外がどんなに寒くても、温かい部屋にいると食べたくなるのがアイスクリームやジェラート。いちごやミルクなど魅力的な商品が並んでいますが、今回、近畿大学が産学官連携で開発した「芋ジェラート」も見逃せません。2018年2月1日からコンビニなどで限定3,000個が販売されています。
ジェラートだけどホクホク食感!
サクッと香ばしい最中の皮の中には、ホクホク食感でほんのり甘い芋ジェラート。芋ジェラートは、昨年もカップ入りのものが発売されたのですが、今年は最中になりました。パッケージも一新してリニューアル。さつま芋にもいろんな種類がありますが、芋ジェラートに使われているのはホクホク感の強い金時芋です。その金時芋のペーストを20%も増量したので、芋の存在感がすごい!ジェラートだけど、金時芋のまったりコクのある風味がミルクジェラートに加わって、まるでアイスクリームのようなリッチなテイストなのです。口に含むと最中の香ばしい風味が広がり、金時芋のまろやかな甘みが広がる、芋好きにはたまらない味わいです。
パッケージには、芋の皮に見立てたキラキラ輝く丸い模様が施されていて、とってもキュート!さつま芋だけど洗練されたデザインは、近大生ならではの若い感性が光っています。
近鉄沿線ならでは!「irodori kintetsu」ブランド
芋ジェラートは、近鉄リテーリングが展開する「irodori kintetsu(いろどり・きんてつ)」というブランド商品のひとつ。近鉄リテーリングでは、近鉄沿線の地域の魅力を発信する商品を企画、産学官連携で開発しているのです。ラインナップにはさまざまなスイーツや酒類があるのですが、近大からは芋ジェラートの他、過去にメロンジェラートも発売されました。これらの商品は、農学部農業生産科学科の学生たちが原材料の栽培から収穫まで行っていて、芋ジェラートの金時芋も奈良県・平群町(へぐりちょう)の実習農場で収穫したものを使っています。
平群町に本社がある「テンダーボックス」も、芋ジェラートの開発に協力しました。テンダーボックスは、手作りイタリアンジェラートの製造、企画、OEM(製品の製造)とイタリアンレストラン「manma」を経営しているのですが、優れた企業のノウハウが芋ジェラートに生かされたのです。実は、このテンダーボックスは、イタリアで開催された「第36回SIGAイタリア国際ジェラートコンテスト」自由部門で日本人最高位の世界6位に入賞した実力派なのです。芋ジェラートが濃厚でクリーミー、本格的な味わいなのもうなずけます。
いろいろ学べる「アグリビジネス実習」
学生たちが授業の一環として参加したのが「アグリビジネス実習」。近畿大学では、2013年に平群町と「アグリビジネス実習」に関する業務委託契約を締結したので、町内に実習農場が整備されているのです。この授業は、農産物を栽培、収穫するだけの実習ではありません。農業も「作って終わり」ではなく、「いかに売れるものを作って、付加価値を高めていくか」という発想が大事なのです。こうしたニーズに応えられる人材を育成するため、近大では、「アグリビジネスマイスター制度」を設けました。農産物の生産だけでなく、加工から販売までのすべてを学修し、全過程を修了すると近大農学部からマイスターの称号が授与されます。芋ジェラートも、金時芋の生産はもちろん、加工や流通、販売にいたるまで、学生たちは全ての過程に関わってきました。
さらに、近畿大学と平群町では、2017に包括連携協定も締結。近大の多彩な学部の知見と平群町の豊かな自然、歴史や文化のコラボが実現。魅力あるまちづくりや文化学術振興が進められています。
自分たちで育てた芋がお洒落で美味しい芋ジェラートになって販売される喜び。こうした貴重な体験は、卒業してもどこかで役に立つはずです。これからも地域の特性を生かしたirodori kintetsuブランドの商品をたくさん発売してもらいたいですね。