ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

  • date:2023.10.17
  • author:稲田妃美

遊びながらマーケティングの基礎が身につくってホント?! 武庫川女子大学生が商品開発したカードゲームで遊んでみた。

アイドルのマネージャーになってさまざまなグッズを売り出し、国民的アイドルへ——武庫川女子大学の学生らが開発したカードゲームが今どきで面白いと耳にして早速、購入してみました。その名も「推しが尊すぎるので商品開発してみた!」。お気に入りのアイドルを応援する“推し活”を題材に、遊びながらマーケティングの基礎が身につくのだそう。本当に身につくの?!と半信半疑なホトゼロの編集スタッフが実際に遊んでみました!

 

まずはゲーム概要を知ろう

オリジナルのアニメキャラクターが描かれた箱を開けると、男女6人ずつのアイドルカードに、ターゲットの条件が書かれたカード、グッズカード、得点カードが入っています。説明書を読むと、プレーヤーが推したアイドルを売り出すために、そのアイドルのグッズをどういったターゲットに対して、どのように売るかの戦略を考えます。そして、それをプレゼンテーション発表し、参加者同士で評価し、得点を競うゲームとのこと。

 

★「推しが尊すぎるので商品開発してみた!」のルールがわかりやすく解説されている動画はコチラ

 

動画によると、マーケティングの基本である4P「商品戦略(product)」「価格戦略(price)」「流通戦略(place)」「販促戦略(promotion)」に当てはめながらプレゼンを行うのがおすすめだそう。

12人のアイドルから、プロデュースしたいアイドル1人を指差しで決定!

12人のアイドルから、プロデュースしたいアイドル1人を指差しで決定!

 

実際に遊んでみよう!

ゲーム概要がわかったところで、編集スタッフ4人でゲームに挑戦してみました。

推しのアイドルを決めて、ターゲットとグッズを選んで、いわゆる“4つのP”を意識しながらプレゼンテーションをする…と一言でいうには簡単ですが、なかなか難しいところです。というのも、“推し”のアイドルは、自ら選べるものの、ターゲットについてはシャッフルされた山札の中から選びます。イメージしやすいターゲットではなく、「20代男性大学生×ヲタバレしたくない」「10代女性専門学校生×まだ誰も推したことがない」といったクセのある、どちらかというと頭を悩まされるターゲットだからです。

 

また、何を売り出すかが書かれたグッズカードには、「カレンダー」「クリアファイル」といったアイドルグッズとしては王道なものがあるかと思えば、「ちくわ」「おたま」「ウィッグ」といった一見どうやって売り出したらいいのか、すぐには答えが出ないものが多く、考えれば考えるほど、思考停止してしまいそうな編集スタッフでした。

アイドルに対するターゲットの設定が決定。考えれば考えるほど…難しい!!

アイドルに対するターゲットの設定が決定。考えれば考えるほど…難しい!!

推しのアイドルとターゲットをイメージしながらグッズ選び

推しのアイドルとターゲットをイメージしながらグッズ選び

 

ターゲットがどういう生活をしているのかをイメージしながら、いかにアイドルグッズに興味を持ってもらえるのかをそれぞれが考えました。少し緊張しながらもプレゼンタイム。結局、面白いストーリーを考えた編集スタッフに軍配が上がりました。女性アイドルを売り出すグッズを「お米」という一風変わったグッズにしたのが決め手のようでした。

カードの組み合わせ次第で、ゲームに幅が出るので何度でも楽しめるというのも魅力。ただの商品開発というのではなく、推しを絡めることが今どきな視点がとても新鮮でした。

プレゼンでは、仕事仲間とは言え、こんな人だったのかぁと密かな発見があったりと、いろんな楽しみ方がありました

プレゼンでは、仕事仲間とは言え、こんな人だったのかぁと密かな発見があったりと、いろんな楽しみ方がありました

 

マーケティングの奥深さを感じつつ、ひと通りゲームを楽しんだら、このゲームがどんな学生さんが作ったのか気になってきました。しかも、クラウドファンディング(以下、クラファン)で出資金を募って販売したそうで、さらに興味が湧いてきました。

 

開発者に聞いたゲームの魅力とは?

プロジェクトメンバーのみなさん。経営学科の高橋千枝子ゼミ生7名がマーケティングを担当し、社会情報学科の肥後有紀子ゼミ生2名がイラストの制作を担当したそう

プロジェクトメンバーのみなさん。経営学科の高橋千枝子ゼミ生7名がマーケティングを担当し、社会情報学科の肥後有紀子ゼミ生2名がイラストの制作を担当したそう

 

——「推しが尊すぎるので商品開発してみた!」を開発された経緯を教えてください。

「『マーケティングを学べるゲームを作ってみたい!』という思いから始まったプロジェクトです。マーケティングを学ぶ身として、まず誰にカードゲームを届けたいのかを考えたうえで、次にカードゲームのテーマを決め、イラストの発案からゲームのルールまですべて学生が自主的に商品開発に携わりました。

今年のオープンキャンパスでは、来てもらった高校生にプレイしてもらって、マーケティングの楽しさを伝えることができました。高校生やマーケティングを知らない方にもっともっと遊んでいただきたいです」

 

——他のカードゲームとは異なる特長や魅力は何だと思われますか?

「他のゲームとは違って学びがあるのが一番の特長です。今、若者に人気の推し活に注目して、推し活を楽しみながら、気づいたらマーケティングが学べているというゲームを意識して作りました。『マーケティングってすごい!』『マーケティングって楽しい!』を詰め込んだカードゲームを作れたと自負しています」

 

——みなさんにとってマーケティングの楽しさはズバリ何だと思われますか。

「授業ではマーケティングは、消費者に渡るまでの必然を作るものだと習いました。自分が考えたプロセスや仕組みで、製品が消費者に届くと考えると、すごく面白いと思います」

 

——今回、クラファンで出資金を募ったそうですが、経験してみていかがでしたか?

「出資金を募りましたが、ターゲットが高校生だっただけに、クラファンのサイトでは高校生の目に触れないため、なかなか広まらなくて苦戦しました。また、ターゲットの高校生には3,000円のゲームを気軽に買ってもらうにはハードルが高いことがわかり、アプローチの仕方を軌道修正しました。

一方で、ゼミの高橋先生にもお力添えいただき、新聞やテレビに出たり、TwitterやInstagramなども使って発信続け、クラファンの期限ギリギリに目標金額の30万円に到達することができました」

 

——「推しが尊すぎるので商品開発してみた!」で勝つための秘策や、おすすめの楽しみ方について教えてください。

「実際に自分が推し活している気持ちで、アイドルに寄り添ってもらえたら、自ずとアプローチの方法が見えてくるかもしれません! 身についたマーケティングの手法はあらゆる生活において役立つはずです。就活でも自分を企業に売るマーケティングの手法が役立ちました。みなさんにもマーケティングを生活に取り入れてもらったら、人生をさらに豊かにできると思います!」

たくさんの方々の協力を得て、テストプレイを何度も実施。膨大な時間を費やし、やっとの思いで完成!

テストプレイを何度も実施しては改良を重ねたそう。プロジェクト開始から4カ月を費やし、やっとの思いで完成!

クラファンの返礼品は金額に応じて「キラキラのアイドルカード」「社員証」など、返礼品でしか手に入らない限定品ばかり

クラファンの返礼品は金額に応じて「キラキラのアイドルカード」「社員証」など、返礼品でしか手に入らない限定品ばかり

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