ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

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  • date:2025.4.3
  • author:シモカワヒロコ

オリンピアンの軌跡とスポーツの歴史・奥深さを楽しみながらたどる。中京大学スポーツミュージアムをレポート

フィギュアスケートや水泳、ハンマー投げなどの競技で、多数のオリンピアン・パラリンピアンを輩出している中京大学。彼らにまつわるアイテムや、オリンピックの歴史を知れる資料などを多数展示しているのが、「中京大学スポーツミュージアム」です。

全国から優れたアスリートが集う大学ならではの、貴重な展示品も多数。館内の様子をレポートします!

本物の金メダルからぬいぐるみまで!? 見どころばっちりの常設展

中京大学スポーツミュージアムが開館したのは、2019年。「学術とスポーツが融合し、スポーツの価値を未来に引き継ぐ場となること」をコンセプトとしています。収蔵点数は、約2万点。うち約300点が、常設展で展示されています。

過去に活躍した選手・大会の内容のみならず、現役の選手や直近の大会に関するものも並ぶ「現在進行形のミュージアム」であることも特徴です。

 

館内に入ってすぐの場所にあるのが、中京大学出身のオリンピアン・パラリンピアンについてまとめた常設展「真剣味の殿堂」。選手名や出場した種目、在籍年次や略歴などが紹介されています。

パネルの色は、各選手が出場した大会を示しています。赤色が夏季オリンピック、青は冬季オリンピックで活躍した選手。両方で活躍した選手は紫色

 

フィギュアスケートの宇野昌磨選手をはじめ、モーグルの堀島行真選手、ハンマー投げで活躍し、現在はスポーツ庁の長官を務める室伏広治さんなど、テレビでもおなじみの顔ぶれが並んでいます。特にスポーツにくわしくない方でも、きっと知っている選手の名前があるはずです。

 

そして館内を進むと登場するのが、同じく常設展の「時代とスポーツのスラローム」。文化・人間・都市と環境・経済・政治・科学技術の6つのテーマから、オリンピック・パラリンピックの歩みをたどるコーナーです。

スポーツ好きでなくても、思わず引き込まれます

 

歴代のオリンピックで使用された本物のメダルや貴重な記念品が多数展示されており、スポーツの歴史を身近に感じられます。

 

上のメダルの寄贈者は1972年のミュンヘン大会の体操競技で活躍し、1人で3つのメダルを手にした中山彰規さん。もちろん中京大学出身で、のちに教授も務めた方です。

 

2024年パリ大会の公式マスコット「フリージュ」のぬいぐるみ

 

戦争の影響で中止となり、「幻のオリンピック」と言われた1940年の東京オリンピックのグッズもありました。

 

右端にある四角形のケースはどちらも、蓄音機の針が入っていたもの。表面にはイギリス・アメリカ・満州・ナチスドイツ・日本の国旗が描かれていますが、片方はアメリカとイギリスの国旗が削られていました。当時は、太平洋戦争のまっただ中。そんな時代背景や、持っていた人の心情まで伝わってくるようです。

 

「大会の中止は選手達にとっては貴重な機会の損失。『本来であれば平等に与えられるべき機会が、戦争によって失われても良いのだろうか?』ということを考えさせられますね」

 

こう話すのは、今回、展示を案内してくれた学芸員で中京大学スポーツ健康科学科講師の冨田幸祐先生。確かに、展示を見るだけでも十分楽しめますが、そうした時代背景や選手達の心情まで考えてみると、また違った見え方がしますね。

 

大学から輩出したオリンピアンから寄贈された展示品も多数。たとえばこちらは、フィギュアスケートの宇野昌磨選手が2018年の平昌オリンピックで着用した衣装やグッズ。ファンにはたまらない品々も、間近で見られます。

衣装は、キラキラ光っていてまぶしい!

 

本物の選手IDや、会場で配布された日本代表用のマスクまで

 

似た競技同士の展示を比較するのも楽しみ方の1つです。たとえば、氷上で行う競技であるフィギュアスケートとスピードスケートの靴の違いを探してみたり、スキー系の3つの競技の板を比べてみたり。ここでしか見られない、各競技の知らない一面を知れるはずです。

上はスピードスケート選手の靴、下はフィギュアスケート選手の靴。フィギュアスケート選手の靴のほうが普通の靴に近いかも?

 

右からアルペンスキー、スキージャンプ、クロスカントリーの板。並べてみると、同じスキー競技でも長さや形状が全く異なるのが分かります

驚きや発見が満載の企画展をチェック

館内の奥にあるスペース「知の饗宴としてのスポーツ」では、企画展も開催されています。

 

企画展は年に3回開催。うち2回は教員が、1回は学生が内容を考案しています。そのときどきの時事的な内容のほか、知的障害のある方々が参加できるスポーツプログラムや競技会などを開催する団体「スペシャルオリンピックス」など、スポーツ関連であまり知られていないテーマを扱っているそうです。

 

取材時は、「球技と球戯」という企画展が開催されていました。世界中のさまざまな球技で使われるボールを集めたもので、中には「これ、本当に“球技”に使うボールなの?」と不思議に思う形状のものも。

 

写真右のカラフルなボールは、運動障害のある子どもや高齢者のスポーツにも使われる「タンブルボール」。つかみやすいように、6本の輪が組み合わされています。

 

 

 

お手玉やけん玉など、実際に遊べる展示品も。「言われてみれば球技(戯)の一種かも」と気付きをもらえました。

「フィールドミュージアム」でスポーツ選手の動きを疑似体験

展示を一通り見学して出て行こうとすると、館内入り口付近の床に「ARポイント」の表示が。実はこれ、「フィールドミュージアム」というコンテンツが体験できる場所の目印です。

 

事前に専用アプリをダウンロードしたうえで、この「ARポイント」の表示がされている場所に立ち、アプリを立ち上げてみると……なんと、画面内に人間が現れてクルクルと回転するではありませんか!

テキストで、1秒間にどれだけ回転するのかの説明も表示されます

 

冨田先生によると、実際のフィギュアスケート選手の動きをモーションキャプチャーを使って再現しているものだそう。写真ではちょっと伝わりづらいのですが、実際は中の人間がクルクルと回り、選手が回転する様子を再現してくれました。

そのスピードが思ったより速く、「フィギュアスケートの選手って、こんな風に動いてるんだ!」と大変驚きました。

 

キャンパス内には同様のスポットが他にも3ヶ所あり、100m走や体操競技といったスポーツの選手の動きを映像で体験できます。広大なキャンパス内を散策しながら、ARポイントを探すのも楽しそうです。

キャンパスに点在するフィールドミュージアム

 

スポーツのこれまでとこれからを学べるミュージアム

歴史的な資料だけではなく、最新の大会のグッズや「こんなものまで?」と思うような収蔵品が並ぶ「中京大学スポーツミュージアム」。今後は、大学や学内の部活動の魅力を感じてもらえる展示も考えていきたいそうです。行く度に新たな発見がありそうな中京大学スポーツミュージアムに、ぜひ行ってみてください!

 

なお、大学までは最寄りの「浄水駅」から無料のスクールバスが毎日約70本運行されています。学生のみならず、ミュージアム来訪者も利用可能なので、こちらも活用してはいかがでしょうか。

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