あなたはストレスを感じた時、どのように対処していますか?
みなさんは普段ストレスを感じたとき、そのストレスにどのように対処しているだろうか?友達に話を聞いてもらう人やSNSに呟く人…これまで自分なりの方法でストレスを対処してきたことだろう。
しかし、これらの方法には少し限界がある。話を聞いてくれる友達がいつも暇とは限らないし、SNSに呟けば不特定多数の人に自分の考えを批判されるかもしれない…。
もし自分の感情をいつでもどこでも吐き出せて、その感情を客観的に分析してもらえる場所があれば…。
…あります。その名も「Awarefy」(アウェアファイ)!
アプリで自分の感情が「見える化」できる!?
「Awarefy」とは、早稲田大学人間科学学術院の熊野宏昭研究室が、データ分析・活用に関する企画等を行う株式会社Hakaliと共同研究のもと開発された、心のセルフケア・アプリだ。
熊野宏昭研究室では、精神医療と身体医療の双方に臨床心理学を適用し、マインドフルネスやアクセプタンスを含む「新世代の認知行動療法」によって、短期間で大きな効果を上げることを目指した研究などを行っている。
iOS版、Android版がリリースされている(無料)
このアプリは主に3つの機能が搭載されている。
1つ目は、日常生活で自分が感じたことの記録やふり返りを手伝ってくれるチャットボット(自動会話プログラム)機能。方法としては、SNSアプリで友達とメッセージのやり取りをする感覚で、感情や考えを記録することができるようになっている。
2つ目は、チャットボットの記録を元にした「感情レポート」が毎週アプリ内に届けられる機能。こちらは週に1度届けられ、自分でも知らなかった考えや感情の傾向に気づくきっかけを与えてくれる。
3つ目は、ストレスケア効果に注目の集まるマインドフルネス瞑想に取り組めるオーディオガイド機能。こちらはゆっくりと深呼吸をして呼吸を整えることで、ストレスを和らげたり集中力を高める効果が期待できる。他にも自分の心の働きについて学べるコンテンツも多数配信されている。
ついつい忙しさから自分自身を後回しにし、自分の感情と向き合う時間なく1日が終わってしまう方も多いだろう。しかしこちらの「Awarefy」で朝と夜の記録を行う内に、自然と自分に目が行き、自分をいたわる時間を持つことができそうだ。
朝と夜の感情チェックで気持ちを簡単記録
前置きが長くなったが、さっそく「Awarefy」というアプリをダウンロードし、アプリを起動してみよう。
アプリを開いた時の画面。
オレンジ色の太陽がアイコンの【チェックイン】というボタンをタップしてみた。すると、メッセージアプリのような画面に切り替わり、次のようなメッセージがきていた。
今朝の自分の調子を1~5段階で表せるようだ。マークをタップすると色が変わり、右側に行くほど「調子が良い」という意味のようだ。
今の自分の調子をマークで送信すると、「気分や体調についてひとこと書きたいことがあれば書いてみましょう」と返信がきた。
気分や体調についてひとこと書き、【チェックイン】という項目は終わり。
なるほど。ただ【ココロ】と【カラダ】についてマークするだけではなく、ひとことコメントを残すことで、「過去の自分がどのように感じていたのか」を具体的にふり返りやすいようにしているのか。ちなみに【チェックアウト】というボタンもあり、こちらは【チェックイン】と同じようなやり取りで夜の自分の調子を記録することができた。
【感情メモ】は感じたことを自由に記録し、ふり返ることのできる場所
【チェックイン】と【チェックアウト】のボタンの間に、【感情メモ】というボタンがある。こちらは決まった時間に入力するといった必須項目ではなく、自分が何か感じた時にいつでも自由に記録ができる。
こちらをタップしてみると「いま起きたできごとに対する気持ちや考えを書きとめておきましょう」といった画面が表示されたので、できごとを記録することにした。
様々な感情の選択肢が表示され、この中からいくつ選択しても良いようだ。私はこの中から【喜び】【穏やか】【悲しみ】の3つを選択。このあとの画面で、気持ちの強弱も記録できる。
感情を選択した後、自身の考えも一言記録。あとで振り返りやすいようにと、この状況についてタグを付ける画面が表示された。自分で新たに追加することも可能だ。
また【感情メモを見る】というボタンをタップすると、先ほど私が送信した内容がとてもわかりやすくまとめられていた。
【タグのグラフ】【できごと】【思考】【タグ】と項目ごとに分かれており、とても見やすい。
またカレンダーの機能もある。グラフはパッと見て自分の調子が一目でわかるようになっており、気分が良かった日、良くなかった日など、自分の感情の傾向を視覚的に確認することができる。
振り返りたい日付をタップすると、記録した内容が表示される。
普段なら「どうして調子が悪いのだろう?」と原因がわからなかったことも、こちらのアプリに記録し続けることで、出来事と感情の関係性がわかり、新たな自分を知るきっかけになりそうだ。
【マインドフルネス瞑想】で心身すっきり
「マインドフルネス」とは、「『今、この瞬間』を大切にする生き方」のこと。その実践方法である「マインドフルネス瞑想」は、医療や福祉の現場でも取り入れられており、「ストレス軽減や集中力の強化などの効果が得られる」と今大変注目を集めている方法だ。このアプリでも気軽に行うことができる。
ヘッドフォンのマークをタップするとこのような画面に。
まずは【毎日の瞑想】という項目の、【すきま時間の3分瞑想】というものにチャレンジ。
静かなBGMと共に「鼻から大きく息を吸って、ため息をつくように口から吐き出します」という柔らかい女性の声がゆったりと流れた。
私は【マインドフルネス瞑想】を初めて行ったが、瞑想が終わるとなんだか気持ちが落ち着いていることに気が付いた。
仕事中に無意識のうちに浅くなっていた呼吸が、何度も深呼吸を繰り返すことで落ち着いたようだ。
また今は感染症問題からマスクを着用しているが、「呼吸がしづらい」と感じることがある。そんな時【マインドフルネス瞑想】を行うことで呼吸が整い、気持ちを切り替えることができるだろう。
気持ちを言語化する大切さ
私は実際にこのアプリを利用してみて、続けやすく便利だなと感じた。全ての機能が非常にシンプルで、毎日記録する作業がまったく苦にならない。また今までは嫌なことがあった時、その感情だけに目を向けがちだったが、出来事も記録するため自分を客観視することができる。
利用するうちに、どのような人が利用しているのか気になったので、Twitterで検索すると精神疾患のある人がクリニックなどで勧められて利用していることも多いとわかり、さまざまな場面で役立てられているようだ。
いつも感情に振り回されて疲れてしまう、嫌なことをずっと考えてしまう…そんなあなた。この機会に、これまで蓄積されてきた自分の感情や、凝り固まった考え方の癖を「Awarefy」で整理し、自分自身と向き合ってみてはいかがだろうか?