小惑星に「王貞治」という名前がついた! なんてニュースで、全国的に盛り上がっている天文業界。今回はそんな天文にまつわるお話をお届けします。
小惑星を発見すると好きな名前が付けられる…というのはなんとなく知られている事実。
しかし、日本の大学名がついた小惑星があることをご存じの方はあまりいらっしゃらないのでは? 日本で大学の略称ではなく正式名がついたのは愛媛大学に続き2例目となる、しかも私大としては初めて、小惑星に大学名をつけた小惑星「Otemaedaigaku」が昨年9月に誕生しました。
そこで、小惑星「Otemaedaigaku」の名付け親となった大手前大学で非常勤講師を務められている山田義弘先生にお話を聞かせていただきました!
小惑星に名前を付けた人って、どんな人?
冒頭でも書きましたが、小惑星を見つければ名前が付けられる…というのはなんとなく知っていますよね。でもどのようにして小惑星を見つけるのでしょうか。
小惑星を発見するというのは、どんな軌道を描いているのか、本当に今まで記録されていないものなか、などを長期の観測を通して見極めるのだそう。
そこで、今までに発見されていないものだと認められると、やっと名前を付ける申請をIAU(国際天文学連合)に行うことができるようになるのです。
今回「Otemaedaigaku」と名付けられた小惑星は北海道・北見市の私設天文台で、アマチュア天文家の円舘金氏と渡辺和郎氏によって発見されたもの。この二人が所属するNPO法人 東亜天文学会の理事長が山田先生であったことから、今回「大手前大学」と命名することを提案。そんな山田先生は今までに、100個以上の小惑星に名前を付けてきたすごい人なんです。
山田義弘先生(大手前大学 非常勤講師)
“数式を使わない宇宙科学”
山田先生は大手前大学 通信教育部で「宇宙科学」という授業を担当してらっしゃいます。「宇宙科学」というと、なんだか難しい数式がたくさん出てくる学問を想像してしまいますが、この授業で教えているのは“数式を使わない宇宙科学”なのだそうです。
“数式を使わない宇宙科学”、理数が苦手だけど宇宙には興味があるわたしにとって、とってもわくわくする響きです!
「宇宙には夢があるんです。文系の人に宇宙科学を教えると学問としてだけではなく、ロマンとしても捉えてもらえるので、私も楽しいんです」と山田先生。
教え子の方からは、親子での会話に宇宙の話題がのぼることが多くなり、会話が増えたという嬉しい報告も届いているのだとか。大手前大学は文系の大学なのですが、宇宙に興味を持つ学生は多く存在し(天文サークルもあるそう!)、学生の好みに合わせて宇宙科学を教えることは山田先生にとっても「良い刺激になる」とのこと。
授業ではハワイにあるすばる望遠鏡やチリにある望遠鏡の中継映像を鑑賞する計画があるとか。日本が昼ならば、ハワイやチリは夜なのでリアルタイムの天体を見ることが出来るんだそう。“数式を使わない宇宙科学”、わたしも受けてみたいです…!
そんなステキな授業を行う山田先生が、「Otemaedaigaku」という名前を小惑星に付けた裏側を、次回はお届けいたします! お楽しみに!
後編は4/15(金)にアップ予定!