地震や台風、豪雨などの自然災害。皆さんは日々の暮らしのなかでどれくらい災害を意識することがあるでしょうか。また備えはしているでしょうか。かくいう筆者も、備えは必要だろうけどなにから手をつけたら……と思っているひとりです。
そんななか、避難所生活を体験できる「避難所生活Q」というアプリがあると知りました。これは日本大学理工学部の松野研究室が開発したアプリで、避難所での生活を疑似体験しながら、楽しく防災知識や判断力を学べるゲームとのこと。
遊びながら学べるのは防災への第一歩にぴったりですね。さっそくプレイしてみましょう!

スタート画面では穏やかな日常のようなほのぼのとした音楽が流れています。ゲームのなかの「あなた」は自宅でのんびりとくつろいでいます。
しかしその平穏は突如引き裂かれてしまいます。

地震です!
激しい揺れで家の壁が倒壊してしまいました。ここにいるのは危険です!日常は唐突に非日常へと変わってしまいました。
そうして自宅から避難所にやってきました。
ゲームでは実際の自分の最寄りの避難所を入力できるようになっていて、この機会に調べてみます。筆者の場合は、「一時避難場所」は近所の散歩でよく訪れる公園で、「災害時避難所」は選挙のときにも行く小学校でした。
避難所に着いて本格的にゲーム開始です。

ゲームでは、健康状態を保ちながら避難所生活を続けて、最終的に無事自宅へ帰ることをめざします。「安心」「満腹」「水分」などのゲージが設定されていて、時間経過と行動によって増減します。ゲージが0にならないように行動をおこして、避難所生活を終えることができたらゲームクリアです。
避難所生活のなかではどう行動すべきかクイズが出ます。これに答えることでゲージが回復したりアイテムがもらえます。

クイズに答えるうちに、自然と実際の避難所生活でも役立つ知識が得られるようになっています。避難所生活は日常生活と違って物資が限られていたり、集団生活なので、なにかと工夫が必要です。クイズを通じてそういった問題への対応を学ぶことができます。

いくつかクイズに答えるうちに、身の回りにある限られたものをどう使うかという視点が芽生えてきたのがおもしろかったです。たとえばビニール袋やサランラップは物に直接触れないようにするために使ったり、クッションにするなど、衛生管理や生活の質の向上に幅広く役立ちます。また靴の中に10円玉を入れると消臭効果があるのは、銅の殺菌効果を利用した科学的な生活の知恵ですね。こうしたささやかな知識や工夫が、慣れない避難所生活で不安な心を支えてくれるのかもと思いました。
そうして避難所生活を終えてやっと自宅に帰ることができるようになりました! ゲーム攻略の観点でいうと、満腹ゲージよりも水分ゲージの管理のほうがシビアなのは現実味があり緊張感がありました……。

ゲームを通じて、避難所生活での知識や工夫を学ぶことができました。日常生活でも役立ちそうなのと、こういう状況に置かれたらどうしよう?という意識が生まれたのは大きな収穫でした。
「避難所生活Q」のように現実の社会課題の解決を体験できるゲームは「シリアスゲーム」と呼ばれているそうです。防災というどこから手をつけたらよいかわからないテーマでも、身近に感じられるおもしろい試みでした!皆さんもゲームを通じて災害への備えをしてみてはいかがでしょうか。