関西学院大学では、2019年12月2日、西宮上ケ原キャンパス、西宮聖和キャンパス、神戸三田キャンパスの3ヶ所同時に、毎年恒例のクリスマスツリーの点灯式が行われました。イエス・キリストの降誕を待ち望む、アドベント(待降節)の期間の訪れを告げるための行事です。
ヴォーリズ建築の美しいキャンパス。点灯式では日中の姿とまた違った雰囲気が楽しめる
3つのキャンパスの中で最もおすすめのビュースポットは、何といっても上ケ原キャンパス。
キャンパスのシンボル的存在である時計台の前にある大きなヒマラヤ杉が、たくさんのライトで彩られてクリスマスツリーに変身。スパニッシュ・ミッション・スタイルの時計台がイルミネーションの光の中に浮かび上がる、幻想的な情景は必見です!
点灯式の時間が近づくと、ツリー前には約1000人の参加者。キリスト教徒でなくても、誰でもウエルカムなので、学生はもちろん、家族連れで訪れる人の姿も見られました。
参加者に配られたろうそくに火が灯され、いよいよ式が始まります。キリスト教の教義にもとづいた行事だけに、吹奏楽部の演奏からはじまり、参加者らが歌う賛美歌が流れ、聖書の朗読、祈祷と、点灯式は厳かな雰囲気の中で進められていきます。静かな祈りが捧げられるこの場に立てば、キリスト教になじみがない人でも敬虔な気持ちがきっと心に感じられるでしょう。
学生や家族連れ、近隣に住む外国人の方などさまざまな人々が集い、ひとときを共にした
関西学院の舟木讓院長からは、「平和を創造するために」と題したクリスマス・メッセージが語られます。イエス・キリストが世界で最も弱い存在である赤ちゃんとして世に現れたことに触れ、「平和を実現するために忘れてはならないのは、赤ちゃんのように人の助けなしでは歩めない弱者の視点ではないでしょうか。すべての人にとってやさしい社会が実現できたときに、本当の意味で平和な社会だといえると思います。このクリスマスの季節に、改めて私たちに与えられている平和を実現するための努力とは何なのか、共に思いを致したい」と述べられました。
このようなお話を聞くと、本来のクリスマスとはただにぎやかに騒ぐだけのイベントではないのだな、と気づかせてくれます。たとえキリスト教徒じゃなくても、例えば平和や家族の絆などについて考える良いきっかけになるかもしれませんね。
ろうそくのあたたかな光がキャンパスに灯る
舟木院長のお話が終わると、いよいよツリー点灯です。点灯ボタンを押すのは、院長や大学、高等部、中等部、初等部の学生ら6名。参加者も一緒にカウントダウンし、ツリーに
明かりが灯ると歓声がわき起こりました! 幻想的な雰囲気の中、賛美歌「もろびとこぞりて」の歌声が静かに響き、クリスマスムードが高まります。
1回生の学生は、「こんなに本格的な式だと思わなかった」と初めて参加した点灯式に驚き喜んでいる様子で、その風景を写真に収めていました。何度か参加しているという地元の女性は、「商業的な街のクリスマスイベントとは違って、心が洗われる感じ」と話し、一緒に訪れた小学生の女の子は「とても、きれい」と笑顔。卒業以来、初めて点灯式に足を運んだ卒業生は、「受験前、大学から送られてきたクリスマスツリーの絵葉書を部屋に飾り、勉強の励みにしていました」と懐かしい思い出を語ってくれました。
初めて参加したという1回生の3人。静かな雰囲気を楽しんだ
あちこちでツリーを前に写真撮影する姿が見られ、皆さんそれぞれ笑顔で点灯式を楽しまれていました。ツリーの点灯は、毎日16時半~22時半、25日まで。聖歌隊、ハンドベルクワイア、バロックアンサンブルによるクリスマスコンサートなど、在学生以外でも参加可能なイベントも開催されます。
コンサートが行われるランバス記念礼拝堂
金色と赤のライトがヒマラヤ杉を彩る
にぎやかなクリスマスも楽しいけれど、いつもとは違うクリスマスをぜひ体験してみてください。