ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

  • date:2021.1.26
  • author:岡田 正樹

【第4回】ほとゼロ主催「大学と社会とのつながりを考える勉強会」レポート。大学の底力を鍛える、インナーブランディングを考える。

ほとんど0円大学主催『大学と社会とのつながりを考える勉強会』の第4回を、2020年12月18日に開催しました(前回までのレポート記事一覧)。

 

テーマは「大学の底力を鍛える、インナーブランディング」。コロナ禍で大学が大きな変化を経験するなか、大学とは何か?大学という場の意味とは何か?を再考する必要が生じてきています。そんなとき、インナーブランディング、インナーコミュニケーションについて考えることは有益な視点を与えてくれるのではないか、そんな思いのもとこのテーマを設定しました。そして今回、このテーマに関連する興味深い取り組みを行ってきた以下の4つの大学の事例について、各大学のご担当の方々に紹介していただきました。

 

・大阪経済大学「Talk with (インナーブランディング事業)」

 

・駒澤大学「WHAT IS OUR BRAND? (ブランディング事業)」

 

・追手門学院大学「OTEMON BRIDGE (在学生コミュニケーション)」

 

・関西学院大学「入学式・卒業式の広報(新入生・卒業生コミュニケーション)」

 

今回は、新型コロナウイルスの状況を考慮してオンラインで開催。参加者はさまざまな大学の広報課を中心に43名(スタッフを除く)、オンラインということで遠方の方にも参加していただくことができました。

キーワードは「創発」。話して、聴いて、思わぬものと出会う座談会を実施

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まずは、大阪経済大学のインナーブランディング事業「Talk with」について、同大学経営企画部広報課の高濱さんにご登壇いただきました。

 

大阪経済大学では、100 周年を迎える2032年に向けて、100周年ビジョン「DAIKEI 2032」を策定。現在浸透を図っているところだと言います。このビジョンでは、学生が自ら学びをデザインできるようになることをめざしています。今回は現在進行形で進められている、このビジョンを学内に浸透させていくためのプロジェクトについて紹介していただきました。

 

大阪経済大学 経営企画部広報課 高濱さん

大阪経済大学 経営企画部広報課 高濱さん

 

高濱さんの発表は、100周年ビジョン「DAIKEI 2032」が作られた背景の説明からスタートしました。このビジョンの策定にあたって、2017年に学内ワーキンググループが発足。メンバーは「2032年に現役で活躍しているであろう教職員たち」が中心で、2019年に44歳の若さで学長に就任した山本俊一郎先生も、当時教員の一人としてこのワーキンググループに加わっていました。

 

ワーキンググループの議論をもとに作られた、100周年ビジョン「DAIKEI 2032」を、学内に広めるにはどうすればよいか。ワーキンググループの議論を追体験できるような方法、創発の楽しさが伝わるような方法、そして学長の言葉でビジョンを伝える方法はないか。さらには部署を超えたつながりを作り、推進力を得たい。こういった視点で選ばれたのが、学長を交えて行われる若手職員による「座談会」というアプローチです。座談会を行い、学内向けのウェブサイト「Talk with」のコンテンツに落とし込み、座談会内容を踏まえた読者アンケートも同サイトに掲載する。情報発信を軸に置いた、まさに広報課ならではのアプローチです。

 

インナーブランディングにあたっての視点

インナーブランディングにあたっての視点

 

「話す」場でもあり「聞く」場でもある座談会はビジョンを深める「創発」の場となる、と高濱さんは語ります。「創発」は、大阪経済大学にとってのキーワードで、予期せぬものとの出会い、異質なもの同士がぶつかり合って新たなものが生み出されることを意味します。

 

座談会に参加するメンバーは、座談会当日までに色々と準備し調べることで、自分の仕事や現場の状況を振り返り、ビジョンを仕事に関係づける機会を持ちます。また、学長と話す貴重な機会でもあり、学長にとっても現場の声が聞ける機会になります。さらに、第3者に取材してもらって座談会記事として活字化されることで自らを客観視でき、読んでいる人も議論を追体験できる。高濱さんは座談会がもたらす効果をこのように説明してくれました。

 

学内向けウェブサイト「Talk with」に掲載された座談会コンテンツ「DAIKEI TALK」

学内向けウェブサイト「Talk with」に掲載された座談会コンテンツ「DAIKEI TALK」

 

