みなさん、ひらがなにはさまざまな形が存在するということをご存じでしょうか?ひらがなは漢字を崩してできた特性上、実はさまざまな形が存在し、これらを「変体仮名」「異体字仮名」と呼びます。最近では書道や看板などデザインの意味合いで使用されるこの変体仮名。これをアプリで覚えようと試みたのが、早稲田大学の「変体仮名あぷり」です。
変体仮名は戦後教育法で「ひらがなは1種類のみ」と定められるまで、日常的に使用されていました。江戸時代ごろまでは、出版・流通していた本、個人の手紙などで当たり前のようにさまざまな形のひらがなが使用されています。ですので、原文で古文を読もうとするなら、変体仮名の学習は必須。
しかしこの変体仮名を覚えるということが、古文に親しむ上で大きなハードルになっているのも事実です。
そんななか「もっと手軽に変体仮名を覚えられる方法はないか」という考えから生み出されたのが、早稲田大学の「変体仮名あぷり」です。
前置きが長くなってしまいましたが、早速起動してみましょう。
タイトル画面
初回起動時はこのようにアプリの使用方法を教えてくれます。文字を右から左へフリックするとひらがな、左から右にもう一度フリックすると変体仮名に戻ります。
覚えたらおおきく右から左にフリック。
まだ覚えられていないと思ったら左から右にフリック。
これを繰り返して変体仮名を覚えます。
復習モードもあるので、覚えきれなかったものは何度も繰り返し覚える事ができます。
実際の練習画面。3文字表示されるのでフリックして文字を覚える。右もしくは左にフリックして文字を減らすと、新しい文字が出てきます。
さらに収録されているかな文字を音ごとに見れる機能も搭載。
同じ漢字からでも数種類……昔の人はこれらをしっかり使い分けていたと言うから驚きです。
「あ」の文字。安のほか、阿が元になっている「あ」がある
「安」の派生は3つ。他の文字だと5つ以上に派生しているものも。
今は使えない続き書きモード。今後のバージョンアップで使えるようになるとのこと。
使用してみた感想としては、とにかく操作がわかりやすくて軽いこと。テンポ良くさくさく進められると、やはり気持ちいいですね。収録されている文字もとてもきれいな文字なので、見ているだけでも楽しいです。
さらにこちらのアプリには、早稲田大学が所蔵する源氏物語の原文資料も一部収録。覚えた変体仮名で源氏物語の原文がどんどん読めるようになります。もちろん源氏物語は活字化もされている有名な物語ですので、正解を確認しながら原文を読む練習ができます。原文で読めるようになると、何となくすごいことをやったような気分になるので不思議です。
変体仮名あぷりは無料で利用できます。
教養のため、または書道で変体仮名を覚えたいという方にももってこいのアプリです。
これで勉強して、料亭なんかでさらっと文字が読めたりするとかっこいいかも?!