りにいた友人や仲間たちがたくさん集まって、みんなで考えていたと思います。HIVやAIDSがどう視覚的に表現されているかを、世界各地で制作されたポスターを集めて考える場所をつくったり、手軽に手にとりやすいポストカードやフライヤーを制作したり、クラブイベントを行ったり。「エイズ・ポスター・プロジェクト(APP)」という活動だったのですが、そこに参加したことが、芸術や、芸術に触れる場所としての美術館に対する、私の関わりのひとつの原点になっていると思います。

収集されたポスターの一部。2017年に行われた「エイズ・ポスター・プロジェクト(1993−)アーカイブ」展より 画像提供:京都市立芸術大学

 

――ポスターはどのような内容だったのでしょうか。

 

当時の日本で作られていた啓発ポスターには、感染した人が必要とする具体的な情報がほとんど掲載されていませんでした。ポスターは非陽性者向けで、感染した人を排除するような表現のものが多かったんです。一方、海外のポスターでは、さまざまな人びとのライフスタイルや考え方を尊重しながら、予防方法や、感染後の生活についても、具体的に伝えるポスターが多かったんです。

でも、コロナを経験して私たちの多くが実感したと思うのですが、ウィルスに感染しているときこそ、病気についての情報や生きるための知恵など、多くの情報が必要なんですよね。私たちの活動では、電話相談のための手渡しできるリーフレットや、さまざまな情報を載せたポストカードを作って配布したり、陽性者も非陽性者も楽しみながら「HIVとともに生きる」ためのクラブイベントをしたりしていました。

 

感染が起きやすい、あるいは実際に起きている現場で必要とされている情報から発想するという予防・啓発活動は、コロナの後では当たり前のことのように思えるかもしれません。ですが、エイズ・ポスター・プロジェクトが活動していた頃には、そうでもなかったんです。どうしてこんなにコミュニティに近いところに入りこんで活動できているのかと、社会疫学の研究者たちに驚かれたこともありました。

 

――現場にいる人たちの生活に入りこんで活動されていたというところは、文化人類学らしいという印象を受けます。

 

入りこむも何も、友人関係の中で起きたことだったので、ただやるべきだったという感じです。当初は、AIDSについての活動を文化人類学の研究テーマにしようとも思っていませんでした。

ただ、どんどん活動に入りこんでいく中で、たとえばアメリカのゲイ・カルチャーの歴史や、アメリカのアーティストたちの、HIVに関するとても興味深い活動などを部分的に知ることになりました。作品の展示だけでなく、デモやビデオ作品などを通じて一般の人たちに訴えかけたり、毎週集まって話しあったり。芸術が、一種の文化的な社会運動(cultural activism)として行われている。あるいはそれと混ざり合っていて、こういうことをしている人たちに会ってみたい、話を聞きたいと思ったんです。

 

同時に、海外ではHIV陽性者の置かれた状況や、かれらをケアする方法について、陽性者の立場で考え、研究している文化人類学者がたくさんいることも知りました。感染した人たちがどのように生きているか、その当事者性をベースに研究している人たちがいたんです。

でも、1990年代当時の日本の文化人類学では、こうしたことを研究している人がほとんどいなくて、アカンやんと思うと同時に、これは研究としても「必要だ」と思ったんですね。きちんとした知識として、HIVとAIDSに関する草の根の活動について書き記すことには、すごく意味がある。このとき初めてAIDSに関する活動が研究にもなると思いました。

 

――ベースにあるのは、やはり文化人類学なんですね。

 

文化人類学は、知りたいと思う現場に行って、人類の多様な生き方について記述していく学問です。そうして、多様な生き方を一つの文化のありようとして、世界中の人と知識として共有する。そういう学問のあり方がとても好きなんです。

「がれき処理の光景を見ているのは自分しかいない」震災の記録活動

 

――先生は東日本大震災について記録する活動にも関わっておられます。HIVとは全くちがうテーマのようですが、何かつながりはあるのでしょうか。

 

つながりは大いにありました。震災の記録活動は、せんだいメディアテークという仙台市の生涯学習施設による、「3がつ11にちをわすれないためにセンター」(通称「わすれン!」)という活動です。

当時のテレビやインターネットでは、東日本大震災の被災地はとにかく悲惨な状況だという取り上げられ方でした。それはもちろん、報道としてある程度仕方がないかもしれません。けれど、たとえば仙台市の場合だと、沿岸部は大変な被害を受けている一方、市の中心部では被害はそれほどでもない場合もありました。しかしテレビやネットでは「東北」とひとくくりにされてしまう。そのことに、仙台の人たちはすごくモヤモヤしていたそうです。