他にもスタッフインタビューで各部の部長の話を掲載したり、「ビジョン」というものが持つ重要性や役割を原理的に解説する学外識者のコラムがあったり、多角的にインナーブランディングを伝えるサイトになっていました。

 

本サイトは、座談会に参加した職員はもちろん、その他の職員からも好評だといい、広報課が人と人とをつなぐきっかけを作る大切さが見えてきたと語ります。

 

各施策と対応するコンテンツを作っていった

各施策と対応するコンテンツを作っていった

 

他方、課題も見えてきたそうです。例えば、ミッションと仕事のつながりがまだ薄いのではないか、座談会で出たアイディアを大学の事業にどう反映していくのか。また、教員が本格的に参加するのはこれからのため、どんな反応になるのかはっきり見えていないとのこと。

 

まさにこれからが本番といった意気込みが伝わってきます。「Talk with」は学内者向けのため外部からは閲覧できませんが、その取り組みの効果が、どのように大学のあり方へと反映され、私たちの目に見える形で表れてくるのか、今後の大阪経済大学に注目です。

知名度のある駒澤大学が改めてブランディング事業に力を入れた理由とは

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続いては、駒澤大学のブランディング事業「WHAT IS OUR BRAND?」についてです。2019年10 月、駒澤大学はブランドコンセプトを策定しました。それは大学の現状を見つめ、大学としての在るべき姿を探る試みです。このブランディング事業について、総務部広報課の辻川さんに発表していただきました。

駒澤大学 総務部広報課 辻川さん

駒澤大学 総務部広報課 辻川さん

 

ところで、駒澤大学というと、全国的にも知名度が高く、イメージも良いように思います。なぜブランディング計画が必要だったのでしょうか?

 

辻川さんは、大学に関する各種調査からわかってきたことを次のようにまとめます。すなわち「知名度はあるが価値が伝わっていない」。外部調査を詳しく見てみると、駒澤大学は名前をよく知られているものの、あまり高い価値を認められていない、という厳しい現実を突きつけられたと言います。

 

そこでブランドを再構築するために、独⾃調査を開始。⾼校教員や新⼊⽣にヒアリングを⾏い、駒澤⼤学をどう捉えているのかを調べました。ここでも、厳しい結果を⽬の当たりにしたそうです。

 

さらに、大学関係者へのヒアリングや、学生、卒業生、企業経営者へのインタビュー調査、競合大学のロゴ、ウェブサイト、発行物等の分析を行い、駒澤大学が今後も継承すべき点、強化すべき点、付加すべき点、削除すべき点をあぶり出したそうです。例えば、仏教の大学としてのアイデンティティ、学生たちが真面目で優しく素直で堅実であること、といった側面が継承すべき点として挙がりました。付加すべき点としては、内向きなイメージがあるため、外向きでアクティブなイメージといったものが挙がりました。

 

これらの結果を受けて、教職員参加型のグループワークを開催し、ブランドコンセプト策定に向けて議論を深めていきました。調査結果の共有、提供すべき価値についてのアイディアの交換、駒澤大学が社会で果たすべき役割や個性について考えていき、最終的にこれら議論がブランドコンセプト(下図)へと集約されていきました。

 

ブランドコンセプト。駒大らしさ、そう有りたい姿を定義して社会に宣言する、約束することがめざされた。提供価値に見える「よりどころ」の機能は、駒澤大学の根幹でもある仏教的、寺院的な機能にもリンクするものだと辻川さん

ブランドコンセプト。駒大らしさ、そう有りたい姿を定義して社会に宣言する、約束することがめざされた。提供価値に見える「よりどころ」の機能は、駒澤大学の根幹でもある仏教的、寺院的な機能にもリンクするものだと辻川さん

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ブランドコンセプトに合わせて作成したスローガンは句読点も含めて学長がこだわったといいます。竹友寮といった寮があるくらい、駒澤大学にとって「竹」はなじみのあるモチーフ。「しなやかな、」という言葉には「竹」のように柔軟に、強く、主体性を持って生きて欲しいというメッセージが込められています。

 

スローガンに対する考え方を示したステートメントも発表し、学内にも掲示。しかし、コロナの影響で学生にはまだあまり見てもらえていないのが現状だと辻川さんは言います。また、広報課としては、プレスリリースを出す際に、できるだけ内容をブランドコンセプトと紐づけるようにしているそうです。

 

