芸術と文化で世界を動かす。
京都精華大学の教育理念。
日本全国の大学が発行する広報誌を、勝手にレビューしてしまおうというこの企画「大学発広報誌レビュー」。第17回目となる今回は、京都精華大学が発行する「木野通信」を取り上げます。
京都精華大学は京都市左京区にキャンパスを構え、芸術学部・デザイン学部・マンガ学部・ポピュラーカルチャー学部・人文学部を擁する芸術系と人文系を併せ持つ大学です。全国に先駆けてマンガ学部を設置したことでご存知の方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介する「木野通信」。毎号統一されたデザインフォーマットを踏襲しており、すっきりとした印象です。テキストは基本的に墨文字一本で通されていますが、文字量の多い誌面でもそれを感じさせないのは、白場を活かしたフォーマットの賜物でしょう。
デザインのフォーマットはすっきりと白場を活かしている
内容面では毎回時流に沿ったテーマ設定の特集を組んでおり、読み物として読者を楽しませようという姿勢を感じます。なにより印象的だったのは、インタビューやコラムで登場する教員陣が、竹宮恵子学長を筆頭に、社会の第一線で活躍する実務家ばかりだということ。
芸術や文化とは閉鎖されたアカデミズムの中にあるのではなく、常に私たちと共に存在するものであり、世界を動かす原動力になるものである。木野通信はそんな京都精華大学の教育理念を垣間見ることのできる広報誌であると言えるでしょう。
竹宮恵子学長をはじめ登場する教員陣は第一線の実務家ばかり