近畿大学の名を一躍全国区にした立役者といえば、クロマグロの完全養殖を世界で初めて成功させた“近大マグロ”。この近大マグロをはじめ、近大マンゴーやメロン、米などを商品化し、企業とも連携してさまざまな研究成果をあげている近畿大学農学部は、奈良にキャンパスがあります。近鉄富雄駅からバスで10分。木々に囲まれたのどかなキャンパスで開催された、農学部祭『飛鳥祭』に行ってきました。
農学部だけに、収穫祭も兼ねている学園祭。農産物を目当てに訪れる人が多いようで、学生に混じって年齢層の高い人もたくさん来場していますね。農産物を販売している一角では、販売前から長い行列! 早めの時間に行かないと、午前中に売り切れてしまうものも多いのだとか。白菜やキャベツ、大根、みかん、黒枝豆など、いろんな種類の農産物はどれも安く、並んでまで買いたくなるのにも納得です。キャンパス内で学生が作った野菜も販売されており、どの野菜も値段はなんと100円! 学内の畑で収穫されたばかりの野菜なので新鮮さも折り紙つき。野菜以外にも、和歌山にある農学部附属農場で作られた米やみかんジュース、梅干しなどの加工品のほか、キノコ、花なども販売されています。たくさん買って帰りは荷物いっぱいになることを覚悟して来場した方がよさそう。
学祭らしくいろんな屋台がありますが、“近大産”の売り文句に惹かれ、紫蘇ジュースを飲んでみました。さっぱりして飲みやすいジュースです。美肌に効果あり、というのがうれしいですね。次に目に止まったのは、トマトシャーベットとメロンジェラート。さっそく食べてみました。農学部産の完熟ミニトマトを使ったシャーベットは、トマトのさわやかな酸味と自然な甘みがGOOD。メロンジェラートには、農学部と奈良県の松井農園が共同開発した新品種メロン「バンビーナ」が使われています。メロンそのものを味わっているような果実感が口の中に広がり、糖度の高いメロンならではの濃厚な甘さで、甘いもの好きの人なら幸せな気分になること間違いなし。このメロンジェラートは、道の駅のグルメナンバーワンを決定する『道-1グランプリ2018』のスイーツ部門で、グランプリを受賞したのだとか。奈良県田原本町の道の駅「レスティ唐古・鍵」で購入できるので、気になった人はぜひお試しを。
そして本日のメインイベントは、近大マグロの解体ショー。試食ができるとあって、大勢の人が会場に集まってきます。朝から配布された試食券は1000人分が用意されていましたが、午前中にすべて配布済みでした。舞台の上には、長崎県五島生まれの60kg超の立派なマグロ。大きなマグロが見事な包丁さばきで解体されていきます。解体中には、近畿大学教授による近大マグロについてのレクチャーも。養殖マグロの美味しさの秘訣は、「冷凍しないので味が落ちないこと」だそうです。近大マグロの最大記録は400kg超ですが、卵から出荷可能な大きさまで成長するのはわずか5%なのだとか。美味しい養殖マグロを世の中に出すために、さまざまな苦労と試行錯誤を重ねていることを教えていただきました。
解体ショーが終わると、お待ちかねの試食! しっかりと厚切りのマグロ短冊が2切れ。よく脂がのっているのが見た目だけでも分かります。口に入れると、濃厚なマグロの旨みが溶けだすような味わい。試食した人から次々と、「美味しい!」と感嘆の声があがっていました。
休憩がてらキャンパス内のコンビニをのぞいてみると、ここでも近大コラボ商品を発見。近大マグロ由来のコラーゲンを配合した「マグロのめだまグミ」と、悪酔いを防ぐ効果があるといわれる柿渋を使った「柿ダノミ」が置いてありました。近大はさまざまな企業とのコラボ商品の開発を積極的に行っており、スーパーやコンビニで見かけることがあるので注目してみてください。
毎年11月初旬の2日間、開催されている近大農学部祭。普通の大学祭とはひと味違う楽しみ方ができる大学祭でした。大学祭で購入した黒枝豆を帰宅してからさっそくゆがいて食べると、もっちりした食感と濃く深い味わいで、とても美味しかったです!