「まだまだ始まったばかり。これから教育にも落とし込み、広報として発信していきたい。すぐに効果は出ないと思います。養命酒のようにじわじわと効いて体質が改善されるようにしていきたいですね」。辻川さんは締めくくりに、今後の課題をそう語ってくれました。

学生参加の広報誌の作り方。オンライン化で見えてきたこととは

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3番目の登壇者は追手門学院大学の理事長室広報課、仲西さん。テーマは、学生広報スタッフが制作に関わる在学生向け広報誌『OTEMON BRIDGE』についてです。とりわけ2020年にコロナ対応のために開設したオンライン版「OTEMON Bridge ONLINE」を踏まえ、紙媒体とウェブ媒体での役割の違いや、オンライン化で見えてきた課題や展望などについてお話しいただきました。

 

追手門学院大学 理事長室広報課 仲西さん

追手門学院大学 理事長室広報課 仲西さん

 

追手門学院大学の学生向け広報誌は、2008年のリニューアルを機に学生スタッフと共同制作をするスタイルに変わりました。現在は『大学広報誌OTEMON BRIDGE――学生・教員・職員のためのインタラクティブ・マガジン』というタイトルで、学生スタッフ・広報課・制作会社の3者で制作をしています。2017年に学生アンケートをとったところ、学生のおよそ半数が本誌を読んでいることがわかりました。

 

『OTEMON BRIDGE』の誌面(Vol.16)

『OTEMON BRIDGE』の誌面(Vol.16)

 

発行の目的は在学生に大学への愛着を持ってもらうため。学生スタッフが企画・プロデュースした特集ページ(例えば次号は、在学生インフルエンサー特集)などの学生目線のコーナーと、学内のトピックスや教員・卒業生の紹介などの大学が伝えたいこととを組み合わせた構成になっています。

 

現在、スタッフとして参加する学生は10名ほどです。学生を交えることで、学生しか知らない情報を取り上げることができたり、学生の経験になったりといった良い点があるようです。一方で、学生によって意欲に差があったり、学生は卒業していくため体制が不安定だったり、といった側面もあるのでメリハリのある運営が必要だと、仲西さんは言います。

 

何はともあれ、順調に発行してきた『OTEMON BRIDGE』ですが、2020年に新型コロナウイルス感染症の世界的流行という事態が発生します。大学への通学や他人との物理的接触が難しくなるなか、『OTEMON BRIDGE』はオンラインでの情報発信を決定。5月から6月にかけて、約1カ月でウェブサイトを構築したそうです。

 

コロナ禍のなか、わずか1ヶ月ほどでサイトを構築

コロナ禍のなか、わずか1ヶ月ほどでサイトを構築

 

サイト構築で意識したのはスピードと省力化。操作が比較的容易なフリーのCMSを用い、コンテンツは新規取材に加えて、過去に紙で発行した記事も転載しました。「コンテンツが少ないと、このサイト大丈夫かなと思われる。そこでバックナンバーも掲載することにしました」と仲西さんは言います。

 

『BRIDGE ONLINE』のトップページ(https://otemon-bridge.online/)

『BRIDGE ONLINE』のトップページ(https://otemon-bridge.online/)

 

オンラインで発信した具体的なコンテンツとしては、コロナ禍での就活情報、1年生へのメッセージを込めた学長と学生の対談、例年通りの勧誘活動が難しいクラブを紹介する記事などだそうです。

 

クラブ紹介、オンライン授業の話題、就活の話題などいま知りたい情報をサイトに掲載

クラブ紹介、オンライン授業の話題、就活の話題などいま知りたい情報をサイトに掲載

 

仲西さんはウェブを用いることのメリットを次のようにまとめます。

 

・学外からでも簡単にアクセスできる

・リアルタイムに情報発信できる

・記事ごとにSNSと連動して告知できる

・過去記事も関連づけて見てもらえる

・効果測定が容易

 

ウェブを用いることのメリット

ウェブを用いることのメリット

 

「冊子を作って終わり」ではなくなったオンライン版の『BRIDGE』。PV数なども順調で、コストは紙版に比べてなんと4割もカットできているといいます。また、サイトに載せた記事がきっかけとなり、学外から取材の依頼が来たこともあるようです。

 