 

「被災と復興」のリアリティは、複雑で、複数的で、多様なんですね。そういう多様な現実がいまここにあることを、震災の経験として残していくべきではないか。複数的な被災と復興のプロセスを、自分たちで記録をしていこうと考えた人たちが、2011年5月にわすれン!の活動を始めたんです。

 

「3がつ11にちをわすれないためにセンター」(通称「わすれン!」)ウェブサイト https://recorder311.smt.jp/ 資料提供:3がつ11にちをわすれないためにセンター(せんだいメディアテーク)

 

これはHIVについての話と、ほぼ一緒です。HIVとともに生きることのリアリティは、複雑で、複数的で、多様です。ひとくくりにできるわけがないのに、「病気で大変」だとひとくくりにされてしまう。だから、作品やビデオやポスターで、その多様性を多様なままに示し、多様なままに共有していこうとしていた。そしてここが大事なことなのですが、それを人まかせにするんじゃなくて、自分たちで記録して発信していこうとしていたんです。

 

わすれン!も同じです。記録する人は一般の市民でもアーティストでもいい。アーティストだからといって特別扱いするわけではなく、記録したいと思った人が、映像や写真、音、テキストなどで記録していく。わすれン!の活動は、新しいメディアをつかったアクティビズムとして、AIDSに関する文化的アクティビズムの延長線上にあるように思いましたし、実際わすれン!をはじめた、せんだいメディアテークの甲斐賢治さんは、そう考えていたと思います。

 

――どのような内容が記録されているのですか?

 

内容は本当にさまざまで、淡々と自分の日常生活を記録している人もいれば、がれき処理の様子を撮っている人もいます。ある工務店の方が、仕事として「がれき」を処理していたんですが、そのものすごい光景を見ているのは自分たちしかいないじゃないか、と思ったそうです。メディアも取材していない。でも、いまここですごいことが起きている。これは映像で記録しておいた方がいいんじゃないかと、わすれン!が始まる前に自発的にビデオを買って撮っていたそうです。

また、後に映画「ドライブ・マイ・カー」でアカデミー賞を受賞した映画監督の濱口竜介さんも、東京から仙台に拠点を移してわすれン!に参加していました。

 

こうした活動のあり方について、わすれン!の活動の参加者に聞き取りを行いながら、メディアテークの甲斐賢治さんや北野央さんらといっしょに、その記録活動や活用のあり方について本にまとめました。

本のタイトルにあるコミュニティ・アーカイブとは、市民自らが自分たちの暮らす地域や関係するコミュニティで起きた出来事を記録して、それをアーカイブとして継承していこうとする活動のことです。ここでいうコミュニティは、地域コミュニティだけでなく、職業やセクシュアリティ、障害、関心を共有する人たちのコミュニティのことでもあります。

わすれン!の活動について、2017年までの段階でまとめた『コミュニティ・アーカイブをつくろう!』(晶文社)

 

たとえば門番のようなアーキビストがいて、これは残したほうが良い、これはいらない、と判断していたら、何かを取りこぼしてしまう気がします。わすれン!は、残したいと思う人がどんどん残していける受け皿のようなアーカイブだと思います。

 

――先生にとって、こうした記録を残す動機はどのようなところから出てくるのでしょうか。

 

「リアリティ」は人それぞれだと思うのですが、バラバラだからわからない、わかりあえないというのは、ちょっと違うと思うんです。そもそも自分自身が複雑だし、自分の生きる状況だってどう変わるかわからない。ありえないくらい複雑な人間の生き方を、でも可能なかぎり広く理解していくことは、人間について考えるときに、あるいは人としてこの世の中をサバイブするためにも、有用で必要な態度だと思っています。それに、多様な生き方に触れることは、特に今の世の中にちょっと違和感を感じていたり、自分が凹んでいるときには、解放的でもあります。わかった気になっているのはつまらない、現実はもっともっと興味深い。人間の多様性と可能性に触れるものとして、アーカイブを考えているんです。

これまでに制作された映像DVDはせんだいメディアテークの常設展示スペースに展示され、視聴、上映会、調査研究などに利用できる 資料提供:3がつ11にちをわすれないためにセンター(せんだいメディアテーク)

 

今、私がはたらいている芸術資源研究センターも、わすれン!の発想を延長させているところがあります。芸術家自身によるコミュニティ・アーカイブとでも言いますか。作品として見えているものは、彼ら・彼女らの活動としてはごく一部で、その周囲には、思考したり調べたり試したりインプットしたり、知的にも感覚的にもおもしろいことがいっぱい起こっている。そうした過程から芸術活動がたちあがるわけですが、その過程にあるであろう、芸術活動を生みだし、うながすさまざまなものやことを、仮に「芸術資源」と名づけて、それが何かを考え、考えるために記録し、ある程度共有できるものにする方法を考えていく。そうすれば、次の創造を生みだす芸術を作る上での大事な資源が集まったアーカイブができるのではないか。そんなことを考えているセンターなんです。

芸術は学術と同じくらい重要なもの

 

――先生の芸術資源研究センターでの研究で、特に印象に残っている研究はどのようなものですか?

