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  • date:2025.7.10
  • author:磯乃文彦

アプリレビューvol.27:いつもの散歩を生きもの探しに!京都大学発ベンチャーのアプリ「Biome」を使ってみた

私たちの暮らしのなかにはさまざまな生きものがいます。公園の植栽、水辺の鳥、住宅街を歩く四足歩行の動物。皆さんはかれらの名前をどれくらい知っているでしょうか。

 

私自身も、小学生の頃までは動物図鑑を愛読していましたが、大きくなるにつれてかれらの名前を意識することは少なくなっていました。そんななか、スマホで動植物の名前がわかるアプリ「Biome」を知りました。撮影した画像をもとにAIが名前を教えてくれるというのです。

 

「Biome」は京都大学発のベンチャー企業「株式会社バイオーム」が開発したアプリ。100万ダウンロードを突破しているということからもその人気がうかがえます。最新の生物名前判定AIを備えているだけでなく、『図鑑』『マップ』『SNS』『クエスト』といった機能が充実しており、ゲームとして楽しめることが特徴です。アプリが判定できる動植物は、日本に生息するほぼ全ての約10万種とのこと!これは期待が高まります。

 

さっそくダウンロードして使ってみましょう!

 

まずはインストールから。アカウントを作成すると画像を投稿できるようになります。筆者はちょうど夜の公園にいたので、足元の植物を撮ってみます。さっそく判定をしてみると……

 

まず「動物のなかま」「植物のなかま」と選択肢が現れました。今回は植物を選択。

 

すると、AIが判定結果の候補をいくつか挙げてくれました。

そのなかから実物と特徴が似ているものを見比べると……

 

ありました!「シロツメクサ」です!

白い小ぶりな花が特徴です。ほかのユーザーが投稿した画像も見て同じ種だと判断しました。

 

シロツメクサという名前は聞いたことがありましたが、公園でよくみるこの植物がそうだったとは。名前と実物が頭のなかで一致した瞬間でした。解説文にある「ガラス製品の緩衝材として箱に詰められていた事に由来する」という一文には、植物と人間の歴史が感じられておもしろいです。用途が名前になってしまうなんて!

 

アプリの使い方がわかったので、次の日は川沿いを散歩しながら生きものを探してみます。

 

植物以外も見つけたいと思っていると、土手に鳥の群れがいました。体長はスズメとハトの中間くらい。黒っぽい体で、飛んだときに翼に見える白い模様と、オレンジ色のくちばしが特徴的です。写真を撮ろうとするのですが、近づくとすぐに飛びたってしまうので、なかなか難しい!スマホのズームでなるべく遠くからパシャリ。あまり鮮明ではないですが判定できるでしょうか。

 

候補の一番目に「ムクドリ」と出ました!これです。名前は知っていましたが、いつも歩く川沿いの鳥がムクドリだったとは。

 

川沿いでは足元に昨日名前を知ったシロツメクサが群生しています。名前を知っている、それだけで親しみを覚えて呼びかけたくなるのはなぜでしょうか。アプリを使う前とは見える景色が変わっていることに驚きます。

 

また、この日に自分では「ススキ」と判断した投稿に、後日ほかのユーザーからアプリの『提案』機能で、「タチスズメノヒエ」ではないかという意見をいただきました。改めて特徴を確認するとまさにその通りだったので、登録種名を変更しました。一人の知識と判断だけでなく、ほかのユーザーの知見も反映できるのはこのアプリの優れた点だと感じました。提案いただいた方、ありがとうございました!

 

その翌日。これまで植物、鳥類を集めてきたので次は甲殻類を狙います。

川の干潟にやってきました。以前ここでカニを見たのを思い出したのです。

 

最初はヨシ原にいるカニを捕まえようとしたのですが、素早く逃げられてしまいあえなく失敗。岩場に移動してしばらく粘っていると、なんとか砂のうえにいる一匹を撮ることができました。カニを真剣に追いかけたのは中学生ぶりのことでした。

岩と色が同化しているカニ(写真中央)

 

判定候補を見るだけでは確信が持てなかったので、自治体が公開している地域の生きもの情報を調べました。その結果、黒っぽい甲羅と足に生えている毛という特徴から「クロベンケイガニ」と判断しました。ベンケイガニは漢字にすると弁慶蟹。名前の由来は、甲羅の模様が弁慶の厳つい顔つきを連想させることから。生きものの名前の由来を知ることにも楽しみがありますね。

 

 

数年ぶりに夢中になって生きものと向き合う日々でした。

このアプリは生きものを集めて楽しむことができるだけでなく、実は投稿されたデータが市民参加型の生物情報収集プラットフォームとして、生態系の調査や保全に活用されるという側面もあるとのこと。自分の楽しみが学術的な貢献にも繋がるというのは、やりがいがありますね。皆さんも「Biome」を片手に散歩をしてみませんか。見慣れた景色が新しく見えてくるはずです!

 

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