とはいえ、『BRIDGE』は紙からウェブへと完全に切り替えていくわけではありません。オンライン版の開設によって、「新たなチャンネルが増えた」と仲西さんは捉えます。配りやすく情報量が多い紙と、スマートフォンから閲覧できSNS連動や過去記事へのアクセスも容易なオンライン版、それぞれの「良いとこ取り」をして両輪で進めていきたいとのこと。そして今後の課題としては、「BRIDGEについて学生たちがどう思ってるのか、そして大学への愛着にどうつながっているのかを検証していかなければいけない」と語りました。

 

卒業式がコロナで中止、2週間で作り上げたコンテンツ盛りだくさんな特設サイトの裏側

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最後は関西学院大学の広報室の松川さんに、「入学式・卒業式の広報」について紹介していただきました。

関西学院大学 広報室 松川さん

関西学院大学 広報室 松川さん

 

関西学院大学では、入学式・卒業式のタイミングに、新入生・卒業生に向けたメッセージを新聞広告や阪急電鉄の車内広告、SNS等を使って発信しています。今年はコロナの影響で従来通りの卒業式が開催できず、「♯関学卒業生にエールを」という特設ページを開設。今回は、これら情報発信のねらいや、「♯関学卒業生にエールを」が生まれた背景についてお話いただきました。

 

関西学院大学が入学式・卒業式に合わせて、広告を打つようになったのは2013年からで、学院創立125周年記念事業がきっかけだといいます。当初これら広告をはじめた目的は、入学生、在学生、卒業生、教職員の一体感を醸成するためでした。以降、毎年趣向を変えながら、SNS広告や動画を使った情報発信も行うようになります。情報発信のチャネルを増やしたのは、「沿線や学外の方にも関学の雰囲気を感じてもらう、これまで以上に外向けの情報発信としての役割をより意識するようになった」ためだと、松川さんは説明します。

 

2018年に行ったSNS広告と動画。SNS広告では、関西学院大学の時計台がモチーフに使われている

2018年に行ったSNS広告と動画。SNS広告では、関西学院大学の時計台がモチーフに使われている

 

2020年は、新たに「♯関学卒業生にエールを」という特設ページを開設しました。この企画は、新型コロナウイルスの猛威により2019年度の卒業式が中止になり、卒業する学生の旅立ちに元気を届けたいという思いから急遽立ち上がったようです。

 

とはいえ、卒業式の中止を関西学院大学が決定したのは2月の末。卒業式を開催する予定だった3月18日まで猶予がありません。この期間のなかで、卒業する学生のために何をしてあげられるか?何をどうするべきなのか?学内でいろいろな案が出たそうです。校歌を使って何かできないか、メッセージ動画を作ろう、インスタグラムに写真を投稿しよう、卒業する学生たちに向けてメッセージをライブ配信しよう、など。

 

結局どうしたか。全部いっしょにしてしまおう、という結論に至ります。つまり、校歌、メッセージ、写真などをすべて詰め込んだ特設ページの構築です。著名な卒業生たちからメッセージ動画を集めることも検討を始めました。

 

企画段階での特設ページのイメージ

企画段階での特設ページのイメージ

 

卒業式中止決定からおよそ2週間という制作期間のなかで、できるだけ新卒業たちに喜んでもらえるサイトにしたいと、広報室の職員たちは声をかけられる著名な卒業生たちに「スマホで撮影したものでも構いませんので…」とメッセージ動画を依頼したそうです。

 

結果、思いが伝わり、コロナ禍で世間が慌ただしくなっていた時期にも関わらず、多彩な分野の多くの卒業生たちから動画が寄せられました。全員が軽音楽部の卒業生である人気ロックバンドのキュウソネコカミは、偶然にも結成10周年で、大学でもロケを行った新曲「Welcome to 西宮」のMVを発表したところでした。そこで、この動画へのリンクを張って紹介するといったコラボレーションも実現しました。

 

著名な卒業生からのメッセージ動画集

著名な卒業生からのメッセージ動画集

 

メッセージ動画以外にも、卒業式用に制作を進めていた広告を特設ページで紹介したり、卒業式を皮切りに販売する予定だった阪急電鉄とのコラボグッズが購入できるECサイトへのリンクを設けたり、この特設ページによって「コロナ前」の想定を、いくらか補完することができたようです。

 

