これからのスメハラ対策は、まずニオイを“見る”ことから!?
いつの時代も、人を悩ませる問題の一つである体臭。最近では「スメハラ」という言葉が飛び交い、汗やニオイを抑制・消臭するような商品も続々と登場している。そしてこの度、また新たに体臭問題と向き合う画期的な商品が誕生した。大阪工業大学とコニカミノルタ株式会社が共同開発した、「Kunkun body(クンクン ボディ)」だ。こちらは、従来のように汗やニオイを抑制・消臭するといった類の商品ではなく、体臭を“見える化”するツール。体の気になる部分に近づけるだけでニオイレベルを測定、数値で示してくれるという世界初の商品だ。それによって、自分の体臭を正確に把握し、適切な対処ができるというもの。今までありそうでなかったこの商品。是非とも試してみたい! ということで、さっそく大阪工業大学に出向いた。
トレンドとなりつつあるニオイ研究の波に乗って
「Kunkun body(クンクン ボディ)」の開発に携わったのは、大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部の大松繁客員教授。大松教授は元々、あらゆるものの「識別」をテーマに研究を行っていたそう。そこへ2001年、タイ・バンコクからニオイの識別を研究したいという留学生がやって来たことから、本格的にニオイ情報処理の研究をスタートさせた。
大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部の大松教授
その後、2004年にはR.Axel&L.Buck博士が「におい分子を感知する嗅覚受容体の遺伝子の発見」でノーベル生理学・医学賞を受賞。「このニュースを受けて、ニオイの研究は時代の波に乗っているなと思いまして。2004年に留学生がニオイ識別に関する博士論文を完成させて帰国した後も、私は研究を続けることにしました」と大松教授は語る。そして2015年、コニカミノルタの研究者と出会い、体臭を計測する「Kunkun body(クンクン ボディ)」の構想を聞いた大松教授は、共同開発を行うことになったのだ。
共同研究開始に至るまでに独自で作成した口臭識別器
小さな機械に詰まった世界初のニオイ検出技術とは?
「Kunkun body(クンクン ボディ)」は、手のひらサイズの本体とスマートフォンアプリを連携させて使用。専用アプリを立ち上げてから「あたま」「耳のうしろ」「わき」「あし」の4カ所の内、測りたいポイントに本体のセンサー部分をかざすだけで、アプリ上に測定結果が表示される。「これまでニオイというのは、定量化するための単位がなく、計測することが難しいものでした。今回、特徴的なニオイを検知し、その強度を測定して数値化するという技術を実現したのが、『Kunkun body(クンクン ボディ)』の画期的なところなのです」と大松教授は実践しながら教えてくれた。
クンクン ボディ本体とスマートフォンアプリ。販売までにさらに精度を高めている最中という
確かに、このツール一つで、3大体臭と言われる「汗臭」「ミドル脂臭」「加齢臭」を一度に測定可能。それぞれのニオイの強さを同世代の平均値と共に10段階で表示し、総合的なニオイレベルは0~100の間で示される。3大体臭を識別して可視化、さらに数値化するというのが、正に世界初の技術なのである。また、ニオイレベルによってコメントや対策法も提示。計測するだけではなく、この後どうすれば良いのか分かりやすく示してくれるのも、一般向けの商品として重要なポイントだと感じた。
ニオイチェックを新たな身だしなみの一つに
「Kunkun body(クンクン ボディ)」は2017年7月より、クラウドファンディングサイト「Makuake」で先行販売を実施中。早くも話題となっており、100台という当初の目標をはるかに上回る、1500台以上の売り上げを記録している。
体臭というのは、自覚のあるものからないものまでさまざま。故に、こうして客観的に判断してくれるツールがあると、ニオイ対策の不安がなくなり、良い数値をキープできれば自信にもつながりそうだ。コンパクトサイズで携帯するにも邪魔にならないため、持ち歩いて小まめにチェックできるのも嬉しいところ。新たな身だしなみの一つとして、今後ますます注目を浴びそうだ。