東京屈指の繁華街、池袋駅からわずか7分で空気が一変する。歴史を刻んだ赤レンガ造りの建物にツタ、手入れの行き届いた芝生や樹木…まるで映画の1シーンみたい?建築ファン、ミステリー小説好きも要チェック!立教大学の魅力あふれる見どころをご紹介します。
都会の喧噪を忘れてしまう、緑豊かなキャンパス…立教大学の池袋キャンパスの歴史は1918年(大正7年)にはじまり今年100周年を迎えます。1919年落成のモリス館と呼ばれる本館、チャペル、図書館(現メーザーライブラリー記念館)、食堂、寄宿舎(現2号館、3号館)は、当時の壮麗な姿を偲ばせながらいまも現役で活躍しています。
緑の中でリフレッシュ、学生たちで賑わう本館(モリス館)前
それでは見どころたっぷりの立教大学の池袋キャンパスをご案内しましょう。
立教大学のシンボル、本館(モリス館)
現在も教室として使われている本館は、宣教師アーサー・ラザフォード・モリスの寄付によって建てられたもの。ということでモリス館と呼ばれています。印象的な赤レンガの建造物は「フランス積み」と呼ばれる、非常に手間のかかる組積法で構築されています。手間よりも、装飾的な美しさを選んだとか。
中央にある大時計は、直径90cm、英国デント社製。いまも3〜4日おきに手巻きされているというのにビックリです。
建物を覆うツタは2種類の常緑ツタと秋〜冬に葉を落とすナツヅタ。「受験生は本館のツタに触れると合格する。新入生はツタが枯れるまでに恋人ができないと4年間ずっとできないまま」という言い伝えもあるとか
英国の寄宿舎を思わせる、クラシカルな第一食堂
レンガ造りの外観に漆喰をまとった壁面、高い天井からランプが下がる、美しくクラシカルな雰囲気をもつ学生食堂。入口のドアには哲学者キケロの「欲望は理性に従うべし」という言葉をもじった「食欲は理性に従うべし」がラテン語で刻まれています。一般利用も可能です。
営業日程は大学公式サイトにてご確認下さい。
あの映画を彷彿させる食堂。木製のイスの背には立教のセカンダリー・シンボル、ユリの紋章が彫られています
厳粛な雰囲気につつまれた、立教学院諸聖徒礼拝堂(チャペル)
日々の礼拝をはじめ創立記念やクリスマスなど1年を通してさまざまな礼拝が行なわれるチャペル。パイプオルガンはイギリスのティッケル社が制作したイギリス・ロマン派様式のものです。パイプオルガンのコンサートなども開催される他、信徒ではなくても礼拝に参加できます。
1919年に落成し、関東大震災後の1923年に改修。礼拝堂奥には美しいステンドグラスなどの装飾も施されています
立教大学のすべてを知ることができる、メーザーライブラリー記念館(立教学院展示館)
1919年の落成から2012年までは図書館として使われてきたメーザーライブラリー記念館。旧図書館の趣を残したまま2階は立教学院展示館として貴重な資料を展示、一般公開しています。
2014年に開館した立教学院展示館は、資料や写真、映像で同大の伝統を知ることができます
ミステリー・ファン必見です!旧江戸川乱歩邸(大衆文化研究センター)
まさかここに、日本を代表する推理小説家の終の棲家があるなんて!江戸川乱歩は立教大学に隣接するこの邸宅に1934年から亡くなる1965年まで住んだそうです。2002年、邸宅と土蔵が立教大学に譲渡され、書斎、居間、蔵書などが当時のまま残されています。現在は大衆文化研究センターとして一般公開されており、毎週水曜と金曜のみ見学が可能です。
譲渡されたのは邸宅と土蔵の他、蔵書など貴重な資料は約2万5千点。あの名作がここで誕生した…感慨深いものがあります
池袋キャンパスは季節によってその印象が変わるのも魅力のひとつ。桜と赤レンガのコントラストが華やかな春、木々の緑がまぶしい夏、秋にはツタやイチョウが彩られ、冬はクリスマスイルミネーションが輝き、いつ訪れても四季それぞれの美しさを感じることができます。
戦後間もない1949年ごろに始まったクリスマスイルミネーション。約1000個の電球で飾られるヒマラヤ杉は1920年ごろに植樹されたもの。訪れる人々の心を温めてくれます。
キャンパス内にある鈴懸の径(すずかけのみち)は、昭和のヒット曲「鈴懸の径」のモデルにもなったそうです。戦前の作品なので聞いてみたら、ちょっと新鮮でした。
建造物ひとつひとつにストーリーがあり、それぞれの世界に思いを馳せることができる池袋キャンパス。実際に足を運んでみたくなった方には、見学を受け入れています。見学の際は、GPSとキャンパスの施設紹介付きのマップが連動する「RIKKYOアプリ」をぜひダウンロードしてみてください。
池袋からすぐのレトロとモダンが調和するキャンパスには新しい発見がたくさんありました。