また、2020年にこの特設ページの開設とあわせて取り組んだのが、SNSハッシュタグキャンペーン「#関学卒業生にエールを」です。このキャンペーンは、式典がなくなってしまった新卒業生たちに、「#関学卒業生にエールを」というハッシュタグを付けてSNS上でメッセージ(エール)を贈ってもらうというもの。卒業生や教職員を中心に波及効果が見られ、このキャンペーンを知らせる関西学院大学公式TwitterやInstagramの投稿にも大きな反響が寄せられました。さらにはテレビや新聞でも取り上げられたようです。

 

平常のSNS投稿と比べてかなり大きな反響が

平常のSNS投稿と比べてかなり大きな反響が

FacebookはOB・OGの利用者が多いそう

FacebookはOB・OGの利用者が多いそう

 

この一連の取り組みについて松川さんは、「2週間で作らなければいけなかったので、正直、広報室員一同、無我夢中でやりました」と振り返ります。しかし、「結果的にはインナーコミュニケーションの活性化にもつながったのでは」と。また別の見方をすれば、卒業生のほとんどがスクール・モットーである“Mastery for Service(奉仕のための練達)」の言い合いを理解しているというアンケート調査結果があるほどに、普段から学内や卒業生とのコミュニケーションが濃いからこそ成功できた企画だったのかもしれない、とも言います。

 

2020年度はどうするかは、まだ決まっていないと言います。そもそも卒業式が開催できるのか、それとも今年も特設ページを設けるのか、それとも別のスタイルになるのか。式典が開催できることを願いつつ、インナーコミュニケーションの側面から関西学院大学がどんな戦略を展開するのか、在学生・卒業生でなくとも、その動向を見守りたくなるようなお話でした。

質疑応答――インナーブランディングは急がば回れ?

最後に質疑応答の時間を設け、参加者から寄せられた質問に登壇者の方々に回答していただきました。ここでは、そのなかから印象的だったものをいくつか抜粋してご紹介します。

 

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「インナーブランディングを行ったことによる、在学生や卒業生への目に見える効果は?」といった質問に対して、駒澤大学の辻川さんは、「効果があらわれているかはまだ計り知れないが、アイキャッチにはなっています。学生が就活するときに名刺に入れたいとか、パワーポイントの背景にしたいとか、そういう声がある。教員のオンライン授業のパワポで使える素材にもなっていて、視覚から広がりは出ています」と回答されました。

 

同じ質問について、関西学院大学の松川さんは、「卒業生アンケートの回答率は悪くないですね」と話します。また、大学にはOB・OGがよく訪れる傾向にあったり、職員が卒業生の結婚式に呼ばれたりと、OB・OGと教職員は良好な関係を築けているそうです。

 

「ブランドコンセプトやビジョンの浸透にあたって効果的だった施策は?」という質問に対して、大阪経済大学の高濱さんは、「イメージカラーなど、見えるものに統一感を持たせるのは効果がわかりやすいです。“思い”の部分は地道に対話していくしかないのでは」と回答。座談会もその方法の一つだと言います。「でも楽しいことなので、楽しみながらやっています。やらなければならないことというより、新しいものを探していくという感じでやっていけば広がるのではないでしょうか。そうでないと長続きもしないと思います」。

 

学生が制作する広報誌について、「学生のモチベーションを高める方法やスタッフ募集の方法をどうしているか?」という質問について、追手門学院大学の仲西さんは次のように回答しました。「制作会社の人にしっかり入ってもらっています。誌面を作るだけではなく、学生の成長を考えられるような方にお願いをしています」。またスタッフ集めについては、誌面に毎回募集告知を出したり、ゼミの先生から紹介してもらったりしているそうです。

 

「新入生や卒業生向けの広告施策にどこまで制作会社が関わっているのか」という質問について、関西学院大学の松川さんは、「今回ご紹介した特設ページについて、多くは学内から出たアイディアで構成されています。著名人を起用するといった企画は制作会社からも声がありました」と回答。大学と制作会社の提案が早くに合致したからこそのサイトだったようです。

 

他にも質問が寄せられたのですが、残念ながら時間の都合ですべてに回答することはできませんでした。しかし、試行錯誤をしたり、(コロナなどの)思わぬ事態に遭遇したりしながらも、教職員や学生が力を合わせて地道に意思疎通を図って作り上げていくことが、何よりも効果的なインナーブランディングの近道なのだと感じることのできる機会でした。

 

次回は、可能ならば対面で開催したいという願いを持っています。また、どうぞご期待ください!登壇者・参加者のみなさまありがとうございました!

 

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