ほとんど0円大学 おとなも大学を使っっちゃおう

  • date:2022.1.11
  • author:柄谷智子

2022年に乾杯!ホトゼロ編集部による大学発のクラフトビールとワインの試飲レポート

re集合

「奈良先端科学技術大学院大が、発酵力を高めるビール酵母を開発したみたい」
きっかけは、編集会議での編集長の一言でした。
「ほかに大学発のビールがあるなら、集めて飲み比べをするのもいいかもね」。そんな、ゆる~い流れで決まった大学発のビール試飲会。今回は、大学発ワインも盛り込んで、その感想をお届けします。「2022年に乾杯!」

ビール好き編集部員が3種類を厳選

企画はゆるやかに決まりましたが、ビール好きの筆者によるリサーチは誰よりも真剣。厳選の結果、企画のきっかけとなった奈良先端科学技術大学院大「かぐやま」をはじめとする3種類を酒販店などで購入しました(大学で販売はしていないので要注意)。その3種類がこちら。大学名に続くのは、醸造したビール会社です。

  • 奈良先端科学技術大学院大学×ゴールデンラビットビール「かぐやま」
  • 東京薬科大学×高尾ビール「やまもも」
  • 石川県立大学×金澤ブルワリー「BOSAI BEER(防災ビール)」

それではさっそく試飲を始めましょう。

re試飲会

試飲会は納会も兼ねてホトゼロオフィスで開催しました

 

発酵力が高い酵母で淡い味わいの奈良先端科学技術大学院大

まずは、奈良先端科学技術大学院大学が開発に携わり、2021年7月発売のビール「かぐやま」から。同大先端科学技術研究科バイオサイエンス領域ストレス微生物科学研究室と奈良市にあるゴールデンラビットビール社の共同研究で生まれたビール酵母を使ったものです。醸造時に酵母の発酵力アップが期待できる「プロリン」を多く含むビール酵母ということで、酵母独自の味わいだけでなく醸造期間の短縮にも一役買いそう。

グラスに注いでみると…。

1奈良先端科学技術大学院大

 

“え、濁ってる!?”
慌ててラベルを読むと、「酵母入りのため、濁りが生じたり沈殿物が残っている場合がありますが、品質には問題ありません」。なるほど、それなら一安心。

では、乾杯! 味わいが淡いので、ビールのガツンとした感じが苦手な人には向いているかも。アルコール分も4.5%ですしね。「後味にほんのりビールの苦みがきて、飲み進めると印象が変わる」という声もありました。

東京薬科大学はキャンパスに生息する植物由来の酵母を使用

次に、東京薬科大学と高尾ビールが共同開発した「やまもも」を抜栓。
使われているのは商品名の通り、やまももの酵母です。同大生命科学部食品科学研究室では、キャンパス内に生息する植物や果実から得られた出芽酵母菌に「東薬花の酵母」と名づけ、研究を行っているそう。ビールのラベルによると、学内に生息するやまももから単離培養した酵母に加えて、やまももの実、同大がある東京都八王子市産のやまぶどう、ブルーベリーを発酵させているとのこと。ちなみに、ビールを醸造する高尾ビールも八王子市にあることからコラボが実現、第一弾の「やまゆり」に続いて、「やまもも」は第二弾としてリリースされました。

2東京薬科大

 

さて、試飲の感想は? 「香りがフルーティーやねぇ」という声があちこちから。やまもも、やまぶどう、ブルーベリーとさまざまなフルーツが使われているだけあって、たしかに香りが華やか! ところが飲んでみると、香りをいい意味で裏切るすっきり後味。ちょっとクセになりそうな、個人的にはゆるり、ダラダラと飲みたいビールでした。

ガスとビールの製造を循環させる石川県立大学

最後の1本は、石川県立大学が金澤ブルワリーとタッグを組んで誕生した「BOSAI BEER(防災ビール)」です。

「ビールなのに、なぜ防災?」と不思議に思うところですが、調べて納得。同大生物資源工学研究所では、雑草や廃棄される農作物を牛の胃液内の微生物を用いてメタン発酵し,都市ガスや電気を生産、さらに地域の防災拠点で活用するための研究を行っているのだそう。このメタン発酵で排出される液を肥料に学内でビールの原料となるホップを栽培し、そのホップを使って金澤ブルワリーから2021年8月に発売されたのが「BOSAI BEER」なのです。なお、商品の売り上げの一部は、防災研究に使われます。

re3石川県立大

 

名前は“硬派”ですが、ヴァイツェンらしいフルーティーな味わい。部内からはラベルの原材料に“はちみつ”の文字を見て「たしかに、香りがはちみつっぽいかも」という声や(ラベルに影響されている気がする)、「3種類の中で一番なじみ深い味」という声もありました。

re3防災ビールラベル

プロジェクト情報を盛り込んだ「防災ビール」。ラベルイラストもエネルギーの大切さを伝えるシーンが絵本タッチで描かれていました


高知大学は地域協働でブルワリーワインを開発

今回はビールだけでなく、高知大学地域協働学部の学生が農家と開発した「里人(さとびと)ブルーベリーワイン」もお取り寄せ。

高知県といえば日本酒のイメージが強いですが、ワイン、それもブルーベリーのワインとは…おしゃれ!
こちらは地域活性化の一環として製造しているもので、学生がブルーベリーの栽培を生産者から学ぶほか、キャンパス近くのカフェでの販売、百貨店に営業し販路を拡大しているというから驚きです。

re4高知ワイン

撮影しているときから、ブルーベリーの香りが周囲に広がります。
飲んだ編集部員からは「ジュースのように軽い」「タンニン控えめで飲みやすい」という感想があがりました。撮影後に飲んでみると、たしかにブドウのワインより渋みは控えめですが、ジュースではないです、ワインです! 食後のチーズに合う印象なので、家飲みの手土産によさそう。ちなみに、飲み口は軽いですがアルコール分9%(!)、飲みすぎ注意です。

最初は「消費者ニーズを学生が調査して、その声をメーカーが取り入れて誕生したビールが多いのかな?」と思いながら、リサーチを始めた大学発のクラフトビール。ところが調べてみると、独自の酵母開発や研究の副産物など、大学の研究の延長線に誕生したビールが多いことを知った今回の企画でした。興味深くて、個人的に深堀りしてしまいそうです(飲む方でも)。


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