 

芸術大学に来て今7年目ぐらいですが、芸術と学術は、まったく別々のものというより、実は並べて考えるべきことなんじゃないか、というのが大きな発見としてあります。一般に、ものを考えたり何かを決めたりするときのベースになっているのは、言葉ですよね。話し合って決めたり、議論したり。数値やデータで表すことができる学術的な知識がいちばん確実だという思いが、僕らの社会のベースにはあります。一方で芸術は、情操教育だとか感覚的だとか、あいまいで人それぞれで、下手をすると一種のレジャーみたいにも思われている。でも、芸術はものを考える方法としても、知識としても、「あり」だと思っているんです。

 

大学院生の頃を思い返すと、同世代の芸大生たちは、何をすることがベストなのかを突き詰めてから最適解をめざすのではなくて、もちろんある程度は突き詰めるんですが、ある時点に至ると「あとはやってみてから、どうなるかを考えよう」と、実際に場や状況を、それもパブリックなものとして作ってしまうんですね。そして「環境」を変化させ、その場を生きてみてから、改めて、何が足りないとか、何が効いているのかを考える。こういうことは、学術研究者にはなかなかできません。そして、ギャラリーやシアターや美術館は、そうした一時的な環境変化のための実験室だとも言えます。そして芸術が面白いのは、そこでの変化の質や深さや方向性に(もちろんいくつもの留保は必要ですが)ほとんど限りがない、ということなんです。

 

実際に変化した環境のなかで、その場に来た人たちのリアクションを受け止めながら、その次を考えていく。そういうことを積み重ねている人がたくさんいる。こうした発想で行動を起こし、ものを考えていく。そして芸術の世界には、こうした方法で培われたノウハウとか技術とか感覚、知識が、ものすごく大量にある。方法としての、知識としての芸術的なものの可能性を、最近すごく感じています。

佐藤先生

 

芸術は普遍的な言語と言われますが、言語そのものではないですよね。言語を介していないけれども、しかしある種のプロセスによって構成され、つくられていくものです。だから芸術的な活動には、単に「見たらわかる」ということにとどまらない、洗練や複雑さがあります。そこにはおそらく、非常にたくさんの感覚的な知恵が投入されているのですが、そうした感覚的な知恵を、学術的な知的資源とは別の、芸術的な知的資源として共有できないだろうか。そしてそれを、学術と同じくらい重要な人類の知的活動としてみていきたい…というのが私の「妄想」です。

 

人類学者の山極寿一さんに聞いたのですが、言語を操る能力を得る以前の人類は、音楽の世界に生きていたのではないか、という学説があるそうです。だとすれば、芸術的な能力は日常から切り離されたものではなく、実はあらゆるひとのベースに組み込まれているものだとも考えることができます。芸術というものが人類にとってどんな意味を持っているのかを考えることが、人類学者として芸術に関わることの意味でもあると思います。

 


 

文化人類学というと、文化的にも地理的にも遠くはなれた地でフィールドワークを行うというイメージで、その視点や手法が障害や芸術、セクシュアリティ、震災体験に関する研究にもちこまれるとは考えたことがありませんでした。文化人類学の視点と手法で探索する社会と芸術と人間には、まだまだ豊かなものが埋まっていそうです。

 

 

(編集者・ライター:柳 智子)

コオロギあり、海洋深層水あり。個性豊かな大学発カレーの試食レポート

2025年3月13日 / 美味しい大学, 大学を楽しもう

本サイトで定期的に登場する顔ぶれのひとつが「カレー」。「おいしい大学カレーを食べたい」というほとゼロ編集スタッフの声をきっかけに、編集部内でカレーの食べ比べを企画しました。

試食したのは大阪公立大学「牛肉と野菜のうまみたっぷりCURRY」、北海道大学「おしょろ丸カレー」、愛媛大学「うちこおろぎスープカレー」の3種です。

上の写真中央「うちこおろぎスープカレー」(コオロギの粉末入りスープカレー)が今回のハイライトですが、まずはふつうに食べやすそうなカレーから試食しました。

大阪公立大学「牛にくと野菜のうまみたっぷりCURRY」

「玉ねぎが130gも溶け込んでいる」「実はおからが入っている」という大阪公立大学の「牛にくと野菜のうまみたっぷりCURRY」。同大学の生活科学部食品栄養科学科の学生が考案し、2017年11月より同大学の生協などで販売されています。

具の存在感たっぷり

 

温めたカレーをお皿にあけると、大きめの具がゴロゴロと出てきました。ひとくち口に入れると、「やさしい味」「甘みがある」。にんにくの風味やスパイスもしっかりと効いていて、具のレンコンや肉もちょうど良い歯ごたえです。

商品説明によると、レンコンは不足しがちな食物繊維を補うため具材に選ばれたとのこと。おからの風味はほとんど感じられませんでしたが、食物繊維が豊富に含まれるため、味を損なわない程度に配合されているそうです。さらに、ルウに溶け込んでいる玉ねぎは約1個分。開発の際、きれいな飴色になるまで玉ねぎを炒めたという学生の声が商品サイトで紹介されていて、やさしい甘みはこの玉ねぎ由来のようです。

 

「ふだん家で食べるカレーのマイルドさと、ちょっと良いカレーの味わい深さの両方がある」「学食でこのカレーを食べれたらうれしい」など、試食したスタッフにも好評。味のよさと栄養面ともに満足度◎でした。

北海道大学「おしょろ丸カレー」

続いて試食したのは北海道大学「おしょろ丸カレー」。

おしょろ丸は、北海道大学水産学部附属の練習船。この船が北太平洋の水深5000mから汲み上げたという海洋深層水がルウに使われています。函館の老舗洋食店「五島軒」との共同開発で、五島軒特製のブイヨンスープと海洋深層水とともに、ひき肉や野菜を煮込んで仕上げられたのがこちら。

 

香りにはほんのりと甘みがあり、口に入れると、まろやかな舌触り。スパイスもしっかりと効いています。海洋深層水入りという解説を読んだためか、ミネラルが豊かに含まれているような気が……。カレーでミネラルを感じる味わいはめずらしいですが「特に感じなかった」という声もあり、個人差がありました。

 

このカレーに使われている海洋深層水は1000年以上前に北極に近い北大西洋で深層へ沈み込んで南極海に達し、太平洋の底を這って北上し、北太平洋に至った深層水だそうです。1000年を超える海水の旅を思うと、ますます味の深みが増します。

海洋深層水を採水する様子。海洋深層水には海の植物が必要とする栄養成分が多く溜まっていることや、深層水が沸き上がることで豊富な生物生産性が維持されていることが販売サイトで紹介されています 引用元: https://www2.fish.hokudai.ac.jp/oshoromaru-curry.html

 

 

採水ポイントと海洋大循環

 

まずはじっくりと深海の風味を味わった後、イカなりタコなり、好みの魚介類を入れてアレンジするのもよさそうです。

愛媛大学「うちこおろぎスープカレー」

最後に本日の本丸、愛媛大学「うちこおろぎスープカレー」です。

愛媛大学が食用コオロギの養殖・食品開発などを手掛ける会社と共同企画し、愛媛県内子町で育てられた食用ウチコウロギを脱脂パウダーに加工したものが配合されています。

 

盛り付け中、黒っぽい固形物が現れると「コオロギか?」とざわめきが(※牛肉です)。

スープカレーという名の通り、とろみはあまりなく、さらさらとしたスープ状です。

 

口に運んでみます。なんだか和風のダシがきいている……?「かつおぶしっぽい」「魚粉が入っているような感じ」「和風っぽい」。こおろぎは粉末にすると、かつおぶしのように感じる人が多いようです。こおろぎパウダーの舌触りが気になるという声もあれば、「これはこれでイケる」という声も。「古民家を改装したカフェで出てくるこだわりカレーみたい」という評もありました。

食卓に上ることが一般的とはいえないコオロギですが、タンパク質のほかにも食物繊維やカルシウム、鉄、亜鉛など、栄養価の高さが注目されています。エビやカニなど甲殻類に似た成分が含まれているそうなので、アレルギーのない方はチャレンジしてみては。

 

今回試食した3品は、大学生協やオンラインで販売されています。栄養価も高く、大学の研究成果がつまった個性豊かな大学開発カレー。ふだんとちょっと違う味わいを楽しみたいとき、おすすめです。

 

 

(編集者・ライター:柳 智子)

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